法事法要
後飾り祭壇の飾り方は?必要なものや祭壇の置き方なども紹介
更新日:2022.02.22
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後飾り祭壇について
後飾り祭壇とは、葬儀後から四十九日の法要後まで使用される祭壇のことです。
あまり知られていない祭壇であるため、飾り方や必要なものについて知らない方も多いようです。
そこで、この記事では後飾り祭壇について中心に説明していきます。
この機会に、後飾り祭壇の正しい置き方も知っておきましょう。
後飾り祭壇の片づけ方についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
後飾り祭壇とは
後飾り祭壇とは、遺骨を自宅に持ち帰った際に家で安置するために使用する祭壇のことです。
呼び方はさまざまで、「自宅飾り」や「後檀(あとだん)」「中陰檀(ちゅういんだん)」と呼ばれることがあります。
設置期間は、基本的に葬儀が終わった日から埋葬の日までの場合や忌明けまでとされています。
そして、故人の遺骨を安置する場であると同時に、弔問客が訪問した際にお参りする場所としての役割も担っています。
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後飾り祭壇に必要なもの
後飾り祭壇は宗派によって用意すべきものが異なります。
ここでは、仏式の場合で用意すべきものを説明します。
必要なもの
後飾りに使われる仏具は、仏壇で使われている仏具と同じです。
すでに所持している場合は、わざわざ新しく用意する必要はありません。
- 2段もしくは3段の白木素材の棚(※白い布を被せれば、白木素材以外の棚でも問題ありません。)
- 遺骨
- 遺影
- 仮位牌(白木位牌)( ※浄土真宗の場合、不要です。)
- 香炉
- 線香立て
- 線香
- ロウソク立て
- 白ロウソク
- 花瓶
- 生花
- 鈴(リン)
- 鈴棒
- 茶器
- 仏飯器
- 焼香台
用意するには
後飾り祭壇は、葬儀社が用意してくれることがほとんどです。
自分で購入し、準備しても問題はありませんが、葬儀プランに、後飾り祭壇の設置まで入っている場合もあります。
二重で準備してしまうことのないよう、事前に葬儀社に確認しましょう。
後飾り祭壇の飾り方
後飾り祭壇は、2段もしくは3段となります。
段ごとに飾るものが決まっているので、間違えないようにしましょう。
それぞれの飾り方について説明します。
三段の場合
三段の場合、上段には遺影・遺骨、中段には仮位牌、下段には線香台・香炉・燭台・お供えなどを飾ります。
二段の場合
二段の場合、上段には遺影・仮位牌・遺骨、下段には線香台・香炉・燭台・お供えなどを飾ります。
スペースが足りず、仏具やお供えを飾り切れない場合は手前に机を用意して飾ります。
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宗教ごとの後飾り祭壇
仏教以外の神道やキリスト教でも後飾り祭壇を設置します。
同じ後飾り祭壇でも、宗教によって内容や飾り方が異なります。
ここでは、宗教ごとの後飾り祭壇を紹介していきます。
神道の場合
神式では、基本的には白木で作られた八足の祭壇(片足に4本ずつ脚をつけた台)を使いますが、段々になっている祭壇を使う場合もあります。
また、八足を使用する際は、仮霊舎(かりみたまや)の檀を設置する必要があります。
神式では火葬が済み,遺骨が自宅に戻った際、神様に無事に葬儀を執り行えたことを報告します。
そのための儀式を「帰家祭(きかさい)」といいます。
神式の場合、仏式の仏壇と同様の役割を果たすものがあります。
呼び方は様々で「御霊屋(みたまや)」もしくは「祖霊舎(それいしゃ)」になります。
御霊屋をお持ちの場合、寝具や小物は後飾りに使用できるので比較的準備は簡単です。
お持ちでない場合に揃えるべき神具や小物、そして飾り方までを説明していきます。
まず、揃えるべき神具や小物は以下の通りです。
- 八足案という白木の台
- 榊立(さかきたて)
- 榊(さかき)
- 火立
- 三宝
- 徳利
- 小皿
- 水玉
- 霊璽(れいじ):仏教でいう位牌に近い神具で、亡くなった方の御霊の宿る依り代のことです
- 玉串(たまぐし)
飾り方は、上段に遺影写真、骨箱、中段に霊璽、榊、下段に火立、三方を飾ります。
三方には、お神酒を入れた徳利や、水を入れた水玉、塩・洗米をのせた小皿、玉串などを設置します。
また、お供え物は基本的には水と酒、塩、洗米のみですが、特に決まりはありません。
一緒に故人が好きだった食べ物をお供えしても問題ありません。
キリスト教の場合
キリスト教では葬儀後に供養する文化がありません。
しかし、日本においては仏教の影響から葬儀後の供養も行うようになったといわれています。(諸説あり)
また、後飾り祭壇に関して、明確な決まりはありません。
今回は、基本的な形を紹介していきます。
まず、後飾り祭壇に揃えるべき神具や小物は以下の通りです。
- 白い布をかけた小型のテーブル
- 十字架
- 遺骨
- 遺影
- 写真立て (※遺影を飾る際に使います)
- 花瓶
- 生花
- ロウソク立て
- ロウソク
- 聖書
- 皿 ※パンをのせるために使います
- パン
次に飾り方ですが、上段に十字架、中段に遺骨、遺影。下段に花立て、ロウソク立て、聖書、パンを上にのせた皿を設置します。
仏教や神道と比較するとシンプルな後飾り祭壇になります。
また、お供えに関しても、明確な決まりはないので故人の好物を供えるとよいでしょう。
後飾り祭壇の置き方
後飾り祭壇を置く際にポイントとなる点は仏壇との位置関係と方角です。
避けるべき場所も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
置く方角
置く方角は北側もしくは西側にしましょう
ただし、西側に窓がある場合は直射日光が当たってしまいます。
仏具やお供えの状態が悪くなる原因になりかねませんので、避けて設置しましょう。
置く場所
仏壇がある場合は、仏壇の前もしくは傍に設置することが望ましいです。
また、弔問客がお参りしやすい場所を選ぶと、弔問客が訪問された際にスムーズに案内できます。
ただし、近くに高温多湿になりやすいキッチンや風呂場があると遺骨がカビてしまう原因になります。
なるべく、直射日光の当たらない風通しのいい部屋にしましょう。
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後飾り祭壇は自作もできる
後飾り祭壇は自分で作れます。
自作することで、経済面や自宅の設置スペースに合わせて用意できるメリットがあります。
簡単に自作する方法を紹介します。
自宅に棚やテーブルがある場合は、2段もしくは3段になるように並べます。
その上から白い布をかけることで簡易的な祭壇の完成です。
白い布を被せてしまうので、棚や机の色や模様が異なっていても問題ありません。
自宅にあるもので代用できるので、簡単に準備できます。
また、白い布は手芸用品店で手に入れることができます。
または、防炎加工を施したものなどもネットで販売されているので簡単に手に入ります。
もしも、棚やテーブルがない場合は段ボールで祭壇を作りましょう。
まず、2段か3段の階段状になるようにサイズの異なる段ボールを組み立てます。
段ボールの中に新聞紙を丸めたものを詰めておくと、仏具やお供えの重みで段ボールが潰れることを防ぐことができます。
階段状に組み立てたあと、ガムテープでまとめ、白い布をかければ完成です。
段ボールに文字や絵が記載されている場合は、紙を貼って隠すことで文字や絵が透けて見えてしまうことはないでしょう。
また、ネット通販では後飾り祭壇用の段ボールの販売もあります。
段ボールを組み立てるだけの手軽なセットです。
もともと白い段ボールで作られているため白い布は必要ないものやアルミ箔張りのものなど種類も豊富です。
値段も5,000円程度で、安価に購入できます。
また段ボールなので、お住まいの自治体のルールに従い処分するだけで片付けも簡単です。
後飾り祭壇の片付け方
後飾り祭壇は納骨や埋葬、散骨が終わるまで遺骨を安置するための祭壇なので、役目を終えたら片づけます。
祭壇を片付ける際には、お清めなどの必要はありませんのでお住まいの自治体のルールに従って一般ごみとして処分しましょう。
葬儀社からのレンタル品である場合も同様、お清めの必要はないので、そのまま返却しましょう。
しかし、故人のための祭壇を一般ごみとして処分することに引け目を感じる場合は、葬儀社に引き取ってもらうことができるか相談してみましょう。
引き取ることができなくても、的確なアドバイスを頂けるかもしれません。
また、祭壇は、そのあとの法事にも利用することができます。
そのため、自宅に十分な保管スペースがある場合は処分せず保管してもよいでしょう。
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白木位牌の扱い
後飾り祭壇に飾る位牌を「白木位牌」といいます。
これは本位牌ができあがるまで使う一時的な仮の位牌のことです。
本位牌と区別するために「仮位牌」と呼ばれることもあります。
白木位牌は、本位牌と同様に故人の魂が入ると考えられています。
そのため、四十九日法要の前に、白木位牌から本位牌に魂を入れる必要があります。
これを「位牌開眼(いはいかいげん)」といいます。
そして、四十九日法要が終了後、菩提示の僧侶に白木位牌をお焚き上げしてもらい、供養をしたあとに本位牌を仏壇に飾りましょう。
手元供養にするには
四十九日法要が終われば納骨をする方が多いかと思います。
しかし、近年ではお墓に納骨しない手元供養という供養方法が注目されています。
そもそも手元供養とは何なのか、もしする場合には何が必要なのか見ていきましょう。
手元供養とは
遺骨はお墓に納骨するものと思う方も多いでしょう。
しかし、信仰心の深さやライフスタイルの変化など、故人と離れがたいといった気持ちからお墓を持たず手元で遺骨を保管することを手元供養といいます。
手元供養といってもその形はさまざまです。
遺骨を骨壷に入れ自宅に保管する方や、遺骨を専用のアクセサリーの中で保管する方もいらっしゃいます。
昔は、お墓に納骨することが当たり前であったため「お墓に納骨しなければ成仏できない」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、これは俗説でしかなく、仏教の教えから「納骨しなければ成仏できない」ということはありませんのでご安心ください。
手元供養のやり方
手元供養するために使われる手元供養品は以下の通りです。
- ミニ骨壷
手のひらサイズの骨壷で、遺灰や遺骨の一部を納めて保管します。
位牌や遺影と一緒に飾ることで仏壇代わりにもなるでしょう。
また、デザインがとても豊富なので一見すると骨壷とは分からないものもあります。
自宅のインテリアに馴染むものを選ぶこともできます。 - アクセサリー
遺骨や位牌の一部を専用のペンダントトップに収納することで、肌身離さず遺骨を保管できます。
防水タイプやチェーン部分が長く設計され着脱が簡単なものまであるので、日常生活で負担なく装着出来ます。 - エターナルプレート
故人の遺骨成分を約70%含む美しいファインセラミックスプレートに成型するものです。
シンプルでコンパクトな形状に生まれ変わるので、自宅のどこに飾っても違和感がありません。
故人の名前や出生〜死亡年月日、なかには写真まで刻印できるタイプもあります。
後飾り祭壇まとめ
ここまで、後飾り祭壇についての情報を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 後飾り祭壇は、基本的に葬儀社が用意してくれるが、自分で購入もして良い
- 後飾り祭壇に使われる仏具は、仏壇で使われている仏具と同じ
- 仏教の後飾り祭壇は、2段もしくは3段で段ごとに飾るものが決まっている
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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