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法事法要

過去帳の基本的な書き方とは?必要なものや書く内容について紹介

更新日:2022.11.18 公開日:2022.02.04

位牌

指さす女性

記事のポイントを先取り!

  • 過去帳とは先祖の情報を記す帳面
  • 過去帳への記入は黒墨が一般的
  • 亡くなった日や年齢、戒名、俗名などを記入
  • 過去帳は誰が書いても問題ない

仏壇に祀られる仏具に位牌(いはい)などがありますが、過去帳はご存じでしょうか?

過去帳という名称を知っていても、どのようなものかを理解している方はあまり多くないかもしれません。

そこでこの記事では、過去帳の書き方について詳しく説明していきます。

この機会に過去帳についての知識を深めておきましょう。

必要な道具や書く内容にも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 過去帳とは
  2. 用意するもの
  3. 過去帳の書き方
  4. 過去帳は誰が書くの?
  5. 過去帳の書き間違いをしたら
  6. 過去帳の置き方
  7. 過去帳の処分はどうすれば良い?
  8. 先進的な過去帳の書き方
  9. 過去帳の書き方まとめ
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過去帳とは

過去帳は仏具の一種で、先祖の情報を記した帳面のことです。

位牌を用いない浄土真宗では、位牌の代わりに仏壇に祀られることもあります。

ここでは、「過去帳の目的」と「浄土真宗における過去帳」に分けて詳しく解説します。

過去帳の目的

過去帳は、戸籍のような役割を果たしていたと考えられます

今では役所において戸籍管理がなされていますが、過去帳の風習は続いています。

現代で過去帳が用いられる目的としては、次の3つが挙げられます。

覚書として使用するため

法要や命日の際に供養する人の載っているページを開き、手を合わせます。

数が増えた位牌をまとめるため

数が増えた位牌を一つにまとめるために使われます。

過去帳には、先祖の位牌に書かれた記録をたくさん残せます。

増えた位牌をまとめられるので、仏壇のスペースに悩むことはなくなるでしょう。

また、仏壇を買い替える必要もなくなります。

位牌の記録をまとめるタイミングは、三十三回忌五十回忌などの法要の際というのが一般的です。

家系図として使用するため

過去帳をたどっていくと、会ったこともない先祖のことを知ることができます。

そのため、家系図として使用されることもあります。

浄土真宗における過去帳

前述でも少し触れましたが、浄土真宗では位牌を使用しません

多くの宗派でなぜ位牌が用いられるかというと、戒名を授かり仏の弟子となった故人が成仏できるように祈りを捧げる対象とするためです。

浄土真宗では、亡くなると同時に成仏すると考えます。

そのため、魂が宿っている位牌を祀る必要がないとされているのです

しかし、位牌のように故人と繋がる何かをそばに置いておきたいという考えもあり、過去帳を仏壇に置く方もいます。

浄土真宗では、他の宗派における戒名のことを法名(ほうみょう)といいます。

過去帳にはこの法名が記されます。

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用意するもの

過去帳を購入したいと思っても、実際にどのようなものがあるのか分からない方も多いでしょう。

そこでここでは、過去帳の種類と必要な筆記用具の種類について説明していきます。

過去帳の種類

過去帳には様々な種類があり、仏壇店などで取り扱っています。

最近ではインターネット通販でも販売されているので、簡単に手に入るようになりました。

形としては代表的なタイプが2種類あり、一つは折本もう一つは和本(冊子型)です。

折本は、記帳する面が蛇腹(じゃばら)に折りたたまれています。

和本(冊子型)とは、和紙を用いて作られた本のことです。

表面の材質にも様々あります。

紫檀(したん)や黒檀(こくたん)などの銘木が使われたもの、本漆塗りや蒔絵が施されたものなど、美しい品が多く選ぶ楽しみがあります。

過去帳の値段は、安いものでは千円台から高級素材のものは2万円以上します。

自宅の仏壇に見合うデザインやサイズを考慮し、良質なものを選ぶようにしましょう。

また後述にもありますが、過去帳を購入する際には見台(けんだい)も合わせて購入することで、大きさが合わないなどの失敗がなくなります。

筆記用具の種類

過去帳に文字を書く際の道具は、墨と筆が一般的です。

墨で記載されたものは年月が経過しても消えにくく残りやすいので、子孫に引き継がれていく過去帳にはピッタリな道具といえます。

ただし墨でなければならないという決まりはありません。

ボールペン・万年筆・鉛筆などで書いても問題ありませんし、パソコンを使用する方法もあります。

後述で詳しくご説明しますが、過去帳に記入するのは誰でも良いのです。

仏具店の中には、無料で文字入れするサービスを行っているところもあります。

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過去帳の書き方

ここでは、過去帳の書き方についてご説明していきます。

「書く内容」「レイアウト」に分けて以下にまとめたので参考にしてください。

書く内容

過去帳の表紙に自身の家の名字を書く

名字が佐藤さんだとすると、「佐藤家過去帳」「佐藤家先祖代々之霊位」となります。

名字なしの「過去帳」だけの記載でもかまいません。

故人の亡くなった年月日

過去帳には日付が印刷されたタイプ、日付なしのタイプがあります。

日付が印刷されたタイプには、故人の亡くなった日にちのページに書き、日付なしのタイプには、最初のページから順番に書きます。

戒名と俗名

過去帳に書く戒名は、2文字の短いものが一般的です。

場合によっては長い戒名(戒名に院号・釈号・居号などが含まれたもの)が書かれることもあります。

故人が息を引き取った際の年齢

行年〇〇歳、享年〇〇才など表記の仕方がご住職により変わることがあります。

行年なのか享年なのか、また、歳か才か、形式を統一するのが良いでしょう。

続柄

作成者側から見た続柄を書きましょう。

例えば、「〇〇の祖父」「〇〇の母」のように書きます。

現時点では当たり前に分かっている続柄も、代が変わることで分からなくなる恐れがあるためです。

その他の事項

故人の功績や特記する事があれば記載します。

レイアウト

過去帳のレイアウトですが、1行目に故人が亡くなった日、2行目に戒名(法名)、3行目に俗名、故人が息を引き取った際の年齢、続柄などを記載するのが一般的です。

過去帳を開いたときに片側3行に1人の情報を記載するレイアウトが最も受け入れられています。

また、このレイアウトだと後で書き足すのも簡単です。

過去帳に記載するルールは、菩提寺、住んでいる地域、自身の一族の慣習などから違いが出てきます。

過去帳を新たに購入し記載する際には、菩提寺のご住職や親戚などに相談するのが良いでしょう。

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過去帳は誰が書くの?

前述でも少し触れましたが、過去帳を書く人に決まりはありません

誰でも書くことができます。

もちろん、菩提寺のご住職にお願いすることも可能です。

過去帳への記載事項は、普段使わない事柄ばかりなので、ご住職に依頼するのが安心かもしれません。

戒名(または法名)を付けていただいた際や、四十九日法要の時に過去帳への記載を同時に頼むなら、法要のお布施の中に記入分のお礼を含めるのが一般的です。

このケースの相場は3〜5万円と見ておくと良いでしょう。

過去帳への記載のみを法要とは別でお願いするなら、別途お布施が必要になります。

お布施の金額はご住職に直接相談しても失礼ではありませんが、答えてもらえない場合もあるようです。

一般的な相場は5000〜1万円だといわれています。

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過去帳の書き間違いをしたら

過去帳は誰が書いても良いということで、自分自身で書こうと思い立った方もいるかもしれません。

そこで心配なことのひとつに、記入ミスがあるのではないでしょうか?

過去帳で記入ミスをした場合は、間違った箇所の上に紙を貼って隠してもかまいません。

新しい過去帳を買いなおしても良いのですが、出費がかさんでしまいます。

わざわざ追加で買う必要はありません。

しかし、見栄えはどうしても悪くなってしまうことを承知しておいてください。

記入ミスを防ぐためには鉛筆で薄く下書きし、その上から墨で書くのが良いでしょう。

墨が乾いてから、紙を破らないように軽い力で優しく下書きを消します。

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過去帳の置き方

前述でも少し触れましたが、過去帳は一般的に見台の上にのせて仏壇の前に飾ります。

ちなみに見台とは、書物をのせて読みやすくするための台のことです。

見台のサイズは過去帳の大きさに見合ったものを選びたいので、過去帳と同時に購入するのがおすすめです。

見台には過去帳のページを開いて置いておける押さえが付いているため、丁度よい角度に設置できます。

また過去帳のお手入れは特に必要なく、直射日光を避けて置いておくことで長持ちします。

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過去帳の処分はどうすれば良い?

では、過去帳が不要になった場合、どのように処分すれば良いのでしょうか。

近年、仏壇の面倒を見られなくなったと、仏壇の整理・供養処分をする方も増えてきました。

仏像や位牌などと同じように過去帳も処分して良いのか、または持ち続けなければならないのか迷うことがあるようです。

基本的に過去帳は、供養(読経供養)してからお焚き上げという焼却処分をします。

先祖の名前が書かれたものなので、供養してから処分するほうが気持ちの整理ができるのではないでしょうか。

ただ、過去帳はただの記録帳と考え、処分の際に供養する必要はないと考える方もいます。

お焚き上げをしてしまうと、過去帳の内容はすべて消えてしまいます。

処分する前にコピーなどで情報を保存しておくことも良いでしょう。

また、仏具として処分するのではなく、家系図として子孫に残しておくこともおすすめです。

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先進的な過去帳の書き方

最近では、手書きよりも進歩的な過去帳の書き方が受け入れられています。

エクセル形式の過去帳のサンプルファイルを提供しているサイトがあるので、検討してみてください。

サンプルファイルをダウンロードすることで、自由に加筆したりレイアウトしたりできます。

簡単に自分好みの過去帳を作ることが可能です。

また、クリアブック式の過去帳も販売されています。

専用サイトからフォーマットをダウンロードし、故人の戒名・俗名・亡くなった年月日・亡くなった年齢を入力します。

一日ごとに紙をクリアブックから抜いて、プリンターで印刷していきます。

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過去帳の書き方まとめ

ここまで過去帳の基本的な書き方や、必要な道具、記載内容などを中心に書いてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 過去帳は仏具の一種で、先祖の情報を記した帳面のこと
  • 過去帳への記入は黒墨が一般的だが、ボールペンや万年筆でも問題ない
  • 記載内容は、没年月日、戒名、俗名、亡くなった年齢、続柄など
  • 過去帳は誰が書いても問題ない

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(はかまだ)

袴田 勝則(はかまだ かつのり)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。

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