お墓
墓じまいの大まかな流れは?墓じまい後の墓石についても解説
更新日:2022.07.14 公開日:2021.10.11
現在の日本では、少子高齢社会となり、その影響にてお墓の管理をする方がいない無縁墓が増加しています。
子どもがいたとしても、地方の過疎化にて遠方で暮らしており、お墓の管理が難しいケースもあります。
そのような家庭が増えている中、子どもに負担や迷惑をかけたくないという思いから墓じまいを考える方も増えています。
そこで今回の記事では墓じまいの流れについて中心に解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
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墓じまいとは
墓じまいとは、墓地を管理者に返還するまでの一連の流れのことを指しており、お墓を解体したり、撤去し、墓地を更地の状態に戻します。
墓じまいは、お墓を撤去して終わりではなく、遺骨を供養先に納めた上で、完了という状態になります。
墓じまいと改葬の違い
今使用しているお墓を閉じることから、墓じまいと改葬の意味合いが混ざってしまい、混乱する方もいると思います。
改葬とは、お墓から遺骨を取り出して、他の場所に埋葬し直すことです。
簡単に言うと、今のお墓から別のお墓に引っ越すといったイメージになります。
墓じまいは、お墓を解体してお墓のあった場所を更地に戻し、墓地の管理者に返還することを言います。
まとめると、改葬とは取り出した遺骨を新たに供養するまでのことを言いますが、墓じまいは墓地を管理者に返還するまでのことを言います。
改葬するために墓じまいを行うといったイメージになります。
墓じまいにかかる費用相場
墓じまいについて理解できたところで、費用について気になっている方もいると思います。
そこでここからは、墓じまいにかかる費用の相場について、解説していきます。
墓じまいにかかる費用の総額は約50万~70万円です。
墓石の撤去料だけでなく、お布施の金額も含まれています。
お墓の大きさや土地、寺院などによって違いがあるので、注意しましょう。
墓石の撤去費用の内訳を以下にまとめます。
- 墓石の撤去費用
約8万~15万円(墓地1㎡あたり) - 閉眼供養のお布施
約3万~10万円 - 離壇料
約10万~20万円
納骨先でかかる費用も以下にまとめます。
お墓の対応によって異なりますので、参考にしてください。
- 永代供養墓:約10万~150万円
- 納骨堂:約20万~200万円
- 樹木葬:約10万~100万円
- 散骨:約3万~20万円
- 手元供養:約10万円
墓じまいの流れ
墓じまいの流れについて解説していきます。
あとあと、後悔したり、失敗しないためにも正しい流れを知ることは、非常に重要になります。
ぜひ、参考にしてください。
お墓の管理者に墓じまいする旨を伝える
まずは、お墓の管理者である寺院の住職や親族と相談し、墓じまいをしたい旨を伝え、了承を得られるようにします。
例え、自分がお墓の管理者であったとしても、自己判断で決めず、親族に必ず相談しましょう。
お墓には、多くの人が関わっているため、親族間であとあとトラブルにならないためにも、よく相談することが重要になります。
親族間でもさまざまな意見があるため、よく話し合い、全員が納得のいく形で進めていく必要があります。
新しい供養先についても親族間や寺院で話し合っておく必要があります。
また、寺院にもあらかじめ相談しておく必要もあります。
離檀する場合には高額な離壇料を請求されるケースもあり、トラブルに繋がるケースもあるため、注意が必要です。
行政にて改葬の手続きを行う
墓じまいには、行政での手続きも必要であり、法律でも定められています。
改葬許可証という証明書を改葬先の寺院や霊園に提出する必要があります。
行政手続きは、お墓の撤去までに、必ず済ませておきましょう。
流れとしては、まず現在のお墓がある市区町村の役所から改葬許可申請書を入手します。
次に、改葬先の霊園から受入証明書を入手します。
これは、新しい墓地で遺骨を受け入れることを証明するものです。
そして、今お墓がある墓地から埋葬許可証を入手します。
これは、遺骨がお墓に埋葬されたことを証明するものになります。
条件に当てはまる方は、改葬承諾書を入手する必要があります。
これは、墓地の使用者と改装申請者が異なる場合に発行する必要がある承諾書になります。
これらの書類を現在、墓地がある市区町村の役所に提出し、改葬許可証を入手し、新しい墓地の管理者に提出します。
それぞれの書類の請求には500円程度の費用がかかる場合もあるため、確認しておきましょう。
親族間で相談する
墓じまいを決める前に、お墓に関係する親族に相談をしましょう。
相談をしていないと、大きなトラブルに発展する場合もありますので、皆が納得する形で墓じまいを進めましょう。
閉眼供養を行う
遺骨をお墓から取り出す前に、閉眼供養と呼ばれる儀式を行います。
お墓の前で僧侶に読経してもらい、お墓の中に宿っている故人の魂を抜くものになります。
魂抜きや性根抜きなどとも呼ばれます。
依頼先は、普段からお世話になっている寺院が最も多いです。
そのような寺院がない場合にも、僧侶派遣サービスなどもあるため、インターネットで検索してみることをおすすめします。
閉眼供養する際はお布施が必要で、寺院や宗派によっても異なりますが、約3万~10万円の場合が多いです。
僧侶に遠方のお墓まで来ていただく場合には、御車代として5,000円~1万円程用意しておくと良いでしょう。
この閉眼供養はお墓の解体当日に行うのではなく、工事の1週間前くらいまでに済ませておく方が多いです。
閉眼供養の際に遺骨を取り出すわけではないため、手続きを完了する前でも行うことができます。
お墓撤去の工事を行う
墓石の解体工事を石材店に依頼します。
石材店側で工事業者と打ち合わせし、日程を調整してくれるケースが多いです。
お墓を解体し、遺骨を取り出し、墓地があったところを更地に戻します。
取り出した遺骨は直接取りに行くか、石材店に依頼し、新しいお墓に発送してもらいます。
墓地の管理者にお墓のあった土地を返還して、墓じまいが完了となります。
墓石の解体工事費は、条件によって相場よりも大きく上回るケースもあります。
例えば、墓地の場所が山林などの足場の悪い場所にあった場合や道幅が狭く機材が通れない場合、墓石の解体が難しい場合などが挙げられます。
新たなお墓へ納骨する
墓じまいが終了したら、遺骨を新しいお墓に納骨します。
これで改葬の流れが完了となります。
新しいお墓に納骨する場合には、改葬許可証が必要になるため、準備することを忘れないようにしましょう。
納骨する際にかかる費用は、約3万~5万円です。
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墓じまいするときの注意点
ここからは墓じまいをする際の注意点について解説していきます。
墓じまいの手続きをするタイミング
墓石の撤去工事が完了する日までに新しい納骨先が決まっていないと、墓石撤去後の遺骨の納骨先がなくなってしまいます。
墓じまいの手続きは、余裕を持って、墓石撤去の1ヶ月前から始めておきましょう。
改葬許可申請書に関する注意点
改葬許可申請書は、委任状の有無に関わらず、本人の記入が必須となります。
遺骨1柱につき1枚の記入となるので、お墓に納骨されている人数分の枚数が必要です。
役所によっては、1枚の改葬許可申請書に複数柱の遺骨を記載できる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
墓じまいの代行サービスもある
墓じまいの手続きが、難しいと感じた時は、墓じまいの代行サービスを依頼しても良いでしょう。
墓じまいの代行サービスの費用相場は、依頼する内容によって異なりますが、16万円〜30万円程です。
墓じまいの代行サービスに依頼できる内容は次の通りです。
- 墓地や霊園の管理者との交渉
- 自治体への行政手続き
- 墓石の解体・撤去
- 遺骨の取り出しや移動/一時預かり
解体後の墓石はどのように使われている?
ここまで墓じまいの流れや費用について解説してきましたが、解体後の墓石はどうなるのか、疑問に思った方もいると思います。
ここからは、解体後の墓石について中心に説明していきます。
詳しく解説していきますので疑問に思った方は、ぜひご覧になってください。
墓石店や業者が墓石の撤去をする
墓じまい後、不要になった墓石は、墓石店や業者の人に依頼して撤去してもらうケースがほとんどです。
依頼する業者によっては不法投棄してしまう業者もいますので、費用が安すぎる業者などへの依頼は避けるべきです。
費用と言っても相場を知らなければ、比較が難しいと思います。
そのため、ここからは費用の点にも触れて解説していきます。
お墓全体の整地を含めた費用の相場は、1平方メートルあたり約8万〜15万円です。
平均的なお墓の広さは、1.5~2平方メートルくらいになるため、約15万~20万円前後が目安となります。
墓石だけの処分を依頼した場合の費用の相場は、小型の墓石で3,500円程度/1基です。
複数の墓石からなるお墓や大型のお墓の場合には、1トンで1万円程度が相場になります。
解体を依頼した業者が処分まで行ってくれるケースがほとんどであり、処分の費用も見積金額に含まれていることがほとんどです。
マニフェストを発行して墓石を粉砕する
墓石は、産業廃棄物に当たります。
そのため、「廃棄物管理票」別名「マニフェスト」と呼ばれる証明書を発行する必要があります。
墓石をある程度の大きさに粉砕し、産業廃棄物収集運搬業の許可業者に渡してマニフェストを発行してもらいます。
これは、正しく産業廃棄物を処理したという証明書になるため、大切に保管する必要があります。
保管期限は、依頼者と発行者ともに5年間です。
マニフェストの発行を怠った業者には、罰則が適用されてしまうため、注意が必要です。
渡された側が書類を紛失してしまった場合には、罰則が課せられることはないので安心してください。
リサイクルを行う
墓石は、重機によってある程度細かく粉砕されます。
粉砕された墓石は、一般的にアスファルトなどの材料として使用されることが多いです。
墓石に使用されている石材は、劣化しにくく、質が良いことが特徴であるため、頑丈さが重要である道路の土台として活用されることが多いです。
また、お墓を装飾する際の燈篭などに加工して再利用するケースもあります。
この場合には、それほど細かく粉砕する必要はありません。
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よくある質問
Q:墓じまいに必要な書類は?
「改葬許可申請書」「埋葬証明書」「受入証明書」「故人の戸籍謄本」が必要です。
墓地の使用者(墓地の名義人)と、改葬許可申請をする人が異なる場合は「改葬承諾書」も用意しましょう。
Q:墓じまいする際の注意点は?
墓じまいする際には、後々のトラブルを防ぐためにも、親族とよく話し合って進めていくことが大切です。
また、墓石の撤去工事が完了する日までに墓じまいの手続きを済ませておきましょう。
Q:撤去した墓石はどうなるの?
墓石は産業廃棄物となりますので、粉砕し、産業廃棄物収集運搬業の許可業者に渡すことになります。
また、リサイクルとして、粉砕され、アスファルトの原料やお墓を装飾する際の燈篭などに加工される場合もあります。
スポンサーリンク墓じまいの費用まとめ
ここまで墓じまいの方法や墓じまいの手続きや流れ、墓石の解体後の使用方法などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 墓じまいとは、墓地を更地に戻し、管理者へと返還すること
- 墓じまいの流れとして、親族や寺院に相談してから、手続きや墓石の撤去を行う
- 墓じまいする際には、親族とよく話し合い、全員が納得のいく形で進めていくことが大切である
これらの情報が少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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