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遺品はどうするべき?タイミングやポイントについて解説
更新日:2022.05.17
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- 遺品はどうするべきなのかについて
- 遺品整理をやるべき理由
- 遺品整理と遺産整理
- 遺品整理は誰がするもの?
- 遺品整理のタイミングはどうするべき?
- 遺品整理を進めるポイント
- デジタル遺品の処分はどうする?
- 相続放棄した場合、遺品はどうする?
- 遺品はどうするべきなのかまとめ
遺品はどうするべきなのかについて
遺品は故人の残した全てのものを指しますが、遺品はどうするべきなのかご存じでしょうか。
遺品整理についての正しい知識を知ることで、故人の供養にもつながります。
そこでこの記事では、遺品整理のタイミングやポイントについて解説します。
この機会に、遺品の正しい取り扱い方法についても知っておきましょう。
後半では、相続放棄した場合、遺品はどうするのかについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
遺品整理をやるべき理由
まずは遺品整理の必要性について紹介していきます。
遺品とは、故人の残した全てのものを指すので、とても幅広いものになります。
たとえば、故人が使用していた日用品から家具や家電の他にも、預金や株式、不動産など多岐にわたります。
これらを仕分けして形見分けや相続、破棄などをすることを遺品整理と言います。
遺品整理は故人の生前に思いをはせてしのぶことができる貴重な作業になるため、故人のことを想いながら、丁寧に作業していくことが大切になります。
遺品整理をすることで、故人が生前暮らしていた部屋をきれいにしたり、持ち物の整理をするだけでなく、遺族の気持ちを整理することにつながります。
また、故人とゆかりのあった遺品を片付けていくことで、大切な人を失った悲しみを受容できます。
これらのことから、遺品整理にはさまざまな意味合いがあり、故人や遺族にとっても大切なものであることがわかります。
遺品整理と遺産整理
次に遺品整理と遺産整理の意味合いについて紹介していきます。
遺品は故人が所有していた全てのものになるので価値のないものも含まれます。
そのため、遺品は処分されるものも多いのが事実になります。
一方で、遺産とは預金や不動産などの財産のことを指します。
この遺産の中にはプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれますので、借金や税金なども含まれます。
遺産は法律に沿って相続の手続きをしていく必要のあるものがほとんどです。
遺品整理は、故人の持ち物を整理整頓して片付けたり、処分したりして家をきれいにしていくものになります。
一方で遺産整理とは、故人の遺産や借金を相続したり、放棄したりすることです。
遺品整理と遺産整理には、このように違いがありますので、混同しないように注意しましょう。
遺品整理は誰がするもの?
遺品整理は誰がするものなのでしょうか。
遺品は故人の所有物になりますので、たとえ親族であっても相続する意思のない人は、遺品整理の権利はありません。
つまり、遺品整理をするということは、権利や義務を含めて相続する意思のある人であるといった意味合いになるのです。
遺品整理のタイミングはどうするべき?
次に遺品整理のタイミングについて紹介していきます。
遺品整理にふさわしいタイミングがいくつかあり、以下で紹介していきますので、参考にしてください。
四十九日の法要後
遺品整理に取り掛かるときに良いタイミングとして、四十九日法要後が挙げられます。
四十九日法要までは、故人の魂は行き場所が決まっていないため、この世とあの世を行き来してさまよっていると考えられております。
四十九日にはあの世で故人が審判を受け、故人は行くべき場所へと旅立つことになります。
四十九日法要後を忌明けとするケースも多く、お通夜や葬儀に法要などの慌ただしかった日々が一段落つく時期となります。
そのため、このタイミングで遺品整理をするケースが多いです。
四十九日法要は故人やその遺族にとっても大切な儀式になりますので、親族が集まることがほとんどです。
親族が集まっている中で、遺品について話し合うことで親族全員が納得のいく形で遺品整理を進めることができます。
掃除や片付けには時間や手間や体力が必要になります。
親族が多く集まっているこのタイミングで遺品整理をすることで協力しながらスムーズに進めることにもつながります。
これらのことから、四十九日法要後は遺品整理に非常に適しているタイミングだと言えます。
お葬式後すぐ
故人が賃貸物件で生活していたケースでは、毎月家賃が発生します。
そのため、お葬式が終了したタイミングですぐに遺品整理をして賃貸物件を退去することも多いです。
具体的な時期を言いますと、亡くなった月の月末や翌月末までに遺品を整理するケースが多いです。
すぐに遺品整理に取り掛かれない場合には、そのまま家賃を払い続けていれば部屋を借りておくことは可能です。
ただし、契約内容や不動産会社によっては、住民が死亡した場合の退去期限が決まっているケースもあります。
そのため、故人が亡くなられた際には不動産会社や家主、管理会社などに連絡をして契約内容を確認しておくことをおすすめします。
相続の話し合いや相続税を申告する前
相続するものが高額である場合は、相続する際に税金がかかります。
また、マイナスの遺産である借金などの場合には、相続を放棄することも可能です。
どちらのケースでも申告をする必要があり、申告や納付には期限が定められています。
たとえば相続放棄では、故人が亡くなってから3ヶ月以内に申告が必要です。
相続税の申告や納付については、10ヶ月以内に手続きしなくてはいけません。
期限を過ぎてしまった場合には、脱税となり罰金を課せられてしまう場合もありますので、注意しましょう。
このように相続の話し合いや相続税を申告する前が遺品整理をするタイミングとされることも多いようです。
心の整理がついてから
遺品には故人との思い出が詰まったものも非常に多くあるかと思います。
そのため、遺品整理をしている際に故人のことを思い出したり、亡くなったことを再認識することとなり、悲しみがあふれてきてしまうこともあります。
故人が亡くなって間もない頃は気持ちが不安定になるので、さまざまな場面で辛い思いをすることも多いです。
これらのことから、気持ちの整理がついてから遺品整理を行っていくケースも多いです。
遺族や親族の中でも、気持ちの整理がつくタイミングには個人差があります。
家族や親族の様子をよく観察したり、話し合いの場を持って確認してから無理のない範囲で遺品整理を進めていくことをおすすめします。
遺品整理を進めるポイント
次に遺品整理を進める際のポイントについて紹介していきます。
ポイントを押さえることで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズに進むため、ぜひ参考にしてください。
自分で遺品整理をする場合
まずは業者などに依頼せず、自分たちで遺品整理をしていくケースについて紹介していきます。
自分たちで遺品整理をする1番のメリットとしては、費用が抑えられる点です。
また、故人にとって親しい関係性の人たちで遺品整理を行うことができるので、丁寧に遺品を扱って進めていけます。
デメリットとしては、手間や時間がかかったり、体力も必要になるので、根気のいる作業になることが多いです。
そのため、きちんとスケジュールを立ててスムーズに行えるように工夫していきましょう。
遺品の仕分け方法
遺品の仕分け方法としては、カテゴリー別に仕分けをしていくことがおすすめです。
たとえば、以下の3つのように仕分けします。
①思い出のものや貴重品
→写真、貴金属、年金手帳、通帳、クレジットカード、健康保険証、パスポートなど
②リサイクル可能なもの
→冷蔵庫、テレビ、パソコン、洗濯機、衣類、古紙、ベッド、タンス、プラスチックなど
③処分するもの
→燃やせるごみ、燃えないゴミ、粗大ゴミ、不用品など
このようにカテゴリー別に仕分けすることでスムーズに作業を進めることができます。
遺品整理の際には思い出の品が出てきた際に迷ったりして作業の手が止まってしまうことはよくあります。
そのため、カテゴリー別に仕分けすることで冷静に判断していけるのでおすすめの方法になります。
遺品の処分方法
仕分けした遺品を処分する方法としては以下のものが挙げられます。
- 不用品回収業者に引き取り依頼する
- リサイクルショップなどで買取依頼する
- リサイクル家電は事業社へ引き取り依頼する
- ゴミとして処分する
地域ごとに自治体のルールや処分方法が異なるので、事前にしっかりと調べておくことをおすすめします。
たとえば、ゴミとして出す場合にも分別方法が異なっていたり、地域によっては家電リサイクル法に基づいて適切な手順を踏む必要があります。
大量に遺品があるケースでは、調べて分別したり処分することは、とても時間のかかるものになります。
業者に依頼する場合
遺品整理をする際には、業者に依頼する方法もあります。
業者に依頼するメリットとしては、遺品整理のプロであるため、短時間でスムーズに作業を行ってもらえる点です。
作業を全て依頼できるため、身体が不自由な方や高齢のため体力に自信がない方にもおすすめです。
逆にデメリットとして挙げられるのが、費用がかかってしまう点です。
また、業者ごとに価格の差が大きいので、悪徳業者に騙されないように注意が必要です。
業者の選び方については、以下で紹介していきますので参考にしてください。
業者の選び方
良い業者の選び方としては、遺品整理士認定協会の認定資格を持っているかどうかや事業として遺品整理を行っているかどうか見ることがポイントになります。
遺品整理は専門的な資格がなくても誰でも可能であるため、中には悪徳業者もいるのが事実であり、法外な価格を請求されてしまうケースもあります。
一方で、専門的な知識や技術を持っている遺品整理士がいる業者の場合には、安心して作業をお願いできます。
また、近年はインターネット上で利用者の口コミを簡単に確認できます。
専門的な資格を持ったスタッフがいない場合にも良い業者はありますので、口コミ評価を確認して評価が良い業者を選ぶこともおすすめです。
自分自身の希望するサービスを明確にする
たとえ良い業者に依頼した場合でも、自分が希望するサービスを行っていなければ意味がありません。
まずはどのようなサービスを希望しているのか業者に伝えてみましょう。
その上で、細かな見積もりを出してもらい、どのようなサービスを行っているのか確認することをおすすめします。
デジタル遺品の処分はどうする?
次にデジタル遺品の処分はどうするべきなのかについて紹介していきます。
そもそもデジタル遺品とは、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器に入っている故人が保存したデータのことを指します。
近年は何でもデジタル化されている社会のため、世の中にはデジタルデータがあふれています。
デジタル遺品の中には個人情報を含むたくさんのデータが残っているケースが多いため、これを削除せずに破棄してしまうと、個人情報流出のリスクがあります。
そのため、デジタル遺品のデータはあらかじめ削除しておく必要があります。
自分で行うと手間や時間がかかるので、難しい場合には記憶媒体の消去や破砕を行ってくれる業者に依頼するのがおすすめです。
相続放棄した場合、遺品はどうする?
次に相続放棄した場合の遺品はどうするのか紹介していきます。
相続放棄の意味合いや流れ、注意点について詳しく説明していくので、参考にしてください。
相続放棄とは
そもそも相続放棄とはどういったものなのか、意味合いから説明していきます。
相続の話となるとプラスの資産に注目しがちですが、相続できる資産の中には借金などのマイナスの資産もあります。
マイナスの資産はできれば相続したくないところではありますので、相続を拒否できる相続放棄という権利があります。
相続放棄した際の注意点としては、たとえばマイナスの資産は放棄してプラスの資産だけもらうといったようなことはできない点です。
相続放棄とはその名の通り、すべての財産を相続することを拒否するといった意味合いがあります。
全体の資産を計算して、プラスよりもマイナス資産が大きくて借金を負ってしまうケースで、検討されるものが相続放棄になります。
相続放棄は家庭裁判所にて申述を行うことで、手続きすることが可能になります。
民法第915条の「相続の承認又は放棄をすべき期間」によると、相続放棄は相続があったことを知ってから3ヶ月以内までに行うことが定められています。
間違えがちなポイントとしては、この3カ月以内とは、故人が亡くなってから3カ月ではなく、自分が相続人になった旨を知った日から3ヶ月といった意味合いになります。
この3ヶ月を熟慮期間と言い、期間内に放棄の手続きをしなかったケースでは、単純承認したとみなされ、相続放棄することができなくなるので注意が必要です。
なお、兄弟などがいて相続人が複数の場合には、1人だけ相続放棄して他の相続人で財産を分配するといったことは可能になります。
以下の章で、実際に相続放棄した場合の流れについても紹介していきますので参考にしてください。
相続放棄した場合の流れ
次に相続放棄したケースでの相続財産管理人が決定するまでの流れについて紹介していきます。
たとえ、相続を放棄したとしても、持ち家の場合は家の管理責任は継続することになります。
しかし、すでに自分の財産ではない家を売却したり片付けたりすることは簡単にはできないため、家の管理を相続財産管理人へ託すことが一般的です。
相続財産管理人とは、相続人の存在、不存在が明らかでないときに相続財産の管理をするために家庭裁判所によって選任される人物のことです。
なお、相続人がいたとしても、相続人全員が相続放棄をして、結果として相続する人がいなくなった場合も含まれます。
相続管理人を選ぶためにはまず、故人が最後に住んでいた地域を管轄している家庭裁判所へ相続財産管理人の選任審判を申し立てる必要があります。
申立時に必要な書類は以下の通りです。
- 申立書
- 財産目録
- 被相続人の住民票の除票か戸籍付票
- 被相続人とその両親の戸籍謄本
- 被相続人の子供・兄弟姉妹・直系尊属・代襲者としての甥・姪で死亡者がいる場合はその死亡者の戸籍謄本
- 財産目録に記載された財産を証明するもの
- 利害関係人が申し立てを行う場合は利害関係を証明するもの
この他にも、以下の費用が必要です。
- 収入印紙800円分
- 連絡用の郵便切手 ※切手代は申立先の家庭裁判所によって異なります。
- 官報公告料4,230円
また、相続財産管理人選任のために予納金を準備する必要があります。
一般的には、相続財産管理人への報酬や経費は、放棄する財産をもって支払う形になります。
ただし、借金などの負債が多い場合などでは、財産では報酬を支払いきれないため、申立人は予納金を納付することになります。
この予納金はケースごとに金額が異なるので、裁判所に確認することをおすすめします。
財産を管理するにあたって注意すべき点
最後に相続財産管理人に相続財産を引き継ぐまでの間に、財産を管理する際の注意点について紹介していきます。
たとえば、故人が持ち家を所有していた場合には、死後空き家状態となっていたとします。
このような際に勝手に実家の解体や売却をすると、相続放棄が認められなくなります。
故人が住んでいた家が老朽化しており、建物自体を取り壊したい際にも相続放棄するのであれば、取り壊してはいけません。
この理由としては、民法921条1号にて法定単純承認とされ、相続財産を処分した場合には、相続人は相続することを承認したとみなされてしまうためです。
相続財産の処分とは、相続財産の形状や性質を変える行為全般を指すので、家屋の取り壊しも含まれています。
なお、相続財産の保存行為であれば問題ありません。
保存行為とは、財産の現状を維持するのに必要な行為のことになります。
たとえば、崩れそうなブロック塀を補修するケースなどは問題ありません。
固定資産税の滞納分などは支払う必要はありませんので覚えておきましょう。
賃貸アパートなどのケースでも片付けは原則として控えるべきです。
この理由として、室内の遺品を勝手に処分すると、相続財産を処分したとして、相続することを承認したとみなされてしまうためです。
家主や不動産会社や管理会社には事前に連絡を入れて、事情を説明しておくことをおすすめします。
遺品はどうするべきなのかまとめ
ここまで、遺品整理のタイミングやポイントについて解説してきました。
まとめると以下の通りです。
- たとえ親族であっても相続する意思のない人は、遺品整理の権利はない
- 遺品整理を業者に依頼すれば、短時間でスムーズに作業を行ってもらえる
- 個人情報流出防止のため、デジタル遺品のデータは事前に削除しておくがおすすめ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。