法事法要
位牌の選び方のポイントと注意点|種類と値段相場を説明!
更新日:2022.01.13 公開日:2022.01.20

記事のポイントを先取り!
- 初めての位牌は仏壇の大きさに合わせて選ぶ
- 位牌のデザインは故人にふさわしいものを
- 位牌は値段より品質を考慮して選ぶ
仏壇に安置する位牌にはさまざまな種類があり、選び方にはポイントがあります。
大切な人が亡くなり位牌を作ることになった際に迷わないためにも、位牌の選び方を知っておきましょう。
そこでこの記事では、位牌の選び方について詳しく解説していきます。
位牌選びで失敗しないためにも、選ぶ際に注意することを確認しておきましょう。
位牌の正しい安置方法やご先祖様の位牌をまとめる方法についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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位牌とは
位牌とは、故人の魂が宿ると考えられている木の札です。
言わば故人そのものであるといっても過言ではないため、大切に扱わなければなりません。
位牌には、戒名・亡くなった年月日・生前の名前(俗名)などが記されます。
四十九日を過ぎるまでの位牌を白木位牌、または仮位牌といいます。
四十九日法要を過ぎると、魂入れという儀式を行い、白木位牌から本位牌に故人の魂を移します。
仮の位牌であった白木位牌は、寺院などでお焚き上げをすることが一般的です。
本位牌は仏壇に置き、世代を超えて長く大切に安置していくものです。
故人の象徴である位牌に心を込めて手を合わせ、供養を行っていきます。
位牌の選び方のポイント

まずは、位牌の選び方のポイントをケースごとに紹介していきます。
初めて作る場合や先祖位牌がある場合など、さまざまなケースでの選び方を紹介するので参考にしてください。
①位牌を初めて作る場合
1つ目のケースは、位牌を初めて作る場合の選び方です。
初めての場合は、仏壇やご本尊と位牌とのバランスを考慮する必要があります。
本来は位牌の大きさに合わせて仏壇の大きさを決められればいいのですが、現在は住宅事情によりスペースが限られてしまうケースがほとんどです。
仏壇を置くスペースに合わせてまずは仏壇から選択し、その後位牌を選ぶケースが多いでしょう。
仏壇に入る大きさ
初めて位牌を作るケースでは、仏壇内部の作りに合わせて位牌を選ぶのがおすすめです。
特にミニ仏壇の場合は、位牌の大きさも限られてくるので注意してください。
位牌の大きさは「寸」を使って数え、位牌の上から下までの高さではなく札の高さ(札丈)で示されます。
ちなみに1寸は3.03cmです。
棚の上などに置く上置き仏壇で4~4.5寸、床に置く大型の台付き仏壇の場合は4.5~5寸のサイズが一般的です。
ただし、同じ5寸でも位牌のデザインによっては微妙に大きさが変わってくるので注意しましょう。
できればしっかりと実物を確認することをおすすめします。
ご本尊の総高・目線を超えない
仏壇に安置しているご本尊よりも小さい位牌を選ぶようにすることがマナーです。
具体的にいうと、ご本尊の総高や目線を超えないようにすることが大切です。
これはご本尊が立像でも座像でも同じ考えです。
ご本尊が掛け軸の場合にも、掛け軸表具の全高よりも小さな位牌を選びましょう。
仏壇の中心はご本尊になので、ご本尊のお顔が隠れないようにすることも大切なポイントです。
②先祖位牌がある場合
次に、先祖位牌が元々あって位牌が複数あるケースの選び方について紹介していきます。
先祖位牌とは、複数ある先祖の位牌を1つにまとめて「〇〇家先祖代々の霊位」と表記されているものです。
先祖位牌に対して個人の位牌はどのようなサイズ感のものを選択すればいいのか、並べる順番はあるのか詳しく紹介していきます。
ぜひ、参考にしてください。
先祖位牌より小さいものを選ぶ
一般的には、個人の位牌は先祖位牌よりも小さいものを用意することがマナーです。
比率については、先祖位牌を10としたら個人の位牌は7くらいの大きさのものを選択することが妥当であると考えられています。
これはあくまでも目安なので、先祖位牌よりも小さければ問題ありません。
生前、大きな功績を残した人や印象深い人であれば例外もあるため、詳しくは寺院の僧侶に相談してみることをおすすめします。
並べる順番
位牌が複数あるケースでは、並べる順番にもマナーがあります。
仏壇は右側が上座であると考えられ、向かって右奥が最上位になります。
そのため先祖代々の位牌を右奥に、次にその左、一段下がって右、次にその左といった順番で並べていくことになります。
ちなみに、ご本尊が安置される1番上も上座であると考えられています。
③夫婦位牌の場合
位牌は1人の故人に対して1つあるのが一般的です。
夫婦の位牌がそれぞれある場合には、ひと昔前は夫の位牌を妻の位牌よりも少し大きめにすることが一般的でした。
しかし現代では、同じ大きさにすることが多くなりました。
夫婦位牌とは、生前夫婦であった個人の別々の位牌を1つにまとめたものです。
1つの位牌にそれぞれの戒名を連名で刻んでまとめた形になります。
夫婦位牌を選択する理由としてはさまざまなケースがあります。
生前、仲が良かった夫婦なら遺族の配慮によって夫婦位牌を希望したり、生前の故人の希望であったりなどです。
④故人が子供・水子供養の場合
水子(みずこ)とは、流産や人工妊娠中絶によって亡くなった胎児のことを指します。
一般的に幼くして命を落としてしまった場合は、一般的な位牌よりも小さな位牌を選択することが多いようです。
水子の場合にはさらに小さな位牌になります。
決まっている大きさはありませんが、他の位牌と比べたときに小さめになるようなものを選択することをおすすめします。
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位牌の選び方の注意点

位牌の選び方には注意点やマナーがあります。
位牌を購入する際の参考にしてください。
四十九日までに用意する
四十九日法要までは白木位牌を使用し、四十九日法要を過ぎれば本位牌に変更します。
本位牌は仏壇に安置されている位牌で、長く使うものになります。
四十九日までには必ずこの本位牌を用意しましょう。
位牌を注文して完成するまでには二週間ほどの期間を要します。
位牌の種類によってかかる期間は異なるので、時間に余裕を持って注文しましょう。
文字入れは別料金の場合がある
位牌を注文した際に表示されている値段は位牌本体のみの値段であり、文字入れには別料金が発生するケースもあります。
そのため、購入する際に予算を伝えて予算内におさまるように依頼しましょう。
また、細かく見積もりを出してもらい、事前に確認することをおすすめします。
宗派によって違いがある
宗派によっては位牌自体不要であり、位牌という概念がない宗派もあります。
例えば浄土真宗では、人は亡くなるとすぐに成仏すると考えられているため、供養する対象である位牌自体必要ないとされています。
宗派によって考え方が異なるため、自分の宗派の特徴やルールはあらかじめ調べておきましょう。
位牌の種類と値段相場

位牌にはさまざまな種類があります。
ここでは、代表的な位牌の特徴を紹介します。
また、気になる価格の相場についても紹介するので参考にしてください。
塗位牌
塗位牌とは位牌に漆などの塗料を塗り、金箔や金粉で装飾した位牌です。
最もポピュラーな位牌とされています。
塗位牌の相場は、国産であれば2万~10万円程度、外国産であれば8000円~3万円程度です。
装飾に使われる金の質や塗りの技法によっても値段が変わります。
基本的には品質が良いものや、技術が必要なものほど高額になります。
唐木位牌
唐木位牌とは、黒檀や紫檀といった高級な木材から作られる位牌のことです。
木材本来の重厚さや木目の美しさが特徴です。
古くからある伝統的な位牌に使用されることが多く、最近ではシンプルなデザインも豊富になり、人気が出ています。
唐木位牌の相場は、2万~6万円程度になります。
使用される木材の質が良いものや、装飾の凝ったものほど高額になります。
モダン位牌
モダン位牌とは、装飾の少ないシンプルなデザインの位牌を指します。
これまでの位牌には見られないような無垢材を使用したものなどがあり、現代の住宅環境に合っていて人気が高くなってきています。
モダン位牌の相場は1万~5万円程度であり、他の位牌と比べると安価なものが多いでしょう。
自由にデザインを選べるのも特徴のひとつであり、デザイン性にこだわると高価になり、中には10万円以上のものもあります。
蒔絵位牌
蒔絵(まきえ)位牌とは、塗位牌の装飾に「蒔絵」という漆工芸技法を使用した位牌です。
この技法では熟練の技術が必要になるので、美しいデザインのものほど高価になります。
蒔絵位牌の相場は、国産のものであれば4万~10万円程度、外国産であれば2万~5万円程度です。
外国産の安価なものの中には「シールを貼っただけ」といったものもあるため注意してください。
繰出位牌
繰出(くりだし)位牌とは、位牌の代わりとなる薄い板を10枚程度収納できる位牌のことです。
複数の位牌を1つにまとめるときに使用されます。
繰出位牌は塗位牌や唐木位牌、モダン位牌に分かれており、それぞれ相場が異なります。
価格の相場としては2万~20万円と、幅が大きいのが特徴です。
位牌に使われている材料の材質やデザインの細かさによっても価格が前後します。
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デザインで考える位牌の選び方
位牌はデザインの種類もさまざまです。
位牌のデザインには宗派による決まりやルールはないため、自由に選べます。
ここからは、位牌のデザインの種類をいくつか紹介していきます。
故人を供養するために、故人にふさわしいデザインを選びましょう。
春日型位牌
春日型位牌は、最もシンプルなデザインの位牌になります。
札の上部が半円形で、台座に直線が多いデザインです。
勝美型位牌
勝美型位牌は、装飾の多い豪華なデザインの位牌です。
札の上部が木瓜型で、台座には金虫や蓮華の塗りの装飾が施されています。
また、台座の下の部分には前垂れが付いているのが特徴です。
葵角切型位牌
葵角切型位牌は、春日型や勝美型よりも札の幅が少し広くなっています。
そのため、夫婦の戒名を連名で記載する夫婦位牌でよく使用されるようです。
札の上部は木瓜型で、台座には蓮華の装飾、下部には門構えのような前垂れがデザインされています。
猫丸型位牌
猫丸型位牌は、台座にも金粉を多く使用した非常に豪華なデザインの位牌です。
サイズや高さは他の位牌と変わりません。
札の上部は木瓜型で、台座には蓮華の装飾が施されています。
台座の足の形が猫の後ろ足のように丸まっていることから、この名前が付けられたとされています。
台座の前と左右に金箔や金粉を多く使った三面金猫丸や、さらに豪華なデザインの上等猫丸などの種類があります。
葵角切型よりもさらに木の幅が広いのも特徴的です。
呂門型位牌
呂門型位牌は、シンプルなデザインながらも台座に多くの金が使用されているため、豪華な印象の位牌です。
札の上部が春日型よりもゆるめの半円形で、台座がゆるいコの字型の素朴なデザインになっています。
スマートなデザインであるため、素材を変更してモダン位牌にも使用されることが多いようです。
千倉型位牌
千倉型位牌は、呂門型位牌とよく似た位牌です。
台座にはさらに多くの蓮華の彫刻や装飾が施されており、非常に豪華な印象のデザインです。
台座の足部分であるコの字型の下が、若干広がった形になっています。
位牌の選び方で失敗する事例
これまでは、位牌の選び方のポイントについて紹介してきました。
ここでは反対に、位牌の選び方で失敗した事例について紹介していきます。
失敗例を知ることで、よりよい位牌選びができるでしょう。
位牌の文字に関する失敗
位牌選びの失敗例で非常に多いのが、位牌の文字に関する失敗です。
失敗者の声の一部を紹介します。
Aさん:「文字入れも含まれた料金だと思っていたのに文字入れは別料金であったことを後々知り、位牌自体は安かったが文字入れも合わせるとかなりの高額になってしまいました。」
→防止策:料金を確認する際に細かな見積もりを出してもらい、文字入れも含まれているのか確認しましょう。
Bさん:「仏壇にご先祖様の位牌があったため、それと同じように文字入れをしてほしいと依頼しました。できあがったものは文字の大きさやデザインが全く異なるものであり、イメージとは全く違ったため驚きました。」
→防止策:文字入れの際には文字のデザインや大きさはどの範囲で選べるのか確認し、実際に文字のデザインや大きさの例を見せてもらいましょう。
できれば位牌原稿を確認できる店舗を選ぶと安心です。
位牌の品質に関する失敗
位牌の品質に関する失敗例も多いようです。
実際の失敗例の声を紹介します。
Cさん:「金額が安いものを購入したが、装飾の一部にムラがあったり、金箔が剥がれていたり、雑に感じました。」
Dさん:「元々仏壇にあった位牌と比べるとかなり安っぽく見えてしまいます。遠目で見ればわかりませんが、よく見ると明らかに品質が違うので失敗でした。」
→防止策:インターネット上で値段だけ見て決めてしまうと失敗する例が多いため、素材に関しては実際に店頭で手に取って確認しましょう。
値段だけで決めると後悔することもあるため、国産を選ぶのがおすすめです。
宗教・宗派に関する失敗
他の失敗例と比べると少なめですが、宗教や宗派に関する失敗例もあります。
実際の失敗例の声を紹介します。
Eさん:「母が亡くなったため、位牌の購入手続きをしていたのですが、浄土真宗は位牌が不要であることを後から知り、キャンセルを希望しましたが、キャンセルできませんでした。結局過去帳や法名軸も必要だと知り、購入しました。宗派によって不要なものや必要なものが異なる場合は最初から教えてほしかったです。」
→防止策:まずは自分の宗派についての特徴などを調べたり、寺院で必要なものや注意点などを確認したりすることをおすすめします。
最近では浄土真宗でも位牌を希望する方もいるため、それを踏まえてあえて説明しないこともあるようです。
購入する際に知識がないのであれば、その点についても伝えておきましょう。
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位牌の正しい安置方法

最後に位牌の正しい安置方法について紹介します。
ご先祖様や故人をきちんと供養するためにも、正しく位牌を安置しましょう。
ぜひ、参考にしてください。
位牌が多くなってきたらまとめる
私たちには、非常にたくさんのご先祖様がいます。
宗派にもよりますが、ご先祖様の分だけ位牌がある家庭も存在します。
だんだんと仏壇のスペースが狭くなり、新しい位牌を置くスペースが確保できないといったケースも出てくるでしょう。
そのような場合の対応方法について紹介していきます。
繰出位牌に変える
位牌のまとめ方の一例に、繰出位牌があります。
繰出位牌には「〇〇家先祖代々之霊位」と記載され、ご先祖様の命日が近い順に札板を並べて中に入れます。
1つの位牌に10枚ほどの札板が入ります。
位牌が多くなった際には、繰出位牌への変更を検討してみてください。
ひとつにまとめる
ご先祖様の位牌は、最後の年忌法要である「弔い上げ(とむらいあげ)」を終えればまとめることが可能です。
まとめた後は、ご先祖様の戒名や俗名を記した過去帳を用意して仏壇に祀り供養します。
もう1つは、前述したように別々にあった夫婦のそれぞれの位牌を1つにまとめて夫婦位牌にする方法です。
夫婦位牌では表面に夫婦それぞれの戒名を連名で記載します。
右側には夫の戒名を、その左横に妻の戒名を記載します。
夫婦位牌の裏面には、亡くなった年月日や俗名、亡くなった年齢などを記載します。
以上のように位牌をまとめる方法にはいくつかあります。
ご先祖様や故人をきちんと供養するためにも、自分に合った方法を見つけましょう。
位牌の選び方のまとめ

ここまで、位牌の選び方のポイントや注意点についての情報を中心にお伝えしました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 初めて位牌を作る際には仏壇やご本尊、位牌とのバランスを考慮して選ぶこと
- 位牌のデザインは故人に最も適したものを選ぶことが大切
- 位牌は値段だけで選ばず、長年使用することを考えて品質も考慮する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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