法事法要
霊璽を処分する時のお焚き上げとは?費用やどこでするかも解説
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.11
人が亡くなった時に、神道では「霊璽(れいじ)」を用います。
霊璽は、故人の御霊(みたま)が宿る依り代ですので丁寧に扱わなくてはなりません。
古くから神道は私たちの身近にありますが、霊璽について詳しい扱い方を知らないという方も少なくありません。
そこで本記事では霊璽を手放す際のお焚き上げの方法やその費用について解説します。
霊璽で御霊を祀れない場合についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 霊璽とは
- お焚き上げとは
- 霊璽をお焚き上げしてもらうのはどんな時?
- 霊璽のお焚き上げはどこでしてもらうの?
- 霊璽をお焚き上げする費用は?
- お焚き上げに決まった時期はあるの?
- 霊璽で御霊を祀れない場合
- 霊璽のお焚き上げについてのまとめ
霊璽とは
仏教と神道では死に対する捉え方が異なります。
まず、仏式では人が亡くなると「位牌」を用いますが、神道では位牌にあたる「霊璽」を用意します。
霊璽とは、故人の御霊を移す依り代のことです。
形は位牌と似ていますが、位牌のように黒色や濃い赤色を塗っていたり、金で模様を施したりせず、色は塗られない白木造りが基本です。
仏教では、人が亡くなった後は仏門へ入り浄土へ向かうとされています。
ですが、神道では死後、故人の魂を「御霊代(みたましろ)」と呼ばれる守り神としてお祀りします。
御霊がやどる霊璽をその家に祀るのは、故人や先祖様がその家の守護神になるという考え方があるためです。
また神道には「戒名」はありませんので、「霊号」といわれる生前の名前に尊称を付け加えたものを霊璽には記します。
霊号には仏教のように「戒名」と「俗名(生前の名前)」を切り離さず、神様や親からいただいた「大切な名前」をそのまま刻みます。
また霊璽の特徴として、神様をお祀りしているため「直接目に触れない」という決まりがあります。
そのため、霊璽には普段から「鞘(さや)」と言われる蓋をかぶせているので、霊璽の本体を見る機会はほとんどありません。
さらに、仏教の位牌は仏壇に、ご本尊と一緒に飾られますが、霊璽は神様とは一緒に祀られません。
霊璽は祖霊舎(それいしゃ) に飾りますが、神宮のお神札である神宮大麻や氏神様は神棚に祀られます。
祖霊舎と神棚の違いは、一言で言えば、神様を祀っているのが神棚で、ご先祖様を祀っているが祖霊舎になります。
スポンサーリンクお焚き上げとは
日本では古くから、モノには魂が宿ると考える思想があります。
特に口や目があるものには魂が宿っていると考えられ、それらを手放す時に、罪悪感をもってしまうことが多いようです。
そのため遺品や人形、思い出のあるモノを処分する時は、きちんとモノに感謝して手放すということで、「お焚き上げ」をしてもらうのです。
「お焚き上げ」とは、日本全国の神社やお寺で行われている供養の儀式です。
神道では、お札やお守り、不要になった愛用品などを、火の神様のお力をお借りし、神聖な炎で浄化し天にお還しをし、ご神体を元の場所に戻す儀式のことを言います。
仏教では故人へ届けたいものや、棺に入れ忘れてしまったものなどをお焚き上げし、故人へ届ける、または返す儀式のことを言います。
神道と仏教では、お焚き上げの解釈や目的に若干の違いはありますが「魂が宿るものを炎と共に浄化し処分する」という点では同じです。
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霊璽をお焚き上げしてもらうのはどんな時?
では霊璽をお焚き上げしてもらうタイミングとは、どんな時があるのでしょうか?
霊璽の交換
霊璽は、基本的に新しいものと交換することはほとんどありません。
しかし増えてしまった霊璽を、ご先祖様とまとめる時や弔い上げをした時など、不要となった霊璽をお焚き上げしてもらうことがあります。
遺品整理
遺品整理を行うと、多くの荷物の中から霊璽がでてくる事があります。
ですが、引き継ぐ方がいない時は処分することになり、その際はお焚き上げをしてもらいます。
また、破損や変色がみられ、作り替えとなった場合も、古い霊璽はお焚き上げしてもらいます。
弔い上げ
弔い上げとは、故人1人に対して供養や法要を長年行ってきたものを、特定の回忌法要をもって、最後の法要とすることをいいます。
弔い上げとは「故人への最後の儀式」でもあります。
神道では、仏式でいう「法事」「法要」のことを「霊祭」や「式年祭」と呼びます。
亡くなって満30年、50年目の時に「三十年祭」や「五十年祭」が行われ最後の供養と弔い上げをするのが一般的とされています。
しかし近年では、高齢化の社会背景や家庭の事情により、十年祭や二十年祭などの早い節目で弔い上げをする場合も増えてきています。
弔い上げをすることにより、ご先祖様とまとめてお祀りするようになるため、不要となった故人の霊璽は、魂を移し替えてからお焚き上げし処分します。
スポンサーリンク霊璽のお焚き上げはどこでしてもらうの?
では、霊璽などのご神体のお焚き上げは、どこで依頼するのでしょうか?
お世話になっている神社
祖霊舎や神棚の処分は、霊号を授かったり、式年祭でお世話になっている神社へ納めることができます。
霊璽も同様で、普段からご先祖様の供養を依頼している神社へお返しできます。
お焚き上げや遺品整理を専門にしている業者
以前は、お焚き上げや供養は神社やお寺で行うことが一般的でした。
しかし最近では、遺品整理を専門とする業者が、お焚き上げや供養を請け負ってくれることも珍しくありません。
その他に葬祭場やお焚き上げの専門業者が霊璽などを、郵送で引き取り供養を受け付けているところも多くみられます。
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霊璽をお焚き上げする費用は?
霊璽をお焚き上げする費用についてですが、処分してもらう場所によって異なります。
神社へ持ち込む場合は、初穂料として5,000円〜を相場として、お気持ちを納めます。
また業者へ依頼する場合、段ボールのような箱にいれて郵送すると、5,000〜3万円ほどの費用がかかります。
霊璽だけの場合は1,000〜2,000円ほどで処分してくれます。
ここで注意することは、処分を依頼する神社が、お焚き上げに対応しているかどうかということです。
昨今の条例や住宅事情により「お焚き上げ」を控えている神社もありますので、事前に確認が必要です。
スポンサーリンクお焚き上げに決まった時期はあるの?
「お焚き上げ」と聞くと、お正月飾りやお札などを燃やす「どんど焼き」という火祭り行事を思い浮かべる方も多いと思います。
この火祭り行事では、神聖な炎による浄化の力で、一年間の災いを祓い「家内安全」や「無病息災」などを祈願します。
では、どんど焼きのほかに行うお焚き上げには、決まった期間はあるのでしょうか?
お焚き上げには厳密に決まった期間はありません。
近年では、「四十九日」や「一周忌」などの節目にお焚き上げを執り行うことが増えています。
そのほかに故人の遺品を整理したい時や、気持ちの区切りをつけたいときなど、お焚き上げが必要となった時に行う場合もあります。
実際にお焚き上げをする場所は、「お寺や神社などの宗教施設」と「お焚き上げや遺品整理を専門にしている業者」の2か所があります。
お焚き上げをお寺や神社にお願いするということは、神仏の天恵を得るだけでなく、処分の費用を比較的抑えられます。
ただし、物品によっては依頼を断られたりする場合や、お焚き上げを受け付けている時期が限られていたりすることがあります。
そのため、必ず確認しましょう。
お焚き上げや遺品整理を専門にしている業者へお願いする場合、お寺や神社で断られてしまったものであっても受け付けてくれたり、比較的長い期間で対応してくれたりします。
ただし、お寺や神社と比べると費用が嵩む場合がありますので、こちらについても必ず確認しましょう。
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霊璽で御霊を祀れない場合
事情があり先祖の霊璽を自宅などでお祀りできない場合はどのようにしたら良いのでしょうか?
継承が困難な場合の霊璽の扱い方を紹介していきます。
御霊を墓石に遷す
御霊は、霊璽や位牌を魂の依り所としますが、霊璽ではなく「墓石」(家墓)に霊魂を宿らせ、お祀りする方法があります。
この儀式を「遷霊祭(せんれいさい)」といい、霊璽から墓石へ御霊を遷します。
儀式のあとは、霊璽を神社でお焚き上げをしてもらいます。
永代祭祀してもらう
「永代祭祀(えいだいさいし)」とは、家族に代わり神社が永代にわたって先祖祭祀を執り行うことをいいます。
神社の永代祭祀墓に故人の御霊と遺骨を遷すことも可能で、仏教の「永代供養墓」にあたります。
年ごとの祭祀は、仏教と同様にお盆や春・秋のお彼岸の時期に執り行う神社が多いようです。
御霊を奉還する
自宅で霊璽をお祀りできない、神社の永代祭祀も難しいという場合は、霊璽に宿る霊魂を幽世(かくりよ)にお帰りいただく儀式をします。
幽世とは、永久に変わらない世界、つまり「あの世」のことです。
神式では人が亡くなったあとは、浄土ではなく「家の守り神」として魂が霊璽に遷し留められています。
御霊を解き放ちお祀りしていた神様に御還りいただく「奉還奉告祭」という儀式をします。
スポンサーリンク霊璽のお焚き上げについてのまとめ
ここまで「霊璽のお焚き上げについて」を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 霊璽とは仏式の位牌にあたる
- 神式のお焚き上げは「天に還す」儀式
- 不要になった霊璽はお焚き上げしてもらう
- 神社のお焚き上げは初穂料が必要
- 神社にも永代祭祀(供養)がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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