お葬式
死装束に浴衣を着る理由は?左前に着る白い浴衣の由来を調査
更新日:2022.11.19 公開日:2022.01.10
大切な家族や友人がこの世に別れを告げ、旅立つときの最後の衣装として着せるのが死装束(しにしょうぞく)です。
死装束として代表的なのが白い浴衣です。
そこでこの記事では、故人へ白い浴衣を着せる際のマナーや理由などを中心に解説します。
死装束は絶対に着るものかどうかにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
みんなが選んだお葬式の電話相談
みんなが選んだお葬式では葬儀社、葬儀場選びのご相談に対応しております 他にも、葬儀を行う上での費用、お布施にかかる費用など葬儀にかかわること全般に対応しております。 なにかご不明な点がございましたら以下のボタンから遠慮なくお申し付けください。24時間365日無料相談
0120-33-3737
電話をかける
手配いたします
ご危篤・ご逝去で
お急ぎの方はこちら
厳選して無料でご案内いたします
都道府県一覧から葬儀場を探す
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
死装束とは
そもそも、死装束とはどのようなものなのでしょうか。
死装束とは、読んで字のごとく「死者が着る衣装」のことで、この世とお別れするときに身にまとう、この世で着る最後の衣装です。
仏式の死装束は経文や明号がかかれた真っ白の浴衣が一般的で、「経衣」(きょうえ)、または「白装束」(しろしょうぞく)などと呼ばれることもあります。
一般的な着物とは違い、裏地のない夏物の浴衣のような単衣(ひとえ)で作られた衣類です。
かえし縫いや玉止めをせずに、数人がかりで縫い合わせていく手法で古くから受け継がれています。
また死装束を着用するタイミングは、湯灌(ゆかん)や清拭(せいしき)で身を清めたあと、納棺をする前に故人に着せていきます。
ご遺体は時間の経過とともに硬くなっていきますので、最近では葬儀社の方にお任せする場合も増えてきています。
スポンサーリンク死装束を着る理由
死装束はなぜ着せるのでしょうか。
由来や理由について解説していきます。
元は経帷子と呼ばれる白色の着物が由来
仏式の葬儀では、経帷子(きょうかたびら)といわれる白い浴衣を故人に着せて送り出します。
経帷子は経文が書かれており、白麻やさらし素材で仕立てられています。
もともと経帷子は死者へ着せるための衣装ではなく、煩悩を捨てけがれのない心を保つ仏教の修行僧や巡礼者のための衣服でした。
その仏教の教えがもととなり「死後はこの世のけがれや欲を捨て、清白なる心で仏のいる浄土へ旅立ってほしい」という願いから白い死装束を着せるようになったと言われています。
かえし縫いや糸止めをしていない死装束は、「この世からあの世へ、迷うことなく真っすぐにたどりついて欲しい」という祈りも込められています。
浴衣を左前に着る理由
一般的な浴衣や着物の襟は右前にします。
右前とは左側の布は外側にくるように合わせ、相手から見てちょうどアルファベットのyの形になるように合わせるイメージです。
反対に浴衣の襟を左前にして着るのが、前述したように亡くなった時に着せる死装束の浴衣ということになります。
これは、この世とあの世は逆さまであるため、死装束の浴衣も逆に着せるという仏教の慣習からきています。
また、浄土と現世を区別するためとも言われています。
今は浴衣だけでなく様々な死装束がある
仏教国の日本では、白一色の経帷子を故人に着せるのが一般的でしたが、時代の流れとともに型式にとらわれない死装束も見られるようになりました。
- 新しい寝間着
- 生前から愛用していた着物や洋服
- 仕事や趣味で着用していた恰好
- エンディングドレス
伝統的なしきたりにこだわらず、故人や遺族の気持ちを尊重した死装束というのも間違いではなく、選択肢の一つとして取り入れることも増えつつあります。
また、近年ではエンディングドレスと言われる、最期を華やかに着飾る衣装もあります。
これは通常の着物や洋装とは違い、着せやすさやデザインにもこだわり仕立てられた衣装です。
好みのものを選んで、生前から準備する方も増えているようです。
みんなが選んだお葬式の電話相談
みんなが選んだお葬式では葬儀社、葬儀場選びのご相談に対応しております 他にも、葬儀を行う上での費用、お布施にかかる費用など葬儀にかかわること全般に対応しております。 なにかご不明な点がございましたら以下のボタンから遠慮なくお申し付けください。24時間365日無料相談
0120-33-3737
電話をかける
手配いたします
ご危篤・ご逝去で
お急ぎの方はこちら
厳選して無料でご案内いたします
浴衣以外に身に着けるもの
死装束は着物だけでなく、いくつかの装飾品も身に着けます。
人はこの世を去ったあと、浄土への旅に出ます。
旅の途中で故人が困ることがないようにという想いから、死装束と以下の装飾品を合わせるのが一般的です。
三角頭巾
頭につける三角巾の白い布のことです。
閻魔大王のもとへ行くときに失礼のないようにと「正装」の意味があります。
また浄土への旅の途中には、多くの悪霊も存在しています。
その悪霊から身を守るためのものであるとも言われています。
手甲 (てっこう)
上腕から手首や手の甲を覆う布製の装身具です。
怪我をしないための防具とされ、手首だけの短いものもあります。
数珠
極楽浄土へたどり着くため、現世での欲や煩悩を祓いきよめなければなりません。
旅の途中で手をあわせ、清らかな心で浄土へ向かって欲しいという想いからきています。
脚絆 (きゃはん)
足のすねに巻いて保護します。
旅の途中で転んで怪我をしないようにするためです。
白足袋
靴下の役目があり、色は白であることが決まりです。
これは潔白を意味する白色を身に着け、浄土への旅で失礼のないよいうにとの意味があります。
わらじ
靴の代わりになるものです。
道中で滑りやすいところも多いとされ、転ばずに安全に進めるようにするため身に着けます。
足を守るための脚絆・白足袋・わらじは、長い旅路を歩くためには必要不可欠なものです。
頭陀袋 (ずだぶくろ)
六文銭を入れるための首からかける袋です。
六文銭を支払うと三途の川を渡るための船に乗ることができ、安全に三途の川を渡れるようにとの願いが込められています。
杖
旅の途中、石や岩などで転ばぬように支えとなるもので、安全に進むために棺に入れておきます。
笠
藁で編んだ円錐形の帽子です。
長い旅路で雨風や日差しから守るための道具で、故人にはかぶせず頭部に添えるかたちで棺へ一緒に入れます。
スポンサーリンク死装束は絶対に着るもの?
死装束について説明してきましたが、宗教によっては死に対する考え方も違うようです。
死装束を着ないこともあるので説明していきます。
浄土真宗は死装束を着ない
浄土真宗は「死後の旅に出なくても、阿弥陀如来のお力ですぐに成仏できる」とされています。
そのため旅支度は不要と考え、白い死装束ではなく故人が気に入っていた着物や洋服を着せて見送ります。
宗教別の違い
宗教によっても考え方が異なります。
神道やキリスト教における死装束を説明します。
神道
亡くなった人は、家族を見守る祖先神(そせんしん)になると言われています。
そのため葬儀は、故人を神様にさせるための儀であると考え、死装束は「神衣」と言われる白の狩衣(かりぎぬ)を身にまといます。
頭部には烏帽子(えぼし)、手には笏(しゃく)を持ち、また女性は扇を身に着け、守護神に相応しい装いで見送ります。
キリスト教
仏教や神道のように死装束に決まりはありません。
周りを白い花で囲んだ遺体に白や黒のガウン・布などで覆うことが多いですが、近年では前述したエンディングドレスを着せるご家庭も増えています。
みんなが選んだお葬式の電話相談
みんなが選んだお葬式では葬儀社、葬儀場選びのご相談に対応しております 他にも、葬儀を行う上での費用、お布施にかかる費用など葬儀にかかわること全般に対応しております。 なにかご不明な点がございましたら以下のボタンから遠慮なくお申し付けください。24時間365日無料相談
0120-33-3737
電話をかける
手配いたします
ご危篤・ご逝去で
お急ぎの方はこちら
厳選して無料でご案内いたします
死装束の浴衣まとめ
ここまで死装束の浴衣についての情報や、副葬品などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 死装束とはこの世で着る最後の衣装である
- 死装束の浴衣の襟は左前であわせる
- もとは修行僧や巡礼者のための衣服であった
- 宗教によっては死装束を着ないこともある
これらの情報が皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク都道府県一覧から葬儀場を探す
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
お葬式の関連記事
お葬式
更新日:2023.06.06
真言の意味や効果とは?覚えておきたい真言についても紹介
お葬式
更新日:2023.06.06
色即是空とはどんな意味?空即是色との違いとは?
お葬式
更新日:2022.11.19
海外にも死装束はある?宗教ごとの違いや近年の死装束についても紹介
お葬式
更新日:2022.11.18
時宗とは?浄土教から枝分かれした一派の成り立ちや特徴を解説
お葬式
更新日:2022.11.18
般若心経とは?「空」の思想と読まれるタイミングを紹介
お葬式
更新日:2022.11.18
南無阿弥陀仏とは?意味・読まれるタイミング・役割などを紹介します。