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身内が亡くなった時に遺族がやることは?場面ごとで紹介
更新日:2024.01.24 公開日:2022.05.26
大切な人を失った悲しみは計り知れないものですが、そのような中でも遺族がやることについてはご存知でしょうか。
精神的に不安定な中でもやるべきことが多いので、あらかじめ知っておくことは大切です。
そこでこの記事では、身内が亡くなった際に遺族がやることについて詳しく解説します。
この機会に、場面ごとの遺族がやることを知っておきましょう。
後半には墓参りのやり方についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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亡くなった直後に遺族がすること
まずは、亡くなった直後に遺族がやることについて紹介します。
主に葬儀までの間にやることを以下で紹介していきます。
死亡届の提出
死亡届とは、故人が亡くなった際に提出する必要がある書類で、亡くなったことを証明するものになります。
死亡届の提出には期限が決まっており、死亡の事実を知ってから7日以内が期限です。
例外として、国外で亡くなったケースに限り3カ月以内になります。
提出場所については、以下の通りになります。
- 故人が死亡した市区町村役場
- 故人の本籍地の市区町村役場
- 届出人の居住地の市区町村役場
死亡届と死亡診断書は同じ用紙に一体となっており、死亡診断書は医療機関で作成されます。
死亡届に必要事項を記載して、上記の提出場所に提出してください。
このときに火葬許可申請書も一緒に提出して火葬許可証をもらえば、葬儀までの準備がスムーズに進められます。
葬儀の打ち合わせ・準備
医療機関で亡くなった場合には移送のため、葬儀社に連絡するように医療スタッフから促されることがほとんどです。
死期が近いことがわかった時点で早めに葬儀社を決めておき、連絡先なども控えておくとスムーズに進めることができます。
葬儀社が迎えに来たら、死体を安置する自宅や葬儀場などに遺体を運ぶことになります。
その際に葬儀社と、お通夜や葬儀についての打ち合わせや準備について話し合うことになるでしょう。
仏教の場合には、喪主を決めて菩提寺(ぼだいじ)との打ち合わせも必要になります。
葬儀までに、遺影の写真や祭壇の飾り付け、棺に入れるものなどを決めて準備を進めていきましょう。
訃報通知
訃報とは、故人が亡くなったことを親族などに知らせるものです。
訃報を伝える手段としては、はがきや電話、メールやSNS、FAX、新聞や電報などがあります。
通夜や葬儀、告別式などの開催日時や場所の詳細を正確に知らせる必要があります。
家族や親族など、故人と近い関係の人たちにはできるだけ早めに連絡しましょう。
知人や仕事上のお付き合いの方々には、葬儀の日時が決まってからお伝えしても問題ありません。
訃報通知は葬儀社が作成することになるケースが多いです。
湯灌・納棺
湯灌(ゆかん)とは、人が亡くなられた際にぬるま湯で遺体をきれいにして清めたり、着替えや死化粧をして納棺する一連の流れのことをさします。
基本的に湯灌は、湯灌師や葬儀スタッフがやることになりますが、希望があれば遺族も一緒にやることが可能です。
湯灌を一緒にやることで、故人とのお別れの時間を設けることができます。
湯灌の儀にかかる時間は、1時間〜1時間半程度です。
湯灌する場所は葬儀会場や自宅でも可能になりますので、事前にどこで行うのか打ち合わせで決めておきましょう。
葬儀で遺族がやること
次に、お通夜や葬儀、告別式で遺族がやることについて紹介していきます。
あいさつでは人前に出なくてはいけないため、当日緊張しないためにも事前に準備することをおすすめします。
参列者・僧侶への対応
お通夜のあとには、通夜振る舞いと言って参列者に対して食事やお酒を提供する場を設けることが一般的です。
この場では故人の思い出を話し合ったり、故人を失った悲しみを共有する場でもあります。
遺族はこの席で、参列者への感謝の意を込めて対応することになります。
故人との思い出を振り返り、故人を偲ぶ時間を過ごせるように配慮しましょう。
葬儀後に通夜振る舞いが設けられているケースでは、参列者に対して無事に葬儀が終了したことへの感謝、くわえて今後のお付き合いについて伝えるといいです。
各場面でのあいさつ
お通夜や葬儀の場では、あいさつをするタイミングがいくつかあります。
具体的には以下のタイミングです。
- 通夜が終わったあとのあいさつ
- 通夜振舞いでのあいさつ
- 告別式や出棺時のあいさつ
- 精進落としでのあいさつ
あいさつは、メモを用意して読んでも構いませんので安心してください。
忌み言葉や重ねことばは使用しないことがマナーになりますので、誤って使わないように覚えておきましょう。
また、長すぎるあいさつもタブーとされていますので、自分のことばで1~3分程度の内容にまとめるといいです。
故人を失った悲しみからことばに詰まってしまうこともあるかと思います。
しかし、大切なことは上手に話すことではなく、参列者に対する感謝の気持ちを伝えることです。
葬儀後に遺族がやること
次に、葬儀後に遺族がやることについて紹介していきます。
四十九日法要までに行うべき内容について、以下を参考にしてください。
後飾りの準備
後飾りとは、葬儀後に遺骨を安置するために使用する仮の祭壇のことです。
関西方面などでは別名「中陰壇(ちゅういんだん)」と呼ばれることもあります。
一般的に故人の遺骨は、四十九日法要までこの後飾りに祀っておくことになります。
そのため、葬儀後までには後飾りを準備しておく必要があるでしょう。
神道では喪中期間中、特別なルールとして神棚封じというものがあります。
神棚は小さな神社のような存在であり、その家を守ってくれるものです。
神道では家の中に穢れがあると、神様の力が弱くなってしまうと考えられています。
人の死を穢れと捉える神道では、神棚封じとして神様の力を守るため、神棚の扉を閉じて半紙を貼るのです。
葬儀後、できるだけ早いタイミングで行うべきであるとされています。
香典返しの手配
香典返しとは、故人が亡くなった際にいただいた香典に対してのお礼のことです。
葬儀の当日に香典を渡すことを即日返しといいますが、即日返しができなかったケースでは後日香典返しをする必要があります。
香典返しの相場としては、いただいた香典の半分の金額程度の品物をお返しする半返しが一般的です。
高額の香典をいただいたケースでは、3分の1〜4分の1程度の金額であっても失礼には当たりません。
地域や家柄によっても香典返しの金額の相場は異なるので、迷った場合は年配者や寺院、葬儀社に確認することをおすすめします。
仏壇の準備
故人の位牌を安置する仏壇がない場合には、新しく仏壇を購入する必要があります。
仏壇を選ぶ際には、置くスペースを考慮してサイズを選ぶことが大切になるので、事前に寸法を測ってから仏具店に行くのがおすすめです。
近年では、大きくて立派な仏壇よりもインテリアに合ったモダン仏壇や、置き場所に困らない小さめの仏壇の人気が上がっています。
仏壇の費用は、高いものから安いものまで非常に幅が広いです。
具体的に言いますと、数万円のものから1000万円もする高級なものまであります。
購入するときには、あらかじめ予算を伝えておくことで、予算に合ったものを紹介してくれます。
墓石の準備
故人が入るための墓石がないケースでは、墓石を購入して準備しておく必要があります。
墓石の完成までは3カ月程度かかるとされていますので、できるだけ早めに墓石を購入しておきましょう。
生前から故人と、希望するお墓について検討して事前に注文していたケース以外は、四十九日までに墓石を完成させることが難しい場合が多いです。
墓地を決めるところから始めるとさらに、完成まで時間がかかってしまいます。
先祖代々の墓石などがあったとしても戒名などを彫刻する必要がありますので、早めに手配していくことが大切です。
各種手続きの変更
人が亡くなると、さまざまな手続きに追われて慌ただしくなります。
具体的に挙げると、電気やガス、水道などの公共料金の解約や、名義変更手続きが必要です。
この他にも銀行口座や携帯電話、キャッシュカードの解約手続き、保険金や年金の請求などもあります。
運転免許証や健康保険証の返納に自動車所有権の移転、預貯金の名義変更などさまざまです。
昨今では、スマートフォンやパソコンなどのインターネット上で有料会員となっているアプリなどがあった場合、その解約手続きも必要です。
このように、数え切れないほどやるべきことが多く遺族にとっての負担は大きいものとなります。
やることが非常に多いので、期限を確認して優先順位を決めてから進めていくのが良いでしょう。
四十九日法要の準備
四十九日法要は、故人やその家族にとっても非常に大切なものになります。
この理由としては、死後49日目に故人は審判を受けて進むべき場所へ旅立つと考えられているためです。
四十九日法要では遺族だけでなく、故人と親しかった友人や知人が参加し、盛大に行われることも多くなっています。
四十九日法要を行う日時を決め、参列者には案内状を送付しておきましょう。
四十九日法要の日程を決める際の注意点としては、日にちをずらす必要がある場合は前倒しにすることがマナーです。
四十九日法要後に遺族がやること
四十九日法要までは慌ただしく、時間に追われることも多いですが、納骨が終わって四十九日法要後に遺族がやることについて紹介していきます。
忌日・年忌法要
忌日法要は、故人が亡くなってから7日ごとに行われる法要のことです。
7日目を初七日、14日目を二七日、21日目を三七日として続き、100日目を百カ日と数えていきます。
年忌法要は年単位で行う法要であり、一周忌から始まり三回忌、七回忌、十三回忌と続き、三十三回忌を弔い上げとするケースが多いです。
忌日法要や年忌法要は追善供養のことで、故人がより良い方向へと進むことができるように手助けするものになります。
法要を行うことは故人のためだけでなく、遺族にとっても徳を積むことにつながります。
遺品整理・遺産分割
遺品は、価値の有無にかかわらず故人が所有していた全てのものをさします。
遺品整理とは、故人の持ち物を整理して片付けたり、処分したりして家をきれいにしていく作業のことです。
四十九日は親族が集まるタイミングになるので、遺品について話し合うことで納得のいく遺品整理ができるでしょう。
また、掃除や片付けには時間や体力を要し、手間もかかります。
親族が多く集まっているこの機会に遺品整理をすることで、協力しながらスムーズに進めることができるでしょう。
遺産整理とは、故人の遺産や借金を相続あるいは放棄することです。
遺産分割では、法律に沿って相続の手続きをしていくことになります。
遺産分割では相続人同士で十分に話し合い、納得のいく形で決めていくことが大切です。
墓参りのやり方
最後に、墓参りの方法について紹介していきます。
タイミングや手順、注意点などを説明していきますので参考にしてください。
墓参りのタイミング
お墓参りのタイミングとして多いのが、お盆やお彼岸などの仏教行事のときです。
この他にも、故人の命日や法要の際などに行くケースも多いでしょう。
中には遺族の結婚や進学、入学や就職などのライフスタイルに合わせた節目のタイミングでお墓参りに行くこともあります。
お墓参りのタイミングに明確な決まりはありません。
そのため、故人と心を通わせたいと思ったタイミングで自由にお墓参りに行けば、故人も喜んでくれるでしょう。
墓参りの手順
お墓参りの手順を以下にまとめます。
①墓石やお墓の敷地内の掃除をする
②桶に水をくんで柄杓で墓石に打ち水をする
③お花やお供え物をお供えする
④お線香をお供えして手を合わせる
⑤お供え物などを片付ける
墓参りの注意事項
お墓参りの注意点としては、霊園によっては時間やルールなどの決まりがあることです。
事前に確認しておき、霊園に迷惑をかけないようにしましょう。
また、宗派によってお墓参りの作法は異なるので、ご先祖様の失礼にならないように正しい作法を身に着ける必要もあります。
墓石を水洗いした場合は必ず乾拭きして水気をふきとるようにすることで、墓石を長い間きれいに保つことができます。
お供え物をそのままにして帰ると、野生の動物に荒らされたり、腐敗したものが墓石に付着して墓石を傷める原因になるので注意が必要です。
遺族のやることまとめ
ここまで遺族のやることについてや、各場面での手順を中心に解説してきました。
まとめると以下の通りです。
- 訃報では葬儀会場や日時を正確に伝える
- 死後の手続きは多いため、期限を目安に優先順位を決める
- 遺産整理では相続人全員が納得できる形で遺産分割する
- 墓参りの際は霊園のルールを守り、最後にはしっかり片付ける
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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