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遺影がいらない場合はどうすれば良い?遺影の処分方法も紹介
更新日:2022.05.17 公開日:2022.06.02

記事のポイントを先取り!
- 遺影とは故人の葬儀の際に祭壇に飾る生前の写真のこと
- 遺影の写真はリサイズ可能なので写真を小さくして作り直せる
- リサイズを業者に依頼した際の費用の相場は500円〜3,000円程度
生前の故人の姿を思い出させてくれる遺影ですが、遺影が不要であることについてはご存じでしょうか。
遺影の必要性について知り、遺影が不要なケースや対応を知ることは大切なことです。
そこでこの記事では、遺影がいらない場合の対応について詳しく説明していきます。
この機会に遺影の必要性や処分方法について知っておきましょう。
後々遺影が欲しくなった場合の対応についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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遺影とは

遺影とは、故人の葬儀の際に祭壇に飾る生前の写真のことになります。
遺影を飾る風習は、葬儀社が演出の1つとして行ったことが始まりであるとされています。
一般的に葬儀後には仏壇の近くに遺影が据えられています。
これには戦時中に亡くなってしまい、帰ってこられなかった兵士などを偲ぶ意味合いがあったとされています。
遺影を飾ることで故人を身近に感じられ、遺族にとっての心のよりどころとなっていたからです。
なお、遺影に使用される写真は、故人らしさがあり、故人の人柄が伝わるようなものが良いとされています。
遺影がいらない場合は?
次に遺影が不要なケースについて紹介していきます。
遺影の必要性について以下で詳しく説明していきますので、参考にしてください。
遺影はなくても問題ない
明治時代以降の日本では、ご先祖様の写真が仏壇近くに飾られていることが多く、遺影を飾ることが当たり前となっています。
遺影がないと故人の供養にならなかったり、葬儀ができないのではないかと考える方もいるかと思います。
実際には遺影に宗教的な意味合いはなく、遺影は必ずしも必要といったわけではありません。
遺影を必ず飾らなければいけないといった決まりはなく、遺影を飾るかどうかは遺族間で話し合って決めていただければ大丈夫です。
中には遺影の代わりに故人の生前の様子がわかる写真を飾る写真コーナーを設けるような方もいます。
遺影を作らない人もいる
遺影は葬儀や告別式の際、祭壇に飾られます。
葬儀の規模が大きければ大きいほど、参列者も多くなるので、後ろの席でも故人の顔が良く見えるように、大きめの遺影になる傾向にあります。
故人の写真が葬儀までに準備できなかった場合や、遺族間で話し合った結果、遺影を飾らないこととなった場合などもあり、遺影のない葬儀も実際にはあります。
この他にも、故人が生前遺影を飾ることを望まなかったなど、理由はさまざまです。
宗教的に見ても、遺影の有無で供養方法に違いが出ることはありませんのでご安心ください。
遺影の処分方法

遺影の処分については、どのようにすれば良いのかわからず、迷われる方も多いかと思います。
具体的な処分方法を以下に紹介していきますので参考にしてください。
一般ゴミとして処分する
遺影には宗教的な意味合いはないので、一般ごみとして自分で破棄しても問題ありません。
法律的にも、遺影をゴミとして捨てることに対する罰則などはないです。
ただし遺影の写真に思い入れのある親族などにとっては、遺影を捨てることに対して抵抗を感じる方も少なくないでしょう。
その場合は、捨てる際には白い布や紙で遺影を包んだり、塩を振ってから捨てるといいでしょう。
白い色や塩には浄化作用があると言われています。
遺影を捨てる際の注意点としては、フレームやガラス部分は不燃ごみとされているので、分別をしっかり行うようにしましょう。
遺影の処分に関しては、捨てる前に親族間で話し合い、全員が納得した上で処分を進めていくことをおすすめします。
お焚き上げをする
遺影をゴミとして捨てることで、故人が成仏しないのではと不安に思う方もいます。
実際にはそういったことはないですが、遺影を捨てることに対して抵抗や不安がある方は、寺院や神社などに持っていき、「お焚き上げ」していただく方法もあります。
お焚き上げする際に寺院では、僧侶にて読経をあげていただき、遺影の魂抜きや供養していただきます。
神社でお焚き上げをする際は、どんど焼きに持ち込むのではなく、遺影であることを伝えて個別に供養していただくことをおすすめします。
お焚き上げの費用については寺院や神社によって異なりますが、相場としては1万〜5万円程度です。
写真のデータがある場合には後々必要となったときのために保存しておくことをおすすめします。
遺影はリサイズもできる
遺影を処分する際に賃貸住宅などのため、飾るスペースが確保できないといった理由が挙げられる方もいます。
そういった場合は、遺影を小さく作り直して飾ることをおすすめします。
前章で遺影のデータは残しておいた方が良いといった理由は、遺影に使用したデータを残しておくことで、自分で簡単にリサイズできるためです。
データがないケースであっても、業者に依頼すれば遺影のリサイズは可能です。
写真自体をデータ化したり、データ化した写真をキーホルダーやアクセサリーにしてくれるサービスもあります。
業者に依頼した場合の費用は、500円〜3,000円程度が相場で、データはSDカードやオンライン上で受け取れます。
データがあれば、住宅状況や生活スタイルに合わせて何度でも作り直せます。
後で遺影が欲しくなった場合は?

次に遺影を処分してしまってから後々遺影が欲しくなった場合の対応について紹介していきます。
以下で詳しく説明していきますので参考にしてください。
遺影は後から作ることもできる
故人が亡くなってから葬儀までに時間の余裕がなく、遺影が用意できなかったなどのケースでも、遺影は後からでも作れるので大丈夫です。
遺影があることで故人を身近に感じられ、遺族にとっての安心感や故人を偲ぶことにもつながります。
遺影用の写真がない場合は?
遺影用の写真にはある程度条件がありますが、遺影に適した写真がないケースもあるかと思います。
このような場合には、どういった対応をすれば良いのか説明していきます。
免許証を使う
遺影用の写真がない際には、免許証やマイナンバーカードなどの証明写真を使用する方法もあります。
これらの写真を編集して髪型や背景、表情や衣服を変更できます。
さらに見た目年齢を変更することも可能なので、若い頃のものしかないケースなどでも編集によって自然な遺影が作れます。
似顔絵を入れる
遺影に適した写真がない場合には、遺影の代わりに画家に依頼して似顔絵を描いてもらうケースもあります。
似顔絵の制作を依頼する際には、故人の人柄や雰囲気がわかるような生前の写真を数枚用意してから依頼するといいでしょう。
遺影専門の画家に依頼した場合の費用の相場としては、5万円程度からになります。
仏壇もいらない場合は?
最後に遺影だけでなく、仏壇もいらないケースについて紹介していきます。
以下で仏壇の必要性や処分方法について説明していきますので参考にしてください。
仏壇が無くても問題ない
仏壇はご先祖様や故人の家のような存在で、簡単に言いますと自宅の中にある小さなお寺のようなイメージになります。
宗派によって考え方は異なりますが、位牌には故人の魂が宿っているとされています。
遺族にとっては仏壇があることで、故人を弔う心のよりどころとなっています。
近年では住宅環境やライフスタイルの変化から、仏壇を必要としないといった方々も増えています。
ひと昔前のような立派な仏壇がなくても故人を供養することはできますので安心してください。
最近人気が高まっているのは、生活スタイルや住居環境に対応できる「手元供養」と呼ばれる供養方法です。
手を合わせることのできる場所を自由に作ることで故人を身近に感じられるようにする供養方法です。
ミニ仏壇が人気ですが、中にはペンダントやブレスレットなどのアクセサリー類にしたりする方もいます。
墓地や寺院の中には永代供養してくれるところもあるので、仏壇や墓石を必要としないケースもあります。
このように供養方法はさまざまであり、必ずしも仏壇が必要というわけではないので、自分にあった供養方法を選択することをおすすめします。
仏壇の処分方法
ここからは仏壇の処分方法について紹介していきます。
例えば墓守していた遺族が亡くなってしまい、仏壇を引き継いだケースなどが挙げられます。
従来の大きくて立派な仏壇を置くスペースがなく、やむを得ず古い仏壇を処分する場合などの対応を紹介していきます。
仏壇を処分する方法としては、以下のものが挙げられます。
- 菩提寺に引き取り依頼する
- 仏具店に引き取り依頼する
- 粗大ごみとして処分する
- 業者に処分を依頼する
- リサイクルショップや買取店に持参する
このような方法がありますので、自分に合った方法を選ぶといいでしょう。
遺影のいらないまとめ

ここまで遺影がいらない場合の処分方法や注意点などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 遺影には宗教的な意味合いはなく、遺影は必ずしも必要といったわけではない
- 遺影を一般ごみとして自分で破棄しても宗教上何ら問題はない
- 遺影用の写真がない際には免許証などの証明写真を加工する方法がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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