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デジタル遺品とは?トラブルや回避方法を解説!整理方法も紹介

更新日:2022.04.01

遺品

記事のポイントを先取り!

  • デジタル遺品とは電子機器内の情報
  • デジタル遺産のトラブルは多い
  • 遺族間で必ず相談する
  • 生前整理は今後の生活でも利点となる

近年、遺品整理をする際に問題となっているのが、SNSアカウントやスマートフォンやパソコン内のデータなどの「デジタル遺品」です。

スマホやパソコンなどの普及により、多くのインターネットサービスを活用している方が多くいます。
そのため、デジタル遺品を遺したまま亡くなり、SNSのアカウントの管理やデータの扱いなどで問題になることがあります。

そこでこの記事では、デジタル遺品について詳しく解説します。
この機会に、デジタル遺品に関するトラブルの回避方法についても知っておきましょう。

後半にはデジタル遺品整理を生前にするメリットについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. デジタル遺品とは
  2. デジタル遺品のトラブル
  3. デジタル遺品トラブルを回避するための対策
  4. デジタル遺品の整理方法
  5. デジタル遺品整理を生前にするメリット
  6. よくある質問
  7. デジタル遺品のまとめ
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デジタル遺品とは

近年、遺品整理をする際に良く耳にするようになってきたのがデジタル遺品です。
デジタル遺品がどういうものなのか、分類としてはどのようなものがあるのかについて紹介します。

デジタル遺品とは

デジタル遺品とは、故人の所有していた電子機器に含まれるデータ類のことです。
多くの場合は、パソコンやスマホなどの個人情報や写真などが該当します。

さらに広く見た場合、SNS上の個人情報なども含まれます。
昨今では、高齢の方でも個人のスマホを持っていることも少なくありません。

また事故死や突然死などであれば、若くして亡くなってしまう方もいるでしょう。
そのような背景から、遺品整理の中にデジタル遺品が含まれていることは良くあることです。

デジタル遺品の種類

デジタル遺品には、大きく分類すると2つの種類があります。
それぞれのデジタル遺品について紹介します。

オフラインデータ

オフラインデータとは、インターネットに繋ぐことなく確認可能なデータのことです。
一般的な例でいえば、パソコンやスマホ内に保存されている、個人情報や写真データなどが該当します。

他にも、外付けの記憶媒体に保存されているデータも含まれ、書類データなどもそうです。
ネット環境がなくとも見られる情報は、ほぼオフラインデータであると覚えておいてください。

オンラインデータ

オンラインデータとは、インターネットに繋がなければ確認することのできないデータになります。
一般的な例であれば、SNSや電子メールの情報がオンラインデータです。

他にも、クラウドストレージや電子口座なども含まれます。
電子メールであれば一部オフラインでも確認できますが、総じてオンラインデータとして認識されるようです。

基本的にネット環境がなければ確認できない情報は、ほぼオンラインデータと認識して問題ないでしょう。

https://www.eranda.jp/column/23942

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デジタル遺品のトラブル

デジタル遺品は、その性質から多くのトラブルのタネとなります
デジタル遺品が原因となるトラブルには、どのようなものがあるのでしょうか。

ロックが開かない

セキュリティを強固にしている故人であれば多くの場合、デジタル遺品にはパスワードなどによるロックが施されています。

故人が生前整理などで記録を残しておけば問題ありませんが、そうでない場合は第三者にはパスワードを簡単に解除する術がありません。

自分の死と生前に向き合っていた故人でない限りは、多くの場合がこのトラブルと対面します。
少なくとも、知識のない遺族や第三者がこのトラブルを1人で解決することは困難でしょう。

誤ったパスワードを何度も入力した場合、永久的に解除できなくなる危険性もあります。

デジタル遺品の売却でのトラブル

デジタル遺品には高価なものも多く、親族に再利用する方がいなければ中古で売却する方も少なくないでしょう。
その際、データ類を残したまま売却することによる、危険なトラブルがあります。

もっとも危険なトラブルとして、個人情報の流出があります。

「パスワードがかかっているから問題ない」や「どうせ次の利用者に渡る前に初期化されるから大丈夫」といった考えは危険です。

中古品の多くは初期化しますが、業者によっては引き取った電子機器をそのまま売却するお店もあるかもしれません。

パスワードも、知識を持っていると簡単に解除できる場合があります。
個人情報が流出した場合、今後の遺族の人生に大きく関わってくる場合もあるでしょう。

他にも、事前にバックアップをとっていなかったことによる、大切な写真の喪失必要な連絡先の情報がわからなくなるなどのトラブルもあります。

契約に関するトラブル

インターネット上で有料サイトへの登録や継続購買などをしていた場合、契約解除せずにいると、そのサイトで契約金が毎月引き落とされていくことになります。

故人のクレジットカードなどが凍結されていたとしても、なにかしらのトラブルに発展する危険性があります。
故人が契約していたサービスについては、必ず調査して解約しなければいけません。

相続に関するトラブル

相続というのは故人の財産をすべて引き継ぐ仕組みになっています。
負債も引き継いでしまうため注意が必要であることは、ご存知の方もいるかもしれません。

また、デジタル遺品においても注意が必要です。
デジタル遺品の中には、デジタル遺産と呼ばれる電子上のみの財産というものも存在します。

特に有名なものであれば、仮想通貨や電子マネーなどが挙げられるでしょう。
デジタル遺産を知らずに遺産相続を終え、その後に発覚した際には親族間のトラブルに発展しかねません。

特に仮想通貨に関しては注意が必要です。
仮想通貨とはネット上でのみ存在する通貨であり、その価値が常に変動します。

場合によってはその仮想通貨が廃止される可能性もありますし、金額が大きい場合はさまざまなトラブルの原因にもなるでしょう。

さらに、仮想通貨を利用した投資やFXなどを行っていた場合、大きなリスクを伴う可能性があります。

FXなどに自動投資などしていれば、故人が所有する仮想通貨は常に使用され、場合によってはそれが大きな損失を生む可能性があるのです。

遺産相続を終えてしまっていれば、その損失も相続することとなり、最悪の場合はどうしようもない負債を負いかねません。

デジタル遺産に関しては、必ず確認する必要があることを覚えておいてください。

仕事に関するトラブル

デジタル遺品には、故人の関わっていた仕事に関するデータも含まれます。

もし故人のデータ内に仕事の重要情報などがあった場合、故人が属していた会社にとって大きな痛手となる可能性もあるでしょう。

ただ情報が喪失しただけでも危険性はありますが、もし故人が会社において重要なポジションにいた場合は特に注意しなければいけません。

もし会社の機密情報などがデジタル遺品に含まれており、それが知らぬ間に拡散していたりライバル企業などに流出したりすれば、最悪会社の倒産などにも繋がります。

会社で重役を担っていた故人であった場合は、早急に正確な対応をしなければいけません。

デジタル遺品トラブルを回避するための対策

デジタル遺品におけるトラブルについてはお伝えしました。
可能な限りトラブルは避けたいものです。

どのような対策を講じればトラブルを回避できるのか、いくつか紹介します。

デジタル機器のパスワードを共有

故人が突然死や事故死などであった場合は難しくなりますが、これから生前整理をするならパスワードの共有をしておきましょう。

少なくとも、家族間であれば共有しても問題ないパスワードについては、家族に伝えておいてください。
事前にパスワードを共有しておくことで、デジタル遺品整理がスムーズに完了します。

エンディングノートなどにアカウント情報などを書いておく

こちらも生前整理による対策になりますが、自分が生きているうちに必要な情報をエンディングノートに記しておくのもおすすめです。

エンディングノートとは、終活の際に自分の死後への要望などを書き残すノートのことです。

エンディングノートに自分の持っているアカウントの情報や、電子機器のパスワードなどを書き残しておけば、デジタル遺品整理の際に役立ちます。

遺族で話し合って整理する

遺品整理の際は、デジタル遺品に限らず遺族間での話し合いをおこたらないようにしましょう。
相続に関することは、遺族間でのトラブルでもっとも多い事例のひとつです。

特に、デジタル遺産に関しては認知されていないことが多く、法定相続人の全員が共有する財産となっていることも少なくありません。

その状態で、法定相続人の一部の方だけでデジタル遺品を整理してしまうと、遺族間トラブルに発展する可能性が十分にありえます。

遺品整理の中でも特にデジタル遺品を整理する際は、必ず遺族間で話し合いすることを念頭に入れておきましょう。

遺品整理でそのまま廃棄・売却・譲渡しない

遺品整理の際、デジタル遺品をそのまま廃棄したり売却したりするのは、大きなリスクを伴います。
個人情報の流出、会社の重要機密事項の流出、必要な情報の喪失など、そのリスクは多岐にわたるでしょう。

そういったリスクを最小限に抑えるためにも、デジタル遺品を処理する際は必ず、事前のフォーマット、あるいはデータのバックアップなどをする必要があります。

もし自分で行うのが難しい場合は、身近に詳しい方がいればお願いしたり、業者に依頼したりしましょう。
なんの対策もせずにデジタル遺品を処分するのは、避けるようにしてください。

むやみにパスワードを入力しない

多くのパスワードには、回数制限が設けられています。
回数制限とは、パスワードを一定回数誤って入力した際に強制ロックがかかってしまう機能のことです。

パスワードの可能性を2,3点に絞れているならまだしも、ほとんどヒントがない状態でパスワードを何度も入力してしまうと、強制ロックとなってしまいます。

強制ロックとなった場合、基本的には数日、最悪の場合は永久にパスワード入力ができなくなるかもしれません。
そうなってしまえばデジタル遺品のデータを確認できず、初期化もバックアップも不可能になります。

特に大切なデータが含まれているデジタル遺品に関しては注意が必要です。
セキュリティによっては、パスワード入力を一定回数誤った場合に、データを全消去するものもあります。

全消去となれば、バックアップを取りたかったデータも失ってしまいます。
パスワードがわからない場合は、必ず業者などに依頼してパスワードの特定をしてもらうようにしましょう。

他の遺品整理をしていれば、パスワードのメモなどがでてくることもあるため、焦ってむやみにパスワード入力することだけは避けるようにしてください。

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デジタル遺品の整理方法

デジタル遺品の整理が大切なことはわかっても、具体的にどのように整理すれば良いのかわからない方も多いかもしれません。

ここでは、デジタル遺品を整理する際、どのような手順を踏めば良いのかを説明していきます。

遺族で相談して決める

遺品整理をする前あるいはしながらでも、まずは遺族間で相談するようにしてください。
デジタル遺品に関しては、大きく分類して2種類の遺品が残ります。

ひとつはデジタル遺産となる、金銭に関わるデジタル遺品です。
オンライン口座や仮想通貨などの暗号資産が該当し、それらは法的にも財産分与の対象となる金銭になります。

後から見つかった場合などには特に、トラブルに発展するリスクもあるのでしっかり話し合う必要があるでしょう。
もうひとつは、想い出に関わるデジタル遺品です。

多くは、家族写真であったり趣味の写真であったりと故人の記憶を残すものになります。
こういった遺品は金銭にできないこともあり、とても厄介とされる遺品です。

遺族間で話し合い、誰がどの写真などを受け取るのか、時間をかけても明確にしておく必要があるでしょう。

デジタル遺産に関する整理

デジタル遺産に関しては、デジタル遺品の中でもっとも多いトラブルの原因となっています。

ネットバンキングなどは、故人の死後に可能な限り早く口座を凍結して利用できないようにし、遺産があるかどうかを明確にしておく必要があるでしょう。

明らかとなっていないデジタル遺産は多くのトラブルの元となり、後からわかった場合には遅いケースもあります。

すべてのデジタル遺産を明確にし、明確になったデジタル遺産の相続は遺族間でしっかり話し合って財産分与を考えるようにしましょう。

また、故人が家族に黙ってオンライン上のみで負債を持っている場合もあります。

もし負債額があまりに大きい場合は、相続放棄も検討する必要があるので注意してください。

ロック解除できない場合は専門業者に依頼

パスワードを解除する際は、誤った入力をし過ぎないように注意しなければいけません。
ある程度ヒントがあるならまだしも、まったくヒントがないのであればむやみに入力することは避けてください。

もし、どうしてもパスワードを予測できない場合などは、パスワード解除を専門とする業者に依頼しましょう。
専門業者に依頼することで、安全にパスワードを解除できる確率が高くなります。

ただし、故人や遺族にとって大切なデータとなるため、業者選びもしっかりと考えて選ぶようにしましょう。

https://www.eranda.jp/column/25626

デジタル遺品整理を生前にするメリット

デジタル遺品となるものは、できれば生前整理しておくのがおすすめです。
デジタル遺品の生前整理がどのようなメリットを持っているのか、いくつか紹介します。

相続手続きがスムーズに行える

デジタル遺品は、情報のない遺族が完全に把握するのが困難な遺品といえます。
前述した通り、特に金銭に関わるデジタル遺産はトラブルにも発展するリスクがあります。

しかし、これらの情報を生前整理し、エンディングノートなどにまとめておけば、遺族が相続手続きをする際に調査する必要がなくなります

遺産相続に関わるようなデジタル遺産は、可能な限り生前整理しておくと良いでしょう。

葬式の出席者を把握できる

故人の死後、基本的に数日以内に葬式が執り行われます。
そうなると問題となるのが、葬式への出席者です。

故人が遺族と深く関わっていれば問題ないかもしれませんが、あまり自分のことを話さない故人だった場合などは特に、誰を呼べばいいのか悩むでしょう。

葬式までの短い期間では、デジタル遺品を十分に整理することも困難です。

生前整理をし、誰を葬式に呼んで欲しいかなどを残しておけば、遺族が連絡先などの情報を調べる必要がありません。

事前に重要な連絡先を残しておくことで、自分が呼んでほしい友人を指定できる上、遺族の負担も減らせます。

遺影を自分で選べる

写真などの整理を生前に行っておけば、自分の葬式における遺影を自分で選べます
特に昨今ではスマホやデジタルカメラによる撮影も多く、現像された写真がない場合もあるでしょう。

遺影の選択というのは、遺族にとって意外と負担になるものです。
事前に遺影となる写真を選んでおくことは、自分にとっても遺族にとっても大切なことといえます。

不要な有料サービスを整理できる

デジタル遺品を生前整理することは、今後の生活において好都合になることもあります。
普段利用していないサービスなどは、有料会員になっていても意外と忘れているものです。

しかし、デジタル遺品を生前整理することで、利用していない有料サービスの存在を思い出し、不要であれば解約できます。

今後の生活での不要な出費を抑えるためにも、デジタル遺品の生前整理は意味のあることといえます。

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よくある質問

Q:デジタル遺品には何がある?

A:デジタル遺品は故人のスマホやパソコンなどに保存された書類や写真などのデータ、SNSやネット上のサービスで使用するアカウント、ネットバンクなどの金融資産などが挙げられます。

Q:デジタル遺品のパスワードはどうすればいい?

A:パスワードがわからない場合は無理に入力するのは避けましょう。
パスワードを一定の回数、間違えるとロックがかかり凍結したりして開けなくなってしまうことが多いからです。

生前にパスワードを何かしらの方法で伝えるか、専門の業者に依頼しましょう。

Q:デジタル遺品の処理方法は?

A:故人のスマホやパソコンをそのまま処分するのは避けましょう。
バックアップをとって保存したり、データを全て削除して初期化してから処分しましょう。


デジタル遺品のまとめ

ここまでデジタル遺品についての情報や、デジタル遺品整理について解説してきました。

この記事のポイントをまとめると以下の通りです。

  • デジタル遺品とは、電子機器に関わる遺品のこと
  • デジタル遺品を整理する際は必ず遺族間での相談が必要
  • 不明なパスワードの解除などは業者に依頼すると良い
  • デジタル遺品を生前整理することで遺族の負担も減る

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(はかまだ)

袴田 勝則(はかまだ かつのり)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。

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