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法事法要

木魚の値段はいくら?買える場所・宗教別の使い方を説明

更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.14

仏壇

数珠をもって合掌する喪服の男女

記事のポイントを先取り!

  • 木魚の値段は材料や装飾によって大きく異なる
  • 木魚を叩くのはお経のリズム取りと眠気覚まし
  • 木魚を叩くのは煩悩を吐き出させる意味がある

木魚は読経時に叩く木材を使った仏具として知られており、値段も手頃なものから高価なものまであります。

さまざまな由来や古い歴史がある木魚ですが、装飾や材料で値段が変わるのはなぜ読経時に叩くのかご存じでしょうか。

そこでこの記事では、木魚の値段について詳しく説明していきます。

この機会に宗派によって異なる木魚の使い方も知っておきましょう。

木魚の製造工程や日本一の生産地についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 木魚とは
  2. 木魚の値段
  3. 木魚の購入方法
  4. 木魚の由来と歴史
  5. 宗教によって木魚の使い方が違う
  6. 木魚の製造工程
  7. 愛知の木魚は工芸品
  8. 木魚の値段のまとめ
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木魚とは

木魚は読経や唱題のときに使われ、主にクスノキなどの木を材料に作られた梵音具です。

形は鈴のように中が空洞の球体で、木地もしくは朱漆塗りに金箔を施したものがあります。

表面は魚鱗や双魚、蛇や龍、鯱などに、直線的あるいは複雑な曲線や渦紋が彫刻されています。

木魚を叩く専用の棒は先端に布や革、ゴムなどが巻かれており、木魚倍(バイ)・木魚バチ・木魚しもくはと呼ばれていまするのです。

古くは歌舞伎の下座音楽に鳴物としても使われ、近年はテンプル・ウッド、ウッド・ブロックという名称で楽器としても使用されています。

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木魚の値段

木魚は一般家庭では五寸~六寸(約15〜18cm)が多く使われており、木魚・布団・倍の3点セットで値段は1万〜2万円程度です。

木魚は同じ大きさでも装飾や彫刻、材料の種類によって値段が異なり、倍も同様に材料や一尺以上の専用のものなどは値段が異なります。

例えば、材質がプラスチックで三寸の木魚の値段は2000円程ですが、三寸五分の本桑製、籐柄倍つきなら約4万円になるのです。

有名な工房がつくる高級な木魚は、一尺六寸の白木地の値段が3万〜500万円を超えるものも存在します。

このように木魚を購入するときは、自身の予算や希望を考慮して選ぶと良いでしょう。

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木魚の購入方法

木魚は仏壇、仏具店、ネットショップなどで購入可能です。

ネットショップは希望に近い木魚を見つけて探して、値段や口コミは確認できますが、購入するときはサイズの誤差には注意しましょう。

カタログで見る手作りの木魚は商品によってサイズや見た目に違いが生じるため、設置場所と実寸を事前に確認しておく必要があります。

また、木材でできた木魚は一つずつ音色が異なるため、材質や音色を実際に確認したい方は仏壇・仏具店で専門家の意見も聞いて判断するようにしましょう。

実店舗は専門家の意見を聞いて値段に見合うか判断でき、品質保証やアフターサービスが充実しているとより安心して購入できます。

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木魚の由来と歴史

多くの寺院で使われてる木魚には、どのような由来や歴史があるのでしょうか。

また、木魚を叩く理由についても見ていきましょう。

木魚の由来

元々、木魚は魚板という魚の形をした木の板であり、禅寺などに吊るして時刻を知らせる鳴り物として使われていました。

中国の禅宗寺院の生活規範において、木魚の項に魚板を叩く理由が次のように記載されていました。

魚は昼夜目を閉じないため不眠不休を表しており「魚のように寝る間を惜しんで日夜修行に励むように」と修行僧へ戒めとしていたのです。

木魚の歴史

木魚の歴史は古く、中国は明代の頃に今のような形になり、日本では室町時代、応永4年に山梨県の禅寺で使われていたことが分かっています。

しかし当時、木魚は大衆を集める合図として用いられていました。

江戸時代、中国から渡来した隠元隆琦は明朝の禅を日本に伝えたときに、今の木魚を仏事に根付かせました。

木魚は各宗派で取り入れられ、当初は僧籍を持った職人が木魚製作に携わり、現在の鈴形の木魚を呼鐘として用いた記録が残っています。

木魚を叩く理由

お経を読むときなどに木魚を叩く理由は、音によってお経のリズムを整えたり、眠気を覚ます目的があります。

もう一つ、木魚が木魚は魚板を元に平らな魚の形をしており、口にくわえた玉は煩悩とされているのです。

そのため、木魚を叩くことで煩悩を吐き出させるという意味もあります。

仏教において木魚は鳴り物として使われており、外側を叩くことによって中空になっている部分が振動して反響を繰り返し音が出ています。

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宗教によって木魚の使い方が違う

木魚は真言宗・浄土宗・禅宗・天台宗で使われていますが、すべての宗教で使われている訳ではありません。

木魚はお勤めや修行をするために使われる仏具であり、経本に書いてある漢字1文字に対して1回叩くのが基本とされています。

浄土宗は木魚を打つとき、念仏を邪魔しないために裏打ちすることが慣わしとなっています。

浄土真宗では木魚を使うことはなく、日蓮宗は木魚ではなく木鉦(もくしょう)と呼ばれる円形の仏具が使われており叩くと甲高い音が出ます。

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木魚の製造工程

木魚は木材を一から手作りで加工するため、さまざまな製造工程を経なければなりません。

具体的にどのような工程で作られているのか説明します。

木取り

丸太を木魚のサイズに応じた幅で輪切りに切り出し、電動工具で余分な所を取り去り大まかな形を作ります。

原料の木はクワ・クスノキ・栓、欅などの木が使われており、あらかじめ2〜3年寝かせています。

木魚は縦横高さの3つが同じ大きさが必要であり、木材の芯部分はヒビが入ることがあるため基本的に使用しません。

そのため、大きな木魚を作る場合は非常に太い原木が必要になります。

整形・乾燥

大まかな形が整ったら平ノミとカンナを使って、手作業で寸法に合わせて細かく形を整えます。

外側の形を整えたら特殊な形状のノミを使って木魚の内側をくりぬきます。

中を掘った割れ目の部分を響孔と呼びます。

整形を終えた木魚は、サイズに応じて数年間陰干しして自然乾燥しなければなりません。

期間は小さいもので1年、最長で15年などサイズによって異なります。

乾燥具合は音と製品の耐久性に影響するため、重さや手触り、水分計などを使って確認します。

彫刻・研磨

乾燥を終えた木魚は、注文に応じて取っ手の部分と本体表面にさまざまな彫刻を施します。

彫刻は、並彫・龍彫・鯱彫・蛇彫などの種類があり、それぞれデザインや値段も異なります。

例えば、並彫の木魚はリーズナブルですが、龍彫・鯱彫などの複雑な文様は技術が求められるため高価になりやすいと言えます。

次に彫刻を施した木魚は、紙やすりで表面を磨き、艶出しワックスで仕上げます。

表面処理は漆などの色を付けるときは粗く仕上げ、色を塗らない場合は作り手が全体的なバランスを見て仕上げます。

音取り

音取りとは木魚のサイズや材質に応じて、最高の音が出るように手作業で最終的な音の調整を行うことです。

木魚の音は、小さいほど高く、大きくなるほど低くなるのが基本ですが、同じ大きさでも木の硬さや密度、穴の広さや乾燥などによって異なります。

音は木魚を叩くバチの硬さや叩くときのしなり具合や、下に敷く座布団などでも変わります。

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愛知の木魚は工芸品

木魚は愛知県が日本一の生産地であり、伝統工芸品として技術が受け継がれています。

愛知県最大の木魚工房の職人は、先代の技を受け継ぎ50種類近くのノミを使い木目を見ながら木魚を彫ります。

繊細かつ大胆な技術が求められ、作銘を持つ木魚は値段も数百万円の高級品になります。

1つの木が職人の手仕事や技によって木魚になるのにおよそ10〜15年を要し、技術は100年以上受け継がれているのです。

愛知県の木魚工房は伝統技術を守りつつ、時代の変化とともに持ち味を変えない範囲で改善や発展を続けて遂げています。

例えば、原材料は伝統的に使われてきた天然のものを用いますが、すでに現在でははなくなったものや入手困難な材料もあります。

そのため、一定の地域に生産者が集まって製造に携わり伝統を守ることで、例外的に他の材料を使用することが認められているのです。

一方で職人の高齢化や後継者不足、木魚の製造組合も解散したため、国内の手作り製造元は数軒になり職人の数も年々減少しています。

また、安価な外国産の木魚や機械化による大量生産の影響のほか、デジタル化の加速に伴いコスト的に引き合わない状況です。

しかし、仏具業界全体が厳しい状況の中でも、守りの商売を維持する人、技術を生かして活かして話題性のある製品に挑戦する人が増えています。

また、伝統技術を継承するために、徒弟制度ではなく有償で教える仕組みに移行するなど、新しい取り組みも行われているのです。

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木魚の値段のまとめ

「ま」「と」「め」と書かれた積み木と電卓と時計

ここまで木魚の値段について、さまざまな種類の相場や購入方法、木魚の歴史や製造工程などを紹介してきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下のとおりです。

  • 木魚の値段は手頃なものだと1万~4万円、高級品なら300万円以上
  • 木魚を叩く理由はお経のリズムを整えたり、眠気を覚ましたりするため
  • 木魚は魚板を元に魚の形をしており、叩くと煩悩を吐き出させる意味がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(やまぐち)

山口 隆司(やまぐち たかし)

一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター

経歴

業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。

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