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死亡後の手続き

警察に遺体が引き取られた場合死亡届はどこでもらえる?流れを解説

更新日:2022.04.30

死亡届

記事のポイントを先取り!

  • 死亡届は人が亡くなったことを知らせるための書類
  • 遺体を警察に引き取られることがある
  • 病院以外で亡くなった場合は死体検案書が必要

人が亡くなると死亡届を提出しますが、遺体が警察に引き取られて検視される場合があることをご存じでしょうか。
この場合、死体検案書が交付され、死亡届とあわせて提出することを知っておきましょう。

そこでこの記事では、警察に遺体が引き取られた場合の死亡届について詳しく説明していきます。

この機会に死亡届の書き方や提出先、提出期限についても覚えておきましょう。
後半には死亡届に関する注意点についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 死亡届とは
  2. 警察医や監察医から死体検案書が発行される
  3. 死体検案書は半日から数日以内に発行される
  4. 警察が遺体を引き取るケースとは?
  5. 検視は拒否できるのか?
  6. 警察から遺体を引き取るまでにすべきこと
  7. 死亡届に関する注意点
  8. よくある質問
  9. 警察に引き取られた場合の死亡届まとめ
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死亡届とは

死亡届は、人が亡くなったのを知ってから7日以内に役所に提出しなければならない書類です。
人が亡くなると、亡くなった人の戸籍の記載事項を変更する必要がでてきます。

死亡届は、人が亡くなったことを役所に知らせて、きちんと手続きしてもらうための書類です。
死亡届は役所に提出する義務が戸籍法で定められていて、提出しないと罰金を科される場合があるので注意しましょう。

死亡届の様式は市区町村によって多少異なりますが、多くは一枚の用紙を中央で区切って、右側に「死亡診断書」または「死体検案書」を記入するようになっています。

左側が、提出者が必要事項を記入する「死亡届」です。
基本的に死亡診断書死体検案書は、医者などの専門家が記入することになります。

現在は、病院で死亡が確認されるケースがほとんどのため、用紙も病院に用意されていることが多いでしょう。

事前に医者が記入したものが遺族にわたされるケースが多く、その後必要な場所だけ遺族が記入することになります。

死亡届の書き方

死亡届に記入する内容は、戸籍法第86条2項で定められています。
ただ、家族や親戚など、故人のことを知っている人であれば、難しい内容ではありません。

記入する内容は、主に以下の通りです。

  1. 死亡届を提出する日には、実際に市区町村の役所へ提出する日を記入します。
  2. 故人の氏名と生年月日を記入します。
  3. 故人が亡くなった時間と場所には、医師に記入してもらった「死亡診断書」や「死体検案書」に書かれたものと同じ内容を書き写します。
  4. 故人が住民登録をしている住所と世帯主の氏名には、故人の住民票の住所と、その場所の世帯主の名前を記入します。
  5. 故人の本籍地を記入しますが、現住所や住民票の登録地とは異なる場合があるので、注意して記入します。
  6. 故人の仕事欄は、任意でよいことになっています。
  7. 届出人と故人の関係について、選択肢の中から該当するものを選びます。
  8. 届出人の住所や本籍地を記入し、署名のうえ、押印します。

最近は、押印は任意とされている場合もあります。

以上の必要事項を記入して、提出することになります。
死亡届の記入例は法務省のホームページなどにも掲載されているので、事前に確認しておくと安心です。

死亡届の提出先

死亡届を提出する場所は、故人の本籍地、または死亡した場所の市区町村の役所です。
その他、届出する人の居住している市区町村でも提出できます。

ここで注意しないといけないのは、故人の居住地の役所というだけでは、届け出ができない点です。
もし、死亡した場所が亡くなった方の本籍地や居住地でなかった場合は、無理に故人の居住地で提出するのではなく、死亡した地域の役所に提出するようにしましょう。

死亡届を担当している部署は、戸籍課などです。
ただし、役所によって担当部署の名称が違う場合があります。
もし分からない場合は、役所の受付に問い合わせてみてください。

死亡届の提出期限

死亡届は、提出する人が「死亡を知った」日から7日以内に提出することになっています。
ただ、ここでいう7日とは、死亡してから7日という意味ではありません。

たとえば、行方不明になっていた人が死亡して発見され、死後7日以上たっていた、という場合もあるでしょう。
このような場合には、故人の死を知った日から7日以内に提出すれば問題ありません。
実際に亡くなった日ではなく、遺体が見つかり死亡が確認され、提出する人がそれを知った日から数えた日数であることに注意しておきましょう。

ただし海外など、遠方で亡くなった場合は、どうしても7日以内に届け出ができないケースもあります。
その際は、死亡を知った日から3か月以内に提出してもよいことになっています。
間違いのないように、きちんと確認して提出するようにしましょう。

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警察医や監察医から死体検案書が発行される

闘病の末、病院で亡くなった場合など、死因が分かっている場合は、医師により死亡診断書が作成されます。
ただし、事故死や突然死、自殺などの場合は死体検案書が必要です。

どういう理由で亡くなったのか、事件性がないのかといったことを把握するために、警察医や監察医による検視がきちんと行われることが必要になるためです。

通常、病気などが原因で、病院などで医師の診療を受けながらの死亡であれば、そのまま死亡診断書が交付されて処理されます。

ただ、遺体に異常があった場合には警察署に連絡され、犯罪性の疑いをきちんと調査されたうえで、警察医や監察医により死体検案書が発行される流れとなります。

死体検案書は半日から数日以内に発行される

警察により検視が行われている場合は、検視が終わり、死体検案書が発行されるまでは死亡届を提出することはできません

また、遺体も警察署に保管されたままの状態になるので、事実上、葬儀も実施できないことになります。

特に持病がなく自宅で突然死していたり、屋外で亡くなったりした場合は、死体検案書が作成されます。
そのため、病院などで亡くなった場合と比べると多少時間がかかります。

遺体に異常がなかったり、死因が明らかであったりする場合には、すぐに死体検案書が作成されるので、それほど長い時間はかかりません。

地域によって違いはありますが、早ければ半日程度で死体検案書が発行してもらえる場合もあります。
ただし、遺体に不自然な点や異常がある場合は、24時間以内に所管する警察署へ連絡することになっています。

そのうえで、警察医や監察医が「検視」を実施することになるので、比較的時間がかかることになるでしょう。
犯罪性が排除された場合には、「検視」に立ち会った医師が死体検案書を作成します。

地域によっては監察医制度があり、行政解剖が実施されることになるとさらに時間を要します

犯罪性が排除されない場合や、行政解剖によって犯罪性が指摘された場合は、司法解剖やDNA鑑定など、さらに詳細な調査が実施されます。

こうした調査を経て死体検案書が発行されるため、犯罪の疑いなどが見られた場合は、死体検案書の交付が先に延びていくことになるでしょう。

遅くとも数日以内には死体検案書が発行されることが多いようですが、それまで死亡届の提出や葬儀の実施は、待たなければならないことになります。

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警察が遺体を引き取るケースとは?

病院などで治療中に亡くなるなどした場合は、すぐに死亡診断書が作成され、葬儀に移っていくことになります。

ただし、自宅や屋外などで亡くなった場合は、死体検案書が作成されることになるため、通常とは異なる方法をとらなければなりません。

その際、警察が事件性がないかを調べるために、遺体を引き取るケースもあります。
ここでは、どのような場合に警察が遺体を引き取るのかについて解説します。

遺体が引き取られるケース

自宅や屋外などで亡くなった時には、異常死として扱われる場合があります。

事件性があると疑われる場合や、持病がない人が突然亡くなった場合は、その原因を究明するために警察に遺体が引き渡され、検視が実施されることになります。

明らかに自殺による死亡が確認できる場合でも、警察が遺体を一度引き取ることになります。

遺体が引き取られないケース

自宅で亡くなった場合でも、明らかに持病が原因で死亡したことが分かる場合は、警察に遺体が引き取られることはありません。

この場合はかかりつけ医などに連絡をして、自宅できちんと死因を確認してもらい、死亡診断書を作成してもらうことになります。

ただし、かかりつけ医が遺体を診て、事件性があるかもしれないと判断したり、別の病気が原因だという疑いを持ったりした際には、警察に引き取られることになります

ちなみに、たとえ持病であっても、かかりつけ医が到着するまでの間に、遺体の劣化を防ごうとドライアイスなどを使用される方がいます。

この場合、事件性の疑いがもたれて、警察に引き取ってもらう事態に発展してしまうこともあるので注意しましょう。

大切な遺体ではありますが、かかりつけ医に確認してもらうまでは亡くなった現場を保存しておくことも必要です。

遺体が解剖されるケース

警察に引き取られた後、遺体の状況を確認する「検視」が実施され、事件性の有無が確認されます。
この「検視」により事件性の疑いが排除できない場合は、司法解剖が実施されます
司法解剖により、事件性が確認されたり、事件であったりした場合は、その証拠資料とするために必要な解剖が実施されます。

また、事件性がなかったとしても地域によっては監察医制度があり、行政解剖が実施される場合があります。
行政解剖は、犯罪性が本当にないかどうかをチェックするという意味や、病気の予防などのために実施されるものです。

検視は拒否できるのか?

検視は、犯罪があったかどうかをきちんと確認するためのものなので、拒否することはできません。
人が亡くなって死因がはっきりしない場合は、その裏に犯罪があったかもしれないと考える必要があります。
そのため、検視をすることが決められています。

一見、病気で亡くなったと思われるような場合でも、もしかすると犯罪の被害にあわれた可能性もあります。
きちんと専門の知識を持った人たちによって検視を行い、明らかにする必要があるのです。

また同時に、警察による関係者などへの事情聴取や、指紋採取などが行われる場合もあります。
人が亡くなった時には、こうした一連の捜査が実施される可能性があることを知っておきましょう。

また、自宅で持病が原因で亡くなった場合でも、かかりつけ医や警察が到着するまでに遺体を現場から移したり、服を着せかえたりしてしまうと検視になる恐れがあります。

遺族としてはよかれと思ってやったことでも、かえって事件性があると疑われてしまいかねません。

大切な人が亡くなって気が動転していたり、悲しかったりする状況であっても、専門家に確認してもらうまでは、遺体は触らずそのままにしておきましょう

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警察から遺体を引き取るまでにすべきこと

警察で検視が実施された後は、遺族が遺体を引き取りにいく必要があります。
ここでは、遺体を引き取る際や、引き取るまでに遺族がすべきことについて解説します。

葬儀社・葬儀内容を決定する

検視から遺体が戻ると、すぐに葬儀の準備にとりかからなければなりません
そのため、検視されている間に、葬儀社をどこにするか決めておきましょう。

葬儀社に希望する葬儀の内容等を相談しておけば、遺体を引き取った後スムーズに葬儀がとり行えます。
また、葬儀社によっては、警察署まで遺体を引き取りに行ってくれる場合もあります。

遺族が遺体を運ぶことには、困難がともなう場合も少なくありません。
あらかじめ、ノウハウを持っている葬儀社を頼ることも検討するとよいでしょう。

着替えやタオルの準備をする

警察から遺体を引き取る際の対応は警察署によって異なり、遺体だけが返却される場合があることに注意が必要です。

そのため、遺体に着せる着替えや、タオルなどを持参するとよいでしょう。

地域の葬儀社などは、警察署での遺体の引き取りについて知識を持っていることもあるので、一度葬儀社に相談してみるとよいかもしれません。

身分証明書・印鑑を準備する

警察から、遺体を引き取りに来るよう連絡があった際には、故人の身分証明証、受け取る人の身分証明証、朱肉を使う印鑑が必要になるため準備しておきましょう。

その他、警察署によって持参すべきものが他にもあるかもしれません。

連絡を受けた際に、何を持参すべきなのかをきちんと確認しておきましょう。

費用を準備する

警察署から遺体を引き取る際には、検視にかかった費用を遺族が負担しなければならない場合があります
この費用の額は、自治体によって違いがあります。

中には、全額自治体が負担してくれる場合もあります。
どのくらいの費用がかかるのかは、事前に確認しておきましょう。

検視にかかる費用は、主に死体検案書の交付代、遺体を検視場所に移送する費用、遺体を納める遺体袋の費用などです。

自治体による補助率の違いにより、支払う費用は大きく異なってきますが、おおよそ3万円〜10万円程度とされています。

行政解剖が実施された場合は、その費用を負担する場合もあり、さらに高額になります。なお、司法解剖の場合は、国家負担で実施されることになっているので、費用はかかりません。

死亡届に関する注意点

死亡届を出しただけでは、火葬は行えません。
また、生命保険や損害保険、死亡保険などの請求に、死亡届の写しがあると便利な場合があります。

ここでは、死亡届に関する注意点について解説します。

死亡届では火葬できない

死亡届は、あくまで人が亡くなったことを報告するための書類です。
遺体を火葬するためには、死亡届とは別に、火葬許可証が必要になります。

火葬は、市区町村長が火葬を許可しなければ実施できないためです。
火葬許可証の交付を受けるためには、火葬許可証申請書を役所に提出しなければなりません。

多くの場合、死亡届を提出する際に、同時に火葬申請書を作成し、提出することになります。
火葬許可証申請書を提出し、書類に不備がなければすぐに火葬許可証が交付されます。

火葬許可証は、火葬する際に火葬場に提出しましょう。
遺骨を埋葬する際にも使用することになる、重要な書類です。

提出前に10枚程度コピーをとる

死亡届を提出すると、原本は返却されません
人が亡くなると通常、生命保険や損害保険、死亡保険などの請求をする必要がでてくるでしょう。

また、銀行口座の名義変更などもしなければなりません。
これらの請求や変更には、故人が死亡したことを証明する書類が必要になります。

死亡届提出後に故人の死亡を証明するためには、役所での「死亡届の記載事項証明書」や医療機関での「死亡診断書」の再請求が必要になります。

「死亡届の記載事項証明書」は1通350円、「死亡診断書」は3,000円〜1万円程かかります。
ただ、死亡届の控えだけで、これらの書類の記載事項が証明できる場合も少なくありません。

そのため、死亡届を役所に提出する前に、10枚程度コピーをとっておくと、様々な手続きの際に便利です。

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よくある質問

Q:警察が死亡確認するのはどんなとき?

A:病院や自宅などで病気などの死因が明らかになっていないときです。
事故死や突然死、自殺の場合は警察の検視・検案が必要です。

Q:死亡届けはいつまでに出せばいい?

A:亡くなったことを知ってから7日以内に提出することが義務付けられています。
海外で亡くなった場合は3ヶ月以内に死亡届を提出することが義務付けられています。

Q:警察で死亡確認をした場合に必要な書類は?

A:死体検案書が発行されます。
半日で発行されることが多いですが、遺体に不自然な点があるような場合は24時間以内に警察署に連絡されます。


警察に引き取られた場合の死亡届まとめ

ここまで死亡届の書き方や警察に遺体が引き取られた場合についてを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 死亡届は中央で区切られ、左側は死亡診断書(死体検案書)になっている
  • 死亡届は、死亡を知ってから7日以内に市区町村の役所へ提出しなければならない
  • 遺体に異常があった場合は検視のために、遺体が警察に引き取られる場合がある
  • 検視は犯罪性があるかどうかを確認するためのものなので拒否できない

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(たなか)

田中 大敬(たなか ひろたか)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。

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