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墓じまい後に遺骨を処分できる?法律に関する注意点も紹介
更新日:2021.10.29 公開日:2021.10.13

記事のポイントを先取り!
- 遺骨をそのまま処分するのは違法
- 散骨や合祀墓といった方法がある
- 0葬は遺骨が残らない
お墓を受け継ぐことに負担を感じ、墓じまいを考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで生じる問題が墓じまい後のご遺骨の処分方法です。
今回は、墓じまい後にご遺骨を処分することはできるのかについてご紹介します。
- 遺骨を処分しなければならないケースとは
- 遺骨をそのまま処分することは違法?
- 遺骨の処分はどうすれば良い?
ご遺骨の処分は正しく行わないと違法となり、罰せられることもあります。
ご遺骨を処分する際の注意点についてもご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

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墓じまいなど遺骨を処分するケース

ご遺骨を処分しようと考える理由には、様々なものがあります。
ここでは、ご遺骨を処分しなければならないケースを幾つかご紹介します。
墓じまいの時
近年では、少子化や核家族化などの影響によって墓じまいを選択する方は増加傾向にあります。
墓じまいとは、墓石を撤去し、墓地を更地に戻して管理者へと返還することをいいます。
墓じまいを行う際には、納骨されているご遺骨をお墓の中から取り出す必要があります。
お墓の引っ越しとも言える改葬を目的として墓じまいを行う場合であれば、取り出したご遺骨を新しいお墓へと移すことができます。
しかし、墓じまいを行ってもご遺骨を移す先がなければ、取り出したご遺骨をどうすれば良いのかを考えなければなりません。
納骨するお墓がない
お墓を建てるためには、高額な費用がかかります。
そのため、金銭的な理由によりお墓を建てることができない方もいらっしゃいます。
また、近年では、様々な考え方によりお墓を作らないことを希望される方も多くいらっしゃいます。
お墓がないということは、納骨をすることができません。
ご遺骨を勝手に処分することは違法となるため、ご遺骨をどのように保管するか、またはご遺骨を処分するのかを考える必要があります。
故人と付き合いがない
ご遺骨の処分に困るケースとして、あまり面識のない方のご遺骨を引き取る場合があります。
例として、疎遠となっていた親戚が亡くなった場合です。
その親戚に身内の方がいなければ、警察からご遺体の引き取りを依頼されることがあります。
いくら親戚とはいえ、ほとんど面識のない方のご遺骨を自分の家のお墓に入れたり、ご自宅に置いておくことには抵抗を感じる方も多くいらっしゃいます。
一部を手元供養にするため残りを処分したい
近年では、ご遺骨を埋葬せず、ご自宅で保管する手元供養を選択する方も多くいらっしゃいます。
ご遺骨を小さなサイズの骨壷に納めてご自宅に保管する方法や、ご遺骨の一部をアクセサリーなどに加工して保管する方法などがあります。
このような手元供養を行う場合、全てのご遺骨を加工することは難しく、手元に残すことのできるご遺骨は一部のみとなります。
そのため、残りのご遺骨は処分する必要があります。
遺骨をそのまま処分するのは違法

ご遺骨をそのままの状態で処分することは、法律により禁止されています。
ここでは、法律で定められているご遺骨の処分方法についてご紹介します。
形が残ったまま処分をしない
ご遺骨を勝手に処分したり埋葬したりすることは、法律で禁じられています。
特に刑法の第190条では、「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する」と明記されています。
ご遺骨もご遺体と同じ扱いとなるため、ご遺骨をそのままの状態で遺棄すれば、遺骨遺棄罪となり立派な犯罪となってしまいます。
勝手に土に埋めない
先程、刑法の第190条について触れましたが、墓地、埋葬に関する法律の第4条では、次のように明記されています。
「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」
これは、墓地以外の場所に埋葬や燃骨の埋蔵を行うことを禁じています。
ご遺骨を勝手に土の中に埋葬する行為は、罪に問われ罰金や拘束の対象になります。
そのため、ご遺骨を埋葬するためには埋葬許可証が必要となります。
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遺骨の処分はどうすれば良い?

ご遺骨をそのままの状態で処分することは違法であることをご紹介しましたが、墓じまい後のご遺骨をきちんと処分するにはどのような方法があるのでしょうか?
ここでは、違法とならないご遺骨の処分方法についてご紹介します。
散骨する
散骨とは、近年人気のある埋葬方法の一つです。
ご遺骨を粉砕し、山や海などの自然へと撒くことによってご遺骨を自然へと還します。
散骨は、専門の散骨業者へ依頼する方法と自分で行う方法があります。
散骨を個人で行うこと自体は、特に違法ではありません。
ただし、散骨を行う条件として、節度を持って行う必要があります。
具体的には、
- ご遺骨を骨だと分からない程度にまで粉砕する
- 第三者が不快に感じない場所に散骨する
といった点などが守るべき節度といえます。
骨だと分からない程度にご遺骨を粉砕するには、かなりの労力がかかります。
また、間違った場所で散骨を行ってしまうと、後にトラブルへと発展してしまう可能性もあります。
安全に散骨を行うためには、専門の散骨業者へ依頼することをおすすめします。
一般的に海洋散骨や山林散骨がよく行われています。
海洋散骨の費用相場は約5万〜30万円です。
山林散骨の費用相場は約5万〜10万円になります。
他にも、ヘリコプターなどを利用して空中から海へと散骨する空中散骨や、ご遺骨を宇宙へと打ち上げ散骨する宇宙散骨などがあります。
散骨を行う際には、注意すべき点があります。
近年では、散骨を希望する方も増加傾向にあるため、散骨の代行業者の数も増えています。
節度のある散骨を行うためにも、散骨業者間では独自の自主規制基準が設けられています。
しかし、自主規制基準を守らずに漁業業者とトラブルを起こしたり、散骨以外にオプションとして高額な手元供養品などを売りつけるといった悪徳業者もいます。
後にトラブルが起きないように、散骨を希望する場合には費用面だけでなく、きちんとした散骨業者へ依頼することをおすすめします。
また、散骨業者間の自主規制基準として
- 海上散骨では、沿岸から2㎞以上離れた沖まで出る。
- 漁場の近くでは散骨を行わない。
- ご遺骨は、2mm以下となるまで粉砕する。
などのルールを設けています。
個人で散骨を行う場合にも、これらの基準を参考に散骨を行うことをおすすめします。
合祀墓に入れる
合祀墓(ごうしぼ)とは、骨壷からご遺骨を取り出し、複数の方のご遺骨と一緒に埋葬するお墓のことをいいます。
合祀墓は、新しくお墓を建てる必要がないため、一般的なお墓よりも費用を安く抑えることができます。
また、墓地管理者がお墓の管理を行ってくれるため、ご遺骨の供養管理などもお任せすることができます。
合祀墓にかかる費用としては、主に次の3種類となります。
【永代供養料】
お墓の管理や供養を永代に渡って行ってもらうために、墓地を管理する寺院や霊園などへ支払う費用です。
合祀墓の永代供養料の相場は10万円程度になります。
【納骨料・お布施など】
ご遺骨をお墓へ納骨するために行う納骨法要の際に、お布施として僧侶へお渡しする費用です。
相場は1万~5万円程度です。
【戒名料】
寺院が運営する合祀墓の場合には、戒名料が必要となります
戒名のランクによって費用はことなり、相場は10万~100万円程度です。
火葬場で遺骨の処分ができる?

様々な理由によりご遺骨の処分を考えている場合、はじめから火葬後のご遺骨を受け取らないという選択肢もあります。
ここでは、火葬場でご遺骨の処分を行うことができるのかについてご紹介します。
遺骨を「受け取らない」選択
あらかじめ墓じまいを考えている場合には、火葬後のご遺骨を受け取らないという選択肢もあります。
一般的には、火葬後のご遺骨はご遺族へとお返しするのが基本です。
しかし、一部の地域では火葬場でご遺骨を引き取ってもらえるケースがあります。
ご遺体はご遺骨が残るように火葬されるのが一般的ですが、火葬場でご遺骨を引き取ってもらう場合には、完全にご遺灰の状態になるまで火葬されます。
これを0(ゼロ)葬や焼き切りといいます。
ご遺灰は火葬場で適切に処理をしてもらえるため、あらかじめ墓じまいを考えている場合には、それに伴うご遺骨の処分に困ることはありません。
ただし、0葬後はいくらご遺族の希望であっても、ご遺灰を返却してもらうことは不可能です。
そのため、後にトラブルが起こらないように、あらかじめ0葬にかかる費用やご遺灰の処分方法などをきちんと確認をし、納得の上で行う必要があります。
また、ご遺骨の引き取りを行っている火葬場は全国的にも少なく、どこの火葬場でもご遺骨を引き取ってもらえるというわけではありません。
0葬を希望する場合には、事前に利用予定の火葬場へ確認を取る必要があります。
都道府県によっては引き取ってもらえない
火葬後のご遺骨は、ご遺族へとお返しするのが基本です。
火葬場でご遺骨を引き取ってもらえるのは、主に関西地方や九州地方の一部の自治体に限られています。
関東地方や東北地方などを含め、ほとんどの地域では火葬場でのご遺骨の引き取りを行っていません。
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墓じまい後の遺骨の処分まとめ

今回こちらの記事では、墓じまい後のご遺骨の処分についてご紹介しました。
今回の記事をまとめると、次のようになります。
- 墓じまいを行う場合や納骨するお墓がない場合などがある
- ご遺骨をそのままの状態で処分することは違法となる
- ご遺骨の処分方法としては、散骨や合祀墓に入れるといった方法がある
今回ご紹介しましたこれらの情報が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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