法事法要
お盆の起源を紹介!お盆がはじまった理由やお盆が歩んできた歴史について
更新日:2022.05.17 公開日:2021.11.13

記事のポイントを先取り!
- お盆はインドの盂蘭盆経が起源
- 日本が発祥という説もある
毎年夏を迎えると、お盆にまつわるさまざまな行事が日本各地で行われます。
しかし、お盆の起源や、地域によってお盆の時期が異なる理由について、ご存じない方も多いようです。
お盆の意味や起源を知ることで、ご先祖様への感謝の大切さを理解できるかと思います。
日本の伝統的な年中行事であるお盆を、次の世代に継承するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
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お盆とは
そもそもお盆とは何なのか、起源について解説する前に意味や具体的な時期を解説します。
お盆の意味
お盆とは、ご先祖様の霊を自宅にお迎えして、家族とのひと時を過ごす期間を指します。
お盆の時期には、精霊棚(しょうりょうだな)にお供えをして、ご先祖様への感謝を表します。
迎え盆の夕方には、戻って来られるご先祖様の目印になるよう迎え火を焚き、盆提灯を灯します。
そして送り盆の日が暮れてから、浄土に戻られるご先祖様の霊を見送るために、送り火を焚きます。
京都の五山送り火や、長崎の精霊流しなど地域ごとのお盆行事も行われます。
また、四十九日の法要後に初めて迎えるお盆を初盆または新盆といいます。
初盆は故人が初めて現世に戻ってくるため、迷わないように初盆用の白提灯を灯します。
お盆の時期
お盆の時期は地域によって、7月13日~16日の「新のお盆」と、8月13日~16日の「旧の盆」に分かれます。
東京の都市部や、金沢市の旧市街地、静岡県の一部の地域は「新のお盆」地域となります。
これ以外の地域(沖縄県、鹿児島県奄美地方を除く)は全国的に「旧の盆」を、お盆の時期としています。
沖縄県や鹿児島県の奄美地方では、今でも旧暦にもとづいてお盆行事を行うため、毎年お盆の時期が変わります。
旧暦7月13日~15日の3日間が一般的で、沖縄では伝統舞踊のエイサーが盆踊りとして披露されます。
お盆の起源

お盆の正式名称である盂蘭盆会(うらぼんえ)は、サンスクリット語で「逆さ吊り」を意味する「ウラバンナ」が起源といわれています。
また、ペルシャ語で「霊魂」を意味する「ウラヴァン」など、起源については諸説あります。
インド・仏教を発祥とする起源
インドの仏教を由来とする説では、盂蘭盆経(うらぼんきょう)という物語を盂蘭盆会の起源としています。
盂蘭盆経とは、お釈迦様の弟子である目連が、餓鬼道に堕ち逆さ吊りにされた亡き母を助ける物語です。
目連がお釈迦様に、亡き母を救う方法を相談したところ、
「夏の修行の終わりに僧侶を招き、多くの供物をささげて供養すれば母を救うことが出来る」
との助言を授けられました。
目連はそれに従い、多くの食べ物や飲み物、寝床や灯りを捧げ、やがて母を救うことができました。
その日が7月15日だったことから、旧暦の7月15日は先祖に感謝をささげ供養を行う日となったようです。
日本を発祥とする起源
もともと日本では、古来より先祖に感謝を捧げる祖霊崇拝が行われてきました。
そのため、夏と冬の年二回、精霊棚を飾って、ご先祖様や死者の霊を供養するお祭りが行われていたようです。
お祭りの際にお供え物を置く器の名前「ボニ」が、次第に訛ってお盆の起源になったという説もあります。
また、旧暦のお盆は収穫後の農閑期にあたるため、収穫の感謝祭としての一面もあったとされています。
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今のお盆になるまでの歴史
日本では、推古天皇の14年(606)に初めてお盆の行事が行われたとされています。
しかし、現在のようなお盆行事が一般に定着したのは、より後の時代になってからです。
生活に取り入れられたのは江戸時代から
お盆行事が庶民に広がったのは江戸時代からで、それ以前は貴族や武家などの上流階級で催されていたようです。
江戸時代になると、庶民も自宅に仏壇を置くようになり、お盆行事も普及しました。
ロウソクも大量生産されて安価になったことから、お盆提灯も広く用いられるようになりました。
また、当時の日本では、正月とお盆にだけ奉公人が帰宅を許される「藪入り(やぶいり)」が行われていました。
この藪入りと仏教の盂蘭盆が結びつき、庶民のあいだでもお盆行事が普及したようです。
新の盆と旧の盆で別れた経緯
日本では、江戸時代まで中国から持ち込まれた太陰暦が採用されていました。
しかし、明治時代に入ると、近代化に伴う欧化政策の一つとして太陽暦に合わせる必要が出てきました。
そして、明治政府は1872年に太陽暦への改暦を行い、1872年12月3日は1873年1月1日へと変更されました。
しかし、新しい太陽暦は農民や漁民の季節感覚や生活感覚とはズレがありました。
旧暦のお正月やお盆などの行事は、農事の区切りの役割を果たしていたため、特に農村などでは評判が悪かったようです。
一方、東京などの都市化が進んだ地域では農村に比べ旧暦の重要性が低かったため、7月盆が定着しました。
そして、新暦盆と旧暦盆の妥協点が現在の日本でもっとも多く採用されている8月の月遅れ盆です。
農村の季節感覚を残しながら新暦を受け入れるために、1ヶ月遅れの8月15日前後に固定されたようです。
さらに詳しく知りたい方は、「お盆っていつ?お盆にすべきこととそれぞれの注意点まで解説」をご覧ください。
お盆と似ている行事・ハロウィン
現在では、日本でも定着しつつあるハロウィンですが、実は「西洋のお盆」と呼ばれています。
共通点
ハロウィンは、ヨーロッパの古代ケルト人の宗教的な儀式「サウィン祭」が起源とされています。
サウィン祭は、秋の収穫に感謝すると同時にご先祖様の霊をまつり、悪霊を追い払う宗教的行事でした。
「サウィン」とは、古代ケルト人の言葉で「夏の終わり」を意味します。
農耕牧畜に生きた古代ケルト人は、1年を夏と冬の2つに分けて考えていました。
そのため、当時は10月31日を一年の終わりとし、この日に死者の魂がこの世に帰ってくるとされていました。
また、ハロウィンと聞いて思い浮かぶのは、三角の目が特徴的なオレンジ色のカボチャです。
ジャック・オー・ランタンと呼ばれるもので、内側にロウソクを立てる提灯となっています。
西洋ではカボチャはお守りとされ、カボチャの提灯は悪霊から守る番犬の役割があるそうです。
また、カボチャの提灯は日本の盆提灯と同様に、ご先祖様の霊の目印という意味合いもあるようです。
相違点
ご先祖様の霊が、家族に会いに戻ってくるという点は、日本のお盆と同じ考え方です。
しかし、ハロウィンではご先祖様の霊と一緒に悪霊も連れてくると考えられており、日本のお盆と大きく異なります。
悪霊たちをおどろかせて追い払うために、仮面をかぶって仮装する習慣が生まれたといわれています。
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お盆とお彼岸の違いは

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、春分の日と秋分の日を中日(ちゅうにち)とし、その前後7日間がお彼岸の期間となります。
お盆もお彼岸も仏事であり、先祖供養のためという点は共通していますが、起源はかなり異なります。
意味
お彼岸には、ご先祖様を供養する意味があり、中日(ちゅうにち)の前後にお墓参りをします。
また、お彼岸は先祖供養だけでなく、仏道修行をするべき期間でもあります。
仏教では、仏道修行者が行うべき基本的な6つの徳目を六波羅蜜(ろくはらみつ)と呼びます。
一年の中で彼岸と此岸がもっとも通じやすくなるお彼岸に六波羅蜜を実践することで、彼岸に近づくとされています。
時期
お彼岸は、3月の春分の日と、9月の秋分の日の前後3日間を合わせた7日間を指します。
春分の日と秋分の日が中日とされ、お彼岸の初日を彼岸入り、最終日を彼岸明けといいます。
起源
彼岸は煩悩を越えて到達する悟りの境地を意味する、サンスクリット語のパーラミター(波羅蜜多)が起源とされています。
一方、我々が住む煩悩に溢れた世界は此岸(しがん)と呼ばれます。
「六波羅蜜」と呼ばれる修業をすることで、彼岸に行くことが出来るといわれています。
仏教では、極楽浄土とされる彼岸は西側にあり、東側には現世があると考えられています。
そして、太陽が真西に沈む春分の日と秋分の日には、この彼岸と此岸がもっとも通じやすくなるといわれています。
そのためお彼岸は先祖を供養し、自分たちがいずれ訪れる浄土へ思いを馳せる日とされたようです。
また太陽が真東から昇り、真西に沈む春分と秋分の日は、日本古来の太陽信仰においても重要な日でした。
このことから、お彼岸の起源と日本古来の神道とは密接な関係があるようです。
お盆の起源まとめ
ここまで、お盆の起源や歴史、お彼岸との違いなどの情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- お盆が夏に行われるのは、仏教の盂蘭盆と祖霊崇拝や農耕儀式などが融合したため
- 盂蘭盆会の起源は、仏教の盂蘭盆経など諸説ある
- お盆時期の地域差は、明治時代に改暦したことが原因
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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