終活
終活で身辺整理を進める手順は?ポイントやメリットを紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.04.09
最近、終活が話題になっていますが、終活での身辺整理についてご存知でしょうか。
残りの人生を自分らしく生きるために終活に取り組むことは大切なことになります。
そこでこの記事では、終活での身辺整理について詳しく説明していきます。
この機会に終活での身辺整理の進め方のポイントやメリットについて覚えておきましょう。
身辺整理と遺品整理の違いについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
都道府県一覧から葬儀場を探す
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
- 終活とは
- 身辺整理とは
- 終活で身辺整理を進める手順
- 終活の身辺整理に必要なエンディングノート
- 終活で身辺整理する際のポイント
- 終活で身辺整理するメリット
- 終活の身辺整理と断捨離の違い
- 身辺整理と遺品整理の違いは?
- 終活で身辺整理のまとめ
終活とは
まずは終活とはどういったものなのか、説明していきたいと思います。
「終活」とは、「人生の終わりのための活動」の略になります。
簡単に言いますと、残された人生をどのように過ごすのか考えたり、最期を迎えるための準備を意味しています。
具体的には、身辺整理や財産の相続について考えたり、葬儀やお墓の準備をすることです。
ひと昔前までは生きている間に葬儀やお墓に関してのことを考えることは縁起が悪いこととされていました。
しかし、現代では考え方も変わってきていて、最期まで自分らしく生きる、より質の高い充実した生活を送るためにと、終活することの人気が出ています。
また、残された人に迷惑をかけたくないといった気持ちからも、終活に取り組む人が増えています。
人は誰もが死を迎えますが、死に対する不安は誰もが抱えています。
終活して最期の在り方を考えたり、自分の考えを整理することは、老後の生活に対する不安を軽減することが多いようです。
身辺整理とは
身辺整理についての意味合いを紹介します。
身辺整理とは、自分の身の回りにある物を整理して、必要な物だけを手元に残し、環境を整えるといった意味合いがあります。
今回は終活の一環としての身辺整理を紹介しましたが、身辺整理のタイミングは人生においての節目にあたる時期に行うことが多いようです。
例えば、就職や結婚、退職や還暦などのライフスタイルの変化や新たなステップへ進むタイミングが挙げられます。
終活における身辺整理は、「生前整理」と同じ意味合いで、自分が亡くなった際に残された大切な人たちが困らないように身の回りを整理することになります。
終活で身辺整理を進める手順
次に終活における身辺整理の流れや手順について紹介します。
実際に何から始めたらいいのかわからない方も多いと思いますので、ぜひ以下を参考にしてください。
身の回りの片づけ
まずは身の回りにある物の片付けから始めるといいでしょう。
物が多すぎると遺族の負担が重くなり、中には遺品整理を専門業者に依頼するケースも多いのです。
元気なうちに断捨離してできるだけ物を減らし、すぐには捨てられないような物は処分方法について家族に事前に伝えておくことをおすすめします。
遺品整理では懐かしい写真や思い出の品が出てきたりして、ついつい思い出に浸り、作業が止まりがちになります。
時間がかかることを考慮し、早めに遺品整理は始める方がいいでしょう。
時間をかけずに行うポイントは、「必要な物」、「不要な物」、「迷った物」に分け、すぐに判断できない物は後日時間がある時にじっくり考えるようにすることです。
資産の整理と相続の準備
実際によくあるのが、亡くなったあとに印鑑や通帳が見つからなかったり、暗証番号やパスワードがわからないなどで遺族が困るケースです。
加入している保険や通帳などの暗証番号は遺族がわかる場所に置いたり、事前にパスワードを伝えておくといいでしょう。
加齢と共に認知症のリスクも高くなりますので、そういった際にも事前に情報を共有しておくことで安心できます。
不動産や預金や株などの財産がある場合は、相続でもめないよう遺言書を作成しておくことも必要です。
逆に借金がある場合もしっかりと話し合っておかないと残された家族が困ったり、負担をかけてしまうこともありますので注意してください。
デジタルデータの整理
身辺整理する際には目に見えるような物の整理から始める方も多いかと思いますが、現代社会ではデジタルデータが無数にあります。
例えばパソコンやスマホなどの電子機器の中には、写真やインターネットの検索履歴などのさまざまな個人情報が保存されています。
中にはたとえ家族であったとしても、見られたくないデータが保存されている方も少なくないかと思います。
そのため、他人に見られてしまう前に自分でデータを整理したり削除しておくことをおすすめします。
SNSなどのアカウントは放置していると第三者に乗っ取られてしまうこともあります。
個人情報は非常に重要なデータになりますので、トラブルに巻き込まれないようにするためにも、使わないSNSはアカウントを削除することをおすすめします。
また、近年ではネットバンクや株、仮想通貨などのインターネット上の財産も増えてきています。
このような財産もきちんと整理しておくようにしましょう。
特にIDやパスワードが必要なものに関しては、事前に家族に伝えておくことで口座の凍結などを防止できます。
人間関係の整理
学生の頃は仲の良い友達とだけ関わっていけば良かったかもしれませんが、就職すると仕事での人間関係が広がり、家を建てればご近所付き合いなどがあります。
このように年を重ねるうちにいろいろな役割が増え、人間関係も多くなります。
終活する際には、このように膨らんだ人間関係を一旦整理してみることをおすすめします。
整理していくうちに表向きのお付き合いだけで数年連絡がないような関係性の人も見えてくるかと思います。
こういった場合には連絡先を削除したり、一定の距離を置いたりしても問題ないケースも案外あります。
整理することで、より自分にとって必要とされるお付き合いに集約され、人生が豊かなものになります。
終活の身辺整理に必要なエンディングノート
終活の身辺整理には、エンディングノートの活用をおすすめします。
エンディングノートがあれば、残された大切な家族の負担も減ります。
以下でエンディングノートの意味合いや書く内容を紹介していきますので、参考にしてください。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、もしものときに備えて自分の死後や終末期について記載したノートのことです。
エンディングノートは財産に関することだけでなく、家族や周囲の人に伝えたいことなど、さまざまな事柄を書いておけます。
万が一に備えて、自分の希望などについても書き留めておけます。
エンディングノートは法的効力を持ちません。
なので、気軽に書いて何度でも書き直せます。
エンディングノートと遺言書の決定的な違いは、法的効力の有無です。
どちらも自分の終末期や死後の希望を書くことが可能です。
ただし、遺言書は法的な強制力がありますが、エンディングノートはあくまで個人のメモみたいなものとなります。
また、遺言書に記載できるのは死後に関してのみで、遺産相続や子どもの認知など、内容も厳格に定められています。
エンディングノートは、法的な力はありませんが、遺産相続などについての希望や生きている間のことについても書くことが可能です。
もし自分に何かあったとき、家族など身近な人が困らないように、延命措置や介護、葬儀・お葬式、お墓、ペットなどのさまざまな内容を残しておけるのです。
エンディングノートに書く内容
エンディングノートに記載する内容について以下で紹介していきます。
何を書けばいいのか迷った方は以下を参考にしてみてください。
自分のこと
- 氏名
- 生年月日
- 血液型
- 住所
- 本籍地
- 住民票コード
- マイナンバー
- 健康保険証や年金手帳、保険証券などの重要な書類の保管場所
- 家系図
交友関係
- 家族
- 兄弟
- 親戚
- 友人
- 知人
- 職場関係者
- 恩人
- 近所付き合い
- ペット
- 葬儀のときに連絡してほしい親戚や友人の連絡先など
身の回りの遺品のこと
- 家族や親戚、友人などへ残したい物
- 処分する物と処分方法
- 電子データ
- 仏壇の管理についてなど
資産のこと
- 不動産
- 預貯金(銀行名・支店名・口座番号)
- 有価証券
- 借金
- 人に貸しているお金
- 株
葬儀・お墓のこと
- 菩提寺
- 葬儀の規模や形式と予算について
- 喪主をお願いする人
- 希望する埋葬方法や墓地
- 遺影の写真について
治療方針や介護のこと
- かかりつけ医
- 終末期医療に関する希望
- 延命措置について
遺言書のこと
- 遺言書の有無
- 相続リスト
- 遺産分割の詳細リスト
終活で身辺整理する際のポイント
次に終活で身辺整理する際のポイントについて紹介していきます。
ポイントを押さえることで、スムーズに終活を進められますので、参考にしてください。
スケジュールを立てる
身辺整理しようとしても、どこから手をつけたらいいのかわからず、困ってしまう方も多いかと思います。
そのため、何をどの程度いつまでにどのような手順で進めるのかといったスケジュールを立てておくことをおすすめします。
この時、優先順位をつけて考えていくと予定を立てやすくなります。
1人で整理することが難しいケースでは、家族の協力も得ることが必要です。
スケジュールをあらかじめ伝えておけば、家族もサポートしやすくなるので、おすすめです。
終活や身辺整理に関する知識に不安がある場合には、相談できる窓口やサービスもあるので利用してみるのも1つの方法です。
身の回りの物を最小限に減らす
身辺整理では、身の回りの物を最小限に減らすことがポイントです。
自分にとって必要な思い出の品であっても、家族にとっては不要な可能性もあります。
判断が難しいときには、家族に確認して必要かどうかを検討することをおすすめします。
近隣の方への配慮
身辺整理する際には近隣住民への配慮が必要になります。
業者に依頼して大掛かりに片付けをする際などには、作業中の騒音で近隣住民へ迷惑がかからないよう注意しましょう。
あらかじめ近所の方へお知らせして承諾を得ておくと安心です。
パスワードなどの管理
パソコンやスマートフォンで使っているサービスのIDやパスワードなどのアカウント情報は、まとめてメモして残しておくことをおすすめします。
このメモを確認すれば亡くなったあとに、家族が情報の管理や消去をスムーズに行えるようになります。
万が一家族に見られたくない情報があれば、あらかじめ削除しておくといいでしょう。
終活で身辺整理するメリット
次に終活で身辺整理することのメリットを以下にまとめます。
さまざまなメリットがありますので、終活を始めようか迷っている方は参考にしてください。
家の環境が整えられる
身辺整理ではまずは自宅の中の整理整頓をする方が多いかと思います。
不用品を処分したり、使用していない大型品を処分することですっきりとして生活しやすくなります。
スペースを取ってはいても、実際には全く使用していない家電や家具は案外多いかと思います。
そのような物を整理することで生活にゆとりができ、ストレスも軽減します。
高齢になると筋力も低下しますので、物の多い家で暮らすと転倒のリスクも上がります。
そのため、不要な物を処分して生活の導線を良くすることで、非常に生活しやすくなります。
家族の負担が減る
もし事故や病気などで、急に亡くなった場合に遺品整理などで物が多いと、残された家族の負担は大きくなります。
普段から身辺整理して必要最低限の物だけを持って暮らしていれば何かあった際にも家族の負担は少なくなります。
また、身辺整理するにしても体力のある元気なうちに始めることをおすすめします。
大型家具の処分や片付けなどには、体力も必要になります。
少しずつでもいいので取り組むことで、後々の自分の負担も軽減されます。
これからの人生の見直しに繋がる
終活で身辺整理するメリットは、整理することで残された今後の人生についても考える機会となり、人生の見直しに繋がることです。
この機会により自分らしい生き方をするにはどうすればいいのか、今後の人生のライフプランを立てるといいでしょう。
やりたいことや会いたい人、行きたい場所があれば実行に移すためのプランを立てていきましょう。
自分の気持ちに素直になって楽しみながら終活することをおすすめします。
終活の身辺整理と断捨離の違い
身辺整理と聞くと断捨離と同じなのではないかと感じる方も多いかと思います。
確かに似ている行為にはなるのですが、厳格には異なるものになります。
断捨離の目的は1つでも多くの物を手放す意味合いになりますが、身辺整理は少し違います。
身辺整理は自分が亡くなったあとに家族が困らないように、身の回りの環境を整理することが目的になります。
終活においては持ち物はできるだけ少ない方が良いとされていますが、断捨離のように無理に処分する必要はありません。
自分や家族にとって本当に必要な物は何か考えながらゆっくり整理していきましょう。
身辺整理と遺品整理の違いは?
最後に身辺整理と遺品整理の違いについて紹介していきます。
共通している部分も多いですが、違いもありますので以下をご覧ください。
亡くなる前か後の違い
遺品整理は字のごとく、持ち主が亡くなったあとの整理になりますが、身辺整理は生前に行います。
この点が大きな違いになります。
身辺整理の目的は終活の一環として残された家族のことを思い、元気なうちに行うことです。
一方で遺品整理の目的は、部屋の片付けや家具や持ち物の処分になります。
遺品整理は身辺整理に比べて家族への負担が大きくなります。
整理する人が違う
身辺整理では整理する人は、本人になります。
一方で、遺品整理では整理するのは残された家族になることが身辺整理と遺品整理の2つの違いです。
遺品整理では本人が亡くなってしまっているので、意思確認ができず、遺族が苦労することも多いようです。
終活で身辺整理のまとめ
ここまで終活の身辺整理の手順やポイント、メリットなどを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 身辺整理とは身の回りにある物を整理して環境を整えるといった意味合いがある
- エンディングノートとは万が一に備えて死後や終末期について書いたものである
- 身辺整理では優先順位をつけてスケジュールを立てることがおすすめである
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
都道府県一覧から葬儀場を探す
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。