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遺影とは?選び方から葬儀後の取り扱いについてまで徹底解説
更新日:2022.08.10 公開日:2022.05.28
葬儀では故人の遺影が祭壇の中央に飾られています。
この遺影に使う写真はどのように選ぶのでしょうか。
また、葬儀後の遺影の取り扱いに悩まれる方は多いと思います。
そこでこの記事では、遺影の選び方から葬儀後の取扱いについて詳しく説明していきます。
この機会に遺影について正しい知識を覚えておきましょう。
遺影を入れる額縁の選び方についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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遺影とは
そもそも遺影とは、故人の写真のことで、葬儀の祭壇などに飾られているものです。
葬儀で、参列者が在りし日の故人のことを思い出し、心を込めてお祈りすることができるようにするために用いられます。
葬儀後は、僧侶にお焚き上げをしてもらうなどして処分するか、仏壇の近くに飾ることが多いようです。
遺影写真の準備のためにしておくべきこととは?
お葬式に招かれた方が、故人をしのんだり、故人との思い出にひたったりする時、必ず目を向けるのが「遺影」です。
このため、生前に「自分らしい遺影」を用意しておきたいという方が増えています。
また、残された家族が自分の没後に遺影探しであわてないよう、あらかじめ準備しておきたいと思う方もいるでしょう。
遺影の準備でやっておかなければいけないのは、遺影用の写真を撮影することです。
写真撮影の手段としては、プロに依頼する方法と自ら撮影する方法の二つがあります。
プロに依頼する方法
プロに依頼する方法では、フォトスタジオを利用するのが一般的です。
フォトスタジオにはプロのカメラマンが常駐しており、撮影だけでなく、衣装のレンタルやヘアメイクもしてもらえます。
画像の加工もしてくれるので、気になるところがあれば修正することも可能です。
フォトスタジオによっては、遺影撮影プランや肖像写真プランを用意しているところもありますので、問い合わせてみてください。
また、プロのカメラマンが出張撮影する葬儀社のイベントを利用する手もあります。
フォトスタジオに比べて安い値段で撮影してもらえますし、撮影に合わせて葬儀全般の相談や事前見積もりもできますので、おすすめです。
自ら撮影する方法
遺影用写真を準備するもう一つの方法は、自分で写真を撮ることです。
家族や友人との旅行、食事会、イベント参加、趣味の集まりなどの時には、みんなで写真を撮る機会も多いでしょう。
スマホを使って手軽に写真撮影ができるようになりましたので、特別な機会だけではなく、日常生活のなかでも、自分の写真を撮る習慣を持ってみたらいかがでしょうか。
スタジオ撮影のような、かしこまった写真とはひと味違う、いきいきとした自然な表情の写真を撮ることができます。
全ての写真が遺影用に使えるわけではありませんが、撮り集めた写真は自分にも家族にも大切な思い出の一枚になるでしょう。
写真を撮られるのが苦手という方も、家族のためにぜひ写真を残してあげてください。
遺影を選ぶ際のポイント
遺影は故人を偲ぶためのものであり、故人の人柄が分かるような写真を選ぶとよいでしょう。
故人が気に入っていた写真や希望する写真があった場合は、それを使いましょう
遺影を選ぶ際のポイントとしてどのようなものがあるか、以下に紹介します。
最近撮影した写真
遺影に使う写真は最近のものがよいでしょう。
あまり若いころの写真だと本人のイメージがわかないかもしれません。
とはいえ、最近の写真がない場合や、長く病床に伏されていたような場合は、多少若い頃の写真やお元気だった頃の写真を用いてもかまわないでしょう。
正面を向いている写真
顔がわかりやすいよう正面を向いた写真がベストですが、故人が多少斜めを向いているものであってもかまわないでしょう。
故人とピントが合った写真
使用する写真は故人が鮮明に映っているものにします。
ピンボケのものは、故人の印象も薄れてしまうためです。
故人の顔が大きく映っている写真
写真は遺影用に拡大するため、なるべく個人が大きく映っている写真の方がいいでしょう。
データがあればそのまま渡す
デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真の場合はデータのまま渡すとよいでしょう。
画素数が200万以上あると、サイズを拡大してもぼやけることはないようです。
遺影を入れる額縁の選び方
遺影を入れる額縁にはどのようなものがあるのでしょうか。
遺影に適している額縁の素材や色について、以下に解説します。
遺影の額縁に適切な素材
遺影の額縁の素材はアルミまたは木です。
木製の額縁は、遺影写真に最も多く使われ、落ち着きや重厚感、温かみがあります。
しかも、長く飾っていても飽きることがありません。
高級な木材としては、黒檀や紫檀といったものがあり、色も黒系のものからブラウン系のものと種類が豊富です。
アルミの額縁は、軽くて持ち運びによく、安価となっています。
シンプルな外見ですが強度があり、大型の遺影を飾る場合には適しているでしょう。
シルバーのものが多いですが、それ以外の色のものもあります。
遺影の額縁に適切な色
遺影写真に使われる額縁の色はどんな色でもかまいません。
遺影写真に溶け込む色のものや、故人の印象に合うものがいいでしょう。
とはいえ、極端に派手な色は避け、パステルカラーなど落ち着いた色のものにするのがいいでしょう。
遺影額縁でよく使われる額縁の色は黒と白と茶です。
黒は遺影額縁としては最も使われるイメージがありますが、最近は、黒以外の色が使われることが多くなってきました。
とはいえ、実際には全体の約60パーセントの人が黒を選ぶようで、相変わらず根強い人気があります。
白は控えめでしかも明るい印象があるため、和室のみならず洋室にも合います。
淡いピンクやブルー、パープルなどの上品な色のものもいいでしょう。
木製の額縁は茶色系になります。
温かみを感じさせる色なので、こちらも遺影の額縁の色として人気があります。
柄が入ったタイプや額縁にリボンや花を飾ることも可能
遺影写真は柄のあるものを選ぶこともできますし、額縁も模様が目立たないような色であればどんな柄のものでも問題ないでしょう。
リボンや花を遺影写真の額縁に付けることも可能です。
遺影のリボンは黒が多いのですが、特に決まりはありません。
とはいえ、赤など派手な色は控えましょう。
最近は、ワンタッチで簡単にリボンを付けられるものもあります。
花で飾られた額縁もあり、一部に生花が飾られたものと、額縁の周りを生花やブリザードフラワーで囲んだものもあります。
葬儀後の遺影はいつまで飾る?
葬儀後の遺影はいつまで飾るのでしょうか。
基本的には四十九日まで飾る
遺影を飾るのは、基本的には四十九日までです。
四十九日の法要が終わるまでは、故人の魂がこの世にいらっしゃると考えられています。
そのため、納骨が終わった後、四十九日までは後飾り祭壇に遺影が飾られるのです。
四十九日後は個人の自由にして良い
遺影は四十九日が過ぎれば、自宅に飾っても保管しても処分してもかまいません。
初盆の法事などで安置棚を用いる場合は、それまで大切に保管します。
法事やお盆で遺影を飾らない場合は、処分してしまってもいいでしょう。
初盆や法事については、宗派や地域の習慣によっても違ってきますので、事前に確認しておく方がいいでしょう。
いずれにしても、遺影は宗教的な意味を持たないため、あまり取り扱いに神経質にならなくてもいいかもしれません。
遺影の処分方法
遺影を処分するにはどういった方法があるのでしょうか。
神社やお寺で処分してもらう
供養から処分までを寺社でおこなってもらえるので、遺影をきちんと供養して捨てたい人にとっては、神社やお寺で処分してもらうことは一番納得のいく方法といえます。
宗派は不問としている寺院も多いため、処分する寺院はどこでもかまいませんが、菩提寺を選ぶのが一番無難でしょう。
遺影を処分する場合の費用相場は1万円〜5万円で、封筒の表書きを「お布施」や「玉串料」とします。
「お布施」や「玉串料」を渡すタイミングは遺影を渡す時や供養が終わった時がいいでしょう。
自分で燃えるごみとして処分する
遺影は故人を偲ぶための道具であり、もとより宗教的意味をもつ仏具ではありません。
よって、燃えるゴミとして遺影の素材となる写真を家庭のゴミといっしょに捨ててもかまわないのです。
写真を白い布や紙で包んでから塩をかけて丁重に葬ると、捨てることに抵抗感がある人でも気にならないでしょう。
塩や白い色には浄化作用があるという言い伝えがあるからです。
捨てる際は、故人の愛用品と一緒にまとめたりすると、故人を思いやりながら処分した気持ちになることができます。
遺影の額縁はガラスや金属製のものが多いので、不燃ゴミとします。
故人を思う気持ちも大切ですが、自治体の規則に従うことも大切です。
他の人はこちらも質問しています
遺影に関する質問と解答について記載します。
遺影はどこに飾る?
遺影は、四十九日が過ぎるまでは、遺骨や位牌を安置するための祭壇に飾るのがいいでしょう。
四十九日が過ぎた後は、仏壇の近くなどに飾ることが多いようです。
仏壇に飾りたい場合は、近くに台を設置してその上に遺影を置くのがよいでしょう。
なぜなら、仏壇は仏様を祀っている小さなお寺であり、仏壇の中にはご本尊がいらっしゃいます。
遺影を仏壇の中に飾ると、ご本尊が見えなくなってしまうため好ましくありません。
仏壇に飾りたい方は、別の台を近くに用意してそこに遺影を飾るのがよいでしょう。
遺影写真ってどうしたらいいの?
遺影写真は位牌のように個人の魂が入っているわけではありません。
遺影写真は、葬儀社の利益を上げるという目的があり、昔からある仏具ではないのです。
遺影写真は葬儀のアイテムの1つに過ぎません。
葬儀が済んで、持ち帰った遺影は仏壇などに飾らなければならないと思っている人も多いようです。
しかし、遺影写真は飾るべきとするしきたりはありません。
家庭用のゴミとして捨ててもかまいませんし、葬儀社や寺社に引き取ってもらうのもいいでしょう。
遺影は宗教的な意味ですか?
遺影は、戦死者の顔を思い浮かべて供養するために用いられたのがその始まりとされています。
それまでは、遺影を掲げるという習慣はありませんでした。
よって、遺影は、故人の生前の姿を偲ぶために祭壇に飾られるものであり、宗教的な意味は持ちません。
遺影写真にも位牌と同様に故人の魂が宿っていると、誤認している人がいるようですがこれは間違いです。
遺影を業者で小さくする方法ってありますか?
遺影を処分せずにいつまでも手元に置いておきたい場合は、小さくリサイズして残しておくこともできます。
遺影をリメイクやリサイズするにはどうすればいいのでしょうか。
遺影をデータとして残しておいたり、自分で小さくリサイズしたりすることができる場合は、好きな大きさにして手元に置くことができます。
しかも、費用がかかりません。
スキャナー機能付きプリンターやパソコンを使って、データで保存すれば、好きな時に自由に印刷が可能です。
スマホなどに写真ファイルを保存しておくと、故人と一緒にいると感じられて、いつでも「故人を偲ぶ」ことができます。
スキャナープリンターを所有してない人やOA機器の操作が苦手な人は、業者に依頼して写真をリサイズしてもらうことも可能です。
小さくリサイズされた写真は、写真ホルダーなどに入れてリビングなどに飾ります。
また、業者は紙の写真をデータ化し、その写真をキーホルダーやペンダントにもできます。
データはSDカードやオンライン上で受け渡すことができ、費用はおおむね500円〜3,000円です。
データ化された写真は、写真をスライドショーの様にみられるデジタルフォトフレームに納めることもできます。
デジタルフォトフレームはコンパクトなので、部屋の中のどこにでも置くことが可能です。
遺影のまとめ
ここまで遺影の選び方や葬儀後の取扱いについてお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 遺影には故人らしさを表すことのできる写真を選ぶとよい
- 遺影に適した額縁の素材は、木製・アルミ製で、適した色は黒、白、茶
- 基本的に遺影は葬儀後、四十九日まで祭壇に飾る
- 遺影には宗教的な意味がないため自分で処分しても問題ない
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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