終活
遺言書に有効期限は存在するの?古い遺言書の有効性について紹介
更新日:2022.03.31 公開日:2022.04.23

記事のポイントを先取り!
- 遺言書に有効期限はない
- 遺言書は日付の新しいものが有効になる
- 遺言書は20年の保管期間内であっても定期的に更新する
- 遺言書は元気なうちに用意することが大切
終活が一般的となってきた昨今、「遺言書」に興味を持つ方が増えています。
これから遺言書を準備するときに「遺言書の有効期限はあるのか」また「作成する際に気を付けるポイントはあるの?」といった多くの疑問が出てくるかと思います。
そこで、本記事では遺言書の有効期限や注意点を詳しく解説いたします。
「何歳から遺言を書けるのか」についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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遺言書とは
遺言書とは被相続人が生きている間に「誰にどの財産をどの程度」相続するのかを指定しておくものです。
反対に、「相続させない」ということを指定することもできます。
「相続させるほどの遺産はないから」と遺言書を残さなくても良いと考える方もいますが、遺産相続のトラブルは年々増加傾向にあります。
遺産の金額は関係なく、遺産相続によって家族や兄弟・親戚などの良好な関係に亀裂が生じてしまいます。
「遺産トラブルには無縁」と遺族が思っていても、いざ相続に直面した時にトラブルに発展する可能性があります。
家族の円満を願って遺産を残した故人も、これでは不本意となってしまいます。
そこで、「遺言書」が効力を発揮します。
遺言書の存在によって遺産相続のトラブルを回避し、スムーズに相続の手続きを行うことができます。
https://www.eranda.jp/column/25253
スポンサーリンク遺言書の有効期限
遺言書に有効期限はありません。
たとえ数十年も前に書いた遺言書であっても、新しい遺言書がない限りは「有効」となります。
遺言書に有効期限は存在しない
有効な形式で書かれた遺言書に有効期限はありません。
新しい日付の遺言書が出てきても、古い遺言書の取消しや変更するといった記載がなければ、古い遺言書の効力は継続します。
ただ、遺言書を見つけたからと言って勝手に開封してはいけません。
民法では遺言書を見つけた場合は、裁判所に提出し検認の請求をするように定められています。
遵守しない場合は5万円以下の罰金を科せられることがあるので注意が必要です。
すでに遺産分割している場合は?
基本的には有効な遺言書を優先します。
つまり、すでに遺産分割をしていても、遺言書に従って遺産分割するべきということです。
ただ、相続人全員が納得した場合は、遺言書とは異なる内容でも遺産分割が可能となります。
https://www.eranda.jp/column/25263
公正遺言書における有効期限
遺言書は大きく分けて、「自筆証書遺言」・「秘密証書遺言」・「公正証書遺言」の三種類があります。
「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」は、自分で作成できる手軽さがメリットです。
しかし、法律で定められた形式に沿っていない場合は「無効」になりやすく、また紛失のリスクもあります。
最も確実性が高いのが「公正証書遺言」です。
公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言書なので無効になりにくい遺言書です。
公正証書遺言の作成には証人が2人必要で、第三者に証人として立ち会ってもらいます。
公証人は特別な資格は不要ですが、受遺者や推定の相続人、未成年や直系血族は証人にはなれません。
依頼する場合は弁護士や司法書士、信頼できる知人にお願いしたり、公証役場で紹介をしてもらいます。
公正証書遺言は公証役場での原本の保管期間は「20年」と法律で定められています。
しかし20年以上長生きされる方もいるため、実際には多くの役場では105歳になるまでは保管する保管義務があります。
そのため、仮に106歳で亡くなった時は、原本が破棄され無効となる可能性があります。
しかし、昨今の高齢化により遺言を残した人が120歳になるまで保管している役場も多くあります。
保管期限が過ぎても遺言書の有効期限は失わず、新たに遺言書を作らない限り効力は持続しています。
https://www.eranda.jp/column/24436
スポンサーリンク古い遺言書における注意点

遺言書を作成してから十数年経過した場合はどのようなことに注意をしたら良いのか知っておきましょう。
遺言内容と現在の状況で誤差が生じる
遺言書を作成してから何年かの間に状況が変わる場合があります。
例えば、指定していた相続人が先に亡くなってしまう、相続させようとしていた預貯金を生前に使ってしまったなどが挙げられます。
また、遺言者の施設入所などで相続を予定していた自宅を売却したなど、遺言書にある目的物を処分してしまうケースも少なくありません。
目的物が手元に無い場合は、その部分の遺言は撤回されたとみなされるため遺産分割はできなくなります。
そのため、遺言書を作ったからといって安心しきっていては、いざ相続する時にトラブルを招きかねません。
有効期限内であっても定期的に遺言書の更新をおすすめします。
遺言書は新しい方が有効となる
遺言書は日付の新しいものが有効となります。
何度か書き直した場合に、前回書いた遺言書と内容が重なり抵触した場合は、新しいものに効力があります。
よって抵触する部分の日付が古いものは効力を失うということになります。
https://www.eranda.jp/column/25393
遺言書はいつから書き始める?
遺言書と聞くと、まもなく死を迎える人が書くものといったイメージがあるかもしれませんが、遺言書は15歳から作成することができます。
死はまだまだ先のことと思っていても、思いがけない事故や発病などで若くして亡くなってしまう可能性はゼロではありません。
65歳以降から意識する
15歳から遺言書を作成できるとはいえ、実際には定年を迎えた後に遺言を書く方が多い傾向にあります。
60代後半から70代に入ると退職後に自分の時間が増え、残りの人生について深く考えるようになります。
死を現実的な問題と捉え、終活の一つとして遺言を書き始める方が多いのかもしれません。
遺言書は元気な内に用意する
「自分はまだまだ健康だから」と思っていても未来のことは誰にもわかりません。
突然の事故で意思疎通ができなくなってしまうことや、若くても認知症を発症すれば判断能力が低下します。
そのような状況では遺言を書くことが難しいだけでなく、たとえ書けたとしても「無効」になってしまうこともあります。
これでは財産を大切な人へ相続したくても、自分の意思を反映させることができません。
遺言を書くのに早すぎるということはなく、身体的にも精神的にも元気な間に用意しておくことが大切です。
https://www.eranda.jp/column/25418
スポンサーリンクよくある質問
Q:遺言書はいつから書ける?
A:遺言書は15歳から書けますが、実際は定年を迎えた60代を超えてから書く方が多いです。
Q:遺言書に有効期限はあるの?
A:遺言書には有効期限はありません。
しかし、遺言書が有効であることが条件です。
Q:遺言書が複数枚出てきたら、どうなるの?
A:遺言書が複数枚ある場合は、新しいものが有効になります。
遺言書の有効期限まとめ

ここまで遺言書について有効期限や注意点などをお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 遺言書に有効期限はない
- 公証役場での遺言書の原本保管は20年
- 遺言書は定期的に更新する
- 遺言書は元気なうちに用意する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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監修者

田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。