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塔婆は毎年立てなければいけない?立てるタイミングと立て方を紹介
更新日:2023.11.21 公開日:2022.02.14
故人やご先祖様の供養のために立てる塔婆ですが、この塔婆を立てるタイミングや毎年立てるべきなのかご存知でしょうか。
塔婆の意味合いや塔婆を立てるタイミングを知ることで、故人の供養につながります。
そこでこの記事では、塔婆の立て方や毎年立てる必要性があるのかについて詳しく説明していきます。
この機会に塔婆の意味合いを理解し、正しい塔婆の取り扱い方を覚えておきましょう。
施餓鬼会(せがきえ)についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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塔婆とは
塔婆ということばを初めて耳にされた方もいらっしゃるかと思いますので、はじめに塔婆の意味合いについて紹介していきます。
そもそも塔婆とは、先祖供養のためにお墓の後ろや脇に立てる木の板のことを指します。
塔婆は細長い白木の板で、高さは1.5m程度が一般的ですが、中には2mを超えるような大きさのものもあります。
塔婆をお墓に立て故人を供養することを「塔婆供養」と言い、仏教においての追善供養の1つとなります。
追善供養とは、遺族や親族が故人の冥福を祈り、お墓や仏壇に手を合わせたり法要を行うことで、故人がより良い方向へ旅立てると考えるものです。
つまり、この世に生きる者が供養を行うことで故人が成仏できるように後押しするという意味合いを持ちます。
追善供養は故人やご先祖様だけではなく、遺族や親族のためにもなると言われています。
卒塔婆と塔婆の違いと由来
卒塔婆と塔婆に違い はありません。
塔婆は別名、「卒塔婆(そとば)」と呼ばれることがあります。
塔婆の由来については、古代インドの言葉のサンスクリット語で「塔」の意味を表す「ストゥーバ(ストゥーパ)」が語源とされています。
これが「ソトウバ」から「トウバ」と言い伝えられたと言われています。
ストゥーバとはお釈迦様の遺骨を納めた塔のことで、これが五重塔の起源であるとされています。五重塔をもとにしてその後、建てられた五輪塔が塔婆の起源とされています。
簡単に言いますと、卒塔婆は五輪塔が簡略化されたものとなります。
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塔婆は毎年立てるもの?
塔婆の意味合いが理解できたところで、次は本題に入っていきたいと思います。
塔婆は毎年立てる必要があるのか以下で説明していきます。
毎年立てる必要はない
一般的には年忌法要や納骨、お盆やお彼岸、施餓鬼法要などの節目のときに塔婆を立てます。
これはあくまでも一般的な目安となります。
立てるタイミングは明確に決まっていないので、必ず毎年立てなければいけないわけではありません。
ただし、故人を供養するといった意味合いで毎年立てる方もいらっしゃいます。
スケジュールが合わず法要に参加できない際などには、寺院に塔婆を立ててほしいことを依頼することもできます。
法要のタイミングで立てる
納骨式や年忌法要のタイミングで塔婆を立てることが一般的です。
年忌法要とは、百箇日(ひゃっかにち)法要を過ぎたあと、一周忌から続く年単位の法要のことを言います。
年忌法要は一周忌から始まり、三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌と続き、弔い上げは三十三回忌または五十回忌に行います。
法要のタイミングで塔婆は立てた方が良いとされていますので、没後2年間である三回忌までは毎年立てた方が良いと言えます。
スポンサーリンク塔婆を立てるタイミング
ここからは、塔婆を立てるタイミングについて紹介していきます。
一般的な節目について項目ごとに紹介していきますので、以下を参考にしてください。
法要時
塔婆は、法要などの仏教上の節目のタイミングで立てられることが一般的です。
故人にとって四十九日は、亡くなってからの行き先が決まる最も重要な時期であるとされ、その後の一周忌や三回忌なども追善供養として、とても大切なものとなります。
追善供養を行うことで故人がより良い方向に行けるように後押しされると考えられていますので、このタイミングで塔婆を立てることで故人の供養につながります。
祥月命日
祥月命日(しょうつきめいにち)とは、故人が亡くなられた日と同じ月日のことで、単純に「命日」と呼ぶこともあります。
祥月命日は、年忌法要ほど大がかりなことをするわけではなく、仏壇を掃除したり、故人が好きだった食べ物や花をお供えしたり、お墓参りをしたりすることが一般的です。
また、この際に塔婆を立てることが多くなっています。
遠方だった場合など何らかの理由で、命日にお参りすることが難しい場合は、塔婆の作成のみを依頼できることもあります。
可能かどうかは菩提寺のご住職に相談してみると良いでしょう。
お盆
お盆には死者の魂があの世からこの世に帰ってくるとされており、仏教においては非常に大切な時期となります。
お盆はお墓参りをしたり、お供え物をするなどして故人やご先祖様を供養することが一般的です。
この時期に塔婆を立てて、故人の魂を供養する方も多くいらっしゃいます。
お彼岸(春と秋)
お彼岸と言えば「春のお彼岸」や「秋のお彼岸」を耳にしたことのある方も多いかと思います。
厳格に言いますとお彼岸とは、3月の春分の日と9月の秋分の日を中日として、前後3日間を含めた各7日間のことを言います。
また、お彼岸の初日のことは「彼岸の入り」、最終日のことは「彼岸の明け」と呼ばれています。
お彼岸のお参りは、大切な仏教行事の1つとされています。
仏教ではこの世のことを「此岸(しがん)」と呼び、ご先祖様がいるあの世である極楽の世界のことを「彼岸」と呼びます。
お彼岸の意味合いは、この世からあの世へ悟りを開くために渡るというものになります。
春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さが等しくなり、此岸と彼岸がもっとも通じやすくなると考えられています。
そのため、毎年この2つの時期が近づくとご先祖様の供養をするようになったとされています。
お彼岸の時期には、多くの寺院で彼岸会が催され、ご先祖様の霊を慰め成仏を祈る法要が開かれることが一般的です。
この供養のタイミングで毎年、塔婆を立てる方も少なくありません。
施餓鬼会
お盆の時期には、ご先祖様があの世からこの世へ帰って来るとされています。
この時期に俗に言う地獄である餓鬼道に堕ちた魂である餓鬼に対して、供養目的でさまざまなお供え物を供えることを施餓鬼(せがき)法要といいます。
餓鬼たちは、飢えやのどの渇きなどに苦しみますが、自らの力でここから抜け出すことはできないとされています。
そのため、この世で生きている者がお供えしたり、手を合わせることで供養できるように後押しする必要があるのです。
この法要は、お盆以外にも他の年中行事と合わせて行われることが一般的です。
お盆に行われることが多い理由としては、元々「ご先祖様と餓鬼と両方にお供え物を供える」というのが、お盆の習わしだったためです。
この施餓鬼法要で塔婆を立てることは、まさに供養につながる行動とされているので、このタイミングで塔婆を立てる方も多くいらっしゃいます。
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塔婆はいつまで立てる?
塔婆はいつまで立てておくべきなのでしょうか。
ここからは、塔婆を処分する時期や処分の仕方について説明していきます。
処分する時期は決まっていない
塔婆を下げ、処分する時期は明確には決まっていません。
しかし、お盆や法要を迎えるたびに新しい塔婆を立てることになるため、次の塔婆を立てるスペースもなくなっていきます。
また、塔婆は木製のため、時間が経つと腐敗が進みます。
そのまま放置していると虫が棲みついたり、朽ちていったりと墓地が汚れる原因になり景観も悪くなります。
以上を考慮し、四十九日に立てた塔婆は1周忌を目途として考えておきましょう。
それ以降は新しい塔婆を立てるスペースが埋まってしまう前に古いものから適宜処分していくとよいでしょう。
塔婆の処分の仕方
塔婆の処分はお寺や霊園、墓地と相談しましょう。
一般的には焚き上げ料として数千円を支払い、処分をしてもらいます。
決して、ゴミとして処分してはいけません。
処分する時期や方法は異なりますが、指定された場所や方法で処分して下さい。
塔婆を立てる手順
次に、塔婆を立てる手順について紹介していきます。
手順を知ることでスムーズに塔婆を立てることが可能となりますので、参考にしてください。
寺院に連絡する
まず、寺院に塔婆供養をしたい旨を伝えます。
この際に希望している日時を伝え、スケジュールを調整します。
塔婆には、建立年月日や施主などの文字を書き入れなければなりません。
そのため、できるだけ早く日程調整をする必要があります。
目安としては、希望日の2週間前までに依頼するようにしましょう。
お盆やお彼岸は特に繁忙期であるため、注意が必要です。
本数と費用の相談
日程調整が済みましたら次に、希望する塔婆の本数を伝え塔婆料の相談を行います。
塔婆料はお寺によって金額に差があるため、依頼する寺院に直接確認して構いません。
塔婆料の相場としては、3,000〜1万円程度です。
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お墓参りに行けない場合
塔婆供養をしたいけれど、お墓参りに行けないという方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合でも、故人を供養をしたいという気持ちは大切なものですから、ご住職も快く受け入れてくれるでしょう。
塔婆料の受け渡しなどをどのようにするか、きちんと決めておきましょう。
施餓鬼会とは
最後に施餓鬼会について紹介していきます。
施餓鬼会の意味合いや時期について紹介していきますので、参考にしてください。
施餓鬼会とは
仏教では、人は亡くなると六道と呼ばれる世界のどこかに行くと考えられています。
この六道は簡単に言うと、天国である極楽浄土のような世界から地獄のようなところまで6通りの世界に分かれています。
この六道の中の一つに餓鬼道があります。
仏教の教えによると、生前の自らの悪行により餓鬼道へ落ちると餓鬼という鬼になってしまいます。
餓鬼になった者は常に飢えや喉の渇きに苦しんでいると考えられています。
そういった餓鬼となった霊魂や無縁仏などの供養されない死者に食べ物などをお供えして、施しを行う法会を施餓鬼会と言います。
施餓鬼会は先祖供養と同時に行われることが多いですが、必ず行わなければいけないといったものではありません。
故人やご先祖様と一緒に餓鬼供養も行うことで、徳が積めると考えられています。
「救抜焔口餓鬼陀羅尼経 (くばつえんくがきだらにきょう)」というお経が施餓鬼の由来であると言われています。
この言い伝えを以下に紹介します。
お釈迦様の弟子の一人である阿難(あなん)が餓鬼に死を予告されたときに、お釈迦様の教えに従い、陀羅尼(だらに)を唱えながら餓鬼に食事を施しました。
するとその功徳によって餓鬼が救われ、阿難も寿命を延ばすことができたとされています。
こうした説話に基づいて、施餓鬼が行われるようになったと言い伝えられています。
施餓鬼会の時期
施餓鬼会を行う時期には特に決まりはなく、年に何度か行うこともあります。
先祖供養と共に餓鬼の供養も行うことで、より徳が積めると考えられています。
そのため、一般的にはお盆の時期に盂蘭盆会(うらんぼんえ)と合わせて施餓鬼会が行われることが多いようです。
宗派によって施餓鬼会の有無に違いがありますが、浄土宗や真言宗、曹洞宗などでは、8月の盂蘭盆会に精霊供養として行われることが一般的です。
禅宗ではこの施餓鬼会は重要な法会と考えられています。
一方で、浄土真宗において死者は亡くなるとすぐに成仏すると考えられていますので、無縁仏の概念自体なく、施餓鬼会はありません。
寺院によっては、施餓鬼会に集まった檀家同士の交流の場を設けたりしているところもあります。
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塔婆毎年のまとめ
ここまで塔婆の意味合いや塔婆を立てるタイミングや毎年立てる必要性などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 塔婆とは、先祖供養のためにお墓の後ろや脇に立てる木の板のこと
- 亡くなって2年の三回忌までは塔婆を毎年立てた方が良いとされている
- 餓鬼となった霊魂に食べ物などをお供えして施しを行う行事を施餓鬼会と言う
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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