法事法要
位牌の代わりとは?宗教別に位牌の必要性や位牌の種類を調査
更新日:2022.05.17 公開日:2022.01.04

記事のポイントを先取り!
- 位牌は故人が帰る場所で、遺族が手を合わせる対象
- 位牌を必要としない仏教宗派には、浄土真宗がある
- 位牌の代わりになるものや手段があり、その種類は豊富
仏壇には位牌を置くのが一般的ですが、位牌は必ず置かないといけないのでしょうか。
また、位牌の代わりとなるようなものはあるのでしょうか。
そこで、この記事では位牌についての情報を中心に解説していきます。
この記事を読んで、位牌の概要や位牌を置く理由について学びましょう。
位牌の必要性や種類についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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位牌とは
位牌(いはい)とは、故人の戒名や生年月日などが記してある木の板のことです。
位牌は、自宅の仏壇に置かれるのが一般的です。
位牌は故人の魂の依代
位牌は故人の魂の依代(よりしろ・神霊や魂の寄り付く対象)で、供養のために手を合わせる対象です。
位牌は、仏教の多くの宗派で用いられており、ご先祖さまや故人そのものとして代々引き継がれます。
また、ご先祖さまや故人が帰ってくる場所としての意味があります。
そのため、位牌に対して近況を報告したり、感謝の気持ちを伝えたりする遺族の心の拠り所とされています。
位牌に書かれている内容
位牌には文字が書かれており、その内容は戒名や俗名、没命日や没年月日などです。
戒名(かいみょう)とは、故人が僧侶からいただく仏の弟子としての名前です。
多くの仏教では、亡くなると仏門に弟子入りするため、その証として戒名を授かります。
戒名をつけていただくときには、戒名料という金銭を支払います。
俗名(ぞくみょう)とは、故人の名前のことです。
ルールとして位牌の裏側に書かれます。
また、没命日と没年月日は元号を用いた漢数字で記されます。
位牌がいらない場合は作らなくてもいい?
基本的に多くの仏教徒に、位牌は必要です。
位牌には魂が宿り、故人が帰り遺族のそばにいるという重要な役割があります。
しかし、位牌がいらないと感じるならば、作らなくても問題ありません。
亡くなった方を思い、死を慎む気持ちが故人への供養で一番大切なことであると、広く世間で考えられています。
そのため、位牌は必ず必要なものではありません。
位牌の代わりになるもの

位牌の代わりになるものは複数あり、主に浄土真宗の場合と無宗教の場合で異なります。
浄土真宗の場合
多数存在する仏教の宗派の中で、浄土真宗に限っては位牌を作りません。
その理由は、浄土真宗の故人の死に対する教えによるものです。
浄土真宗は、亡くなった方は誰でもすぐに仏になる、という教えがあります。
これは他宗派と明確に異なるもので、死後すぐに仏になるため位牌への供養が不要なのです。
しかし、浄土真宗では位牌の代わりとなるものが2つあります。
法名軸
法名軸(ほうみょうじく)とは、浄土真宗独自の仏具で、法名が書かれた掛け軸です。
法名とは、他宗派でいうところの戒名のようなもので、亡くなった後に故人へ与えられます。
法名軸は仏壇の内側にかけられて、位牌の代わりとして手を合わせる対象となります。
過去帳
過去帳(かこちょう)とは、故人の法名や名前、没命日、年齢が記載されている帳面です。
過去帳には複数人の記入が可能で、一家で代々引き継がれます。
過去帳も法名軸と同様、位牌の代わりに仏壇へ安置されます。
無宗教の場合
無宗教の場合、仏教徒ではないため位牌は基本的に不要です。
しかし、位牌の代わりになるものや手段は存在します。
戒名を刻まない位牌
無宗教の場合は位牌の代わりとして、戒名を刻まない位牌を用意する方もいます。
先にあげた理由により、無宗教であれば戒名が不要です。
そのため、俗名やメッセージを刻むといったオリジナルの位牌が作成、販売されています。
無宗教であれば故人への思いや、大切にしているメッセージなどを刻んだ位牌を検討されてはいかがでしょうか。
モニュメント
位牌の代わりにモニュメントを用意するケースもあります。
モニュメントとは、記念碑や記念像のような作成物のことです。
形状や使われる素材は、注文者の自由なので、故人のために世界に一つだけのものが作れます。
モニュメントには、独自のメッセージなど好きな文字を刻むことができます。
手元供養墓
位牌の代わりに手元供養するのも、ひとつの手段です。
手元供養とは、故人の遺骨の一部を手元に残し、自宅などに置いて供養することです。
手元供養には、遺骨を納める小さな骨壷やミニチュアのお墓などが使われています。
大切な方を亡くした後も、故人を近くに感じていたい場合は、位牌の代わりに手元供養という手段もあります。
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位牌の種類
ひとくちに位牌といっても、その用途や種類、形状、素材などはさまざまです。
伝統的な位牌からモダンな位牌まで、代表的なものを以下でご紹介します。
白木位牌
白木位牌は、葬儀のときに用いられる位牌です。
そのため、使用する期間は限定的で、四十九日までとされています。
多くの場合、四十九日法要で僧侶から本位牌をいただくと同時に、白木位牌はお焚き上げしてもらいましょう。
塗り位牌
塗り位牌とは、漆で黒く塗られた白木を材料のベースにした位牌です。
四十九日後にいただく本位牌とされるのが、この塗り位牌です。
唐木位牌
唐木位牌とは、材料に黒檀(こくたん)や紫檀(したん)を用いた漆塗りの位牌です。
黒檀や紫檀は高級木材とされ、唐木位牌は重量感や高級感があり、耐久性も高いという特徴があります。
回出位牌(くりだしいはい)とは、ひとつの入れ物に複数の位牌をまとめて保管できる位牌です。
回出位牌で使われる位牌は、薄い木の板に戒名が記されており、重ねて約10枚程度を保管できます。
そのため、ご先祖さまの位牌をまとめて管理できるという特徴があります。
モダン位牌
モダン位牌とは、モダンな仏壇に見合うようにデザインされた位牌です。
木材には、モダン仏壇と同じウォールナットやメープルが使われて、位牌と仏壇がマッチするようになっています。
その他
その他にもガラス位牌やクリスタルでできたものなど、さまざまな素材や形の位牌が販売されています。
スポンサーリンク位牌の代わりまとめ

ここまで位牌の情報や、位牌の代わりになるものなどを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 位牌とは、故人の魂の依代で主に仏壇に置かれる祈りの対象
- 必要としない場合は作らず、位牌の代わりになるもので問題ない
- 位牌の代わりのものには、法名軸や過去帳、モニュメントがある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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