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個人で墓地を売買するには?霊園経営者から見るケースも紹介

投稿日:2021.09.28
更新日:2021.09.28

晴天の墓地

墓地を購入するということは、一生のうち何度もあるものではありません。

お墓は基本的に代々継承されていくもので、購入せずに引き継ぐ人が多くいるためです。

その一方、なんらかの事情でお墓を手放したい人もいるはずです。

お墓を購入したい人と売却したい人がいたら、売買が成立しそうな気がします。

土地や建物のように個人で墓地を売買するにはどんな方法があるのでしょうか。

そこで個人で墓地の売買をすることについて本記事では以下の内容を網羅して解説します。

  • 個人間での墓地の取扱いについて
  • 墓石だけを売買することはできるのか
  • 墓地を購入する方法

ぜひ最後までご覧ください。

  1. 墓地は売買できるの?
  2. 経営者なら売買できる?
  3. 個人墓地は売買可能?
  4. いらない墓地の処分方法
  5. 個人で墓地の売買まとめ

墓地は売買できるの?

頭の中にクエスチョンマークがある顔のシルエット

保有している墓地をなんらかの事情で手放さなくてはならないという人は、墓地の売買を検討すると思います。

個人で購入した家や土地は使ったり貸したり売買できたりするように、購入した墓地も売買できそうに思います。

しかし日本の墓地は制度により、ほとんどの場合、所有している墓地の売買は不可能です。

なぜなら、一般的にいう「墓地の購入」とは、墓地とその土地を購入を意味するのではないからです。

墓地の個人売買はできない

墓地の個人売買ができないのは永代使用権によるものです。

一般的な「墓地の購入」とは、あくまで「永代使用権」という墓地を使用する権利を購入しているにすぎないのです。

永代使用権とは、そのお墓を一族が代々継承して利用することが認められる権利です。

墓地を建てる土地を購入しているのではなく、あくまでお墓を建設する権利の購入となります。

永代使用権の料金は「永代使用料」と表記されます。

表記名からも墓地を建設し使用するための料金で、墓地の個人的所有にならないことがわかるかと思います。

そのため墓地は個人間で売買ができないのです。

譲渡もできない

墓地は売買ができないうえに、個人間で譲渡することもできません。

それは多くの場合、永代使用権購入の契約書には「譲渡禁止特約」が記されているためです。

譲渡禁止特約は法律ではないのですが、金銭に関係なく個人間の永代使用権譲渡ができないことを意味します。

お墓という先祖が祀られている神聖な場所を、個人の裁量で第三者に譲る行為はモラルに反するとされます。

宗教的教えや先祖に対する敬意などの考えを優先した制度といえます。


ただし、一度管理者へ永代使用権を返却し、すぐに永代使用権を購入するのであれば問題ない場合もあります。

なぜならお墓を手放す場合、売買は禁止されていても、管理者への返却は可能だからです。

さまざまな事情でお墓を所有し続けることができなくなる人は必ずいます。

そのため墓地の売買はできなくても、手放すことができるように返却が認められているのです。

墓石の売買は可能

永代使用権購入は墓地を建てて使用する権利ということがわかりました。

では、個人で購入して建てる墓石の売買は可能なのでしょうか。

契約において墓石の売買についての記載はないため、理論上は売買が可能です

しかし事実上では売買できないケースがほとんどといえます。

なぜなら宗教的考えや心情的に、たとえ安くても中古の墓石を購入する人がいないことが考えられます。

長い間誰かの遺骨が納められていて、遺族や僧侶が手を合わせ、祈りを捧げた墓石の再利用をしようとは思わないものです。

お寺はもちろんのこと、中古の墓石を取り扱う業者も一般的に存在しないことが想像できます。


また、金銭面においても墓石の再利用はコストパフォーマンスが悪いといえます。

再利用のための費用の方が、売り払うための費用よりも高額になる場合があります。

再利用のため彫られた文字を削ったり、作業場への移動や再設置の運送など費用は高くつくからです。

さらに使用中の墓石には魂が入っていますので、魂を抜く供養を僧侶に依頼するといった時間も費用も加算されます。

経営者なら売買できる?

○と×のプラカードを持って悩む男性

個人間で墓地の売買ができないことがわかりました。

では私設墓地を所有する経営者はどうでしょうか。

土地の所有者である経営者でも売買は事実上不可能です。

なぜなら墓地を売りたい土地所有者がいても、購入する相手がいないのです。

ある土地の墓地を購入したい買い手がいたとしても、その土地は登記上の地目が「墓地」となっています。

そもそも墓地は個人への売却ができないため、買い手が存在しないため売買になりません。

経営者でも売買はできない

では経営許可を持つ人への売却はどうかというと、売却が可能なケースもあるかとは思います。

しかし、現時点では個人が新規で墓地経営許可を取ることはほぼできない状況です。

そのため経営許可を持たない土地所有者の場合も、墓地売買は事実上成立しません

墓じまいをすれば売買可能

突き詰めて考えていくと墓じまいをすることで売買は可能になります

墓じまいとは墓地を撤去などして手放し更地にし、新しい納骨先を用意することです。

更地になった墓地の地目は「墓地」ではなくなります。

墓地でなければ個人間での土地の売買は可能になります。

個人墓地は売買可能?

花が供えられた複数の墓石

お墓は一般的にお寺や霊園に建てられるもので、売買は不可能です。

では個人墓地は売買できるのでしょうか。

個人墓地とは

個人宅の敷地に建てられている、個人名義の個人墓地という墓地があります。

正確には「墓地、埋葬などに関する法律」において行政から認可された、「みなし墓地」のことを指します。

個人墓地なら売買可能

個人墓地は条件付きですが売買が可能です。

売り手側が墓地の所有権登記行っていることが前提条件です。

そのうえ各自治体による確認と複雑な手続きがあります。

個人墓地は新設可能?

個人墓地の新設は基本的に認められていませんが、さまざまな条件に該当すれば可能です。

住んでいる場所や管轄の地方自治体により条件は異なり、周りに墓地が全くないといった非常に稀なケースに限定されます。

いらない墓地の処分方法

開いた本の上に置かれた虫眼鏡

お墓は一族が代々継承して守り、管理していくものです。

しかし現代ではライフスタイルの変化や価値観の多様化で、お墓を処分するハードルは下がっています。

墓地は土地や建物と取扱が異なるため、処分方法がわからない方も多いかと思います。

所有していたお墓を処分することを「墓じまい」といいます。

一口に墓じまいといっても、お墓の種類は千差万別で一括りにできないものです。

そこでよくあるケースごとに大別した「いらない墓地の処分方法」を以下にご紹介します。

墓石の無い場合

永代使用権を購入したばかりで、まだ墓石の無い場合でもキャンセルはできません

よって永代使用料の返還はなく、使用権を放棄することになります。

永代使用権のキャンセルについて争われた事例がありますが、霊園側に使用料返還の義務はないという結果になりました。

納骨前の場合

納骨前の場合、購入した墓石はキャンセルできるのでしょうか。

納骨前の場合、購入した墓石はクーリングオフの対象になる可能性があります。

ただしクーリングオフは以下の条件に当てはまる場合にのみ適用されます。

  • 通信販売や訪問販売での購入であること
  • 購入から8日以内の返品・返金であること

つまり通信販売や、購入した墓石を取り扱う石材店などが自宅に訪問販売に来て契約後8日の間という極めて稀なケースです。

墓石の処分費用は1トンあたり3000~5000円程度です。

墓石の処分は石材屋へ依頼した後に業者により撤去、粉砕されます。

納骨済みの場合

すでに納骨が済んでいる場合の処分は墓じまいとなります。

墓じまいはお墓の墓石を撤去し、更地にして管理者に戻すことです。

物理的なお墓の撤去や、更地にする整地といった工程に加え、納骨済みのお墓は閉眼供養も必要です。

閉眼供養とは納骨式で僧侶による開眼供養(魂入れ)でお墓に宿った魂を抜き、お墓をただの石の入れ物に戻す供養です。


また納骨済みのお墓を処分する際は、次の遺骨を納める場所も決めておく必要があります。

別のお墓に移動する以外にも、永代供養に出して合祀墓で供養してもらうという選択肢もあります。

解体費用は1㎡当たり10万円程度です。

個人で墓地の売買まとめ

キーボードの上に載っている「ま」「と」「め」と書かれた積み木

ここまで墓地の売買の情報や、墓地の取扱いなどを中心にお伝えしてきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 基本的に墓地の売買も譲渡もできない。

  • 墓石の売買は理論上可能だが、事実上成立する可能性は非常に低い。

  • 墓地を購入するには、一度更地にしたうえでしか購入できない。

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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