法事法要
忌明け法要とは?法要の内容と1日の流れを解説
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.19
忌明けには、親族や故人と親しかった方に参列いただいて忌明けの法要を行います。
忌明けの法要は故人を仏として送り出す大切な法要ですし、参列いただく方に失礼がないように行なう必要があります。
そこでこの記事では、忌明けの法要について詳しく説明していきます。
この機会に忌明けの法要について正しい知識を身につけておきましょう。
三月またぎについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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忌明け法要とは
昔は、家族のだれかが亡くなると「穢れ(けがれ)」を払うため、遺族は家にこもって人と会うのを避け、慶事への出席や神社参拝も控えました。
忌明けとは、遺族が故人の冥福を祈り喪に服していた忌服の期間を終えることです。
一般的には、仏教では四十九日忌を最初の忌明けとしており、神道では五十日祭の翌日に清祓いの儀を行い忌明けとします。
地域によっては忌明けを三十五日目に行なうこともあるので留意しましょう。
仏教では、故人の魂は亡くなってから七日ごとに生前の裁きを受け、四十九日に最後の裁きを受けて来世の行き先が決まり、仏のところへ向かうとされています。
このため、遺族は七日ごとに、故人の冥福を祈り善行を行う供養を行ないます。
四十九日の法要は、この追善法要の中でもっとも重要なものとされているのです。
忌明け法要では、おもだった親族や故人の友人らを招いて法事や会食を行ない、葬儀について一区切りとします。
そして、喪に服していた遺族は、この日を境に日常生活に戻るとされています。
忌明け法要は四十九日の法要として行うことが多いことから、忌明け法要のことを単に四十九日と呼ぶこともあります。
忌明け法要をおこなうための準備
忌明け法要では、親族や故人の友人らを招いて法事や会食を行ないます。
参列いただく方には事前に日程調整や参列の案内が必要です。
四十九日が平日であれば、参列者のスケジュールを考慮して、四十九日直前の土曜や日曜に行うことが一般的です。
また、命日から四十九日までの期間が3か月をまたぐことは三月またぎとして避けた方がよいとされています。
そして、僧侶にお経をあげてもらうための日程調整や、会食の場をセットすることも必要です。
ここでは、忌明け法要をスムーズに行なうための準備について説明します。
事前に「菩提寺(ぼだいじ)」に連絡する
忌明けの法要の日程を決めるには、まず、僧侶にお経をあげてもらえるかを確認する必要があります。
僧侶は、お墓がある場合はお墓を管理する菩提寺に、そうでなければ葬儀でお世話になった僧侶にお願いするのが一般的です。
僧侶が多忙でどうしても都合がつかない場合は、他の僧侶にお願いする場合もあります。
早めに連絡をして、スケジュールを押さえておくのがおすすめです。
招待したい人へ連絡する
僧侶とのスケジュール調整を終えて、忌明け法要の日程が決まったら、その日程を参列者に連絡することが必要です。
連絡方法は、少人数であれば電話でも可能ですが、基本的には案内状などの書面で連絡するので丁寧でよいでしょう。
また、出欠の確認が可能なように、返信ハガキを同封するようにします。
会食などの都合を考慮して、1~2週間前には参列する方の人数が確定するように、早めに連絡しましょう。
少なくとも1か月前には案内状を発送し、忌明け法要の2週間前には返信をお願いしておくと安心です。
親族が多い場合などは、どこまで忌明け法要に参列をお願いするか、悩んでしまうことでしょう。
基本的には普段付き合いのある親族には声をかけると考えておくのが無難です。
知人や友人に関しては、故人との関係を考慮して、つきあいが深かった人を優先でよいでしょう。
会場や会食の手配
忌明け法要の後には、僧侶や参列いただいた方に感謝の意を示すため、お斎という会食を行うことが一般的です。
会食の会場としては、自宅・法要の会場・ホテルや料亭などが考えられます。
自宅の場合は、食事を作るのが大変な場合は仕出し料理を頼む方法もあります。
最近一般的なのは、法事に対応している料亭やホテルなどを会場として手配することです。
故人が気に入っていた馴染みの店や食事の評判で選ぶなどの方法もあります。
忌明け法要でふるまう食事はお斎や精進落としともいわれます。
忌中は肉や魚などを使わない料理としていたのを、精進落としでは、通常の食事に戻すという意味合いがあるので、肉や魚、お酒などがふるまわれます。
手配するときは、忌明け法要である旨を確実にお店に伝えておきましょう。
会食後に参列者にお礼として引き出物を渡しますので、会食の出席人数に合わせて、引き出物を用意します。
これは、参列していただいたことへのお礼であり、香典返しとは別に用意します。
僧侶へのお布施を準備
忌明け法要で読経いただいた僧侶にはお礼としてお布施を渡します。
忌明け法要を菩提寺以外の場所で行なう場合は、お布施とは別にお車代も用意します。
僧侶が会食に不参加の場合は、食事の代わりとして御膳料も包みます。
忌明け法要のお布施の相場は3~5万円程度で、お葬式でお渡ししたお布施の1割程度が相場とされることが多いようです。
お布施は、お布施袋あるいは郵便番号欄のない無地の封筒に入れるようにします。
濃墨や濃い筆ペンで文字を書き、表書きは上段にお布施あるいは御経料と記入し、下段に施主の名前を記入します。
裏書としては、封筒の左下に住所とお布施の金額を書きます。
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忌明け法要1日の流れ
忌明け法要の当日の流れは、一般的には以下のようになります。
- 予定の時間に僧侶が入室する
- 施主による簡潔なあいさつ
- 読経や焼香をおこなう
- 納骨する場合はお墓へ
- 会食
- 引出物を渡してご帰宅
以下で、それぞれを詳しく説明します。
予定の時間に僧侶が入室する
参忌明け法要の開始時間になると僧侶が入室します。
それまでに参列者は着席し、僧侶の入室を待つことになりますが、参列者の席順にはルールがあるので、チェックしておきましょう。
基本的には、故人との関係で席順が決まり、お坊さまの近くは故人との関係が深い人が座ります。
お坊さまの真後ろに施主が座り、その周りを遺族、友人、関係者などの順に座っていきます。
故人との関係が深い方が後ろの方のいらっしゃる場合は前列の席に案内するとよいでしょう。
施主による簡潔なあいさつ
僧侶が入室したら、読経の開始に先立ち、施主があいさつをします。
施主のあいさつは、参列者とお坊さまに向けて参列してもらったことへのお礼と、忌明け法要の開始を伝えるのが目的です。
あまり長々と話す必要はないので、簡潔に済ませるようにしましょう。
例えば、以下のような内容になります。
「本日はお忙しいところ、故〇〇のためにお集まりいただきありがとうございます。
〇〇の忌明け法要をはじめさせていただきます。
ご住職よろしくお願いいたします。」
読経や焼香をおこなう
施主の挨拶に引き続き、僧侶がお経をあげます。
読経は20~30分くらいの時間で行うことが多いようです。
読経の最中は、聞いていればよい場合と参列者もお経を唱える場合があるので、読経本が回ってきても慌てないようにしましょう。
読経に続いて、焼香が始まります。
焼香は、読経の途中で始まる場合と読経が終わってから焼香する場合とがあります。
また、焼香台が各自の席に回ってくる場合と、前方に設置されている焼香台まで席を立って移動する場合などがあります。
お坊さまの指示に従って、施主・家族・親族・友人の順番で焼香を行ないます。
なお、施主は、焼香に時間がかかって、法要が滞ってしまわないように注意することも必要です。
僧侶による法話を聞く
読経と焼香が終わると僧侶から法話があります。
法話は仏教の教えに基づいた話しを分かりやすく説き聞かせることをいいます。
法要の席では、かしこまった説法だけではなく、雑談風の話や故人にまつわる話などを交えてくれる場合もありますので、ありがたく聞きましょう。
法話が終わると僧侶は退席しますが、この後の会食を欠席される場合は、お布施を渡します。
お布施と合わせて、御膳料や御車代を渡すことを忘れないように気をつけましょう。
納骨する場合はお墓へ
忌明けの法要に間に合うようにお墓を用意している場合は、読経・焼香が終わったら、お墓に向かい納骨を済ませます。
この場合は、会食の席は納骨を済ませてから設けることになります。
なお、お墓の準備が整っていない場合は、お墓の用意ができてから後日に納骨を行います。
お墓は、忌明けの法要までに用意しなければならないというわけではないので、後日に納骨しても問題ありません。
会食
法要が終わった後に施主は会食の席を設けることが多いです。
これは、参列者やお坊さまに感謝の意を示しもてなすためで、お斎ともいいます。
引き出物を渡してご帰宅
会食も済んで参列者が帰宅する際には、用意した引き出物をお渡しして持ち帰っていただきます。
忌明けの法要のお供えを参列者に分けて持ち帰っていただくという地域もあります。
遺族が気をつける忌明け法要のマナー
ここでは、忌明けの法要で遺族が気をつけるべきマナーについて説明します。
喪服を着る
忌明け法要の服装としては、遺族は正喪服または準喪服を着用するのが基本です。
仮に親族のみで行なう場合でも、喪服を着用して参列することがマナーです。
三回忌が終わるまでは、遺族は喪服または準喪服を着用するのが一般的で、七回忌以降は、略式喪服や平服で参列しても問題ないでしょう。
忌明け法要後におこなうこと
忌明けの法要が終われば、忌中のふるまいから普段の生活へと切り替えることになります。
そのため、葬儀の後始末として、香典返しや忌中のために設置した後飾りの片づけなどが必要です。
葬儀が終わったら、自宅に故人の遺骨をお祀りするために、後飾り祭壇あるいは中陰壇と呼ばれる祭壇を設け、遺影や白木位牌、線香などを飾って遺骨を祀ります。
四十九日の忌明けまで遺族が故人の冥福をお祈りするほか、葬儀に参列できなかった方のお参りにも使います。
忌明け後は仏壇にお祀りしますので、後飾り祭壇は片づけることになります。
後飾り祭壇自体は葬儀社に頼んで処分してもらったりしますが、白木位牌や遺影はお焚き上げをしてもらうのがよいでしょう。
また、神棚を祀っている場合は、神棚封じを解くことも必要です。
香典返し
葬儀でいただいた香典に対して、香典返しを行ないます。
香典返しは、いただいた香典のお返しという意味のほかに、弔事を滞りなく終えたことを伝えるという意味があります。
最近はお通夜や告別式など香典をいただいた日に渡す即日返しも増えていますが、従来は、忌明けの四十九日を過ぎた後に贈るのが一般的でした。
宗教・宗派により時期は多少異なりますが、忌明け法要後一か月以内をめどに送るとよいでしょう。
香典返しの品物の相場は、半返しといっていただいた香典の2割~3割程度の金額の品物を選びます。
品物としては、消えものと呼ばれる食品や日常消耗品などがよく選ばれます。
最近は、カタログギフトや商品券も選ばれるようになっています。亡くなられた日から30日~50日後に渡すのが良いでしょう。
神棚封じを解く
神道では、死は穢れとされており神様には近づけないこととされています。
このため、家族に不幸が起きた時、家庭内に祀っている神棚には神棚封じを行います。
神棚封じでは、まず家族のだれが亡くなったかを神様に報告し、お供えや榊などをすべて下げて、神棚の扉を閉め、白い半紙などを神棚の正面に貼り付けて隠します。
忌明けの法要が終わったら、神棚封じも解きます。
正面を隠していた半紙を取り去り、神棚の扉を開けて、お供えや榊も神棚に戻し、普段通りに神様を祀ります。
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35日法要と49日法要どちらが正しい?
忌明けについては、仏式では故人が亡くなってから49日目、神式では50日目とすることが一般的です。
しかし、地域や宗派、状況によっては故人の命日から35日目を忌明けとすることもあります。
三十五日法要とは、故人が亡くなってから35日目に行う法要で、5回目の忌であることから五七日忌ともいわれます。
三月またぎを避けるという考え
故人の命日によっては、四十九日が、故人が亡くなった日から三ヶ月に及んでしまうことがあり、これを三月またぎとよびます。
この場合には忌明けを三十五日に繰り上げてしまうのがよいとされています。
四十九は始終苦につながり、三月は身つきと語呂が合うことから、三月越しは、最初から最後まで苦しみが身につきまとうとして、縁起が悪いと考えられているからです。
そこで、忌明けを四十九日から三十五日に繰り上げることで、忌明けまでの期間を二ヶ月以内とし、三月越しを避けるという風習もあるのです。
一般的にはできるだけ前倒しで行う
忌明けの法要は、四十九日に行なうのが基本ですが、当日が平日であれば、人が集まりやすい土曜か日曜に行うこともあります。
また、説明したように、三月またぎを避けるために三十五日に行なう場合もあります。
このように、日程については、状況に応じて調整可能ですが、一般的には前倒しで行なうことがよいとされています。
忌明け法要まとめ
ここまで忌明け法要について、その意味や準備、当日に行なうことの概要や留意事項などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 忌明け法要は、四十九日とも呼ばれ、仏教では故人を送り出すための大切な法要である
- 忌明け法要とともに、遺族は喪に服す生活から普通の生活に戻る
- 忌明け法要では、施主挨拶、読経、焼香、会食といった流れが一般的である
- 忌明け法要は三月またぎをさけるため、三十五日とすることもある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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