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遺言書の安全な保管方法は?保管する際に注意することも紹介

更新日:2022.06.27

遺言書

記事のポイントを先取り!

  • 遺言書は亡くなった方が最後の想いを書面に残したもの
  • 自筆証書遺言の保管には自筆証書遺言保管制度を利用する
  • 複数の遺言書が残された場合は日付が新しいものが有効

遺言書については知っていても、遺言書の保管方法についてはご存じでしょうか。
保管方法を知ることで、遺産相続などのトラブルを防ぐことにも繋がります。

そこで、この記事では遺言書の安全な保管方法について詳しく説明していきます。
この機会に遺言書の保管方法の注意点や公正証書遺言についても覚えておきましょう。

遺言書を複数保管する方法や後から遺言書が見つかった場合の対応についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 遺言書とは
  2. 遺言書の保管方法
  3. 遺言書を保管する際の注意点
  4. 公正証書遺言なら保管の心配がない
  5. 遺言書を複数保管できる?
  6. 後から遺言書が見つかった場合は?
  7. よくある質問
  8. 遺言書の保管方法まとめ
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遺言書とは

遺言書とは簡単に言いますと、残された相続人同士がトラブルとならないように、亡くなった方が最後の想いを書面に残したものになります。

遺言書があることで、故人の希望を優先させながら、遺産相続をスムーズに行うことが可能になります。
遺言書の種類には、自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言の3つがあります。

それぞれ特徴が異なりますが、自筆証書遺言は紙とペンさえあれば誰でも簡単に作成することが可能な遺言書であり、最も一般的なものになります。

ただし、知識がない方が記載した場合、法的に無効となるケースも多くあります。

公正証書遺言は、公証役場にいる公証人と呼ばれる方が法律に従って遺言書を作成するので、最も確実で安心できるものになります。

秘密証書遺言は、公正証書遺言と同様に公証役場で作成手続きをしますが、「内容を絶対に誰にも見られたくない」といった強い希望がある方が利用します。


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遺言書の保管方法

遺言書の意味合いが理解できたところで、次は遺言書の保管方法について紹介していきます。

いくつかのパターンを紹介していきますので、それぞれのメリットやデメリットを理解した上で、自分に合った保管方法を見つけてください。

自分で管理をする

遺言書の保管方法として最も一般的なのは、自分1人で遺言書を作成して自宅に保管するというケースです。
自宅で遺言書を保管するメリットとしては、お金や手間がかからない点です。

記載した遺言書を封筒に入れ、封をして自宅の引き出しやバッグなどに保管するだけなので、最も簡単な保管方法であると言えます。

ただし、自宅での保管方法にはデメリットもあります。

自宅に保管しているという事実は遺言者しか知らないようなケースが多く、誰にも見つけてもらえず、遺言書の効力を発揮できないといった場合もあります。

せっかく作成した遺言書は発見されなければ意味がないので、予防のためには他の保管方法を利用することをおすすめします。

自筆証書遺言保管制度を利用する

自筆証書遺言保管制度は、2020年7月に始まった新しい遺言書保管制度で、遺言書を法務局に預けることができます

この制度を利用すれば検認も不要になりますので、ご遺族の方にとっても負担が少なくなります。
自筆証書遺言書の法務局での保管手数料は3,900円で、遺言者の死後50年まで追加料金なしで保管してくれます。

リーズナブルな価格で安心できる制度であるため、コストパフォーマンスが非常に良いと言えます。

法務局の保管制度を利用する場合には、遺言者が入院中で法務局に行けないケースなどであっても、原則として代理人に申請してもらうことはできません。

そのため、このようなケースでは、公証人に出張してもらい作成する公正証書遺言か、従来の自筆証書遺言を自分で保管しておく方法を選ぶことをおすすめします。

弁護士などに依頼する

弁護士などの専門家に遺言書を預けるといった保管方法もあります。

このメリットとしては、法律の専門家であるため、遺言者にとっては味方の立場で法律に則って遺言書の内容を実行してくれる点です。

また、遺言者は弁護士から遺言書の正しい書き方を具体的に教わることができ、紛失や改ざんを防止することができます。

デメリットとしては、弁護士は遺言者が亡くなったことを知らされないと遺言書の内容を執行できない点です。

万が一遺言書を預かっている弁護士が遺言者よりも先に亡くなってしまった場合には、遺言書がどこにあるのかわからなくなるリスクがあります。

弁護士に遺言書を預けることにした場合には、家族に預けていることを必ず伝えておく必要があります。

家族に事前に伝えておけば、亡くなった際に預けた弁護士に家族から連絡してもらうことができるので、上記のリスクを回避できます。

また、専門家が先に死亡してしまった場合に備えて、遺言書が誰に引き継がれるのかも確認しておくことをおすすめします。

銀行の遺言信託を利用する

遺言書の保管方法として、信託銀行で行っている遺言信託というサービスを利用することもおすすめです。
遺言信託では、遺言書の作成や保管、執行までサポートを受けることができるので安心です。

このサービスを利用するメリットとしては、遺言書について銀行から連絡がくる仕組みになっていますので、遺言書が引き継がれないといったリスクがない点です。

また、遺言に関する全般的なことをサポートしてくれるので、法律の知識がない方でも遺言書の作成を行うことができ、紛失や改ざんの心配もいりません。

デメリットとしては、銀行によってはサービスを利用できる顧客を制限しているところもあり、サービス自体利用できないことがある点です。

どちらかと言えばお金に余裕のある方向けのサービスであり、遺言書の保管だけを依頼しても断られてしまうケースもあります。

遺言書を保管する際の注意点

次に遺言書を保管する際の注意点について紹介していきます。
遺言書を自分が亡くなる前に他人に見られてしまうことを防ぐために、見つかりにくい場所に保管したとします。

このケースでは、亡くなった後に発見されないことがあります。

逆に分かりやすいように周囲の方に知らせておくと、見られてしまい、中には破棄されたり、改ざんされてしまうケースもあるようです。

このようなことを防止するためには、法務局や銀行に預けてそのことを家族などに伝えておくことをおすすめします。

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公正証書遺言なら保管の心配がない

公正証書遺言とは、第三者である公証人の立ち合いのもと、作成した遺言書のことです。

公証人は高い法律の知識や経験があるため、複雑な内容であってもきちんと整理された内容にまとまり、遺言が無効になる心配も不要になります。

公正証書遺言の特徴としては、家庭裁判所における検認手続きの必要がないことです。

病気などで体力が弱っていたり、筋力が低下して自分で遺言書を作成することが困難な場合にも、公証人に依頼することで正式に遺言を残すことが可能になります。

高齢の方にとって、手書きで遺言書を残すことは大変負担のかかることになりますので、近年では公正証書遺言を利用する方が増えています。

その代わりに、公正証書遺言では証人2名の立会いが必要となります。
公正証書遺言は、遺言書の原本が必ず公証人が在籍する役所である公証役場に保管されます。

そのため、遺言書が破棄されたり、隠匿や改ざんをされたりする心配がないので安心できます。

公正証書遺言では、政令で定められた手数料が必要となりますが、相談は全て無料になりますので、気になった方は相談してみることをおすすめします。



遺言書を複数保管できる?

場合によっては遺言書が複数見つかる場合もありますが、その際にはどのように取り扱えばいいのか迷ってしまう方も多いかと思います。

以下で複数の遺言書の保管方法について紹介していきますので、参考にしてください。

複数保管することもできる

複数の遺言書が発見された場合には、保管方法に関わらず日付が新しいものが有効になります。

ただし、中身を確認して他の遺言書と内容が抵触していないケースでは、遺言書が複数あったとしても、効力が認められる可能性もあります。

遺言書は複数保管しておいても問題はありません。
しかし、自分が亡くなった後に遺族が混乱しないように、古い遺言書は破棄しておくことをおすすめします。

日付が同じ場合は?

遺言書が複数発見されたケースで日付が同じ場合は、内容やその他の事情からどちらが後から作成されたものか判断していくことになります。

どちらが新しいものかどうしても決まらない場合には、2通の遺言書は同時に作成されたものとされ、矛盾する部分は共に無効となります。

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後から遺言書が見つかった場合は?

最後に、遺言書が後から見つかったケースの対応について紹介していきます。
結論から言いますと、遺言書には有効期限がないため、後から見つかったとしても遺産分割が可能になります。

遺産分配が遺言の内容と異なっているのであれば、原則として遺言に沿うように遺産を再分配することが本来の方法にはなります。

ただし、これはあくまでも原則であって、明確に法律で規定されているわけではありません。
そのため、相続人全員が合意していれば遺言書に沿っていなくても、再分割の手間から無視されるケースが多いのが事実です。

よくある質問

Q:遺言保管制度はいつから始まった?

A:2020年の7月に始まった制度で、遺言書を法務局に預けることができます。

Q:遺言書は誰が保管する?

A:自分で管理する方法がありますが、ご自身の死後に遺言が発見されないなどのトラブルになる恐れがあるため、法務局や弁護士などの第3者に預けることも1つの選択肢です。

Q:遺言書が複数でてきたらどれが有効?

A:遺言書が複数枚出てきた場合は、新しい方が有効です。
日付が同じ場合は、同時に作成されたものとし、矛盾する部分は無効になります。


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遺言書の保管方法まとめ

「ま」「と」「め」と書かれた積み木と電卓と時計

ここまで遺言書の意味合いや保管方法の注意点などを中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 自筆証書遺言は紙とペンがあれば手軽に作成することができる
  • 公正証書遺言とは、公証役場にいる公証人が作成した遺言書のこと
  • 複数の遺言書が発見された場合は、日付が新しいものが有効
  • 後から遺言書が見つかった場合、相続人全員の合意があれば遺言書に従わなくても良い

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(たなか)

田中 大敬(たなか ひろたか)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。

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