お墓
自宅墓とはどういうもの?近年人気が高まっている理由は?
更新日:2022.08.07 公開日:2022.08.26

記事のポイントを先取り!
- 自宅墓を採用する際は、衛生管理には十分注意する
- 自宅墓を管理する人の死後、遺骨の埋葬先を決めておく
- 現在では個人墓を新たに建てることは法律上できない
自宅墓について
多様化する埋葬方法の一つである自宅墓ですが、その人気の理由についてご存じでしょうか。
一般的なお墓と自宅墓の違いやメリットを知っておきましょう。
そこでこの記事では、自宅墓の特徴について詳しく説明していきます。
この機会に永代供養を覚えておきましょう。
後半には自宅墓と個人墓の違いについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
自宅墓とは?
自宅墓とは、文字通り自宅で故人の遺骨を管理・保管する新しい埋葬方法です。
一般的なお墓のように墓地や霊園といった特定の屋外にお墓を所有せず、個人宅の仏壇などに遺骨を安置します。
遺骨はお墓に納骨する、という伝統的なスタイルは近年の生活様式や価値観の変化によって、多様化傾向にあります。
納骨堂や樹木葬、散骨、永代供養などと同様に、自宅墓を採用・検討する方も増えています。
自宅に遺骨を置く自宅墓の疑問点やメリット、種類、費用などについて項目ごとに解説します。
自宅に遺骨を置いても違法ではないの?
故人の遺骨の取り扱いは「墓地、埋葬などに関する法律」によって定められており、適切な保管や取り扱いの義務があります。
つまり、遺骨を自分の判断で未認可の場所に置いたり、廃棄・処分したりすることはできません。
そのため、お墓は単に遺骨の保管場所というだけでなく、法律上認められた遺骨の受け入れ施設といえます。
多くの場合、火葬後の遺骨を一時的に自宅に保管した後、公的書類を介してお墓や納骨堂などへ納骨することになります。
ただし、自宅保管からお墓への納骨までの期間に制限はありません。
そのため、長期間自宅で遺骨を保管する自宅墓は違法にはならないのです。
庭に自宅墓を建てるのは違法
自宅墓という言葉を聞いて、自宅の庭などにお墓を建てることを連想する方も多いでしょう。
しかし、自宅墓とはあくまでも自宅の中、室内で遺骨を管理することを指しています。
もし自宅の庭にお墓を建てて遺骨を埋めてしまうと、違法行為とみなされるため絶対にやめましょう。
宗教上の問題は?
遺骨の埋葬は、多くの場合仏教や神道などの宗教の教えに則って取り扱うことが多いです。
遺骨を埋葬せず自宅に保管する自宅墓の考え方は、特別肯定されることはありません。
しかし、問題のある行為やマナーに反する行為の対象とはなりません。

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- どうして自宅墓が近年人気なの?
- 自宅墓の種類
- 自宅墓のメリットとデメリット
- 自宅墓にかかる費用
- 自宅墓をはじめるステップ
- 自宅墓で注意する事
- 他の人はこちらも質問
- 「自宅墓」と「個人墓」の違いは?
- 個人墓は新しく建てられない
- 自宅墓についてのまとめ
どうして自宅墓が近年人気なの?

実は自宅墓は年々注目されている埋葬方法の一つで、さまざまな理由により人々の話題になっています。
その理由は主に3つあり、1つ目は人々の価値観の変化で、お墓よりも生きているうちにお金を使いたいという考えが主流になったことです。
2つ目の理由は、人々のお墓へのイメージが変わったことです。
伝統的なお墓の数は減少傾向にあり、それに変わる屋内施設の納骨堂などさまざまなお墓のイメージが広がり、自宅墓が選ばれています。
3つ目の理由は家族構成の変化です。
現代は昔ほど子供が生まれないため、一族で継承するお墓の仕組みは現代の家族構成に見合っていません。
そのため、後継がいないお墓が増えていることもあり、自宅墓などの新しい埋葬方法が採用されています。
自宅墓の種類
自宅墓の種類は大きく2つにわけられます。
ご自身やご家庭の事情によって都合の良い方を検討するとよいでしょう。
全部の遺骨を納めるタイプ
遺骨を1つの骨壷に全て納め自宅墓に安置するタイプは、お墓をお持ちでない方であれば新たにお墓を利用する必要がありません。
また遺骨は砕いて粉末状にすることも可能で、場所を取らずカビが生えにくいなど保管しやすい方法もあります。
一部の遺骨を納めるタイプ
故人の遺骨の一部だけを自宅墓で保管するタイプです。
すでにお墓をお持ちの方や、お寺などに供養や管理を任せる永代供養をされる方は遺骨の一部だけを自宅墓に置くこともできます。
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自宅墓のメリットとデメリット

自宅墓の概要を知ることにより、自宅墓を埋葬方法の選択肢として検討する方も多いでしょう。
さらに理解を深めるため、いくつかの自宅墓のメリットとデメリットについても確認しておきましょう。
自宅墓のメリット
自宅墓には、利便性や精神面、経済的なメリットがあります。
場所を選ばず供養できる
お墓を一度建てた後に遺骨を移動するとなると、墓じまいのためにさまざまな手続きや供養が必要になり大変です。
その点、自宅墓であれば遠方に引っ越ししてもお墓の心配がなく、場所を選ばずに供養ができます。
また、自宅で供養ができるため、わざわざお墓まで出向く必要もなくなります。
故人を身近に感じられる
故人の遺骨をそばに置いておきたい、と希望する方は少なくありません。
大切な家族を失った際、遺骨をお墓ではなく自宅墓に安置して故人を身近に感じることで、精神的に安心感を得る方も多いでしょう。
費用が抑えられる
お墓を建てればまとまった費用がかかり、利用し続ければ維持費がかさみます。
その点自宅墓であれば、基本的な費用は自宅墓作製にかかる初期費用のみです。
自宅墓のデメリット
自宅墓のデメリットの多くは、遺骨の管理に関する懸念点です。
遺骨の状態悪化してしまうことも
自宅墓を置く場所によっては温度や湿度、直射日光の影響で遺骨にダメージを与えます。
遺骨の状態が悪くなるとカビが生える原因にもなるため、十分注意が必要です。
災害・トラブルに合った場合の遺骨の紛失
火災や地震などによって家屋にトラブルがあった場合、遺骨が紛失してしまうリスクがあります。
お墓への埋葬も同様に災害のリスクはありますが、万が一のリスクがあることは念頭に入れておきましょう。
供養していた方が亡くなった後の遺骨の行き先
自宅墓を所有し供養していた方が亡くなってしまうと、自宅墓の遺骨を管理する方がいなくなることになります。
納骨堂や永代供養先などを事前に検討し、自分の希望を親族などにあらかじめ伝えておくことが重要です。
自宅墓にかかる費用
自宅墓のメリットに魅力を感じ、デメリットへの許容や対策ができる方であれば、自宅墓は良い選択肢の一つとなるでしょう。
具体的に検討を進めると、やはり最も気になるのが費用面ではないでしょうか。
そこで自宅墓にかかる費用を項目ごとに解説します。
自宅墓本体の費用
自宅墓を購入する際に本体は欠かせません。
本体にはさまざまなサイズがあり、それぞれ費用が異なりますが、相場としては10万円〜20万円程度が一般的です。
骨壺代
遺骨を納める骨壷も必要で、数千円程度で購入できるものも多いです。
一部芸術品としての価値があるものは数万円する高額なタイプもあります。
粉骨の際の費用
粉骨する場合は、費用の相場は7,000円〜2万円程度です。
分骨・加工・最終納骨先への費用
遺骨の一部を自宅墓に安置して、残りを分骨・加工・最終納骨先へ納める場合は工程が多いため価格帯は10万円〜150万円程度と幅広くなります。
そのため複数の業者から見積もりを取るなど、比較検討する必要があります。
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自宅墓をはじめるステップ
自宅墓を採用した場合に辿る手順は主に3段階あります。
手元に残す遺骨の量を決める
まずは自宅墓に納める、つまり手元に残す遺骨の量を決めます。
仏壇の種類を選ぶ
次に、遺骨の量に応じて骨壷や自宅墓として設置する仏壇の種類を選びます。
最終的な納骨先を決める
自宅墓を採用したからには前述したデメリットへの対策もしておく必要があります。
自宅で供養する方が亡くなった場合、遺骨は最終的にどこへ納骨するのかを必ず決めておきましょう。
自宅墓で注意する事
人によってメリットの多い自宅墓ですが、注意すべき点を2つご紹介します。
よくご確認の上ご検討ください。
衛生上の問題
自宅墓で遺骨を管理するということは、遺骨の衛生管理が日常的に必要になることを理解しておきましょう。
特にカビ対策は重要で気温や湿度管理、場合によっては粉末にするなど衛生面に注意してください。
周囲の理解
さまざまな埋葬方法が選ばれている現代ですが、故人をお墓に埋葬するのが当たり前と考える方もいるでしょう。
特に家族や親族といった周囲の関係者からの理解を得ていない場合、自宅墓について非難されトラブルの原因になりかねません。
事前に説明し、できれば周囲からの理解を得ておくことが争いを避ける対策となります。
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他の人はこちらも質問

自宅墓について興味を持っている方は多く、よくあるいくつかの質問とその答えをご紹介しますので参考にしてください。
宅墓の読み方は?
宅墓(たくぼ)とは自宅など室内で遺骨を保管・管理することで、自宅墓と同じ意味です。
お墓 どこでも?
お墓の主な役割のひとつが、遺骨の埋葬です。
遺骨の埋葬はどこでもできるわけではなく、許可を得た霊園や寺院墓地、特別に許可された一部の場所のみです。
永代供養とはどういう意味ですか?
永代供養とは本来所有する家族が供養・管理する遺骨やお墓を、お寺などに一任する仕組みです。
後継がいない、お墓が遠方にあるため管理できないといった事情に対応する仕組みのため、近年採用する方が増えています。
埋葬 どこでも?
日本においては墓地、埋葬などに関する法律があるため、許可を得た場所や方法のみで埋葬することになります。
スポンサーリンク「自宅墓」と「個人墓」の違いは?
自宅墓の概要やメリット、デメリット、費用相場、注意点などをご紹介したところで、似たような名称の個人墓についても確認しておきましょう。
自宅墓と個人墓はどちらも故人の遺骨を埋葬するための場所という意味では同じです。
また、どちらも漢字の意味として似たようなイメージがあるかもしれません。
しかし自宅墓と個人墓は、それぞれ別のものとして意味を理解しておく必要があります。
遺骨を埋葬できる場所は、法律によって定められた墓地として認められているところだけです。
一般的に墓地とは霊園や寺院墓地など団体として認可されています。
しかし、墓地の中には団体ではなく個人名義になっている墓地があり、その墓地のことを個人墓と呼びます。
墓地を管理する法律が制定されてからは、基本的に個人墓を新たに建てることができなくなりました。
そのため、現在個人墓は非常に少なく、残っている個人墓は法律が施行される前からあったものがほとんどです。
個人墓は主に「みなし墓地」と「無許可墓地」に分かれます。
みなし墓地は合法で、法規制前からある認められた個人墓のことです。
無許可墓地は非合法で、法規制前後にかかわらず認められていない故人墓のことです。
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個人墓は新しく建てられない
個人墓を新たに建てることができないのは、「墓地経営・管理の指針等について」という厚生労働省の通知によるためです。
この通知によって、たとえ自宅の庭や遺骨を埋葬するのに十分な土地を持っていても、個人墓を新たに建てることができなくなりました。
そのため、一部のみなし墓地を除いて、全ての方がさまざまな埋葬方法の中から自分に合ったものを選ぶ必要があります。
人によって事情は異なりますので、できるだけよく調べたうえでのお墓選びが重要です。
自宅墓についてのまとめ

ここまで自宅墓の情報や、自宅墓のさまざまな特徴などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 自宅墓とは故人の遺骨をお墓ではなく、自宅の仏壇などに保管すること
- 自宅墓には利便性や遺族の精神面、経済性においてのメリットがある
- 自宅墓と個人墓は別物で、一部のみなし墓地を除いて個人墓は認められない
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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