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なぜ遺影を仏壇の上に飾ってはいけないのか?飾る場所について紹介

更新日:2022.05.10

遺影

記事のポイントを先取り!

  • 遺影は仏壇の浄土を表す真上を避けて飾る
  • 仏壇の中と前に遺影を飾らない
  • 遺影は玄関・水回り・直射日光を避けて飾る
  • 遺影は葬儀に使った写真以外を飾っても良い

葬儀のときに飾っていた遺影は、仏壇の上に飾ってはいけないことを知っていますか。
遺影は通常の写真より大きく、飾る場所も限られるため、どこに飾ろう…と考えることがあります。

そこでこの記事では、遺影を飾ってはいけない場所と理由について解説します。

仏壇の上に飾らないことを理解した上で、遺影を飾る場所を検討すると良いでしょう。
後半では、遺影を作り直すことについて触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 遺影を仏壇の上に飾ってはいけない理由
  2. 他に遺影を飾ってはいけない場所は?
  3. 遺影を飾るのにおすすめな場所
  4. 遺影の飾り方
  5. 遺影を作り直しても大丈夫?
  6. 遺影の仏壇の上まとめ
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遺影を仏壇の上に飾ってはいけない理由

仏壇の上は遺影を飾る場所として最適に思えますが、本来は飾るのを避けるべき場所です。
なぜ、仏壇の上は避けるべき場所なのか詳しく見ていきましょう。

仏壇の上は浄土に当たるため

故人を偲びお参りするには、遺影を仏壇の上に設置しようと考える方も少なくありません。
しかし、一部の宗教では仏壇の上は浄土を表しており、遺影のほかに生前の姿が分かるものを含め、何も置かないのがマナーとされます。

そのため、位牌には戒名を書き、生前使っていた名前は使いません。(位牌や遺影を飾らない宗派もあります)
したがって、遺影は仏壇の上ではなく、長押や近くに小机・台を設けて飾り、故人を偲んでお参りしましょう。

仏壇を見下ろしてしまうため

遺影を仏壇の上に飾ると、仏壇に祀っているご本尊やご先祖様を見下ろす形となり失礼にあたります。

本来、日々のお参りは、仏壇のご本尊(仏像や掛け軸)の目線より下から行うのが良いとされます。

つまり、仏壇の前に座り少し見上げるくらいの高さでお参りするということです。
仏壇は少し高い場所に設置されることから、遺影は仏壇の上以外に設置するということです。

真上でなければ問題はない?

仏間は敷居から少し高くなるように設計されており、仏壇の上以外なら高い位置に遺影を飾っても良いとされます。
高い場所に遺影を設置するのは、故人への敬意を表しているのです。

また、設置するときに仏壇の上を避けるのは、神道の作法と混同している点にあります。
神道は神棚の上方に「天」や「雲」と書いた紙を貼り、この上に何もないことを示します。

このことから、仏壇の上に設置しても問題ないという意見もありますが、気になる場合は真上を避けて設置しましょう。

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他に遺影を飾ってはいけない場所は?

遺影を飾ってはいけない場所は他にもあります。
次の場所を参考に、最適な場所に設置しましょう。

仏壇の中

仏壇の中は故人の霊が仏となって降りて来られる浄土の世界とされ、遺影は飾らないのが正式な祀り方です。

本来、仏壇は仏教各宗派の本山寺院仏堂を模しており、ご本尊を祀ると同時にご先祖様や仏様を祀るという役割があります。

仏教では故人は仏様に成ると考えられており、仏壇には位牌や法名軸は祀りますが遺影を飾ることはありません。

仏壇に飾る場合は、ご本尊や位牌、香炉や燭台、花立よりも下に配置するなど仏具を妨げないように配置します。

キッチンやトイレなどの水回り

遺影を飾るのに不適的な場所として、キッチンやトイレなどの水回りがあります。
火気のあるキッチンは、万一火事になると大切な写真を失いかねません。

また、水回りは湿気が多いため、知らない間にカビなどで写真が傷むことがあります。
このように、キッチンやトイレは写真を見やすい場所ですが、故人を敬いお参りできる最適な環境とは言えません。

直射日光が当たる場所

仏壇と同様に直射日光が当たる場所は、日焼けや紫外線などによる影響があります。

写真は額縁に入れていても紫外線に極めて弱く、耐色・劣化を防ぐことはできません。

劣化を防ぐにはガラスではなく紫外線を通さない素材を選択し、できるかぎり直射日光を避けて飾ると良いでしょう。

玄関などの汚れやすい場所

玄関は人の出入りが多く、汚れやすいため写真を置くのは控えましょう。
葬儀を終えると家には親しい人のほかに、業者など多くの来客があります。

写真はセキュリティーやプライバシーの面からも、室内に置く方が家族を守ることにつながります。
また、故人を大切に思うなら汚れが付かず、清潔な状態をキープできる場所が適しているでしょう。

遺影を飾るのにおすすめな場所

遺影は四十九日を終えると、一般的には仏壇の近くや仏間、床の間に飾ります。

仏壇の近くに台を設けると置きやすいですが、住宅事情などにより仏間がない場合は、リビング・寝室・サイドボードなどに置きます。

以前は鴨居や長押(なげし)に取り付けていましたが、最近はあまりみられません。

和室やリビング以外に、洋室に飾るケースも多くなっています。
ただ、一般的な遺影のデザインと洋室とでは、見た目のバランスが取りづらい点があります。
そのため、部屋の壁と遺影のフレームなど、双方のデザインや色を近づけると違和感も薄れるでしょう。

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遺影の飾り方

遺影は家の造りによってさまざまな飾り方があります。
従来、行われている方法と住宅事情を考慮した方法を見ていきましょう。

鴨居に並べて飾る

鴨居とは、和室の襖や障子などを建て込む目的で、上枠に渡してある横木の部分です。

遺影は横木に額受を使って立てかけるように並べ、和室の天井から吊るすように飾ります。
このように鴨居を使って仏壇の上に飾る方法は、故人が天国から見守ってくれているという言い伝えがあるのです。

最近は仏間のない家も増えたため鴨居に飾る風習も減少し、法要のときだけ設置する家も増加しています。

スタンドを立てて飾る

最近はフローリングの部屋も増えており、インテリアに遺影を合わせて置くこともあります。
遺影は飾るスペースがなければ納戸に保管して、比較的小さなスタンド付きの写真立てをリビングや寝室に置きます。

サイズが大きい写真は、デジタル化してタブレットで表示する方法もあります。
タブレットならコンパクトなため場所を取らず、アルバムのように色々な写真を表示できます。

複数遺影がある場合

仏壇は右側が上座になるため、複数遺影がある場合は、仏壇の上に右から左へ順にご先祖様・亡くなられた方を配置します。

遺影は亡くなった順番ではなく、位牌と同じように世代の古い順に上座から配置し、夫婦の場合は夫が上座とされます。

写真は1枚の額に複数名の写真が入るように写真屋さんに加工してもらうと、飾る場所の選択肢が増えるでしょう。

遺影を作り直しても大丈夫?

自宅に飾る遺影を葬式とは別のものを飾りたい、あるいは小さい写真にしたいと思う方も少なくありません。
遺影は作り直すことが可能で、別の写真を飾ることに何も問題ありません。

葬式とは別の遺影でも問題ない

自宅に遺影を飾るときは、葬式に使ったものではなく別の写真でも問題ありません
遺影は位牌や仏像とはまったく別物であり、仏教的な意味も、故人の供養にも一切関連はないのです。

そのため、自宅に飾る写真は家族が話し合って決めると良いでしょう。

葬式の準備中は必要書類の取得やすべきことが多く、遺影に使う写真を選ぶときも時間が決まっています。
ですから、写真をじっくり選べず、とりあえず無難な写真にしてしまうことも少なくありません。
後日、葬儀や法要を終えて落ち着いてから、いつもの雰囲気とは違う、と感じるのです。

遺影は仏具ではないので、後日改めて飾る写真を選ぶことも可能です。
また、飾りたくない方は無理に飾らなくても良く、気になる場合はお寺などで処分しても良いのです。

遺影写真はリサイズもできる

近年は仏壇の上に遺影を飾ることも減り、洋室でフローリングの部屋が多いため、室内にあわせて遺影をリサイズすることもあります。

遺影は飾るシーンに合わせてリサイズや細かい修正・加工を行い、葬式とは別の写真で故人を偲ぶことができます。

写真サイズの変更や加工は、葬儀社や写真店に依頼すると、多様な加工ができるため相談してみましょう。

遺影は四つ切サイズ(254mm×305mm)が一般的ですが、Lサイズ(89mm×127mm)なら持ち運びも容易で掃除も楽になります。

遺影写真は一般的なサイズを飾ること、といった決まりはありません。

写真のリサイズと同時に、故人の表情は良いけれど衣装を変えたい、あるいは服装の色や背景色を変えたい場合も変更できます。
着物に家紋が入っていない場合も加工できるなど、専門店には多種多様な技術があるため、写真などから変更が可能です。

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遺影の仏壇の上まとめ

ここまで遺影を飾ってはいけない場所と理由について解説してきました。
まとめると以下の通りです。

  • 仏壇の上は浄土を表すため真上を避けて遺影を飾る
  • 仏壇の中には遺影を飾らないのが正式な祀り方
  • 遺影は玄関・水回り・直射日光が当たる場所には飾らない
  • 遺影は仏壇の近くに設置場所を設けると良い
  • 遺影は改めて作り直しても問題ない

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(たなか)

田中 大敬(たなか ひろたか)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。

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