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塔婆を立てないのはマナー違反?立てない宗派についても紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.13
お墓の近くでよく見かける、塔婆(とうば)と呼ばれる木の板をご存知でしょうか。
塔婆を立てない場合、どのような問題があるのか気にする方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、塔婆を立てない場合について詳しく説明していきます。
この機会に、塔婆を立てない宗教についても覚えておきましょう。
塔婆立てがない場合にどうしたらいいかについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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塔婆とは
塔婆とは、卒塔婆(そとば)を略した呼び方で、お墓の近くに立てられる木の板のことをいいます。
塔婆は、遺族の方が故人の冥福を祈り供養するために立てられるものです。
このように、故人に対して行う供養のことを「追善供養」といいます。
卒塔婆の語源は、もともとインドで利用されていた、お釈迦様の骨などを納めるための仏塔である「ストゥーパ」です。
「ストゥーパ」が中国で「卒塔婆」と変換され、日本へわたってきたのです。
塔婆には戒名や命日など、お墓によって異なる文字が記述されます。
それらの文字によって、供養する対象を明確にしています。
塔婆を立てないと供養はできない?
必ず塔婆を立てないと供養ができない、ということはありません。
そもそも塔婆は、追善供養のために立てられるものです。
そのため、追善供養を重要としていなければ、塔婆は必要ないでしょう。
しかし、一般的な仏教の考えであれば、追善供養はとても大切なことになります。
故人は死後すぐには成仏できておらず、長い旅の後に審判が下されて成仏に至るとされています。
この旅を応援し、安らかな成仏を手助けする役割を持っているのが追善供養になるのです。
故人を大切に思うのであれば、塔婆を立てないという選択肢はないといってもよいかもしれません。
また、故人を供養するためには、遺族が善行をつむとよいともされています。
追善供養は、その善行のうちのひとつとして数えられるのです。
善行は、後に自分に返ってくるともいわれています。
このことから、追善供養は自分のためにも大切な行為であると考えてよいでしょう。
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浄土真宗では塔婆を立てない
塔婆は追善供養のために立てられると紹介しましたが、浄土真宗では基本的に塔婆を立てないとされています。
これには、浄土真宗の教義が関係しています。
浄土真宗では、人は死後すぐに極楽浄土へ成仏するとされており、故人への供養という考え方がないのです。
浄土真宗で建てられるお墓についても、故人の供養のためではなく、故人を想い、阿弥陀如来との仏縁を結ぶ場所と考えられています。
しかし、上記はあくまで基本的な浄土真宗の考えです。
地域やお寺によっては、浄土真宗だからといって塔婆を立てないとは限りませんので、覚えておきましょう。
スポンサーリンク塔婆を立てるタイミング
塔婆が最初に立てられるのは、納骨時が一般的です。
それ以降、法要のたびに新しい塔婆に立て替えることが多くなっています。
特に、年忌法要などの大きな法要であれば、法要の打ち合わせの際に僧侶の方から塔婆の建て替えについて、話題を振ってくれることもあるようです。
塔婆は、一般的に法要の施主が立てます。
しかし、金銭的な事情や気持ちの関係で、親戚がお金を出して立てることもあります。
ほかにもお盆やお彼岸など、お墓参りに立ち寄る際に塔婆を立てる家庭もあるようです。
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塔婆を立てるには
塔婆を立てたいと思っても、お寺にいえばすぐに立てられるというわけではありません。
塔婆を立てるためにはどういった準備が必要なのか説明します。
住職と相談する
当然のことですが、塔婆を立てるのであればお寺の住職との相談が必要になります。
相談とは主に日付であったり、記述する文字についてであったり、塔婆料についてなどです。
塔婆を立てたいタイミングがある場合は、遅くてもその2週間前には住職へ相談するようにしましょう。
塔婆の準備には時間がかかりますので、できるだけ早く連絡することを心がけてください。
特に、お盆やお彼岸などはお寺も忙しくなります。
時期を避けるか、普段よりも早く連絡することをおすすめします。
塔婆の相場
塔婆にかかる費用は、お寺によって異なります。
塔婆料は、塔婆1本あたりに決まった価格があり、何本立てるかで総額が確定します。
一般的な相場は2000〜1万円程度で、その範囲内でも3000〜5000円程度としているところが多いようです。
しかし、上記はあくまで一般的な相場です。
明確な金額はお寺によって異なりますので、事前にお寺へ確認することをおすすめします。
また、お寺によっては法要の費用に最初から組み込まれていることもあります。
確認しても、「お気持ち程度で」と返されるお寺もあるかもしれません。
もし明確な回答が得られなかった場合は、上記の相場を参考に気持ちを込めて用意するようにしましょう。
スポンサーリンク塔婆はいつまで立てておくの?
追善供養のために立てた塔婆ですが、ずっとそのままにしておくわけではありません。
ずっと立てたままにしておくと、その内に塔婆立てがなくなってしまったり、塔婆そのものが腐敗してしまう恐れがあります。
立てた塔婆はいつ処分すればいいのかについて説明します。
処分するタイミング
塔婆が供養としての効果があるのは、1日といわれています。
そのため、本来であれば立てた塔婆は翌日には処分しても問題ありません。
しかし、立てた翌日に処分するのも大変ですし、気持ち的には長く立てておきたいという方もいるかと思います。
そのため、一般的に塔婆を処分する目安は1年ほどとされています。
あまり長いこと残しておいて、いざ問題が起こってしまったら大変です。
ある程度のルールを決めて、古い塔婆は処分していくようにしましょう。
処分方法
塔婆は、宗教的な理由ではなく行政的な理由で、個人的に処分することができません。
もし、塔婆を家庭や事業所が勝手に燃やしてしまった場合は、罰金などが発生します。
一般的な処分方法として挙げられるのは、お寺に依頼してお焚き上げしてもらうことです。
「風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却」は認可されているため、お寺がお焚き上げをするのは問題ありません。
お寺にもよりますが、塔婆料にはお焚き上げの費用まで含まれていることが多く、塔婆のお焚き上げは基本的に無料で行ってくれます。
お焚き上げ以外にも、1か所に処分する塔婆をためておいて朽ちさせる方法や、塔婆を細かく切り分けて土の中に埋める方法などもあります。
ただし、1か所に保管する方法は、塔婆の腐敗が原因でシロアリなどの被害が発生することもあり、あまりおすすめしません。
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塔婆は何回忌まで立てる?
塔婆は大きな法要のたびに立て替えるとお伝えしました。
しかし、いつまで立て続ければいいのかわからないという方も多いでしょう。
ここでは、新しく塔婆を立てるのは何回忌までなのかについて説明します。
弔い上げまで必要
塔婆は追善供養のために立てられるものです。
そのため、年忌法要が続く限りは新しい塔婆を立てることがよいとされています。
しかし、追善供養が目的となる塔婆ですので、これ以上供養しないとなれば必要がなくなります。
一般的に供養を終えるのは、弔い上げとされる三十三回忌、あるいは五十回忌となります。
三十三回忌では、どのような罪を持っている故人も極楽浄土へ成仏するとされています。
そのため、それ以上の追善供養は不要となるのです。
弔い上げは梢付き塔婆を使う
弔い上げとなる年忌法要では、梢付き塔婆(うれつきとうば)と呼ばれる特殊な塔婆を使います。
梢付き塔婆とは、枝などがついたままの生木を利用した塔婆のことをいいます。
その材料から、生気塔婆(なまきとうば)とも呼ばれます。
一般的には神聖とされる杉の木が使用されますが、松や柳などを使うこともあります。
お寺によっては普通の板塔婆を使うこともありますし、品種や枝付きを良しとするかもお寺によって異なります。
必要であれば、打ち合わせの際にお寺の方へ確認してみましょう。
スポンサーリンク塔婆立てがない場合は?
いざ塔婆を立てようとした時、お墓の近くに塔婆立てがない、ということはないでしょうか。
塔婆立てがないと塔婆が立てられず、追善供養ができないと考える方もいるかと思います。
しかし、塔婆を立てる際に塔婆立ては必ず必要というわけではありません。
塔婆立てがない場合、地面が土でできているお墓であれば、地面に直接さして立てることもできます。
もし地面が土でない場合でも、平置きやお墓に立てかけるということも可能です。
上記の方法では、きちんと供養できているのか不安になる方もいるかもしれません。
しかし、供養で一番大切なのは故人を思う気持ちです。
供養の形にこだわる必要はないでしょう。
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塔婆を立てないまとめ
ここまで塔婆を立てない場合についてや、塔婆を立てる際の情報を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 塔婆は追善供養で使われる木の板のこと
- 浄土真宗では基本的に塔婆を立てない
- 塔婆は弔い上げまでの年忌法要などで立てる
- 塔婆立てがない場合は地面に直接さしたり平置きする
これらの情報が皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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