法事法要
仏壇に飾る常花とは?飾り方や手入れの仕方を紹介
更新日:2022.05.10 公開日:2021.12.22

記事のポイントを先取り!
- 仏壇に常花のモチーフが蓮であることには理由がある
- 仏壇の常花を飾る方法は三具足・四具足・五具足
- 仏壇の常花の手入れには注意する
- 生花と常花には違った意味がある
仏壇に飾る常花(じょうか)は仏具の一種ですが、本来の意味や飾り方、手入れの仕方はご存知でしょうか。
常花は生花とともに仏壇に必要な花であり、地域の伝統や宗派によって飾り方が異なります。
そこでこの記事では、仏壇の常花について詳しく説明していきます。
仏壇の供養具にはそれぞれ深い意味があり、常花を飾ると仏壇の品格を上げると言われているのです。
常花の処分方法などにも触れていますので、ぜひ最後までお読みください。
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常花とは

常花はどのような意味で飾られるのか、モチーフに使われる蓮の花についてもご説明します。
常花の意味
常花は木花(もっか)、木蓮華(もくれんげ)とも呼ばれており「永遠に咲き続ける花」「枯れない花」を意味する造花です。
仏壇に供える常花は蓮の花を模しており、泥沼に生息します。
茎を伸ばして清浄な花を咲かせるため、古くより仏の悟りを表す重要なシンボルとされています。
常花は、仏壇の本尊と位牌に供える花供養具の1つであり、荘厳(飾ること)するために生花の蓮花の代わりに用いられているのです。
そのため常花は、宗派や地域の慣習によって異なりますが、生花と同じように飾られています。
蓮の花が使われる理由
蓮の花は泥の中で育ち泥に染まることなく、水面上に茎をのばし、美しい花を咲かせる姿が智慧(ちえ)や慈悲の象徴とされています。
古くから神聖な存在である蓮の花は、その姿や性質、神秘性が仏教的であり宗教性を帯びています。
仏教では、念仏を称えて暮らしていれば、極楽浄土の池に咲く蓮華の上に生まれ変わることができるといった、信心の在り様を表しているのです。
そのため、蓮台に座る仏様や多くの仏具に蓮の花が使われているのです。
スポンサーリンク材質による常花の違い

常花は軽合金(アルミ)、真鍮(しんちゅう)製、銅製などのほかに、木製、プラスチック製、布、紙などさまざまな材質があります。
仕様は金箔仕上げ、彩色仕上げのほかに、金箔の上に彩色を施す箔彩色仕上げは最高級品になります。
それらの材料に、貝などの粉末で作った顔料や金泥などの絵具を用いたり、金箔を張り付けたりして仕上げているのです。
アルミや真鍮の常花は一般的に広く使われており、木彫り細工に本金箔や極彩色が施されている常花は寺院などで使われています。
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仏壇への常花の飾り方

常花は、一般的にどのように飾れば良いのでしょうか。
仏具の配置は宗派によって異なりますが、基本となる飾り方(具足)はどの宗派も同じです。
ここではそれぞれの飾り方をご説明します。
三具足
三具足(みつぐそく・さんぐそく)とは、花立・灯立・香炉の3つをあわせた呼び名です。
花立は仏壇用の花器であり、生花や常花を供える花供養の際に1対ずつ使用するため、仏具の中でも使用頻度が高いといえます。
ろうそくを立てる灯立は火立や燭台、ろうそく立てと呼ばれ、仏具のなかでも特に重要とされています。
香炉はお香を焚くために使う器のことであり、三具足、後述の五具足において重要な香供養具です。
また、香炉は種類が多く前香炉・土香炉・玉香炉・透かし香炉・火舎香炉(かしゃごうろ)などが一般的です。
三具足の香炉は前香炉になり、宗派によって異なりますが器の中に香炉灰を入れ、お線香を立てて供えます。
これら三具足の仏具は、後述の具足において仏壇に祀る基本の仏具になります。
四具足
四具足(しぐそく)とは、浄土真宗系で使われており本願寺派と大谷派で内容が異なります。
本願寺派は、華鋲(けびょう)1対、火舎香炉、灯立の4つです。
大谷派は華鋲1対、火舎香炉、仏飯器の4つになり、それぞれ宮殿の手前に置いた上卓の上に設置します。
火舎香炉は香供養を行う仏具ですが、現在はほとんど使用されることがありません。
しかし、荘厳仏具として重要な役割があります。
華鋲とは、香り供養を行う2つで1つの仏具であり、花供養を行うものではありません。
そのため樒(しきみ)と呼ばれる香木を香水(こうずい)としてお供えします。
灯立は灯り供養に、仏飯器は盛糟(もっそう)という仏具を使って円柱形にご飯を盛り、飲食供養を行う仏具です。
また、本願寺派では灯立を火舎香炉の奥側へ設置し、大谷派は仏飯器を火舎香炉の奥側へ設置します。
五具足
五具足(ごぐそく)とは、花立・灯立・香炉の三具足に、花立と灯立を1つずつ追加した合計5つの仏具です。
香炉を中心に両脇に灯立1対、花立を1対飾るのが正式な荘厳の形式になります。
この五具足から、さまざまな仏具を追加していきます。
例えば、お鈴(おりん)やご飯を供える仏飯器、飲み物を供える際の茶湯器などを揃えることが次の基本になるのです。
本来はこの5つが基本になりますが、最近は小型の仏壇が主流となっているため、より簡素化された三具足での祀り方が増えています。
五具足までは基本的に必要な仏具の認識に大きな違いはありませんが、以降の具足は諸説あり厳密なルールはあまり存在しません。
そのため、仏壇の大きさや菩提寺(ぼだいじ)の考えを考慮して、揃えると良いでしょう。
花の向きに注意
仏花は故人を想う気持ちを花で表すことや、仏様を敬い修業の誓いを立てる意味があります。
仏壇の荘厳の基本には「香・華・灯」の3つがあり、中でも花は仏様ではなく礼拝する側、つまり私たちの方に向いています。
それは荘厳がただの装飾ではなく、私たちに浄土の素晴らしさ、その世界に生まれさせたいと願う仏様の慈悲の心を表しているのです。
お供えする方もまた仏様のお徳を讃え、ご恩に感謝する気持ちを表すために仏壇の荘厳を整えます。
そのため、花の向きには諸説ありますが、このような思いから礼拝者へ向けるのが一般的とされています。
常花の手入れ方法

常花の手入れについて、ご説明します。
埃などはやわらかな小筆や毛ばたきでやさしくふきとります。
また、仏具専用の洗浄剤や磨き剤を使って布でこすると、黒ずみや汚れなどが落ちやすく、専用の艶出し剤を使えばさらにきれいになります。
真鍮の場合は、塗り(色付き)やメッキ加工されたものだと色落ちや金メッキがはがれる原因になるため、磨き剤は使わずに乾拭きだけにしましょう。
しつこい汚れは固く絞った布で水拭きした後すぐに乾拭きして、汚れがひどい場合はお湯で温めて拭くと汚れが落ちやすくなります。
常花は素材や仕上げ方法によって手入れ方法が異なるため、不安な場合は仏具店へ確認するのがおすすめです。
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常花の処分方法

仏壇や仏具には魂入れをするものと、そもそも魂が入っていないものがあり、常花は後者にあたる処分方法ができます。
ほとんどの宗派において、前者は魂抜きという儀式を行うため、僧侶に読経を依頼するのが一般的です。
後者である常花は魂が入っていないため、供養は不要です。
そのため、お住まいの地域のごみ捨てルールに則って処分すれば問題ありません。
とはいえ、やはり通常のごみと一緒に処分するのは気が引けるという方は、僧侶に供養してもらうと良いでしょう。
生花があれば常花は要らない?

仏壇に新鮮な生花をお供えするのは大原則であり、枯らしてしまうなら常花をお供えする方が良いでしょう。
現在は、仏壇に馴染みがない方も多く、仏壇用の造花が手に入るため、生花を供える方は少なくなってきています。
生花は諸行無常、荘厳の中でも花が生きる美しさや命の儚さを表しており、永遠に咲き続ける花を意味する常花とは、意味合いが異なります。
そのため、生花だけでなく常花も供えると良いとされるのです。
お供えの決まりごとを守ることも大切ですが、お供えをする方の気持ちや心の在り様に目を向けましょう。
決まりを守り日々の惰性で、供えた生花を枯らすことは衛生的にも良いことではありません。
それなら常花を供え、たまに故人の好きな花や生花を供える方が仏様も喜ばれるだろう、と思考を巡らすことが必要です。
また地域によっては、冬は花瓶の水が凍ってヒビが入ることや花が手に入りにくいことから、常花にさせていただくという方もおられます。
このように、お供えは仏様やご先祖様を敬い感謝を伝えることです。
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仏壇の常花まとめ

ここまで仏壇に供える常花についての情報や、飾り方や手入れの方法を中心にお伝えしました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 仏壇に飾る常花は「永遠に咲き続ける花」「枯れない花」の意味がある
- 常花はアルミや真鍮製などの材質に金箔・箔彩色仕上げなどを施す
- 仏壇の常花は三具足・四具足・五具足の飾り方がある
- 仏壇の常花は材質の仕上げによって手入れ方法が異なる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

唐沢 淳(からさわ じゅん)
経歴
業界経歴10年以上。大手プロバイダーで終活事業に携わる。葬儀の現場でお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから大人数の葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとにも数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、ユーザー目線でのサービス構築を目指す。
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