お葬式
音楽葬の費用の内訳は?演奏者の派遣料金や著作権、音楽葬の流れも解説
更新日:2024.02.25
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多様化する葬儀形式に音楽葬がありますが、その平均費用についてご存じでしょうか。
この記事では、音楽葬の平均費用について詳しく説明していきます。
この機会に音楽葬の注意点を覚えておきましょう。
後半には音楽葬で生演奏を依頼する場合についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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音楽葬とは
音楽葬とは、葬儀中に音楽を使用してお見送りする葬儀形式で、自由葬の一種です。
仏式や、神道、キリスト教などの宗教が介入しないため、音楽葬で読経や玉串奉奠、聖歌斉唱といった宗教儀式は行われません。
そのため、葬儀の流れも自由に決められます。
故人が好んだ曲や演奏した楽曲、愛したアーティストの音楽を取り入れて、故人の人生の一部を反映できるため、特別な葬儀の演出が可能な点も魅力のひとつです。
葬儀形式が多様化している近年では、故人が生前に愛した音楽を共有して、価値観を大切にできる音楽葬は注目を集めています。
音楽葬のメリット・デメリット
音楽葬は一般的にはまだ広く認知されていない葬儀方法ですが、いくつかのメリットがあります。
それと同時にデメリットにあたる内容も人によっては存在するため、ご自身の状況に合わせて検討する必要があります。
音楽葬のメリット
音楽葬のメリットのひとつは、無宗教葬儀のため僧侶や教会へのお布施・寄付が不要であることから費用を減らせることです。
ですが、音楽葬の本来のメリットとしては主に下記の2点が挙げられます。
故人や遺族の意思を反映しやすい
音楽葬は無宗教葬儀のため宗教ごとのしきたりや慣習ではなく、故人や遺族の意思を反映しやすいです。
故人を思い出させる音楽や故人らしい葬儀の雰囲気づくりが可能で、装飾や祭壇などの設備面でも自由度が高いのがメリットです。
故人のことが記憶に残りやすい
一般的な葬儀よりも故人らしさが出せる音楽葬は、内容がユニークなため参加した方の思い出に残る式になるでしょう。
音楽が流れる葬儀と故人の最期を見送る葬儀では、視覚だけでなく聴覚にも影響があるため故人のことが記憶に残りやすくなります。
音楽葬のデメリット
自由度が高くメリットが多い音楽葬ですが、実はデメリットもあります。
認知度が低く周囲の理解が得られない場合も
音楽葬を含め自由葬はあまり知られていない葬儀形式です。
そのため、親族や参列者の中には、音楽葬について理解できない方もいるかもしれません。
特に信心深い方にとっては葬儀で音楽を流すことをよく思わない方がいる可能性もあります。
音楽葬に対応してない式場もある
一般的に葬儀会場となる斎場などでは、音楽を流す設備がないところもあるようです。
通常の葬儀では、主な目的として音楽を流すことはないでしょう。
音楽葬を計画していたとしても、対応していない式場があるため注意が必要です。
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音楽葬の費用
音楽葬の費用相場は、30万円〜200万円程度です。
費用の幅が広いのは、参列者の人数に影響する費用項目の他に、音楽葬で使用する楽曲の数や演奏家の人数による影響が考えられます。
以下で音楽葬の費用内訳と演奏者の派遣料金、JASRAC著作権使用料について説明します。
音楽葬の費用内訳
音楽葬の費用を大きく分けると「葬儀一式の料金」「飲食接待費」「音楽の使用料」の3つです。
葬儀一式の料金は、安置料や納棺セット、式場や火葬場の使用料、人件費、祭壇、遺影、霊柩車などの車両費などを含み、平均金額は68万2,000円です。
飲食接待費の平均金額は17万8,000円で、通夜振る舞いの会食費用や会葬返礼品の費用が該当するため、参列者の人数に左右されやすい費用になっています。
音楽の使用料には、演奏者の依頼料金や交通費、著作権の使用料金が含まれます。
音楽葬の費用の幅が広くなる影響を与えている項目のため、以下で項目別にご紹介します。
演奏者の派遣料金
音楽葬で生の演奏を希望する場合、演奏者の派遣料金が必要になります。
費用相場は1日1名あたり2万〜6万円ほどとなっており、通夜と告別式の両方で演奏を希望する場合は「2万〜6万円×2日×演奏者の人数」です。
演奏者の人数はソロ演奏も可能ですが、複数の奏者によるハーモニーは心あたたまる葬儀にできるため、2名以上での演奏が好まれる傾向にあります。
また、派遣料金に演奏者の交通費が含まれているかは、葬儀社によって異なるため事前の確認が大切です。
JASRAC著作権使用料
葬儀社がJASRAC(日本音楽著作権協会)と契約を結んでいる場合、葬儀場で音楽を流すことに問題はありません。
しかし、契約を結んでない場合は、無断で音楽を流すと著作権侵害にあたるため、JASRAC著作権使用料の申請が必要になります。
これは、葬儀社は営利団体に該当するからですが、もし音楽葬を自宅でする場合は、楽曲の利用者は遺族になるため著作権使用料の申請は必要ありません。
使用料は、500㎡までの式場だと5分までの曲の場合、1曲1回2円×楽曲数になります。
月額の利用料は1,200円、年額なら6,000円です。
葬儀の費用について、以下で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
音楽葬の流れ
音楽葬の流れには決まった形式は存在せず、故人や遺族の自由に決められます。
しかし、すべて最初から決めるよりも、ある程度は基準があると自由に変更しやすいため、以下で選ばれやすい音楽葬の流れをご紹介します。
通夜
音楽葬をする方によって通夜の流れは異なりますが、選ばれることが多い通夜の流れは以下の通りです。
- 開式の辞
- 黙祷
- 献奏
- 弔辞
- 献花
- 喪主挨拶
- 閉式の辞
開式や閉式の辞、黙祷の時間以外は、故人が好んでいた音楽を途切れることなく流す方法が選択されます。
流す音楽は、CDなどの音源を使用する場合や、生演奏にする場合、CDと生演奏を併用する場合があります。
併用する場合は、通夜式中のBGMをCDなどにして、献奏の時間や弔辞の時間に故人との思い出の音楽を生演奏にする方法があります。
告別式
音楽葬の告別式で選ばれることが多い流れは、以下の通りです。
- 開式の辞
- 黙祷
- 弔電、弔辞、メモリアルスクリーン
- 献奏
- 献花
- 喪主の挨拶
- 閉式の辞
- 出棺
告別式の流れや音楽の流し方は通夜式と大きな違いはありませんが、告別式ではメモリアルコーナーや映像機器を使用して音楽と共に故人の生前の姿を映す場合があります。
式中に流す音楽は、儀式ごとに変える方法もあれば、故人が好んでいた音楽を複数組み合わせてメドレーにして流す方法などもあり自由に選べます。
ただし、火葬場で音楽を流すことは難しいため、基本的に音楽の使用は出棺時のお見送りまでとなります。
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音楽葬の注意点
前述した音楽葬のデメリットとは別に音楽葬を検討するうえで、その注意点についてよく知っておく必要があります。
選曲や楽曲の数
まず選曲で注意すべきは、故人が選んだ曲もしくは参列者に違和感を抱かせない曲である必要があることです。
故人をよく知る方であれば、故人の選んだ曲がすぐにわかるでしょう。
遺族が選ぶ場合は故人の人柄が伝わるような曲が望ましいでしょう。
また、葬儀は待機時間も含めて数時間かかるので、楽曲数が少ないと同じ曲の繰り返しになってしまいます。
そのため楽曲は、10曲程度は準備しておくと良いでしょう。
著作権の発生
音楽葬で流す楽曲の著作権について事前に確認しておくことが推奨されています。
著作権に該当する楽曲であるかどうかを、日本音楽著作権協会に問い合わせたうえで進行するのが理想的です。
準備している音楽葬が途中で練り直しになると、関係者だけでなくご自身の大きな負担になりかねません。
菩提寺に話しておく
菩提寺(ぼだいじ)とは、寺院と一般家庭が取り交わす制度で、一家として世話になる特定の寺院のことです。
菩提寺との関わりがあるにもかかわらず、その寺院に葬儀を依頼しないことはおすすめできません。
特に先祖代々関係のある寺院の場合、使用中のお墓への納骨を拒否されることに発展することもあるかもしれません。
そのため関係性のある菩提寺へは、あらかじめ音楽葬を行うことと納骨の可否をよく確認して許可を得ておくのが無難です。
音楽葬でよく使われる楽曲
自由形式の音楽葬ですが、その中でも一般的に多く採用される楽曲についてご紹介します。
クラッシック
- パッヘルベル「カノン」
- バッハ「G線上のアリア」
- ショパン「別れの曲」
- シューベルト「アヴェ・マリア」
- モーツアルト「レクイエム」
- ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
故人がクラシックを好んで聴いていた場合はもちろんですが、クラシック自体が葬儀に似合うため多く使われています。
洋楽
- ジョン・ニュートン「アメイジング・グレイス」
- クイーン「ボヘミアンラプソディー」
- ビートルズ「レットイットビー」
- セリーヌ・ディオン「マイハートウィルゴーオン」
- エリッククラプトン「ティアーズインヘヴン」
- カーペンターズ「イエスタデイワンスモア」
ひと口に洋楽と言っても葬儀に向いた静かな曲だけではありません。
洋楽を選ぶ際は、故人の希望や故人を思い出させるような楽曲選びがポイントです。
邦楽
- 秋川雅史「千の風になって」
- 中島みゆき「時代」
- 山口百恵「いい日旅立ち」
- 西城秀樹「ブルースカイブルー」
- 谷村新司「昴」
- クレープ「精霊流し」
- 坂本九「見上げてごらん夜の星を」
邦楽の場合、故人の年代に合わせた選曲が違和感なく流せる楽曲と言えるでしょう。
曲が持つ雰囲気以外に、日本語の歌詞は参列者に意味が伝わるため、あまり葬儀に相応しくない内容は避けるべきです。
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音楽葬に参列する時の服装
親戚や関係者の訃報は突然訪れるものです。
もし招かれた葬儀が音楽葬だった場合、どのような服装で訪問すれば良いのでしょうか。
突然の出来事で慌ててしまうかもしれませんが、音楽葬に参列する服装で特別に用意することはありません。
基本的には一般の葬儀と同じ服装で問題ありません。
ご自身がお持ちのお通夜や葬儀に着る服装、男性であればダークスーツ、女性であれば黒のワンピースなどが代表的な服装です。
アクセサリー類は必要最小限にして、控えめな服装で参列するようにしてください。
音楽葬と一般の葬儀の違い
音楽葬と一般的な葬儀との主な違いは、音楽を使用する点です。
音楽葬では、故人が好きだった音楽を積極的に取り入れ、式全体を彩ります。
また、生演奏や特別な演奏を行うこともあります。
これに対して、伝統的な葬儀では音楽の使用は限られてきます。
費用は、音楽葬は生演奏などを依頼する場合、その費用が追加されることもあり、葬儀の全体費用は一般的な葬儀と比較して高くなる可能性があります。
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音楽葬の平均費用についてのまとめ
ここまで音楽葬の情報や、各種平均費用などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 音楽葬は自由葬の一種で宗教儀式は行わない
- 音楽葬は故人の希望した音楽を流すため特別な葬儀になりやすい
- 音楽葬の費用相場は30万円〜200万円程度
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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