法事法要
繰り出し位牌とは?文字入れの方法・注意事項や入れる時期も紹介
更新日:2022.05.31
複数の位牌をまとめて管理するために、繰り出し位牌にする方も多いと思います。
繰り出し位牌に移すときは、文字入れのやり方などに注意しなければいけません。
そこで、この記事では繰り出し位牌について詳しく説明していきます。
先祖位牌によるまとめ方についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 繰り出し位牌とは
- 繰り出し位牌に切り替えるタイミング
- 繰り出し位牌の文字入れの方法
- 文字入れの際の注意点
- 文字入れした後はどうすれば良い?
- 繰り出し位牌にする注意点
- 位牌をまとめる方法
- 繰り出し位牌の文字入れまとめ
繰り出し位牌とは
繰り出し位牌(くりだしいはい)とは、複数の位牌をまとめて管理できる位牌のことです。
箱のような形をしており、8〜10枚の位牌をおさめられます。
位牌は先祖代々から受け継がれた場合、位牌の数も比例して多くなるものです。
繰り出し位牌は、それらの位牌を小スペースでコンパクトにまとめられるように、使われています。
使うときは、そのご先祖様の命日ごとに繰り出し位牌の中におさめられている札板を1番前に出し、供養します。
このように、札板を順番に出して回していくため、「回出位牌(くりだしいはい)」と書くケースもあります。
スポンサーリンク繰り出し位牌に切り替えるタイミング
そもそも繰り出し位牌を切り替えるタイミングはいつごろが適切なのでしょうか。
ここでは、繰り出し位牌を切り替えるタイミングを解説します。
位牌が置けない時
繰り出し位牌に切り替えるタイミングで、特によくあるのが、位牌が置けなくなったときです。
仏壇にご家族やご先祖様の位牌で新たに位牌を置くスペースがなくなってしまった場合、繰り出し位牌を使ってひとつにまとめることができます。
50回忌に合わせる
もうひとつ繰り出し位牌に切り替えるタイミングとしては、33回忌や50回忌に行うケースもあります。
このときには位牌が仏壇にたくさん並んでおり、弔い上げといって年忌法要を終了するタイミングでもあります。
しかし、近年では引っ越しでマンション住まいで仏壇を置くスペースがないということもあるため、五十回忌前に早いタイミングで切り替えるケースも多くあります。
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繰り出し位牌の文字入れの方法
収納に便利な繰り出し位牌ですが、一般的な位牌とは違って複数の位牌をおさめる仕組みであるため、文字入れをするときもいくつか注意点があります。
ここでは、繰り出し位牌の文字入れのやり方について詳しく解説します。
文字入れを依頼する
文字入れをするときは、僧侶の方にお願いするか、繰り出し位牌を購入した仏具店に依頼する方法があります。
料金については依頼先によって異なりますので事前に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。
また、自分で筆ペンを使って、文字入れすることも可能です。
ただし、自分で記入する場合は、位牌の一枚目と二枚目で書き方が異なるので、その点は気を付けて書く必要があります。
板への文字入れ
繰り出し位牌の場合は一枚目と二枚目それぞれに書き方に決まりがあります。
実際に自分で文字を書く場合、どのように書けばよいのかを解説していきます。
一枚目
繰り出し位牌の場合、一枚目は必ず黒塗りの札板があります。
この札板は「先祖位牌」と呼ばれていて、普段は一番前に入れておくことで、どの家の位牌であるかを示すようにしています。
この一枚目の文字入れについては必ず「〜家先祖代々之霊位」と文字入れをしましょう。
黒塗板に彫刻されるため、基本的には仏具業者など専門の方に依頼します。
二枚目
一枚目の黒塗板以外は白木板となります。
これらの白木板には戒名や没年月日、俗名、享年等を文字入れします。
ここで気を付けなければならないのが、文字入れする順番です。
二枚目以降に文字入れするときは、必ず没年月日順に並ぶようにしましょう。
表面には梵字や戒名、没年月日を、裏面には生前の名前と享年を文字入れします。
もし、梵字と戒名がなければ、表面に生前の名前を裏面に享年のみを文字入れします。
スポンサーリンク文字入れの際の注意点
一度文字入れすると失敗できないことはもちろん、梵字を文字入れするのであれば、宗派によって書き方が変わるところがあります。
たとえば、真言宗や天台宗の場合は、大日如来(だいにちにょらい)をあらわす「ア」の梵字を入れます。
また、浄土宗なら阿弥陀如来(あみだにょらい)を表す(キリーク)、浄土真宗なら(法名)を入れるなど宗派によって梵字の種類が違います。
旧字体や画数の多い文字など戒名となる文字もたくさんあります。
このような間違いをしないためにも、住職へ確認をしたり、但し書きをしておくようにしましょう。
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文字入れした後はどうすれば良い?
文字入れをしたあとは、新たな位牌と使わなくなった位牌、それぞれに供養が必要となります。
ここでは、文字入れをしたあとの供養について解説していきます。
文字入れ後は開眼供養をする
文字入れをした繰り出し位牌には必ず開眼供養しましょう。
開眼供養とは僧侶の方に読経をお願いし、魂を込めるための儀式をすることです。
入魂式とも呼ばれており、読んで字のごとく、仏の魂を繰り出し位牌に迎え入れてもらいます。
古い位牌は閉眼供養をする
一方で、古い位牌は閉眼供養します。
閉眼供養は魂抜きとも呼ばれており、古い位牌から新たな位牌に魂を移す形になるため、仏の魂を抜く儀式を行います。
閉眼供養を行った後の位牌は魂のない「もの」として扱われるため、お焚き上げをして処分します。
繰り出し位牌にする注意点
繰り出し位牌にはさまざまなサイズがあり、購入する際の注意点は「大きさ」です。
一般的な札位牌よりも厚みがあり大きいため、サイズを測ってから購入しないと仏壇に入らないという事態にもなりかねません。
また、仏壇の中のご本尊(掛け軸や仏像など)は最も大切な存在であるため、ご本尊より繰り出し位牌の方が大きくならないように注意が必要です。
はじめて位牌を購入する場合の多くは「札位牌」を用意します。
しかし、地域や宗派によっては、新仏として繰り出し位牌にするところもあるので事前に確認するのが良いでしょう。
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位牌をまとめる方法
繰り出し位牌のほかにも、位牌を1つにまとめる方法があります。
ここでは、先祖位牌によるまとめ方について解説していきます。
先祖位牌とは
先祖位牌とは、その家のご先祖様の位牌をひとつにまとめた位牌のことです。
繰り出し位牌と同様、33回忌や50回忌のタイミングで先祖位牌に切り替えると良いとされています。
形は札位牌と同じ形をしていますが、表面には「~家先祖代々之霊位」と記していて裏面には何も記載しないため、一人ひとりの情報を入れられません。
先祖位牌には過去帳も必要
このように、先祖位牌を作ると古い位牌は戒名や俗名などが残らなくなってしまいます。
そこで記録するために使うのが過去帳です。
過去帳とは仏具のひとつで、戒名や俗名、没年月日、享年などの情報を記録した帳面です。
この過去帳を使うことで位牌をまとめるための記録はもちろん、先祖代々から歴史を知ることができ、自分のルーツを知ることができる家系図の役割を果たします。
過去帳の書き方
誰が書かなければならないという決まりはありません。
まず、表紙には「○○家過去帳」や「○○家先祖代々」、「過去帳」と書きます。
中身は日付ありのタイプと日付なしのタイプによって書き方が異なりますので注意しましょう。
日付ありのタイプはその故人が亡くなった日のページに記載していきます。
日付なしのタイプの場合は1行目から順番に記載していきます。
繰り出し位牌の文字入れまとめ
ここまで繰り出し位牌の文字入れについての情報を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです
- 繰り出し位牌とは複数の位牌をおさめる位牌である
- 文字入れは一枚目と二枚目でそれぞれ書き方に決まりがある
- 文字入れの際は宗派や地域、複雑な漢字など間違えやすいところは但し書きをする
- 文字入れのタイミングは繰り出し位牌に切り替えするときにすると良い
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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