お墓
お墓にはどんな歴史がある?現代のお墓、新しい供養方法まで解説
更新日:2024.02.03 公開日:2021.08.22

記事のポイントを先取り!
- お墓の役割は故人に寄り添い、悲しみを癒すこと
- お墓参りで親族と集まることで絆を深められる
- お墓の歴史は縄文時代から
- 現代は樹木葬や納骨堂、散骨など多様なお墓がある
お墓は故人を弔うための大切なものです。
日本でお墓を作って故人を弔うようになったのは、歴史上いつからなのかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、お墓の歴史について詳しく説明していきます。
この機会にお墓を建てることの意味や理由を覚えておきましょう。
お墓に御影石(みかげいし)がよく使われる理由についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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お墓を建てる意味
お墓を建てることにはどんな理由や意味があるのでしょうか?
お墓の意味
お墓には様々な意味があります。
まず、お墓を建てることで、故人が生きたことが形として残ります。
それによって遺族が故人を忘れ去ることなく偲び、故人の供養ができます。
さらに、お墓は遺族の悲しみを和らげる手助けになります。
お墓は先祖代々のご先祖様を祀っている、歴史の続く大切な場所です。
お彼岸やお盆などに親類が集まってみんなで過ごすひと時も、お墓があるからこそでしょう。
お墓は故人と現世をつなぐ大切な役割を持っているといえます。
なぜ石のお墓を建てるようになったの?
なぜお墓は石で建てられるようになったのでしょうか?
その由来は日本の神話にさかのぼります。
その中で、石には3つの意味があるとされています。
- 石は「死者の国」を塞ぎ、死者がこの世に出てこれないようにする
- 石にはあの世とこの世を分ける役割がある
- 石をはさみ、生きている者と亡くなった者が会話することができる
このように日本には昔から石を神聖化する考えがあり、それがお墓に石を使う理由になったと考えられます。
日本のお墓の歴史
それでは、日本のお墓はいつ頃から建てられるようになったのでしょうか?
お墓の歴史について見ていきましょう。
縄文時代は屈葬
日本のお墓の歴史は古く、縄文時代までさかのぼります。
縄文時代は地面に小さな穴を掘り、故人を体育座りのような格好で埋葬する「屈葬」が行われていました。
「胎児の格好をさせることで再生を願った」という説や、「死者が動き出すことを畏れたため」など屈葬の理由は諸説あります。
このように棺を使用せず、土の中に直接埋葬するお墓を「土壙墓」といいます。
弥生時代には様々なお墓が現れる
弥生時代はさまざまな埋葬方法がありました。
木棺に納めてから埋葬する「木棺墓」(もっかんぼ)などです。
卵型のカプセルの中に遺体を入れ、さらに土の中へ埋葬した「甕棺墓」(かめかんぼ)もありました。
さらには、大型古墳の原型ともいえる巨大なお墓も出現しています。
「方形周溝墓」(ほうけいしゅうこうぼ)は墳丘の周りに盛り土をし、その周囲に溝を掘って敷地を区切ったお墓です。
大きさは10メートル前後ありました。
弥生時代は屈葬ではなく「伸展葬」という足を伸ばした埋葬方法が一般的だったようです。
縄文時代や弥生時代など古代の葬儀時の儀式に「殯(もがり・あらき)」というものがあります。
遺体を棺に仮安置して故人との別れを惜しむ葬送儀式で、現代の通夜の原型といわれています。
殯では遺体が白骨化するまで放置してから本葬していました。
古墳時代の権力者は古墳建設
続く古墳時代には階級の高い豪族などが立派な古墳を作った歴史があります。
古墳時代の前期には副葬品として鏡や玉などの祈祷品を多く入れていましたが、後期に入ると馬具や武器などを埋葬するようになります。
古墳時代の庶民は、少し位の高い人なら土壙墓に埋葬したようです。
そのほかの一般庶民は山や荒野に遺体を放置して風化するのを待つ「風葬」を行っていました。
飛鳥・奈良時代に入ると仏教が伝来しますが、お墓との関連はまだほとんどありません。
お墓については、646年に「薄葬令(はくそうれい)」が発布されます。
身分によってお墓の大きさを規制されたほか、大がかりな副葬品の禁止や殯の廃止なども盛り込まれていました。
平安時代から火葬が広まる
平安時代になると、貴族など一部の特権階級で火葬が執り行われ始めます。
この頃は歴史上、お寺とお墓の結びつきが強くなった時代でもありました。
平城京では人口が増え、一般庶民は共同墓地のようなところに埋葬された形跡があります。
鎌倉・室町時代に入ると仏教が浸透し、火葬が一般庶民にも普及します。
高僧など身分の高い人は「やぐら」と呼ばれる豪華な供養堂に納められたようです。
現在お墓の敷地内などに建てる五輪塔もこの時代から作られるようになりました。
江戸時代から庶民にお墓が普及する
江戸時代に入ると寺請制度(てらうけせいど)が設けられ、地域住民はどこかの寺院の檀家になることを強制されました。
そのため、葬儀や法事は寺院に一任することになります。
この頃、庶民と寺院の関係性が密接になったことで、庶民でもお墓を建てることが習慣になりつつありました。
しかし貧しい庶民は河原の石を積んだりしてお墓の目印にしていたようです。
江戸時代は土葬が主流でしたが都市部では土地が足りず、火葬も多く行われていました。
特に大阪は遺体のほとんどを火葬で弔っていたようです。
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現代のお墓の特徴

明治時代以降からさまざまな埋葬方法が生まれ、選択肢が増えてきました。
現代のお墓の特徴について解説していきます。
誰でもお墓が建てられる
望んだ人が誰でもお墓を建てられるようになったのは昭和30年代の高度成長期時代の頃です。
江戸時代以前は1人ずつのお墓でしたが、明治時代以降は土地不足などから一家に一基となりました。
その流れは現代でも続いています。
地方から都市部へ出てきた場合は、故郷とは別にお墓を作るのが一般的になってきました。
火葬が一般的に
現代の日本では、ほぼ100%が火葬での弔い方法となっています。
歴史の中で火葬は度々広まった時期もありましたが、土葬も根強くありました。
明治時代の1873年に、神道の信者が「火葬は仏教徒の弔い方法である」という申し立てをして「火葬禁止令」が発布されました。
しかし土地が足りなくなり、わずか2年後の1875年に廃止された歴史があります。
その後1887年に火葬場取締規制が改正され、火葬場の近代化が進められました。
民間での火葬から自治体へ移行していったのもこの頃のようです。
1915年に3割強だった火葬の割合は、2000年以降はほぼ100%の火葬率となっています。
御影石が使われる
日本国内で最も多く使用されているのが御影石です。
御影石とは花崗岩の一種で、その種類は300種ほどあります。
自然の石なので一つとして同じ表情の石はなく、磨くと光沢が出て高級感のある石です。
吸水性が少ないため、長持ちしやすいのも特徴のひとつです。
半永久的に使える石で墓石として人気があります。
今後のお墓

少子高齢化や独身が増えるなど、現代人のライフスタイルが変化するにつれて、お墓のあり方も変わってきました。
今後はお墓を持たないという選択肢を取る方も多くなっていきます。
従来のお墓とは異なる、新しいお墓の形についてご紹介します。
樹木葬
樹木葬とは自然葬の一種で、遺骨を樹木の下に埋葬する方法です。
樹木葬には「里山型」と「公園型」があります。
里山型は山林を切り開いて整備した場所に遺骨を埋葬する方法です。
公園型は寺院や霊園の一角にシンボルツリーを植え、その周りに埋葬する方法です。
樹木葬は永代供養が一般的ですが、33回忌を過ぎると合祀(ごうし)となり、他の遺骨と合同で弔われます。
納骨堂
納骨堂とは遺骨を納める施設のことです。
お墓と違って屋内にあるので天候に左右されずお墓参りができます。
永代供養のある納骨堂は、独身の方や夫婦のみの方に最適です。
納骨堂には「ロッカー型」「仏壇型」「自動搬送式」の主に3種類があります。
ロッカー型はコインロッカーのように並んだスペースに遺骨を納めるタイプです。
仏壇型は上下2段に分かれており、上段に位牌や写真を置き、下段は遺骨を収蔵するスペースになっています。
自動搬送式は、都市部でよく見られる大量収蔵型です。
受付でICチップをかざすと、参拝スペースに遺骨が運ばれてくるシステムになっています。
散骨
散骨とは粉末状にした遺骨である「遺灰」を、海や山に撒く弔い方法です。
海上散骨などは業者に頼む場合が多いようですが、地域によっては散骨禁止区域があるので確認が必要です。
数ある埋葬方法の中でも安価で行える供養方法です。
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お墓の歴史についてのまとめ

ここまでお墓の歴史についての情報や、これからのお墓の選択肢についての説明を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- お墓には故人に寄り添い、悲しみを癒すという役割がある。
- お墓参りで親族と集まることで家族との絆を再確認できる。
- お墓は縄文時代からの古い歴史を持っている。
- 現代は樹木葬や納骨堂、散骨などさまざまなお墓があり選択肢が豊富。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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