お墓
浄土真宗の永代供養の表書きの書き方は?お永代経について紹介
更新日:2022.11.08
基本的には永代供養を行わない浄土真宗ですが、代わりに行う永代経についてご存知でしょうか。
永代経とはどのようなもので、表書きはどのように書けばいいのかを知っておきましょう。
そこでこの記事では、永代経の表書きについて詳しく解説します。
この機会に、永代経の表書きの正しい書き方について覚えておきましょう。
後半では浄土宗の永代供養についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
4つの質問で見つかる!
ぴったりお墓診断
Q.お墓は代々ついで行きたいですか?
都道府県一覧からお墓を探す
こちらでご希望のエリアからお墓を検索できます。
こちらでご希望のエリアからお墓を検索できます。
- 浄土真宗に永代供養の概念はない
- 浄土真宗では永代経が詠まれる
- 永代経と永代供養の違い
- 浄土真宗の永代経法要
- 浄土真宗でも永代供養をする方法
- 浄土真宗の表書き
- 浄土真宗では散骨しても大丈夫?
- 浄土宗にも永代供養はないの?
- 浄土真宗の永代供養の表書きまとめ
浄土真宗に永代供養の概念はない
浄土真宗以外の宗派には、故人様が無事に極楽浄土に行けることを祈って供養を行う、追善供養という考え方があります。
永代供養は、この追善供養をお墓の管理者にお願いするものとなります。
一方で浄土真宗は「他力本願」という考え方の宗派のため、追善供養の考え方がありません。
他力本願とは「どんな人でも南無阿弥陀仏を唱えれば、阿弥陀如来様の力ですぐに極楽浄土へ行ける」という考え方のため、追善供養を必要としないのです。
こちらの記事で浄土真宗について解説しているので、ぜひご覧ください。
浄土真宗では永代経が詠まれる
永代供養がない浄土真宗では、永代供養の代わりに「永代経」が詠まれます。
では、永代経とはどのようなもので、費用の相場や表書きはどのようにすればよいのかを、詳しく説明していきます。
永代経とは
永代経の正式名称は「永代読経」で、永代供養とは全くの別物です。
永代経は「ご先祖さまから受け継いだ仏教の教えを、永年にわたって子孫や未来へと伝えていきたい」というご先祖様や故人様の願いが込められている読経です。
永代経は生きている人たちのために詠むもので、永代供養は故人様の冥福を祈って行うものとなります。
永代経のお布施の相場
永代経の際に支払うお布施は「永代経懇志(こんし)」といいます。
永代経懇志の平均的な相場は3万円~10万円ほどになりますが、中には100万円以上包む方もいます。
寺院によって金額を指定している場合もありますが、故人様への想いや子孫の現状に見合った金額をご家族で検討すると良いでしょう。
永代経の封筒の表書き
永代経の表書きは、封筒の中央上に「永代経懇志」と記入し、中央下には永代経を包む方のフルネームを記入します。
故人様を仏様と繋がるご縁として永代経懇志を包む場合には、永代経懇志の右横に小さめの文字で「○○院○○釋(故人様の名前)」と記入しましょう。
水引は紅白、できれば熨斗のない封筒を選びますが、用意できない場合には水引のない無地の奉書紙でも問題ありません。
永代経懇志の封筒やのし
永代経懇志は5万円~10万円程度が相場です。
仏教の教えを伝え広めたい気持ちをお金に託して僧侶に渡されるものです。
法要の回数や頻度によっても金額は変わってきます。
永代経懇志は、白の封筒を使って包むのが一般的です。
そして、封筒には、白と黄色の水引を掛けます。
永代経懇志を納める時期
永代経懇志はいつ納めても問題ありません。
永代経懇志を行う時期は特に決まっておらず、人によっては何回も納める場合もあります。
実際には、永代供養と混同され、故人の命日や四十九日の最終日の満中陰に納める方が多いようです。
みんなが選んだお墓の電話相談
みんなが選んだお墓ではお墓選びのご相談に対応しております。 お客様のご希望予算と地域に応じた霊園をご提示することも可能ですので遠慮なくお申し付け下さい。24時間365日無料相談
電話をかける
後悔しないお墓選びのためにプロのお墓ディレクター
を無料でご紹介いたします。
永代経と永代供養の違い
永代経とは永代にわたって生きている人に仏様の心や願いを伝えていくためにお経を読むもので、故人の供養のためではありません。
よく似た言葉に永代供養がありますが、永代供養は、お墓の管理や供養を施設の方におまかせすることです。
永代経の法要が行われる日は、寺院によって異なり、月に1回だったり、毎年春と秋のお彼岸に行ったりします。
永代供養は、契約次第では、お彼岸や月命日や年忌法要と合せて行うことも可能です。
永代経は故人の供養ではない
永代読経のことを省して永代経と言います。
後世に渡って詠み続けられるお経のことであり、お経の種類のことではありません。
あるいは、永代経が詠まれることから、永永代経法要のことを指して永代経と言う場合もあります。
永代経は、故人を供養する目的で詠まれるのではなく、阿弥陀仏の教えを代々の子孫に伝えるために詠まれるのです。
永代供養は遺族の代わりに寺院が供養を行うこと
永代供養とは、遺族の代わりに霊園や寺院がお墓や遺骨の管理することを言います。
お墓の承継者がいない方や、残された家族に迷惑をかけたくないと思う方が永代供養を選択することが多いです。
浄土真宗の永代経法要
永代経法要でやること
永代経法要は、先祖から引き継いできた仏教の教えを伝え広めるために行われるものです。
第1回目の永代経法要のことを「永代開闢(かいびゃく)法要」と言います。
永代経法要の当日は、僧侶の読経が行われ、読経が終わると、法話などが行われます。
仏教の教えを伝えることで、故人の願いをかなえてあげるのです。
永代経法要を行う時期
永代経法要を行う時期は、特に決まりはなく、いつ行ってもかまいません。
春と秋のお彼岸に永代経法要が行われることが多いようです。
また、お彼岸には彼岸会を行い、それとは別に5月~6月にかけて永代経法要を行うお寺も見られます。
みんなが選んだお墓の電話相談
みんなが選んだお墓ではお墓選びのご相談に対応しております。 お客様のご希望予算と地域に応じた霊園をご提示することも可能ですので遠慮なくお申し付け下さい。24時間365日無料相談
電話をかける
後悔しないお墓選びのためにプロのお墓ディレクター
を無料でご紹介いたします。
浄土真宗でも永代供養をする方法
永代供養は「お墓を継承できる人がいない」ときや「お墓にお金をかけることができない」など、墓石の管理ができず、手放したい場合に選択される方が多くみられます。
では、基本的に永代供養を行わない浄土真宗では、上記のような場合にどうすれば良いのかについて説明していきます。
本山納骨する
本山納骨とは、各宗派の開祖のお墓がある寺院に故人様の遺骨を納骨する方法です。
浄土真宗の場合は親鸞(しんらん)のお墓がある寺院が本山で、東日本の場合は「大谷本廟(ほんびょう)」、西日本の場合は「大谷祖廟(そびょう)」になります。
本山納骨は、開祖と同じ場所に納骨してもらうことが可能なので、生前の故人様の信仰心が強い場合にはおすすめです。
宗教不問の霊園で永代供養をする
「開祖と同じ場所でなくても良い」「異なる宗教の方との合祀(ごうし)でも問題ない」といった場合には、宗教不問の霊園で永代供養をすることもできます。
他にも「集合安置墓」や「樹木葬」といった方法もあります。
集合安置墓は、寺院や霊園内にある納骨堂に遺骨を保管する埋葬方法になります。
集合といっても、納骨自体は個別になっているので合祀に抵抗がある場合にはおすすめです。
樹木葬は、墓石の代わりに樹木周辺に遺骨を埋葬する方法です。
生前の故人様が自然を好んでいた場合や、費用を抑えたい場合におすすめの方法です。
合祀墓を選ぶ
遠方などの理由で本山供養が難しい場合には、合祀墓を選ぶ方法もあります。
合祀とは、他の人の遺骨と一緒に故人様の遺骨を埋葬する方法です。
合祀墓を有する浄土真宗の寺院は全国にみられるため、近場を検討している場合には探してみると良いでしょう。
近年の浄土真宗では永代供養の考え方が一般的になってきているため、「永代供養」の名称で合祀墓の募集をしている浄土真宗の寺院や霊園もあります。
こちらの記事で浄土真宗の永代供養について解説しているので、ぜひご覧ください。
浄土真宗の表書き
ここでは、永代経以外の浄土真宗の表書きについて説明していきます。
年忌法要・納骨法要
年忌法要と納骨法要の表書きは、基本的には一緒になります。
封筒の中央上に「御布施」(年忌法要の場合には「御法令」でも可)と記入し、封筒の中央下に施主のフルネームを記入します。
施主の名前は、苗字だけですと他の方と分からなくなってしまうため、必ずフルネームで記入しましょう。
また御布施の文字の右横には、やや小さめの文字で、「○○釋 ○回忌法要」や「納骨法要」など記入してあると親切です。
封筒・水引に関しては水引のない無地の奉書紙を使用するのが本来ですが、水引が印刷されていても問題ありません。
浄土真宗の法事は「不幸ごと」ではなく、故人様をご縁として仏様の願いや教えを聞くことができる「良縁」とされています。
そのため、紅白の水引を使用しても問題ありません。
こちらの記事で法事のお布施の表書きについて解説しているので、ぜひご覧ください。
報恩講法要
報恩講(おとりこし)法要とは、開祖親鸞の命日である11月28日ごろに行われる、浄土真宗の信仰者が1年でもっとも大切にしている仏事です。
報恩には「恩に報いる」という意味があり、私たちを救ってくれる仏様や先を歩んでこられたご先祖様への感謝を示すものです。
講には「仏様の教えを再度学び直す」という意味があります。
つまり報恩講には「ご先祖様に続いて仏様の願いを聞きましょう」という意味が込められた仏事です。
報恩講法要の表書きは、封筒の中央上に「御法令」または「御布施」と書き、その右横には「報恩講法要」もしくは「おとりこし法要」と記入します。
中央下に施主のフルネームを記入することも忘れてはいけません。
封筒は、紅白の水引に熨斗のないものが一般的ですが、用意できない場合には水引のない無地の奉書紙でも問題ありません。
入仏法要
入仏(にゅうぶつ)法要とは、入仏式とも呼ばれる仏壇を買い替える際の法要のことです。
仏壇を買い替える、つまり「御本尊を新たにお迎えする」という意味で法要が行われます。
この際のお布施は、封筒の中央上に「御法令」または「御布施」の文字を記入し、中央下に施主のフルネームを記入します。
御布施の文字の右横には小さめの文字の大きさで「御入仏法要」と記入します。
浄土真宗では、開眼供養、開扉(かいひ)法要などとは言わないため間違えないようにしましょう。
封筒は、紅白の水引に熨斗がないものが一般的です。
用意できない場合には、水引なし、無地の奉書紙でも問題ありません。
建碑法要
建碑(けんぴ)法要とは、新しいお墓や顕彰碑を建てたり、改修工事を行った際に行う法要です。
表書きの書き方や封筒は基本的に入仏法要と同様ですが、御布施の右横には「建碑法要」と書きましょう。
墓じまい
仏壇やお墓をしまう際に行うのが、墓じまいです。
表書きは「御布施」を中央上、その右横に「御礼法要」、中央下に施主のフルネームを記入します。
「御礼法要」には、代々ご先祖様が守ってこられたお墓や仏壇をしまう事に関して、感謝の気持ちを表す意味があります。
また、墓じまいの場合にも閉眼供養などの言葉は使用しませんので注意しましょう。
封筒・水引に関しては水引のない無地の奉書紙を使用するのが本来ですが、水引が印刷されていても問題はありません。
こちらの記事で墓じまいについて解説しているので、ぜひご覧ください。
お供え
お供えの場合、中央上に記入するのは「御供」がもっとも一般的です。
他にも以下のような文字を使っても問題ありません。
- 仏様の前にお供えするという意味の「御仏前」
- お花をお供えする代わりという意味の「御花代」
- お香の代わりという意味の「御香資」
浄土真宗の場合、御霊前という言葉は使用しないので注意しましょう。
御供と御仏前の使い分けは難しいですが、ちょっとした気持ちの際には「御供」、あらたまった際には「御仏前」と覚えておくと良いです。
中央下には他と同様、施主のフルネームを記入します。
水引の色に決まりはありませんが、お供えとして包む場合には黄色の水引が一般的です。
また、水引のない無地の奉書紙でも問題ないとされています。
こちらの記事でお供え物の表書きについて解説しているので、ぜひご覧ください。
みんなが選んだお墓の電話相談
みんなが選んだお墓ではお墓選びのご相談に対応しております。 お客様のご希望予算と地域に応じた霊園をご提示することも可能ですので遠慮なくお申し付け下さい。24時間365日無料相談
電話をかける
後悔しないお墓選びのためにプロのお墓ディレクター
を無料でご紹介いたします。
浄土真宗では散骨しても大丈夫?
「お墓を継承することができない」際や「お墓を建てる費用がない」といった際、選択肢の一つとして「散骨」があります。
浄土真宗では散骨をしても大丈夫なのでしょうか。
ここでは、浄土真宗での散骨の考え方や、散骨を行う際の注意点について説明していきます。
散骨しても大丈夫
結論から述べると、浄土真宗でも散骨を行っても問題ありません。
浄土真宗では、故人様は死後すぐに成仏するという考え方があるため、魂のとどまる場所となるお墓は必要ないといわれています。
お墓を持たない方法にはいくつかありますが、その一つとして散骨が挙げられます。
散骨とは、遺骨を粉状にして海や山、霊園の決められた場所へ撒く埋葬方法です。
近年では、宇宙に打ち上げる宇宙葬を行う方も増えてきています。
散骨する際の注意点
散骨はどこでも好きな場所に撒いて良い、というわけではありません。
現在は散骨を取り締まる法律はありませんが、埋葬法に触れないよう注意しなければならず、散骨が行える場所は定められています。
海であれば、風評被害や観光地のイメージ低下に繋がらないよう注意する必要があります。
山であれば、ほとんどの山は国有地や私有地になっているため、海に散骨する以上に細心の注意を払わなければなりません。
また、散骨を行う際には遺骨を粉状にする必要があります。
粉状にせずに散骨を行うと法律にも抵触してしまうため、粉状にする作業を怠ってはいけません。
散骨するなら業者がおすすめ
前述したように、散骨を行うには様々な注意点があり、個人で行うのは大きなリスクがある方法です。
散骨を希望する場合には、法律やマナーに精通した散骨を取り扱う業者に依頼することをおすすめします。
こちらの記事で散骨について解説しているので、ぜひご覧ください。
浄土宗にも永代供養はないの?
浄土真宗と似ている「浄土宗」は仏教の宗派のひとつになりますが、浄土宗にも永代供養はないのでしょうか。
ここでは浄土宗と浄土真宗の関係や、浄土宗における永代供養の有無について説明していきます。
浄土宗と浄土真宗の関係
浄土宗と浄土真宗は、同じ浄土系の宗派になります。
というのも、浄土真宗は浄土宗から派生した宗派で、戦国時代に浄土宗と浄土真宗の2つに分かれたことが始まりです。
浄土宗と浄土真宗はもともと一つの宗派だったため、どちらも御本尊は阿弥陀如来様になりますし、浄土三部経が経典であるなど、似た部分も多くあります。
浄土宗には永代供養がある
浄土宗と浄土真宗は「念仏を唱えれば極楽浄土へ行ける」という基本的な考え方は同じです。
そのため、浄土宗も浄土真宗同様に、本来は追善供養が必要ありません。
しかし浄土宗の場合は、故人様を敬うことを良しとしているため、永代供養を引き受けてくれる寺院も多くみられます。
つまり、浄土宗においては永代供養という考え方があるのです。
みんなが選んだお墓の電話相談
みんなが選んだお墓ではお墓選びのご相談に対応しております。 お客様のご希望予算と地域に応じた霊園をご提示することも可能ですので遠慮なくお申し付け下さい。24時間365日無料相談
電話をかける
後悔しないお墓選びのためにプロのお墓ディレクター
を無料でご紹介いたします。
浄土真宗の永代供養の表書きまとめ
ここまで浄土真宗の永代供養についての情報や、永代経とはなにかについて解説してきました。
この記事のポイントをまとめると以下の通りです。
- 浄土真宗では追善供養という概念がない
- 浄土真宗では永代経が詠まれるが、永代供養とは全くの別物
- 永代経の相場は3万円~10万円ほど
- 浄土宗には永代供養がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
4つの質問で見つかる!
ぴったりお墓診断
Q.お墓は代々ついで行きたいですか?
都道府県一覧からお墓を探す
こちらでご希望のエリアからお墓を検索できます。
こちらでご希望のエリアからお墓を検索できます。
監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
お墓の関連記事
お墓
更新日:2024.02.03
浄土真宗の永代供養とは?永代経との違いについても解説
お墓
更新日:2024.02.03
永代供養のお布施の封筒は何を使う?渡し方やタイミングも解説
お墓
更新日:2024.02.03
永代供養でも初盆法要はおこなうべき?初盆法要の流れや注意点を解説
お墓
更新日:2024.02.03
檀家を離れて永代供養にするには?墓じまいの方法について解説
お墓
更新日:2024.02.03
永代供養は四十九日(49日)で何をする?永代供養の法要を解説
お墓
更新日:2022.05.23
永代供養の費用はどのくらい?永代供養でもお布施は必要なの?