お墓
墓誌の追加彫りはいつまでに行うべき?費用についても解説
更新日:2024.02.03 公開日:2022.07.07

記事のポイントを先取り!
- 墓誌にはそのお墓に眠るご先祖様の戒名や没年月日などを彫る
- 墓誌はご先祖様の歴史や家のルーツを知ることができる家系図の役割がある
- 墓誌の追加彫り費用は3万円~5万円程度
- 墓誌の彫り間違いはさまざまな方法で修正可能である
お盆やお彼岸にお墓参りをしたときに、墓石の横に石碑が建てられていることがあります。
石碑には多くの文字が刻まれ「墓誌(ぼし)」と呼ばれています。
墓誌はおもに板石で作られご先祖様の名前が彫刻されています。
では実際に墓誌に名前を入れるときに、文字を追加彫りする最適なタイミングはあるのでしょうか?
そこで本記事では墓誌に追加彫刻するときの時期や費用について解説いたします。
また後半では「彫刻内容の修正は可能なのか」についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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- 墓誌とは?
- 墓誌の役割
- 墓誌の書き方
- 墓誌の追加彫りはいつまでにするべき?
- 墓誌の追加彫りの費用
- 追加彫りを依頼する時に必要なもの
- 追加彫り工事までの流れ
- 他の人はこちらも質問
- 追加彫りの内容は修正できる?
- 墓誌の追加彫りについてのまとめ
墓誌とは?
墓誌とはお墓に「誰が埋葬されているのか」を刻んだ石碑のことで、お墓の区画内に設置されています。
宗教や宗派、地域によって「墓標(ぼひょう)」「霊標(れいひょう)」や「戒名板(かいみょうばん)」、さらに浄土真宗では「法名碑(ほうみょうひ)」とも呼ばれています。
墓誌には一般的に以下の4つのことを刻んでいきます。
- 戒名(寺院から授かった仏門に入る時の名前です。浄土真宗では法名といいます)
- 没年月日(命日)
- 享年(亡くなった時の数えの年齢)
- 俗名(生前の故人の名前)
上記以外にも故人が好きだった言葉や座右の銘、生前の趣味などを略歴として刻むこともあります。
無宗派の家のお墓は、戒名ではなく「俗名」と「没年月日」を彫刻します。
墓誌は必ず必要というわけではなく、墓石だけのお墓も多くあります。
墓誌を建てる場所は特に決まりはなく、お墓の敷地内で墓石(竿石)の左右どちらかに建立します。
墓誌が広く使われるようになったのは今から30〜40年程前です。
はるか昔は、故人おひとりにつき1基のお墓を建立していました。
そのためお墓参りなどに行くと、名前を墓石の中心に刻んだ「個人墓」を見かけることがあると思います。
明治時代以降、家族で一つのお墓に入ることが増えてきました。
しかし、多くの故人が埋葬されていくにつれ、その分彫刻をする文字も増えていきます。
墓石のスペースに限りがあることや、隣同士のお墓が近すぎて新たに彫刻の文字を彫ることができないなどの理由から、墓誌を建立するケースが増えています。
墓誌の役割
墓誌には、故人の戒名などを刻み、「ここには誰が眠っているのか」を記す役割があります。
実際に「祖父母」世代くらいまでは現世で会うことができるかもしれませんが、それよりも前のご先祖様はどうでしょうか。
「顔を見たことがなく、どんな声をしていたのか」すら分からない場合も多いと思います。
しかし家族のルーツをさかのぼると「父母」と「4人の祖父母」、そして「8人の曾祖父母」、さらに多くの先祖が命を繋いでくれています。
古代日本では災害や疫病も多く、さらに戦国時代も長く続きました。
さまざまな困難の中で命の連鎖が途切れなかったこと、ご先祖様がいてくれたからこそ自分は今を生きているんだ、ということを考えるきっかけにもなります。
墓誌は、ご先祖様がどんな時代に何歳まで生きていたのかを知るひとつの方法です。
まさにご先祖様の歴史や家族のルーツを知る家系図でもあります。
世代を超えてご先祖様と繋がり、また自分の存在も後世に伝えていく役割があります。
近年すすむ核家族化によって、家族や親戚が集まる機会が大幅に減っている家庭も多いようです。
お盆や法要の貴重な集まりの場面で、「過去帳」ともいえる墓誌を囲み、ご先祖様に想いを馳せて偲ぶのもまた良い時間になるでしょう。
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墓誌の書き方
墓誌にはさまざまな形やデザインがあり、彫刻する際の特別な決まりはありません。
基本的にはお亡くなりになった順番に、墓誌の右側から追加彫りしていくのが一般的です。
しかし亡くなった順番だと家族の関係性が分かりにくい可能性があります。
誰が見ても分かりやすいように「夫・妻・子ども」の順に家系図のように刻むのもひとつの方法です。
夫婦どちらかが亡くなったけれど連名で戒名を並べて刻みたいと考える場合は、いずれ彫刻するスペースを空けておき、その左側に追加彫りしていきます。
健在の方の名前を彫刻するときは「朱文字」で記します。
また合同葬など複数の故人が埋葬されている場合も、亡くなられた順番に墓誌や石碑に追加彫りしていきます。
ご先祖様が多くいる家ではすでに墓誌の彫刻スペースがいっぱいになることがあります。
その際は新しい墓誌に交換して、多くのご先祖様の戒名を「先祖代々之霊」と一行にまとめることができます。
そこへ新たに亡くなった方の戒名を左側に続けて追加彫りする方法もあります。
本来、墓石に戒名を彫刻するときは故人の魂が宿ると考えられているため、僧侶に「魂入れ」の儀式をしてもらいます。
しかし墓誌はあくまでも名前を記録するものであり礼拝の対象になりません。
そのため名入れや追加彫りの際も、墓誌の「魂入れ」の供養は必要ないとされています。
なお、浄土真宗では、そもそも「墓石に魂は宿らない」という考え方なので、「魂入れ」の儀式は行いません。
墓誌の追加彫りはいつまでにするべき?

あとから亡くなった方がいる場合は墓誌に名前を追加彫りしていきますが、彫刻するタイミングに決まりはありません。
ただし四十九日法要のときに納骨式と一緒に追加彫りをするケースが多くみられます。
また墓誌に名前を刻んでいないからといって成仏できないということではありません。
ご遺族の気持ちに添って、納骨をする初盆や一周忌などの節目や法要の時でも追加彫りは可能です。
夫婦どちらかの遺骨を手元供養して、夫婦ともに亡くなった時に一緒に納骨し、そのタイミングで墓誌に夫婦の戒名を彫ることもあります。
もし四十九日法要で納骨式を執り行う予定の場合は、葬儀や初七日などが終わればすぐに「お墓」や「文字入れ」について準備する必要があります。
墓誌の追加彫りは1〜2日では終わりません。
通常の時期は2〜3週間ほどで作業は終わりますが、お盆など繫忙期は1ヵ月近く作業時間がかかってしまうことが考えられます。
また悪天候で日程が大幅に遅れる可能性もあります。
追加彫りを納骨や法要に間に合わせたい、とお考えの場合は余裕をもってスケジュールを決めることが大切です。
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墓誌の追加彫りの費用

墓誌に新たに亡くなった方の戒名を追加彫りする時の費用は4万円〜5万円程度が相場です。
ただし「墓誌を石材店に持ち込む」か「現地で彫る」かによっても異なります。
石材店へ持ち込む場合は、墓誌を運ぶ「運搬費」がかかることや、運ぶときに墓誌に傷を付けないように配慮する必要があります。
一方、現地で追加彫りをしてもらう場合は、彫刻する職人が墓誌のある所まで行くことになるので、距離が遠いとその分の「出張費」も加算されます。
しかし、墓誌を運び出す時間がかからない分、作業時間が短くなるメリットがあります。
どちらが最適なのか、一度見積もりをしてもらい状況に合う方法で追加彫りをしてもらうことをおすすめします。
追加彫りを依頼する時に必要なもの
墓誌に追加彫りを依頼する場合に必要なものがいくつかあります。
以下の事項を石材店へ伝えます。
【故人に関する情報】
- 戒名(法名)
- 没年月日
- 享年(行年)
- 俗名
墓誌に彫刻する内容は「位牌に記されている内容」が基本となります。
位牌に書かれている文字が旧字体の場合は、その通りに墓誌に刻んでいきます。
享年は、実年齢ではなく数え年を記載しますが、満年齢のときもあります。
年齢に関しては、葬儀社で用意してくれる白木位牌に使われている年齢を用いますので、
位牌を撮影したものを提出すると間違いがありません。
【彫刻する位置】
墓標に追加彫りをする際は、彫りたい並び順を明確にして伝えます。
妻が先に亡くなった場合はつめて追加彫刻するのではなく、夫のスペースを空けて刻む方も多いようです。
家族関係や長男家族、次男家族といったように分かりやすく、それぞれのスペースに追加彫りをするケースもあります。
【お墓のある場所】
- 霊園名
- 所在地
- 墓所番号
お墓の番号を伝えます。
墓石の正面の写真などがあれば分かり易いでしょう。
【納骨予定日】
納骨式の前には追加彫りを終えることができるように、石材店とスケジュールを調整します。
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追加彫り工事までの流れ

「追加彫り」は以下のような手順でおこなわれます。
- 石材店へ申し込む
- 現地調査・見積もり
- 彫刻原稿の確認
- 追加彫り工事
- 完成
【石材店へ申し込む】
まずは石材店へ墓誌の追加彫りの相談をします。
墓地や霊園によっては指定の石材店があることが考えられますので、事前に確認するとスムーズです。
【現地調査・見積もり】
指定の石材店があれば紹介してもらえますが、指定がないときは数か所の石材店に見積もりをとってもらいます。
石材店にお墓の場所や建立者の名前を伝えて、現地調査をしてもらいます。
ここでは石材店が、すでに彫ってある墓誌の字体やレイアウトなどを確認します。
追加彫りをするときに、どの場所で行うかも決めていきます。
霊園の決まりや近隣への騒音などをふまえて石材店が判断し、「現地作業」なのか「石材店持ち込み」なのか決定します。
【彫刻原稿の確認】
自分の希望に合った石材店を決めて、前述した戒名などの「故人の情報」を伝えます。
彫刻する文字を石材店に伝えるときに注意したいのが「口頭で行わない」ということです。
「書面」や「仏壇にある位牌」の裏と表を撮影して渡すのが確実です。
文字の訂正などがあると完成まで余計に時間がかかりますので注意しましょう。
原稿の作成が終われば「誤字」や「脱字」がないか、依頼主が原稿の確認をします。
一度彫ってしまうと文字を変えることが難しくなりますので、メールやFAX、石材店へ直接足を運んでしっかり確認しましょう。
【追加彫り工事・作業開始】
これまではおもに石材を工場へ持ち込んで追加彫りするやり方でしたが、近年の技術の向上によって彫刻機材の持ち運びがしやすくなりました。
そのためここ数年は現場での彫刻作業も増えてきており、以前より作業時間も短縮することができます。
他の人はこちらも質問
これまで墓誌の彫刻について説明してきましたが、「墓石」ではどのようになるのでしょうか?
「墓石」に関して寄せられる質問をいくつか見ていきましょう。
墓石に名前を刻みたいが金額はいくら?
墓石に彫刻する際の金額は、石材店によって異なりますが、3万円〜5万円が相場といわれています。
彫刻する場所は墓石の一番上にある「竿石(さおいし)」の細長い部分になります。
一般的に墓石の正面中央に「〇〇家之墓」や「〇〇家先祖代々之墓」といった文言を刻みます。
宗教によっては「南無阿弥陀仏」などの題目・経文を正面に彫刻する家もあります。
裏面には「お墓の建立者の名前」と「建立年月日」、側面には「故人の戒名・没年月日・俗名・享年」を彫刻します。
墓石の彫刻方法は?
墓石を彫刻する方法として「現場」と「持ち込み」の2つが挙げられます。
現場彫刻では石材店や業者にお墓の場所まで来てもらい、その場で彫刻作業をします。
お墓の場所が遠いと「出張費」が加算されることがありますが、墓石を動かさない分、作業日数も比較的短くなります。
持ち込みとは、石材店へ墓石を運び出し工場で彫刻作業をすることです。
運搬費が別途かかることや移動中の墓石の傷などに気を付けなければなりません。
また墓石を移動させるので、「魂抜き」をしてから動かします。
故人の魂は墓石に宿るといわれ、その拠りどころを勝手に移動させるのはご先祖様や故人に失礼であると考えるためです。
彫刻の作業が終われば、今度は「魂入れ」をします。
その都度、僧侶に来ていただき読経するのでお布施はプラス2万円ほど必要になります。
さらに作業時間も運搬などを入れて2週間前後かかります。
墓石に名前を刻むことを何という?
では石材店へ「墓石に名前を刻むこと」を依頼する場合は、他になにか言い方があるのでしょうか?
- 墓石の名入れ
- 戒名彫り・戒名彫刻
- 法名彫り・法号彫刻
- 墓石の追加彫り
- 現地彫刻
などさまざまな呼び方がありますが、全て問題なく石材店には通じるようです。
電話で依頼する時は「お墓に名前を追加したい」というのが一番分かり易いかもしれません。
墓石一文字いくら?
墓石本体に戒名などを彫刻するときは1文字いくら、とかではなく「人数単位」になります。
「1名分」となれば故人の戒名・俗名・没年月日・享年など全ての情報を含めて、おひとり分で約5万円前後が目安です。
納骨手数料が含まれている場合もありますので確認されることをおすすめします。
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追加彫りの内容は修正できる?
気を付けたつもりでも「旧字体」と「新書体」のわずかな違いなど、まれに彫刻する文字を間違えてしまうこともあるでしょう。
しかし追加彫りをした墓石の内容は基本的には元には戻りません。
万が一修正しなければならないときは、墓石の表面の「削りとり」や「埋める」また「磨き」といった作業をしていきます。
1文字だけの訂正の場合は、その箇所だけをパテで埋めて再度彫り直す方法があり、費用も比較的安く済みます。
他には間違えた文字のみをくり抜いて、同じ石材を同様にカットしてはめ込むやり方です。
この方法だとパテで埋めるよりも、境目が目立ちにくく綺麗に仕上がります。
しかし、光の加減などで修正が分かってしまう状態なので、まったく分からないように修正したい場合は彫刻面を一度すべて削り取り、研磨して最初から彫りなおす方法があります。
文字の間違いだけでなく「彫る場所」を間違えるトラブルも実際に起こっています。
家族の関係性に沿って1行空けておく予定が、空けずに彫刻してしまうなどの間違いです。
この場合は修正する範囲が広いため、研磨機を使用して削り取る方法か、すべての面を削って磨き、また一から彫刻をしていく必要があります。
墓誌の追加彫りについてのまとめ

ここまで墓誌の追加彫りについてお伝えしてきました。
まとめると以下の通りです。
- 墓誌にはご先祖様の戒名や俗名などを彫刻する
- 墓誌は家のルーツを知る家系図の役割がある
- 墓誌の追加彫りは3万円~5万円程度
- 墓誌の文字は削りや磨きで修正可能
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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