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孤独死した場合、遺品はどうなるの?孤独死に備えてすべき事を解説

更新日:2024.01.24

遺品

青空の日に草原の丘を散歩している3人の高齢者女性

記事のポイントを先取り!

  • 孤独死の遺品整理は廃棄が多い
  • 特殊清掃前に部屋に入らない
  • 業者の費用は間取りで決まる
  • 孤独死に備えておくことが大切

親族が孤独死してしまった場合に、どうすれば良いか困るものの一つが遺品整理です。
遺品の扱い方を詳しく知らなければ、誤った方法で処分してしまい、トラブルに発展する可能性があります。

そこでこの記事では、孤独死した場合、遺品整理がどうなるのかについて解説していきます。

身内の突然の孤独死にも焦らず対応できるように、遺品整理について理解を深めておきましょう。
記事の後半では孤独死に備えてしておくべきことについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 孤独死のあった現場の遺品は廃棄処分が多い
  2. 孤独死の現場で遺品整理をする際の注意
  3. 身内の孤独死が発覚した後にすべきこと
  4. 孤独死の遺品整理を依頼する業者の選び方
  5. 孤独死の遺品整理にかかる費用
  6. 孤独死に備えるためにすべき事とは
  7. 孤独死の遺品はどうなるについてのまとめ
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孤独死のあった現場の遺品は廃棄処分が多い

孤独死があった現場では、遺品はどうなるのでしょうか。
孤独死の場合、遺品の大部分は廃棄処分となることが多いでしょう。

これは遺体が時間の経過により腐敗しており、その腐敗臭や体液が遺品に付着してしまうためです。
遺品に染み付いた腐敗臭は特殊清掃でなければ取り除くことができません。

特に発見まで時間がかかった場合には、目に見えなくても室内の多くの遺品が汚染されているものと考えられます。
そのため、通常であれば形見分けするような遺品も、孤独死の現場では廃棄することが多いのです。

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孤独死の現場で遺品整理をする際の注意

ここからは、孤独死があった現場で遺品整理をする際に注意すべきポイントをご紹介します。

普通の遺品整理とは違い、孤独死の現場だからこそ気をつけるべきことをこの機会に覚えておきましょう。

特殊清掃をする前に部屋に入らない

孤独死があった現場には、特殊清掃する前に入ってはいけません。
特殊清掃を行う前に部屋に入ると、あまりの死臭に体調が悪くなる可能性があります。
また、害虫などが発生している可能性もあります。

遺体発見までに時間がかかった場合には、故人の形で床に血液や体液が広がっていることもあり得るでしょう。親族がそれを見てしまうと、精神的にダメージを受けることも考えられます。

また、孤独死による汚れは専門の薬剤や機材を使わなければ取り除けません。
親族だけで部屋に入り清掃を行うことは不可能なため、やめておきましょう。

手袋をする前に遺品に触らない

孤独死の現場にある遺品は、腐敗した体液に汚染されている可能性が高いです。
そのため、手袋をしないで遺品を触ってしまうと、手にその体液が付いてしまいます。
血液・体液に触れることで感染症などの病気に感染するリスクもあるため、健康的な被害にも繋がりかねません。

また、腐敗した体液の匂いは、洗っても取れないほど強烈なものです。
手袋をせずに遺品を触ることで、その体液を様々なものに付着させてしまうリスクがあります。
そうなると、特殊清掃が必要となる範囲をさらに広げてしまいます。

許可なく窓を開けない

孤独死の現場には死臭が立ち込めており、許可なく窓を開けるとその匂いが外へと漏れてしまいます。
死臭は通常の清掃では取れないほどに強烈なもので、洗濯物などに付着すると取ることは困難です。
そんな死臭が充満している状態で窓を開けると、近隣住民に大きな迷惑をかけることになってしまいます。

そのため、まずは特殊清掃業者を呼んで適切な処置をしてもらい、許可を得てから窓を開けるようにします。勝手に窓を開けると近隣住民とのトラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。

身内の孤独死が発覚した後にすべきこと

次は身内の孤独死が発覚した場合にすべきことを解説していきます。

孤独死の場合では、遺体が発見されると警察によって事件性がないかの調査が行われます。
その調査と並行して、遺族に連絡が来るのが一般的な流れです。
孤独死では事件性がないことが分かるまでに時間がかかる場合があり、すぐに遺体が引き渡される訳ではありません。

最低でも数日程度は遺体が引き渡されないため、その間にできることを進めていく必要があります。
警察からの連絡によって孤独死を知った時には、まず以下の手続きを進めていきましょう。

葬儀社や葬儀方法を選ぶ

葬儀は遺体が引き渡されるとすぐに行わなければなりません。
そのため、この期間を利用して葬儀社・葬儀方法を決めておくとスムーズです。

葬儀方法は、家族や知人を呼んで行う一般葬や家族のみで行う家族葬、葬儀を行わず火葬だけ行う直葬などがあります。葬儀方法によって、費用や規模も変わってくるため、遺族で相談し、最適だと思うものを選びましょう。

死亡届の提出

警察による検視などによって事件性がないことが確認されると、死体検案書が作成され、遺体も引き取ることができます。

死体検案書を受け取ったら、それを持って役所へ行って死亡届の提出を行いましょう。
死亡届と合わせて、火葬・埋葬許可証の申請も行います。

また、死亡届と火葬・埋葬許可証の申請に関しては、葬儀社が代わりに行ってくれる場合もあります。
その場合には、自分で死亡届を提出する必要はありません。
死亡届以外にも、年金や保険の資格喪失手続き、世帯主の変更届などの提出が必要となるため併せて進めておきましょう。

相続手続きを行う

故人の親族は死亡届の提出や葬儀と一緒に、資産の相続手続きも行わなければなりません。
相続人手続きでは、相続人や財産の調査を行い、相続人の間で遺産分割を行う必要があります。
資産には預貯金・株・持ち家・不動産・保険金などが含まれます。

また、負債に関しても資産に含まれるため注意しましょう。

また、故人に財産がなく借金や家賃の滞納などがあった場合には、3ヶ月以内であれば相続放棄を行うことも可能です。相続放棄をすれば、故人の借金などを親族が肩代わりする必要はなくなります。

その際、遺産や貯金などを貰ったり処分したりすると相続放棄の手続きが行えなくなるため注意しましょう。

部屋の原状回復

親族が賃貸物件で孤独死した場合には、故人が住んでいた部屋を親族が原状回復する必要があります。

前述したように、孤独死では部屋の特殊清掃が必要となるケースがほとんどです。
特殊清掃は専門的な道具や技術が必要なため、親族だけで行うのはほぼ不可能な作業といえます。
必要な場合には、専門業者にお願いして匂いや汚れを全て綺麗にしてもらいましょう。

また、清掃と合わせて部屋の中にある遺品を整理する必要があります。
特殊清掃は業者にやってもらうのが普通ですが、遺品整理も量が多い場合には遺族だけで行うのは不可能です。

遺族は葬儀や相続・死亡の手続きなどで多忙になるため、遺品整理も特殊清掃と合わせて業者に依頼することをおすすめします。

https://www.eranda.jp/column/funeral
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孤独死の遺品整理を依頼する業者の選び方

ここからは親族が孤独死した場合の遺品整理の専門業者の選び方を解説していきます。

以下の点を重視して業者を選べば、満足いく結果になることが多いでしょう。

特殊清掃もできること

前述したように、孤独死の遺品にはそのほとんどに腐敗臭や体液が付着しており、特殊清掃が必須となります。そのため、遺品整理業者に依頼する時には特殊清掃も行ってくれる業者を選ぶと良いでしょう。

また、遺品整理と特殊清掃を別々の業者に依頼すると、多くの場合一つの業者にまとめてお願いするより費用が高くなります。

これは業者を別々にすることで遺品整理と特殊清掃を別日に行わなければいけないためです。
特殊清掃もできる遺品整理業者に依頼すれば、費用を抑えることもできます。

遺品の分類ができること

孤独死の場合には遺品が腐敗臭や体液によって汚染されているため、遺品のほとんどを廃棄しなければなりません。

しかし、その中には相続手続きに必要な資産や書類、残しておける遺品があるため、適切に分類する必要があります。

専門知識を有していない業者に依頼すると、必要なものまで捨ててしまわれかねません。

必ず遺品に関しての専門知識を有する業者にお願いしましょう。

担当者が信頼できること

遺品整理業者を選ぶ上で、その担当者を信頼できるかどうかというのは大変重要なポイントです。
信頼できる業者を選ぶためには、その会社に遺品整理士特殊清掃士が在籍しているかを確認すると良いでしょう。

遺品整理士は遺品整理に関する専門知識を有していることを証明する民間資格です。
この資格取得には、遺品整理に関する法的な知識や、遺品に対しての精神的な心構えなどが必要となります。担当者がこの資格を取得している場合には、安心して遺品整理を任せられるでしょう。

また、特殊清掃にも特殊清掃士という民間資格があります。
これは、特殊清掃のスキルや技術があることを証明するものです。
腐敗臭は中途半端に清掃を行っても取り除くことはできないため、専門知識が大変重要となります。
これを有している業者であれば安心して特殊清掃を任せられるでしょう。

信頼できる業者を選ぶためには、資格を重視することが大切です。

料金が明確である事

孤独死の場合には、特殊清掃が必要となるため通常の遺品整理よりも高額になるケースがほとんどです。遺品整理業者の中には悪徳業者も存在しており、相場よりもさらに高い金額を請求される場合もあります。そのため、見積もりをしてもらう際にはその料金の内訳が明確な業者を選びましょう。

何の料金か分からなかったり、金額が高すぎたりする場合は悪徳業者の可能性があるため要注意です。

遺品整理業者に依頼する場合には、一つの業者だけでなく複数の業者に見積もりをしてもらい、比較しましょう。そうすれば悪徳業者に騙される可能性も低くなります。

孤独死の遺品整理にかかる費用

遺品整理や特殊清掃にかかる費用は、基本的に作業を行う部屋の間取りで決まります。
ただ、部屋に荷物が多い場合には処分費用がその分高くなるでしょう。

以下で、孤独死の遺品整理での具体的な費用事例をご紹介します。

1Kマンション・遺品整理ありの場合

1Kのマンションの部屋で遺品整理が必要な場合の特殊清掃にかかった費用は、25万円程度でした。

このケースでは畳の除去や遺品の整理を行いましたが、気温が低い時期であったためそこまで腐敗臭が強くありませんでした。暑い時期など、腐敗が進む時期には、さらに金額が高額になるかもしれません。

2DKアパート・遺品整理ありの場合

2DKのアパートの部屋で遺品整理が必要な場合の特殊清掃でかかった費用は、28万円程度でした。

このケースでは孤独死の発見は早かったものの、特殊清掃を始めるまでの期間が比較的長く、腐敗臭がひどくなっていました。
腐敗臭や汚れが部屋に染み付いた状態であるため、汚れの除去や脱臭により費用がかかっています。

できるだけ早く特殊清掃を始めるのも、費用を軽減するポイントです。


※遺品整理の費用について詳しく知りたい方に向けて『遺品整理の費用相場は?安くする方法と業者に依頼するメリット』の記事で更に詳しい内容を紹介しています。


ぜひ参考にしてください。参照:『ブルークリーン

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孤独死に備えるためにすべき事とは

次は孤独死に備えて、どのようなことをしておくべきかを紹介します。
孤独死を予防するだけでなく、自分が孤独死してしまう可能性を考え、以下の対策を講じておきましょう。

孤独死を補償する保険に加入しておく

保険の中には孤独死を保障するタイプのものがあります。

こうした保険に加入しておけば、葬儀・清掃・遺品整理などの死後必要となる手続きを保障してもらうことが可能です。保障によって親族の金銭的な負担が軽減されるため、安心できます。

孤独死のリスクがある方は、事前にこうした保険への加入を検討しましょう。

「死後事務委任契約」をしておく

死後事務委任契約とは、自分が死んだ後に第三者に自分の葬儀・納骨・費用の支払い・遺品整理などを依頼する契約のことです。生前にこの契約を結んでおくことで、親族・家族がいない方でも死後の心配をすることがなくなります。

一般的に弁護士・司法書士などの専門家に依頼するケースが多いです。
自分の死後の手続きが心配な方は、あらかじめ契約しておきましょう。

エンディングノートを作っておく

エンディングノートとは、自分が死んだ後の手続きに必要な財産や遺品、葬儀に呼ぶ人などの情報をまとめておくノートです。

これを作っておけば、孤独死した場合でも家族が死後の手続きで困ることが少なくなるでしょう。
家族の労力を減らすために、エンディングノートを作っておくことをおすすめします。

孤独死の遺品はどうなるについてのまとめ

今回の記事では孤独死した場合の遺品はどうなるのかを中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 孤独死の部屋の遺品はそのほとんどが廃棄される
  • 孤独死のあった現場では、特殊清掃前には部屋に入らないように注意
  • 孤独死が発覚したら葬儀・死亡届・相続の手続きを進め、部屋の原状回復も行う
  • 遺品整理業者の費用は現場の間取りによって変わる
  • 孤独死に備えて保険に入ったり、エンディングノートを作ったりしておくと良い

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(はかまだ)

袴田 勝則(はかまだ かつのり)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。

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