法事法要
繰り出し位牌はどんな位牌?位牌のまとめ方やまとめる時期を紹介
更新日:2022.02.03
自宅に増えた位牌は繰り出し位牌に移すことで、まとめて管理できます。
位牌を移すときには、正しい移し方やタイミングなどを知っておく必要があります。
そこで、この記事では繰り出し位牌について詳しく説明していきます。
この機会に、ほかの位牌のまとめ方についても覚えておきましょう。
繰り出し位牌にする注意点についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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繰り出し位牌とは
繰り出し位牌とは、札板を数枚重ねて入れられる本位牌のことです。
一般的な「札位牌」は位牌一基につき故人ひとりの戒名や法名を記しますが、繰り出し位牌はひとつの位牌で多くのご先祖様の位牌をまとめて管理することができます。
繰り出し位牌の札板には、ご先祖ひとりずつの戒名や法名・没年月日などを刻み、一枚一枚が位牌の役割をします。
中の札板は「命日」の順に重ねて入れ、命日のご供養を終えたら、札の一番うしろに回し、次に命日を迎えるご先祖様の札が前にくるようにします。
そのため、順番に札板を出して供養することから「回出位牌(くりだしいはい)」とも言われ、ご先祖の位牌が増えても仏壇の中はスッキリとした状態を保つことができるのです。
また、札板の一枚目には「〇〇家先祖代々之霊位」または「〇〇家之位牌」と文字を刻み、故人の命日やご供養のとき以外は最前列にくるように設置します。
繰り出し位牌の形状は、小箱のように厚みがあり札板を8〜10枚ほどを内部に収めることができます。
デザインがシンプルなものから札板を20枚以上収めることができる大きめのもの、また観音扉や屋根付きの存在感のある位牌など、繰り出し位牌は種類とサイズが多様化しています。
スポンサーリンク繰り出し位牌への移し方
ここでは、繰り出し位牌への移し方について解説していきます。
繰り出し位牌を購入する場合は、次の手順で進めていきます。
住職に相談をする
まずは、菩提寺の住職に相談しましょう。
これまで供養してきた位牌は「閉眼供養」をして魂抜きを行い、新たに購入する繰り出し位牌には「開眼供養」すなわち魂入れをする必要があるためです。
また、寺院の方針や地域によっての注意点など、繰り出し位牌を購入する際アドバイスをいただけることもあります。
繰り出し位牌を購入
繰り出し位牌の購入場所としては仏壇・仏具店のほかに、最近はインターネットでも多種多様の繰り出し位牌を取り扱っています。
ただし、インターネットで位牌を注文した場合に「サイズが大きすぎた」また「イメージと違う」などの問題が生じることがあります。
近くに仏壇店がある場合は、店舗で現物を手に取り、サイズ感や質感を確認されることをおすすめします。
繰り出し位牌の価格は仏壇店では3万〜10万程度ですが、品質やデザインが凝ったものですと高価になります。
インターネットでの価格は実店舗よりもリーズナブルな傾向があり、シンプルな位牌やモダンなデザインも数多く扱っています。
戒名入れ
札板に戒名を入れていきます。
最前列に入れる「〇〇家先祖代々之霊位」は黒塗り札を用いますが、故人の戒名を入れる札の多くは白木や塗札を使用します。
誰が記入する?
菩提寺の住職に依頼する場合はお布施を納め、「墨書き」してもらうか、位牌を購入する仏壇店に依頼することも可能です。
また、自分で筆ペンなどを使用して、書き入れることも可能です。
これまで供養していた故人の位牌に刻まれている文言通りに、戒名や没年月日、俗名などを入れていきます。
自分で文字を書き入れる際に不安がある場合には、菩提寺に相談してみるのも一つの方法です。
一枚目
黒塗りの一枚目は「先祖位牌」といわれ、「先祖代々之霊位」や「〇〇家先祖代々之霊位」と書き記した特別感のある札板です。
地域や宗教によって表書きの文字は「〇〇家先祖代々」や「先祖代々」の文言にする場合もあります。
また、文字入れは「表のみ」で、裏には何も入れません。
二枚目以降
故人の位牌となる中札には白木札や黒檀(こくたん)などの塗板を使用し、一枚ずつに戒名や没年月日を入れていきます。
没年月日順に文字入れをして、その順番で札板が並ぶようにします。
具体的な文言は以下のようになります。
- 「表面」⇒ 戒名(法名)、没年月日
- 「裏面」⇒ 俗名(生前の名前)、享年
上記は一般的な文言の入れ方ですが、地域によって書き方が変わります。
関東では表に俗名や享年も全て書き入れ、裏面には何も文字は入れません。
一方、関西では没年月日は裏面に入れるのが一般的です。
開眼供養・閉眼供養をする
位牌に文字入れが終わったら、次は「魂入れ」といわれる繰り出し位牌の開眼供養と、これまで供養してきた位牌の閉眼供養していきます。
開眼供養とは位牌や仏壇、お墓をただの置き物から、故人の魂を入れ供養する対象へとしていく儀式です。
一方の閉眼供養とは、これまで供養してきた位牌や仏壇、お墓から魂を抜く儀式となり「魂抜き」や「性根抜き(しょうねぬき)」とも言われます。
この儀式を同時に行うことによって、繰り出し位牌が「真の位牌」としての役割を持つことになります。
古い位牌を処分
閉眼供養して魂を抜いた位牌はただの置き物となります。
そのため菩提寺でお焚き上げをして焼却するか、仏壇店や供養業者に相談してみるのも良いでしょう。
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繰り出し位牌にまとめるタイミング
では、繰り出し位牌にまとめるタイミングはどのようなときがあるでしょうか?
位牌が収まりきらない時
繰り出し位牌に替える多くの理由は、位牌が増えてしまい、仏壇が手狭になったときがあげられます。
先祖から代々受け継がれる位牌は、家族のほかに親族の分の位牌など、少しずつその数は増えていきます。
そのため、仏壇の中がいっぱいで窮屈な状態になったときに繰り出し位牌に切り替える方が多いのです。
ひとつの位牌にまとめることで見た目もスッキリし、周辺の掃除のときもお手入れがしやすくなります。
年忌法要に合わせる
次にあげられるタイミングは年忌法要です。
先ほど述べたように「開眼供養」など儀式が必要なため、年忌法要の日に合わせる家が多くみられます。
もともとは50回忌で「弔い上げ(とむらいあげ)」が終わってから故人の位牌を繰り出し位牌にまとめていました。
この弔い上げとは、故人の最後の法要として供養は終わりという区切りを付け、そのあとはご先祖様と一緒にお祀りしていくということを意味します。
しかし、昨今では50回忌まで行うこと自体が少なくなっており、それ以前の13回忌や33回忌の早いタイミングで繰り出し位牌に切り替える方も増えてきています。
昔ほど50回忌法要にとらわれず、その家庭の事情に合わせた早いタイミングで繰り出し位牌を切り替えるケースが増えているということになります。
スポンサーリンク繰り出し位牌にする注意点
繰り出し位牌にはさまざまなサイズがあり、購入する際の注意点は「大きさ」です。
一般的な札位牌よりも厚みがあり大きいため、サイズを測ってから購入しないと仏壇に入らないという事態にもなりかねません。
また、仏壇の中のご本尊(掛け軸や仏像など)は最も大切な存在であるため、ご本尊より繰り出し位牌の方が大きくならないように注意が必要です。
はじめて位牌を購入する場合の多くは「札位牌」を用意します。
しかし、地域や宗派によっては、新仏として繰り出し位牌にするところもあるので事前に確認するのが良いでしょう。
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浄土真宗では繰り出し位牌が使われる
多くの宗教では50回忌以後に使用する繰り出し位牌は、元来「浄土真宗」でしか使用されていませんでした。
しかし、浄土真宗の仏壇には位牌を置く風習はなく、他の宗派と供養の仕方も異なる点が多いのです。
浄土真宗では死後の世界という概念がなく、亡くなったあとはすぐに仏になるとされています。
ご本尊の阿弥陀如来を信じることにより死後すぐに極楽浄土へ導かれ、現世にとどまらず成仏するため、魂入れした位牌を仏壇に置いて供養する必要がないという考え方です。
そこで、浄土真宗の仏壇にはご先祖や故人の名前が記された「法名軸(ほうみょうじく)」や「過去帳(かこちょう)」を用います。
しかし、日本では古くから位牌に手を合わせ供養する感覚が根強く、浄土真宗を信仰していても、宗派に関係なく位牌を用いる家も増えているのです。
ただし、魂が宿る札位牌ではなく、繰り出し位牌にご先祖様や故人の名前を刻み、法名や没年月日などを残していくというスタイルです。
浄土真宗では、初めから繰り出し位牌を使用するという点も他の宗派との違いがあります。
スポンサーリンク他の位牌のまとめ方
繰り出し位牌のほかに、位牌をまとめる方法があります。
先祖位牌
33回忌や50回忌を終えた先祖代々の位牌を一基の「先祖位牌」にまとめる方法です。
位牌の形は札位牌と変わりなく、表面には「〇〇家先祖代々之霊位」と刻み、合祀(ごうし)します。
裏面は文字入れせずに空けておくため、ご先祖様や故人の戒名などの名前を刻むことができません。
そこで「過去帳」にご先祖様の戒名や俗名、没年月日などを記し、名前を残していきます。
夫婦位牌
夫婦一緒に名前を入れる夫婦位牌(めおといはい)というものがあります。
これは一基の位牌に夫婦連名で名前を刻む位牌のことです。
見た目にも仲良く寄り添う姿が思い浮かべることができ、2人の名前が文字入れ出来るように通常の位牌よりも横幅が大きめのサイズになります。
夫婦が同じ時に亡くなるケースは少なく、文字を入れるときは先に亡くなった方の名前を片方に寄せて刻んでいきます。
また、各々で位牌を作ったあとでも「開眼・閉眼供養」の儀式を行い、ひとつにまとめることが可能です。
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繰り出し位牌まとめ
ここまで繰り出し位牌とはどのようなものなのかを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 繰り出し位牌で位牌をまとめることが可能
- 初めての位牌には繰り出し位牌は選ばないことが多い
- 位牌をまとめる時期は近年早まっている
- 失敗しないためにサイズを測ってから購入する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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