法事法要
仏壇にあげる線香の本数は?宗派ごとの違いやあげ方について説明
更新日:2022.05.15 公開日:2021.12.20

記事のポイントを先取り!
- 線香は故人の食事になる
- 線香の本数や置き方は宗派によって違う
仏壇に向かって手を合わせる際、線香の本数を気にしたことはありますか?
「あまり気にしたことがない」「大体の本数をあげている」という方が多いのではないでしょうか。
普段何気なくあげている線香にも、本数やあげ方の作法があるのです。
そこで、この記事では仏壇にあげる線香の本数について解説します。
この記事を読むことで、仏壇にあげる線香についての知識が深まります。
お墓参りでの線香の本数についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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仏壇に線香をあげる意味
実家に立ち寄った時や遠方より帰省した時、親戚の家に訪れた時など、さまざまな場面で仏壇に線香をあげることがあります。
線香をあげることにはどんな意味があるのでしょうか?
線香をあげる意味について解説していきます。
身と場を清めるため
線香には、椨(たぶ)の樹皮や葉を原料に、白檀(びゃくだん)や丁子(ちょうじ)などの香料を調合された匂いの線香や、杉の葉で作られた杉線香があります。
線香は、昔の時代より防臭や殺菌のために用いられていたことから、現在では線香をあげる方自身やその場を清める効果があると考えられています。
故人の食べものとして
仏教の経典である阿毘達磨倶舎論(あびだつまくしゃろん)の中の一説では、線香の香りは故人の食事であると考えられています。
宗派や地域によっては、極楽浄土へ行けるかの裁定のある49日が過ぎるまでは、線香を絶やさずあげ続ける風習が残っています。
49日が過ぎるまでの間は、故人が極楽浄土へ行けることを願い、食事となる線香をあげます。
最近では、花や香水、木、紅茶、コーヒー、果物などの香りのする多種類の線香がありますので、故人の好きな香りを選ぶと喜ばれることでしょう。
天上とつなぐため
線香をあげて立ち昇る煙は、その様子から現世と天上とを繋ぐと考えられています。
四十九日法要よりも後に線香をあげることによって、遠くにいった故人と繋がり、心を通じ合わせることができます。
線香をあげることで、故人を身近に感じるのも良いでしょう。
宗派別の線香の本数
実家の仏壇に手を合わせる際、線香をたてる本数など意識したことはあるでしょうか。
線香は、宗派によってあげる本数が異なります。
実家ではまだしも、親戚や友人、知人の家の場合に何も知らずに仏壇に線香をあげると、間違って失礼に当たる可能性もあります。
ここでは、宗派別の線香の本数を解説していきます。
天台宗・真言宗
天台宗と真言宗の線香の本数は、三宝という仏教の教えから3本とされています。
三宝とは、仏とその教えである法、僧侶、総じて仏法僧の3つを宝とする意味を持ちます。
通常、線香は3本とされていますが、四十九日法要を迎えるまでの間に、故人の枕元に供える線香は1本となります。
ただし、仏壇にあげる線香の本数は、四十九日法要前後のどちらでも変わらないので、間違いのないよう注意しましょう。
曹洞宗・臨済宗・浄土宗・日蓮宗
昔の時代、遊郭での遊びの時間など、線香が燃え尽きるまでの時間を時計代わりにしていたようです。
寺院では、1本の線香が燃え尽きる時間を、僧侶が修行をする時間の目安としていました。
そのことから、4つの宗派では1本の線香を一心に励む気持ちとかけて、香炉の真ん中に立てます。
浄土真宗
浄土真宗は他の宗派と違い、線香を寝かすのが作法となっています。
線香のない時代には、香を絶やさないようにと、常香盤という香炉が使用されていました。
常香盤とは方形や円形の形をした台で、その上に折れ線形、または梵字形の線香を焚くことで、長時間かけてゆっくりと燃えるように工夫されています。
浄土真宗では、常香盤を使う風習が残っているため、現在でも線香は寝かせて置きます。
西本願寺派
1本の線香を香炉の大きさに合わせて2つか3つに折り、火をつけた後、横に寝かせて置きます。
折った線香は同時に火をつけ、左横に火がくるように置きます。
大谷派
大谷派も西本願寺派と同じように1本の線香を2つか3つに折り、寝かせて置きます。
双方の違いは、焼香の回数です。
西本願寺派の焼香を1回しか行いませんが、大谷派の焼香は2回行います。
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仏壇に線香をあげる方法
仏壇に線香をあげる正しい方法を知っておかなければ、弔問時に恥をかくだけでなく、相手に不快な気持ちをさせてしまいます。
ここでは、一連の動作がスムーズに行えるよう、線香のあげ方の手順と立て方を解説します。
あげ方の手順
線香のあげ方の手順は、以下の通りです。
- 左手に数珠を持つ
- 仏壇の正面に座って一礼して、その後に合掌
- ろうそくに火をつけた後、線香に火をつける
- 線香に火がつき、煙が出ていることを確認後、香炉に線香を立てる・寝かせる
- おりんを鳴らしてから合掌(浄土宗本願寺派はおりんを鳴らさない)
- 遺影に一礼
- 弔問先の場合は、座布団から降りて下がってから遺族に一礼
線香の立て方
線香の立て方も宗派によって異なります。
各宗派ごとの線香の立て方は、以下の通りです。
- 天台宗・真言宗
線香は、香炉の真ん中手前に1本、奥に2本を逆三角形になるように立てます。
- 曹洞宗・臨済宗・浄土宗・日蓮宗
香炉の真ん中に1本立てます。
- 浄土真宗
1本の線香を2つか3つに折り、同時に火をつけ、火が左横にくるように寝かせて置きます。
線香を1人分あげる時は、香炉の真ん中に1本だけ立てますが、複数人の場合は空いてるスペースに2本立てます。
この際は、線香をくっつけて立てても、間を開けて立ててもどちらでもかまいません。
その場に応じて、周囲の迷惑にならないよう対応しましょう。
仏壇に線香をあげる際の注意点

仏壇に線香をあげる際、気をつけていることはありますか?
普段、何気なく線香をあげている方の中には、間違ったやり方をしている方が多いのではないでしょうか。
ここでは、仏壇に線香をあげる際の注意点を解説していきます。
ろうそくから火をつける
線香に火をつける際は、直接ライターでつけるのではなく、ロウソクから火をつけます。
線香を複数本持っている場合は、まとめて火をつけましょう。
仏教においてろうそくは、三具足(さんぐそく)として扱われており、この世とあの世を繋ぐ誘導や、邪気を取り払い、光明を与えてくれるなど、さまざまな意味を持ちます。
そのため、仏壇に向かい線香をあげる前には、必ずロウソクをつける行為が必要です。
火は手で仰いで消す
仏教の教えでは、人間の口から出る息は汚れたものとされています。
口から出る息で火を消すことは、仏教において大切にされているろうそくだけでなく、仏様やご先祖様に汚れたものを当てることになり、マナー違反となります。
ロウソクや線香の火は、必ず手で仰いで消しましょう。
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線香はいつあげればいい?
線香をあげることは、故人やご先祖様と繋がり、対話することです。
遠方から実家に帰省した際などには、ほとんどの方が仏壇に向かうことでしょう。
一方、毎日線香をあげられる方は、どのタイミングであげるのが良いのでしょうか。
ここでは、線香をあげるタイミングと1日にあげる回数について解説します。
線香をあげるタイミング
線香をあげるタイミングに決まりはありません。
基本的には、お膳やお供え物を取り替えるタイミングや、家族が食事をするタイミングであげると良いでしょう。
食事に合わせて線香をあげることで、自然と仏壇に向かい合うことも増えるでしょう。
線香は一日に何回あげる?
1日に線香をあげる回数の決まりはありませんが、基本的にはお膳の回数である2、3回が通例です。
働いていて時間に余裕のない方は、なかなか線香をあげることができないかもしれませんので、自身のタイミングであげると良いでしょう。
お墓参りでの線香の本数は?
仏壇に線香をあげる場合とお墓参りであげる場合とでは状況が全く異なるため、線香の本数も異なるのか困惑する方もいらっしゃるでしょう。
そもそも、お墓参りでは仏壇と線香の本数が違うのでしょうか。
お墓参りでの本数
基本的には、お墓参りの場合も仏壇の場合も線香の本数に差はありません。
お墓参りの際、複数人で訪れて束の線香を持参している場合は、まとめて火をつけた後、宗派ごとに決められた本数に分けて供えるか、または束のまま供えます。
また、1束を半分にして使用することもあります。
実際にお墓参りをしていてわからない場合、周囲の方に相談すると良いでしょう。
無宗教の場合は?
無宗教者の場合は、そもそも線香の本数に決まりはありません。
自身の好きな数か、あるいは束のまま供えると良いでしょう。
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仏壇にあげる線香の本数まとめ
ここまで、仏壇にあげる線香の本数についての情報や、線香の上げ方を中心に解説しました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 線香をあげる意味は自身や場の浄化・故人の食事・通天など様々
- 宗派によって線香をあげる本数は異なる
- 線香をあげる際はろうそくから火をつけ手で仰ぎ消す
- 線香はお膳のタイミングで1日2、3回あげる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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