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移行済み遺品の洋服を分類する方法は?分類する前の確認や処分方法を解説
更新日:2025.01.14 公開日:2022.04.21

記事のポイントを先取り!
- 遺品の洋服は分類前に遺言書を確認
- 遺品の分類は親族同士で相談と検討
- 洋服の分類は要・不要・保留の3種類
- 遺品の洋服は残し方と捨て方が肝心
故人が生前使っていた洋服をどのように処分すればいいのか迷っていませんか。
洋服は遺品の中でも量が多いため、親族同士で相談して仕分け処分するのが一般的です。
そこでこの記事では、遺品の洋服を分類・処分する方法について解説します。
この機会に、後悔しない遺品の整理方法を探してみてください。
後半では、着物の対処法についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 遺品とは
- 遺品の洋服を分類する前に確認すること
- 遺品整理で洋服の分類をする方法
- 遺品整理で不要になった洋服を処分する方法
- 遺品整理を業者に依頼する場合
- 遺品整理で着物が出てきた場合の対処法は?
- 遺品の洋服のまとめ
遺品とは
遺品とは生前、故人が身に付けていたものや使っていたものなど所有していたすべてのものを指します。
遺品は遺産・形見・不用品の3つに分けることができます。
また、遺産は金銭的価値のある相続財産になり、処分する場合は法的な手続きが必要です。
具体的には現金、銀行の通帳、印鑑、不動産、有価証券、貴金属、宝飾品、美術品などがあります。
形見は故人の思い出が詰まっている品で、写真や手紙、趣味のコレクションなどです。
金銭的価値がないものもありますが、資産価値が高いと予想されるものは相続財産の対象になります。
不用品は思い出や金銭的価値がなく処分しても良い品です。
遺品の洋服を分類する前に確認すること
遺品は分類する前に確認すべきことがいくつかあります。
とくに大量にある洋服は、次の確認作業をしておくと分類や処分に役立ちます。
エンディングノートや遺言書を確認する
遺品を分類する際には、まずエンディングノートや遺言書を確認しなければなりません。
なぜなら、エンディングノートや遺言書には、故人の遺品について重要な内容が書かれていることがあるからです。
とくに洋服の価値や譲りたい人が記載されている場合は、細心の注意を払って分類する必要があります。
親族同士で相談する
遺品の分類は、各々の意思を確認しながら親族同士で相談すると良いでしょう。
遺品に関する考え方は個々に異なる場合があるため、誰かの一存で勝手に進めるとトラブルの原因になります。
したがって、形見として残すものや、換金など処分の基準について、家族や親族が納得できる方向性を決めると良いでしょう。
洋服のポケットの中を確認する
洋服のポケットや上着の内ポケットの中を確認することも大切です。
衣類にはお金や貴重品、重要な書類がポケットに入ったまま、ということが少なくありません。
洋服にあるポケットの中を確認しておくと、大切なものや思い出の品に気付かず捨ててしまうリスクを減らせます。
洋服の形見分けを検討する
遺品は葬儀後、四十九日を目安に親族間で洋服の形見分けをすることがあります。
形見分けとは、古くからある日本独自の風習で、故人の遺品を家族や親族など親しかった人に形見として贈ることです。
昔は故人の着物を形見分けの品として譲り、大切に受け継がれてきました。
現代も着物をはじめ、未使用の衣類などを形見分けすることがあります。
写真を撮っておく
洋服は遺品の中でも量が多いため、分類・処分する前に写真を撮っておくと誤って捨てることを防げます。
写真は一枚ずつ洋服を広げて撮影する必要はなく、分かる範囲で撮影したものをアルバムにまとめると良いでしょう。
アルバムに残した写真は、処分した洋服を見ながら故人を偲ぶことができます。
リサイクルできるものを活用する
年数を経て着られない洋服は、リサイクルをはじめ、さまざまなサービスを活用すると良いでしょう。
衣類は洋服も着物も仕立て直して身につけることや、全く違うものに生まれ変わらせることができます。
たとえば、男性用スーツは女性用ジャケットに、着物はネクタイやパッチワークの生地として再利用できます。
遺品整理で洋服の分類をする方法
遺品整理で洋服が大量にある場合は、3つの種類に分けて分類するとスムーズに整理できます。
次の項目を参考に整理を終えたら、処分方法について具体的に検討すると良いでしょう。
残しておく洋服
残しておく洋服は、故人が気に入っていた思い出のある服や、親族に形見分けをする予定があるものです。
さらに、未使用または新しい洋服で状態が良く、比較的高価で売却できるものも該当します。
この洋服は手元に残すもの、形見分けするもの、最終的には手元に残さず売却するものが含まれます。
捨てる洋服
捨てる洋服は、汚れや傷みが目立つ服や、誰も着ることができない服のことです。
故人の下着やパジャマは、特別な理由がない限り捨てる洋服に分類します。
とくに高齢者用のパジャマは特殊な形状のため、人に譲ることも他人が使うこともほとんどありません。
保留にしておく洋服
捨てるか捨てないかを判断できない洋服は、保留に分類して後日ゆっくり判断すると良いでしょう。
保留した洋服は、形見分けをした後に処分方法を判断できるため、処分に迷う洋服は保留しておくと安心です。
この洋服は、判断を先延ばしにしている間に、最適な処分方法を検討できる服になります。
遺品整理で不要になった洋服を処分する方法

遺品整理で不要になった洋服は、どのように処分するべきなのでしょうか。
洋服を処分する際の注意点も参考に見ていきましょう。
故人に着せてあげる
これから葬儀をする場合は、故人のお気に入りだった洋服を着せてあげると良いでしょう。
物理的に着せることが困難な場合は、装束の上からかけることも可能です。
洋服は燃える素材なら差し支えありませんが、金属や貝のボタンなどは外さなければなりません。
棺に入れられるものは、火葬場によって条件が異なるため事前に確認しておきましょう。
形見分けをする
故人が生前愛用していた服や新品の服は、家族や親族に形見分けをする方法があります。
形見分けは四十九日法要など、親族が集まったときに個々の意向を聞きながら進めると良いでしょう。
ただし、中には形見分けを嫌う人もいるため、勝手に洋服を選んで渡したり送ったりするのは控えるのが無難です。
リメイクをする
もらい手もなく捨てることもできない洋服は、リメイクして形を変え手元に残す方法があります。
裁縫が苦手な方は、オンラインサービスでリメイクができる業者に依頼すると良いでしょう。
しかし、リメイクは洋服の生地をばらして使うため、もとの形を失いたくない人には最適な方法とは言えません。
一般のゴミとして出す
捨てるものとして分類した洋服は、一般のゴミとして正しい方法で処分しましょう。
一般的に洋服を廃棄するときは、金属などの燃えない部分は取り外さなければなりません。
また、汚れた衣類は燃えるゴミ、古着は資源ゴミとして回収している地域があります。
ゴミの扱いは自治体によって異なるため、廃棄するときはルールを確認しなければなりません。
リサイクルショップに売る
新しい洋服や高価な洋服は、フリマアプリやリサイクルショップに売って処分することも可能です。
高値で売りたい場合は、すべて同じ店ではなく着物・毛皮・ブランドなど専門性に特化した店舗に持ち込みましょう。
しかし、すべてが高値で取引される訳ではありません。
値段が付かない洋服は、重量で買い取られるため想定額にならないことがあります。
寄付をする
不要になった洋服は寄付をして処分するという方法があります。
寄付した洋服は、被災地や途上国などの衣類を必要としている人に届けたり、販売収益が寄付されたりします。
国内でも多くの団体が存在しており、送料の負担はありますが洋服を処分しながら社会貢献できます。
寄付する際は洗濯済みの清潔な洋服を送り、虫食いや縮み、汚れなど古びた洋服は送らない配慮が必要です。
供養をしてもらう
洋服は神社やお寺で遺品を焼く、お焚き上げという供養をして、処分する方法があります。
故人への想いが強い洋服をゴミと一緒に処分できない場合は、お焚き上げをしてもらうと良いでしょう。
最近は、お焚き上げによる供養ができる神社やお寺が減っています。
そのため、お付き合いのある寺院がなければ、自分で探して供養方法や料金について相談をしなければなりません。
遺品整理業者に回収してもらう
遺品整理で不要になった洋服は、遺品整理業者に回収してもらう方法があります。
遺品整理業者に依頼すると、故人宅にある不用品をすべて回収・処分し、思い出の品を整理してくれます。
また、故人が遠方にいる場合は、プロに任せた方が時間と手間がかからず、交通費の節約にもつながります。
遺品整理は故人の大切なものを扱うため、遺品整理士の資格を保有する、遺品整理専門業者を選ぶと良いでしょう。
遺品整理を業者に依頼する場合

遺品整理は業者に依頼すると、進まなかった作業を早く終えることができます。
業者に依頼すると費用の負担はありますが、それ以上に十分なメリットがあるでしょう。
依頼した方がいいケース
故人の遺品整理について、次のケースに該当する場合は業者に依頼すると良いでしょう。
- 遺品整理の量が多く、どのように作業を進めれば良いのか分からない。
- 故人の家が遠く、通いながら遺品整理を行うことが難しい。
- 長期休暇を取って遺品整理する時間と余裕がない。
- 賃貸物件の家賃を抑えるため、早期に遺品整理をして退去したい。
- 自分で遺品整理をしていたが、体力的・精神的に疲弊している。
対応可能なサービス
遺品整理業者は、遺品の分類・処分・買取から供養まで、対応できるサービスは多岐にわたります。
ほかにもハウスクリーニング、消臭作業、家屋の解体・リフォーム、不動産仲介、相続相談まで対応可能です。
このように遺品整理業者は多くの作業ができるため、時間や手間を省いて依頼者の負担を減らすメリットがあります。
遺品整理の費用相場
遺品整理の費用相場は部屋の広さによって異なります。
- 1K/1R…3万円~8万円
- 1DK…5万円~15万円
- 1LDK/2DK…7万円~25万円
- 2LDK/3DK…12万円~40万円
- 3LDK…17万円~50万円
- 4LDK以上…22万円~65万円
費用は季節性や地域性によって変動があります。
また、ゴミ屋敷清掃の片付けなど、特殊清掃が必要な場合は費用が高くなります。
遺品整理で着物が出てきた場合の対処法は?
遺品整理で故人の和服や着物が出てきたとき、どうすればいいのでしょうか。
洋服と同様、いくつかの対処方法があるので、後悔しないように選択すると良いでしょう。
形見として保管する
着物は親族で形見として大切に保管すると、長年楽しむことができます。
それには着物に適した保管場所があり、定期的な虫干しの手入れが必要です。
昔は嫁入り道具として着物一式を作るのが当たり前でしたが、現代は着る機会もほとんどありません。
故人の思い入れがある大切な着物なら、着物の価値や扱い方を知る人に形見分けすると良いでしょう。
仕立て直しして利用する
着物は故人の体型にあわせて作るため、自分の体型にあわせて着物を仕立て直すと再利用できます。
仕立て直しとは、縫い目の糸を解いて洗い張りをして、着る方の寸法にあわせてもう一度仕立て上げる作業です。
着物は全体的に直すと以前とは雰囲気がガラリと変わります。
お直しの料金は種類や作業によって異なりますが、長い目でみると最適な価格と言えます。
他にも、ワンピースなどへの仕立て直しや、バッグ・クッションなどの生地として活用しても良いでしょう。
着物買取業者に売る
着られる着物だけど着る人がいないという場合は、着物買取業者に売る方法もあります。
着物の価値は技法や有名な作家や産地、染着物の種類によって相場価格に大きな差があるのです。
したがって着物を売る際は、専門の査定員が在籍する着物買取業者に依頼しましょう。
枚数が多い場合は自宅まで査定に来てくれる業者もあり、その場で買い取って現金を受け取ることも可能です。
ネットオークションで売る
汚れがなく比較的美品とされる着物は、ネットオークションで売る方法があります。
ネットオークションは、自分で写真撮影や出品、価格設定を行うため、さまざまな知識が求められます。
とくに着物の価値は種類や素材、絵付けの手法などで異なるのです。
一定の相場を分かった上で価格設定をしなければ、本来の価値より低い値で売却してしまう可能性があるでしょう。
廃棄する
着られない状態の着物や他の処分方法も叶わない場合は、他の衣類などと一緒に廃棄処分することになります。
着物が大量にある場合は、遺品整理業者に依頼して処分料を支払うと、廃棄してもらえます。
また、着物に思い入れがなく、数枚程度なら自治体のゴミとして出すことも可能です。
その場合は、自治体で決められたゴミの回収方法を確認しましょう。
遺品の洋服のまとめ

ここまで遺品の洋服を分類・処理する方法について解説してきました。
まとめると以下の通りです。
- 遺品の洋服は分類前にエンディングノートと遺言書を確認する
- 遺品の分類は写真を見ながら親族同士で相談し検討する
- 洋服の遺品整理は要・不要・保留の3種類に分ける
- 遺品の洋服や着物は棺に入れる・リサイクル・寄付で処分
- 洋服の遺品整理を早く済ませるなら業者に依頼する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。