お墓
大理石を使った墓石が無いのはなぜ?特徴や見かけないわけを紹介
更新日:2021.10.16 公開日:2021.09.24

彫刻や建築に使われている代表的な石と言えば「大理石」を思い浮かべます。
美しい模様と光沢は日本人にも人気があり、住まいの床や壁に使用する人も多いです。
大理石をお墓の石に使用したいという方もいますが、日本では大理石のお墓をあまり見ることがありません。
この記事では
- 大理石はどのような石なのか
- 大理石はなぜ墓石に向いていないのか
- 日本のお墓に御影石が多く使われるのはなぜなのか
以上の内容について詳しく解説します。
どうしても大理石でお墓を建てたい方のために、注意点やその後の手入れについても説明しています。
ぜひ最後までご覧ください。

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大理石とは

大理石とはどのように作られるのか、大理石には種類があるのかなど大理石の特徴について説明します。
また、大理石はどんな場所や用途に使われるのか、使用例を紹介します。
大理石の特徴
大理石というと、独特のマーブル模様と光沢感があり高級なイメージの石ですが、もともとはどのような石なのでしょうか?
石灰岩がマグマの熱で溶けて圧縮されて生まれたのが、結晶質石灰岩と言われています。
この結晶質石灰岩を磨くと、光沢ときれいなマーブル模様が浮かびますが、この石のことを大理石と呼んでいます。
色や模様は多種多様でホワイト、ブラウン、ブラックなど様々なカラーがあり、好みの色を建築で使用する方が多いです。
最近は天然で作られる大理石のほかにも、天然大理石を粉砕して他の石材を混ぜ合わせ固めた人造大理石があります。
樹脂で固めた人工素材の人工大理石と呼ばれるものもコストが安いので広く使用されています。
大理石の特徴は以下で箇条書きにて説明します。
- マーブル模様が特徴的で磨くほどに光沢が美しく鏡面仕上げも可能
- 酸に対してとても弱い
- 水分を吸収しやすい特徴があり、シミになりやすい
- 硬度が柔らかく加工がしやすいが、傷もつきやすい
美しくて高級感がある大理石ですが、デメリットもあるので適したところに使用することが大切です。
大理石の使用例
世界には大理石で作られた歴史的な遺産、彫刻がたくさんあります。
代表的なものとしてギリシャのパルテノン神殿、ローマのコロッセオなどの有名な歴史的建物があります。
日本では建築で使用されることが多く、玄関やキッチン、バスなどに高級感があって美しい大理石を使用する人が多いです。
コストが安く抑えられることから建築に使用する場合、天然ではなく人工大理石を選ぶ人が多いです。
大理石は日本の墓石に不向き?

これだけ日本に浸透している大理石なので、お墓に美しい天然大理石を使いたいという方も多いです。
しかし、日本のお墓には大理石を使用していることは少ないです。
大理石のお墓が日本に不向きな理由を紹介します。
大理石は酸に弱い
大理石は炭酸カルシウムを主成分としている石なので、酸に弱いという特徴があります。
酸性雨で濡れると表面が風化して劣化が早くなってしまいます。
大理石の特徴である美しいピカピカした光沢がすぐになくなってしまうので、野外に建てるお墓に向いていません。
また、大理石には水分を吸収しやすいという特徴があります。
雨や露などの水分を吸収するとシミになってしまい、見た目が悪くなります。
大理石の特徴からも、屋外での使用が向いていないことがわかります。
日本は雨が多い気候なので、野外にある墓石に大理石は向いていないと言えるでしょう。
大理石は強度が低い
大理石の特徴の一つが加工がしやすいという点です。
彫刻に大理石が良く使われるのも加工のしやすさが理由のひとつです。
加工がしやすいということは、石が柔らかく傷や欠けが起こりやすいともいえます。
傷がつきやすく、お手入れにも細心の注意を払わなければいけないことからも、大理石はお墓に使うことに向いていません。
また、地震の多い日本とも相性が悪いと言えます。
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日本の墓石には御影石が使われる

日本で墓石に使われるのは「御影石」と言われている石材です。
御影石とはどんな石で、どんな特徴があるのでしょう。
御影石が墓石に使われる理由を説明します。
御影石とは
日本のお墓のほとんどが御影石で作られています。
御影石は、地下のマグマが深いところでゆっくりと固まってできた石材です。
御影石という言葉は日本でだけ使われている言葉で、岩石の分類としては「花崗岩」という名称が海外で使用されています。
石を生成する鉱物は様々な種類があり、それが混ざり合ってできるので、混ざり方によって色や模様が変わります。
御影石の特徴の一つが、同じ模様の物がなく色も白・グレー・黒、赤など豊富にあり、好みによって選択することができることです。
御影石の特徴
御影石はどうして日本のお墓に使われるようになったのでしょうか。
これは、御影石の特徴が日本の風土や気候にあっていたからです。
御影石の特徴を詳しく解説します。
丈夫で耐久性がある
御影石の代表的な特徴は、石が硬くて強度がある点です。
大理石に比べるととても硬く、耐久性があります。
お墓は屋外に作られるもので、雨や風、強い日差しなど厳しい自然の中に建てることになります。
屋外のお墓に適した硬さ、耐久性がありますので半永久的に形を変えることなく維持できる点がお墓に選ばれる理由です。
光沢が作りやすい
大理石の光沢も美しいですが、御影石も磨くと光沢が出てとても美しい石材です。
御影石は固い石材なのでダイヤモンド砥石で磨かれることが多く、磨くと石に含まれている結晶がきらきらと美しく輝きます。
磨きあげることで、鏡面のように光沢が出てます。
さらに御影石は耐久性がありますので、長い間光沢がある状態を保つことができます。
風化に強い
御影石は耐久性に優れた素材であるため、風化に強いという特徴があります。
お墓は屋外にあり雨や風、日光にさらされていますが、御影石は吸水性が低いことから雨にも強く半永久的に墓石として形を変えることがありません。
人気の御影石の種類

御影石は国内産だけではなく海外産も含めると、かなりの種類があります。
そのためお墓にどの御影石を使うか、迷いますよね。
ここでは、お墓の石として人気がある国内産の御影石の種類と特徴を紹介します。
庵治石
庵治石(あじいし)は香川県産の御影石で、石目は細かく青系で人気がある石材です。
石目に黒雲母が混入しているのが特徴的で、国内で最高峰の石として多くの人に選ばれています。
大島石
大島石は愛媛県産の石材で、青みがかった美しい石目が特徴的です。
石の粒が細かくて繊細な模様は、年月が経つとともに美しい色合いに変化するのが人気です。
真壁石
真壁石は茨城県産の石材で、コストが安く関東地方で人気があります。
目が粗い青御影石で、硬い素材なので耐水性、耐久性が高く、長く劣化しないで美しいお墓を維持します。
本小松石
本小松石は、神奈川県産の石材で関東で人気がある墓石です。
源頼朝のお墓にも本小松石が使用されていることからも、長く愛され続けてきた石というのがわかります。
耐久性、耐火性に優れているので屋外の墓石に適した石と言えるでしょう。
天山石
佐賀県産の御影石、天山石(てんざんいし)は、九州で人気の石材です。
濃い色の石なので深みと力強さを感じる墓石になります。
また、力強さの中にも繊細で上品な佇まいで、コストが高くても西日本では定評がある石です。
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大理石でお墓を建てるには?

大理石の墓石は、吸水性が高くコストがかかるために、お墓に大理石を使おうと思う人は少ないかもしれないですね。
それでも大理石でお墓を作りたいならば、以下のことに注意してください。
撥水加工のコーティングをする
大理石は吸水性の高い素材です。
屋外に建てる墓なので、吸水性の高い石材は雨のシミができやすく何年か経つと劣化しやすい特徴があります。
この吸水性を低くするためには、撥水コーティングをするというのもひとつの手段です。
撥水コーティングすることにより、傷がつきにくく雨シミも防ぎ、美しさを持続させます。
こまめに掃除をする
吸水性をカバーするためには、こまめにお墓参りを行い墓石を手入れしてあげることで、シミになるのを防ぐことができます。
墓地が遠いと通うのが大変なので手間がかかりますが、お掃除代行サービスをうまく活用すると良いです。
こまめに手入れすることで、お墓の傷みや劣化を防ぐことにもつながります。
大理石に似た御影石を使う
「大理石のマーブル模様が好き」
「デザインが気に入っていて、大理石という石材にこだわりたいわけではない」
という人もいるでしょう。
この場合は大理石に似た模様の石を探しましょう。
御影石のデザインは色々ありますので、似た模様を見つけることができます。
業者とよく相談する
業者とよく相談して、コーティングや耐久性を高め、大理石を使用するのがおすすめです
業者によっては撥水コーティングの技術が高く、劣化しにくい大理石の墓石が可能かもしれません。
石材業者は石のプロなので、様々な相談に乗ってくれます。
また、お墓は代々受け継いでいくものなので家族との相談も忘れないようにしましょう。
大理石は傷みやすい石ですが、風化の具合を楽しむというのもひとつの考えです。
どうしても大理石を墓石に使用したいときは、墓石業者や家族と相談して決めましょう。
墓石の大理石まとめ

ここまで大理石の墓石の情報や、御影石の特徴などを中心に書いてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 大理石はマーブル模様が美しく高級感がある石で様々な建築に使われている
- 大理石は吸水性が高く、酸に弱いので劣化しやすく墓石には向いていない
- 御影石は耐久性が高く、風化に強いので墓石によく使用される
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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