法事法要
仏壇に欄間がある理由とは?種類や歴史を紹介
更新日:2022.05.10 公開日:2021.12.22

記事のポイントを先取り!
- 欄間には風通しや調光の機能面としての役割がある
- 仏壇に欄間が設けられているのは小さな寺院だから
- 彫刻欄間や組子欄間などさまざまな種類がある
日本の伝統工芸である欄間(らんま)は日本家屋の和室でよく見られるものですが、仏壇にも用いられています。
仏壇に欄間が用いられているのには理由があるのをご存知でしょうか。
そこでこの記事では、仏壇の欄間について詳しく説明していきます。
この機会に欄間には模様が描かれているだけでなく、機能性があることも知っておきましょう。
欄間に描かれている模様の持つ意味合いも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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欄間とは
欄間とは和風住宅などでよく見られるもので、部屋と部屋の境目、もしくは廊下や縁側の境目に設けられている透かし彫りなどの彫刻された板です。
天井と鴨居や長押(なげし・柱と柱を水平につないでいる木)の間には空間が生まれますが、壁にすると風を通したり、光を取り入れたりすることができません。
そこで採用されたのが欄間です。
欄間なら、換気や調光を目的とした機能的な面と、品格を表す室内装飾の役割も果たします。
彫刻以外にも木や竹を組み込んだり、障子やガラスを貼り付けたりなど、さまざまな種類があります。
欄間の歴史
欄間の始まりは、奈良時代の寺社建築といわれています。
その頃の欄間は、光を取り入れたり換気をしたりするためだけのシンプルな格子でした。
次第に欄間の種類や模様の種類が増えていき、江戸時代には庶民の住宅にも普及するようになったようです。
住宅に普及するきっかけとなったのが、現在伝統工芸となっている井波欄間と大阪欄間だといわれています。
1. 井波欄間
富山の井波彫刻を施した欄間が井波欄間です。
江戸時代に火災があった瑞泉寺(ずいせんじ)を修復するために、京都から彫刻師が派遣されました。
その彫刻師が地元大工に彫刻技術を伝授したことから、井波欄間の歴史が始まったようです。
それ以降、寺院や特権階級の屋敷に取り入れられ、次第に庶民の住宅へと普及していきました。
2. 大阪欄間
井波欄間と比べると絵柄が柔らかく、板が薄くて機能性重視なのが大阪欄間の特徴です。
江戸時代、多くの物資が集まる天下の台所といわれた大阪に木材問屋が集まりました。
それまで欄間の中心だった京都から大阪へと職人が集まるようになり、大阪を一大生産地として全国出荷するようになったようです。
その後、富を得た商人たちなど買っていく人も多くなり、庶民に普及していくきっかけとなりました。
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仏壇に欄間がある意味
前述したように、欄間は和風住宅の部屋と部屋の境目に用いられるものですが、実は仏壇にも欄間が取り入れられています。
仏壇の欄間は、仏壇の荘厳さを表現する要素となっています。
仏壇は家庭内における「小さな寺院」だから
寺院の本堂には、本尊を安置する台座があります。
これを須弥壇(しゅみだん)といいます。
須弥壇を小型化したものが仏壇で、仏壇は家庭内における「小さな寺院」ともいわれています。
寺院本堂には欄間が設けられています。
そのため小さな寺院である仏壇にも欄間が設けられているのです。
技術が進歩したため
仏壇と欄間が生まれてから約300年経ち、技術は受け継がれ、進歩してきました。
職人による細かい細工や加工が認められ、技術や作品によっては伝統工芸としても認定されています。
仏壇は国内生産地が約30カ所ある内、15カ所が伝統的工芸品産地として認定されてきました。
中でも京都の京仏壇を作る工程には42工程あり、10部門の専門職人に分かれているそうです。
専門職人には、木地師(きじし)、彫刻師(ちょうこくし)、塗師(ぬし)、蝋色師(ろいろし)、箔押師(はくおしし)、錺師(かざりし)、蒔絵師(まきえし)、彩色師(さいしきし)などがいます。
その中の一人である、彫刻師が欄間や柱の彫刻をします。
龍や花、鳳凰、天人など、宗派ごとの特色に基づいて精密な彫刻により作品を作り出します。
欄間に関しては、約300年たった現在まで技術を引き継いでおり、1975年には井波彫刻と大阪欄間が伝統工芸品として認定されました。
欄間の種類
欄間には彫刻の仕方や、作り出す方法など、さまざまな種類があります。
また、作り出す方法によって模様が出す表現も変わってきます。
筬欄間
「おさらんま」と読みます。
筬(おさ)とは織器の付属具の一つで、細い棒状の竹を平行に並べたものを指します。
筬欄間は筬のように、細い木や竹の棒が縦に並んだデザインが特徴的です。
彫刻欄間
彫刻によりデザインされた欄間です。
厚みのある板を職人が細かく丁寧にくり抜くことで、立体的で力強い印象になります。
最近では、機械による彫刻技術も高まり、低価格で作ることも可能となってきました。
透かし彫り欄間
彫刻により絵柄がくり抜かれた欄間です。
薄めの板を絵柄に合わせてくり抜くことで、落ち着きのあるシンプルなデザインになります。
井波欄間が有名です。
組子欄間
「くみこらんま」と読みます。
組子とは木に穴や溝などをつくり、釘などを使わずに組み合わせて精巧な模様を作り出す伝統木工技術です。
組子欄間は組子を用いた欄間で、光を受けると幾何学模様の影が描かれることも特徴です。
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仏壇彫刻の種類
仏壇に彫刻されるものには、意味合いや願いが込められているものがほとんどです。
メインモチーフとなることが多いものを紹介します。
花
仏教の世界では、お花は故人を慰めるものとされており、昔からお花をお供えしていたようです。
また、仏さまが説法する際に、天から花が舞い降りてくるといわれていることもあり、モチーフにされる理由の一つとなっています。
欄間に用いられる花は、菊や松、竹、もみじ、蓮など、さまざまな種類があります。
龍
仏教において、龍に関するエピソードは多くあります。
神や高貴なものとして崇拝され、龍の力にあやかりたいという願いを込めてモチーフとされているようです。
仏壇の扉や左右の欄間でよく見られます。
鳳凰
吉兆となる鳥で、雄が鳳(おおとり)、雌が凰(おう)とされています。
夫婦仲が良い鳥とされ、一生涯連れ添うという願いが込められています。
羽などのきらびやかな部分が鳳凰の特徴です。
鳥
鳳凰とは別に、鳥は縁起物として取り入れられることがあります。
鶴、孔雀(くじゃく)、鸚鵡(おうむ)、舎利(しゃり)、他にも想像上の鳥など、それぞれの持つ意味合いは異なります。
雲
天人や龍、鳥などの空に舞うものと一緒に描かれることが多い模様です。
雲は、仏教の世界観を仏壇に反映させるためのモチーフとされています。
また、天地を分ける役割を果たし、仏の教えをたたえる荘厳さを与えています。
仏壇だけでなく、欄間にも多く描かれます。
天人
「てんにん」と読みます。
飛天と呼ぶこともあり、天界に住む存在です。
仏さまが説法する際に天から舞い降りて音楽を奏でたり、花を舞い散らしたりと、説法している仏さまをたたえる存在として用いられます。
大半が雲と一緒に描かれています。
彫刻の模様に込められた意味
前述した以外に、一緒によく描かれる模様について紹介します。
桜
昔から日本を代表する木とされ、模様として描かれることが多いです。
桜の花が愛されているのは、農耕民族であった日本が桜の開花状況で一年の豊作・凶作を占っていたことに起因するとされています。
松
四季に関わらず常に緑を保つ常緑樹であることから、長寿を意味するシンボルとされています。
金仏壇の扉の裏に描かれたりと、松は贅沢な印象を与える模様です。
竹
成長がはやく、切っても生えてくることから生命力の象徴とされています。
仏壇や欄間には松・竹・梅と一緒に描かれていることが多いようです。
梅
昔は花といえば桜ではなく、梅だといわれていました。
そんな馴染みのある梅は、学問が栄えることで立派な花をつけるという言い伝えがあります。
また、「産め」ということで安産祈願の意味もあるそうです。
菊
菊は昔から仏教と深いつながりを持ち、多くの絵画や工芸品に採用されていました。
現代では仏花、故人への供花としても使われています。
紅葉
昔から秋の景観を連想させるものとして日本人に愛され、枝葉が描かれることが多いです。
鶏冠(けいかん)= 鶏のトサカに似ているとされ、立身出世の縁起を担ぐものとされてきました。
扇
開いた形が末広がりになっていることから、発展・繁栄といった意味合いを持つ形として描かれてきました。
扇の中に模様が描かれているデザインが多いようです。
千鳥
欄間の透かし彫りで、流水や波と一緒に描かれることが多く見られます。
愛らしく描かれ、庶民的な模様になります。
流水
水が流れている模様で、動物や植物などのメインとなるモチーフと一緒に描かれることが多いようです。
麻の葉
組子欄間や透かし彫り欄間で描かれることが多く、成長が早いことから、子どもの成長を願い用いられてきました。
亀甲
六角形をつないだ形状で、亀の甲羅に似ていることから由来しています。
大半は亀甲の中に絵柄が入っていることが多く、仏壇の扉や欄間に使われます。
七宝
「しっぽう」と読みます。
仏教に由来するシンボルで、丸の中に光を表すようなマークが描かれます。
経典では「金・銀・瑠璃(るり)・珊瑚・メノウ・玻璃(はり)・シャコガイ」が七種の宝とされています。
七宝のシンボルは永遠・拡大を意味し、円満や調和を祈って用いられているようです。
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仏壇の欄間まとめ

ここまで仏壇に欄間がある理由や、欄間の種類などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 欄間の役割は、装飾だけでなく風通しや調光などの機能面もある
- 仏壇に欄間がある理由は、欄間のある寺院を小型化したものが仏壇であるため
- 欄間には、彫刻欄間や組子欄間などのさまざまな種類がある
- 仏壇と欄間に描かれた模様には、古くからの意味合いや願いが込められている
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

唐沢 淳(からさわ じゅん)
経歴
業界経歴10年以上。大手プロバイダーで終活事業に携わる。葬儀の現場でお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから大人数の葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとにも数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、ユーザー目線でのサービス構築を目指す。
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