お葬式
天台宗とは?経典・葬儀・仏壇の飾り方を徹底解説
更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.29
日本国内において仏教は最も普及復旧している宗教の一つです。
現在、仏教の主な宗派は13宗派に別れており、さらに分派を含めると56派にも及ぶといわれています。
しかし、自分がどの宗派に属しているのか、どのような宗派があるのか理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、仏教13宗派の一つである天台宗について解説していきます。
この記事を読むことで、天台宗についての知識が深まり、葬祭のルールやマナーが身につきます。
後半では天台宗と日本天台宗の開祖・最澄(さいちょう)のエピソードにも触れているのでぜひ最後までご覧ください。
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天台宗とは
ここでは、天台宗の歴史と教えについて解説します。
天台宗の歴史
天台宗とは、中国が隋の時代に、天台大師智顗(ちぎ)によって開かれた宗派です。
天台宗が日本へ伝わった経緯は、その当時、唐に渡っていた伝教大師最澄が、天台山で天台教学を学び、天台宗として持ち帰ったのが始まりです。
すでに日本へ伝わり広まっていたのは奈良仏教といわれる6つの宗派で、南都六宗とも呼ばれています。
奈良時代の女帝・称徳天皇(しょうとくてんのう)は奈良仏教を深く信仰していました。
その寵愛を受けた加護によって寺院は強大な権力を握り、やがて政治にまで関与するようになります。
称徳天皇の崩御後、桓武天皇や天皇家はこれ以上仏教の力が強まるのを危惧しました。
そして政治と宗教を分離させるために奈良の平城京から京都の平安京へと遷都(せんと)したといわれています。
仏教を都市から離すことに大きな意味があったため、天台宗も山岳の比叡山延暦寺に本山を置くこととなります。
それにより天台宗は、都市から離れた比叡山延暦寺で、最澄や弟子の円仁(えんにん)によって発展していきました。
天台宗の教え
天台宗は法華経を経典としており、誰もが平等に仏になれるという法華一乗の教えを説いています。
最澄は天台教学のほか、教えが共通する密・禅・戒の法華円教も含めて学んだことにより、天台宗は総合仏教として普及します。
比叡山延暦寺では、浄土宗の法然(ほうねん)や浄土真宗の親鸞(しんらん)、日蓮宗の日蓮(にちれん)といった各宗祖が修行していました。
各宗祖がその後に天台宗の教えの一部を取り入れたことから、天台宗は仏教の母山といわれています。
天台宗は寺院によって本尊が異なり、その本尊には、釈迦如来や大日如来、阿弥陀如来、薬師如来が祀られています。
この傾向から見ても、天台宗がさまざまな教えを融合していることが理解できます。
スポンサーリンク天台宗の経典
各宗派には教えの元となる経典があり、天台宗では法華経がそれにあたります。
法華経にはどのような教えがあり、そのお経はどのように唱えられるのでしょうか。
法華経の解釈
法華経では釈迦が出家した後、菩提樹の下で弟子たちの前で説いた教えで、全ての人が成仏できると説かれています。
人間以外の動植物や山、大地などの自然物全てにも仏心があると考えられており、その全てに感謝することが大切ということです。
法華経では六波羅蜜(ろくはらみつ)という6つの修行が必要です。
六波羅蜜とは以下の通りです。
- 布施:他人に施す
- 自戒:自身の戒める
- 忍辱(にんにく):苦しみに耐え忍ぶ
- 精進:常におごらず邁進する
- 禅定(ぜんじょう):正しい道に向けて努力する
- 智慧(ちえ):心を落ち着かせ集中する
法華経では、上記の6つの行いで成仏できると考えられています。
よく唱える言葉
法華経では、全ての仏に感謝して南無妙法蓮華経が唱えられます。
南無妙法蓮華経の意味は以下をご覧ください。
- 南無:仏を一心に信じること
- 妙法:深い教え・真理
- 蓮華:泥水の中でもそれに染まらず美しく咲く蓮華
南無妙法蓮華経には仏を信じる心と、釈迦が多くの人を導いた知恵と慈悲が備わっています。
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天台宗の葬儀
宗派によってそれぞれ教えは異なり、その違いは葬儀の時に顕著にあらわれます。
天台宗の葬儀にはどのような特徴があるのでしょうか。
葬儀の特徴
複合的な要素を持った天台宗の葬儀は、顕教法要(けんぎょうほうよう)・例時作法・密教法要の3要素が重要視されています。
天台宗の葬儀の特徴である3要素については以下をご覧ください。
- 顕教法要
法華経を唱えることで日常生活上の自らの心構えや言動を懺悔(ざんげ)します。
罪を悔いあらためることで、煩悩により内に隠された仏となる性質を高められると考えられています。
顕教とは密教の対義語で、現世の人々を導くために釈迦如来が秘密にせず、おおやけに説かれた教えです。
- 例時作法
天台宗で朝夕の定時に引声(いんぜい)という念仏の読み方で、阿弥陀経を唱える勤行です。
阿弥陀経を唱えることで極楽へ行けるよう祈願するだけでなく、祖霊の追善供養の意味もあります。
- 密教法要
真言密教の呪文である光明真言を唱えることで密教法要をします。
光明真言を唱えることで一切の罪が除かれると言われており、故人が極楽へ行けるよう供養されます。
大日如来の真言であり、呪術的な力を持つ菩薩の言葉でもあります。
また、天台宗の葬儀では、法華経・阿弥陀経・般若心経の3種類のお経が読まれます。
葬儀の流れ
ここでは、葬儀の流れを順番に解説していきます。
① 臨終誦経
臨終誦教(りんじゅうじゅきょう)とは、天台宗における枕教のことです。
枕経とは、臨終後に僧侶によって枕元で行われる読経で、元々は臨終時に行われていました。
しかし、予期せぬ訃報に合わせることは難しく、現在では逝去後に行われています。
臨終誦教では僧侶に阿弥陀経を読経してもらい、故人を供養します。
②通夜誦経
朝方と夕方に合わせて、1日2回行われる読経です。
朝方には法華経、夕方には阿弥陀経と異なった経を唱えるのが特徴です。
③剃度式
水や香を使って故人の身を清める儀式を剃度式(ていどしき)といいます。
その際、髪の毛にカミソリをあてますが、動作だけで剃ることはありません。
剃度式は仏門に入る儀式と考えられており、終了後には戒名が与えられます。
④導師入場~随法回向
導師と呼ばれる僧侶が入場してから開会の辞が執り行われ、穏やかな楽曲に合わせて打楽器を演奏する列讃(れっさん)が行われます。
その後は阿弥陀如来が来迎(らいごう)して、光明供修法(こうみょうくしゃくじょう)・九条錫杖(くじょうしゃくじょう)・随法回向(ずいほうえこう)をします。
それぞれの意味は以下の通りです。
- 光明供錫杖:阿弥陀如来を迎えて故人を供養すること
- 九条錫杖;杖を振って声明を唱えること
- 随法回向:奉仕して供養すること
⑤奠茶~引導下炬
もう1度列讃した後、棺の蓋を閉じて運び出す準備が行われます。
棺の蓋を閉じる行為を鎖龕(さがん)、運び出す準備を起龕(きがん)といいます。
故人を見送るためお茶やお湯をお供えする奠茶(てんちゃ)・奠湯(てんとう)が行われることもあります。
その後は導師僧侶がたいまつを持ち、故人に贈る法語である下炬文(あこもん)を唱え、極楽へ行けるように引導を渡します。
⑥弔辞拝受~出棺
弔事や弔電の読み上げられ、最後にもう一度読経が行われます。
読経後、導師僧侶が退場してから遺族や参列者によって故人が出棺され火葬式が営まれます。
葬儀のマナー
葬儀には宗派ごとに決められたマナーがあります。
マナーを知らず葬儀を迎えると周囲の方を不快にさせてしまったり、迷惑をかけてしまう可能性がありますので、しっかり学んでおきましょう。
焼香のマナー
天台宗の焼香は3回行うのが一般的ですが、明確な決まりはなく1回でもよいとする場合もあります。
基本的な焼香の手順は以下をご覧ください。
- 焼香台の前に出て合掌・一礼します
- 親指と人差し指、中指で線香を取ります
- 右手に左手を添えて額に押しいだきます
- この手順を3回繰り返し再度合掌します
線香を使用する場合、本数は1本、もしくは3本のケースもあります。
3本立てる際は、真ん中に1本立て、残りの2本はその後ろに立てましょう。
香典のマナー
天台宗の香典の表書きは一般的には御霊前を使いますが御香典、御香料でもかまいません。
ですが、四十九日法要からは御仏前と書くのがマナーとなるので注意が必要です。
香典の相場は、故人との関係性や年齢によって異なり、一律の相場はありませんので注意が必要です。
数珠のマナー
天台宗の数珠は通常の丸い玉を連ねた数珠は使わず、楕円形の平たい数珠を使います。
数珠は108個の主玉と4つの天玉、1つの親玉で構成されており、親玉から出た房が伸びて弟子玉に連なっています。
親指と人差し指にひっかけるようにして持ち、弟子玉の部分を下に垂らして礼拝するのが基本作法です。
天台宗の仏壇の飾り方
仏壇には本尊を祀り、位牌を飾る家庭の中の小さな寺院の役割があります。
葬儀のマナーと同様、仏壇の飾り方も宗派によって異なりますので、ここでは天台宗の仏壇の飾り方について解説していきます。
ご本尊・脇侍の飾り方
先述したように、天台宗は総合仏教としていくつかの教えを含んでいます。
そのため、祀られる本尊は釈迦如来のほか、阿弥陀如来、薬師如来、観世音菩薩、不動明王、毘沙門天など、寺院の信仰によって異なります。
仏壇最上段の中央に本尊、脇侍は向かって右に天台大師、左に伝教大師を飾ります。
場合によって脇侍が飾られないこともあります。
本尊や脇侍についてわからない場合は、菩提寺に聞くと良いでしょう。
仏具の飾り方
天台宗の仏具の飾り方は、他の宗派の一般的なものと変わりません。
飾り方については以下をご覧ください。
- 最上段:中央に本尊・右に天台大師・左に伝教大師を祀ります
- 上から2段目:中央に湯茶器と仏器を置き、その横に位牌を飾ります
- 上から3段目の中央には高杯、左に花立、右には過去帳と見台を飾ります
- 最下段には香炉や火立て、線香差し、おりんを置きます
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天台宗と最澄のエピソード
最澄はどのようにして天台宗を始めるに至ったのでしょうか。
ここでは、そのきっかけと布教活動について紹介します。
開教のきっかけ
もともと現在の滋賀県の出身であった最澄は、12、13歳の時に近江国分寺に出家し、その後19歳の時に東大寺で正式な僧となります。
比叡山に籠り修行を続けていたところ、桓武天皇に仕える内供奉(ないぐふ)に選ばれ、その後に遣唐使として中国に派遣されます。
中国で天台教学や密教、禅の教えを学んだ後に帰国すると、桓武天皇の勅命を受けます。
そこで密教を広め、中国で学んだ天台教学を基とした天台宗の開宗が認められます。
布教活動
最澄は天台宗を広めようと中部地方や関東地方、九州地方にまで活動範囲を広げました。
最澄がまだ無名であった時代に助力した、円仁や円澄らの寺院を訪れた後に戒律を与え、各地に六所宝塔(ろくしょほうとう)と呼ばれる塔の建立を計画します。
六所宝塔とは、全国六箇所に法華一千部を安置するための宝塔です。
各地で法華経を写経し、天台宗を布教しようと計画した六所宝塔が全て完成したのは最澄の没後となります。
スポンサーリンク天台宗のまとめ
ここまで天台宗について解説してきました。
この記事をおさらいすると以下の通りです。
- 天台宗は最澄が開いた仏教の母山といわれる総合仏教
- 天台宗の経典は法華経
- 葬儀では自身の行いを懺悔し極楽へいけるよう供養する
- 仏壇の中央に本尊・右に天台大師・左に伝教大師を飾る
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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