法事法要
享年の数え方は?行年や没年との違いについても紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.22
故人の年齢を表すときに使われる「享年」という言葉をご存知でしょうか。
享年には数え方や書き方などに決まりがあるため、注意点を知ることは大切なことです。
そこでこの記事では、享年の数え方や行年・没年との違いについて詳しく説明していきます。
この機会に、故人の享年についての正しい知識を深めていきましょう。
浄土真宗における数え方や赤ちゃんの享年についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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享年とは
墓石や位牌などでよく目にする「享年」という言葉は、仏教用語の1つになります。
「享年」とは、文字通り天から享(う)けてこの世で生きてきた年数のことです。
つまり、故人が何年生きたかを表す言葉という意味合いがあります。
そもそもなぜ墓石に享年を刻むようになったのか、その理由から説明していきます。
古くから日本では、長寿はめでたいことであると考え、お祝いする風習がありました。
そのため、故人が生まれてから天寿を全うするまでの年数を墓石などに刻み、故人をたたえて供養するようになったといわれています。
享年の数え方・書き方
次に、享年の数え方や、墓石・位牌への記載方法について紹介していきます。
数え年と満年齢の違いについても、以下を参考にしてください。
計算方法
享年は、数え年で記載することが一般的です。
「享年◯」と記載されている場合は、◯年生きたということを意味します。
数え年とは、赤ちゃんが母親の胎内にいるときを0歳とし、生まれた時を1歳とする考え方です。
現代では一般的な満年齢と大きく異なるのが、誕生日に年を取るのではなく、1月1日に年を取ると考える点です。
つまり、正月を迎えれば、誕生日を過ぎていなくても年齢を重ねることになります。
日本では、長寿はめでたいことであるとされています。
そのため、実年齢に1歳足すことで、少しでも長命を叶えるために数え年を使用していたという説もあります。
一方、満年齢は比較的新しく取り入れられた年齢の数え方になります。
明治時代に、年齢は出生日から起算するという法律が作られました。
しかし、その当時も日本では長寿が尊ばれる風潮が強かったため、数え年で数えることが一般的でした。
その後、1950年に「年齢のとなえ方に関する法律」が施行されました。
この法律によって、国や地方公共団体などで年齢を記載するときには、満年齢が使われるようになったのです。
ただし、現在でも宗教によっては、数え年しか使わないこともあるそうです。
書き方
前述の通り、享年は数え年で表すのが一般的でした。
ただし、近年では満年齢で記載するケースが増加してきています。
このように変化した理由としては、上記でも説明した通り1950年に制定された法律の影響が大きいようです。
しかし、享年についてはどちらの記載方法でも問題ありません。
故人の年齢が伝わりやすい表現や、親族や宗派の意向に沿って選択することが大切になります。
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行年・没年との使い方
故人がこの世で生きた年数を表す言葉は、享年のほかにも「行年」や「没年」があります。
これらの違いや使い分けについて紹介していきますので、参考にしてください。
行年とは
行年も享年と同様に仏教用語であり、「ぎょうねん」または、「こうねん」と呼びます。
故人に関して使用するときには、主に「ぎょうねん」と読みます。
行年は、「娑婆(しゃば)」と呼ばれるこの世で行を積んだ年数のことを意味します。
この世で行を積んだ年数とは、故人がこの世に生存していた年数のことであるため、満年齢で表すことが多いとされています。
ただし、ほとんどの辞書では、享年と行年の意味合いは同様であるとされています。
宗派によっては、享年は使うが行年は使わない、というケースもあります。
また、数え年を使ったとしても、誕生日の前後で加える年数が増減するといった、それぞれのしきたりがあるようです。
そのため、宗派によっては実年齢とは差が生まれてしまうでしょう。
宗教上の考え方や地域による慣習、各家庭のしきたりなどを考慮して柔軟に考えることをおすすめします。
没年とは
「没年」とは、文字通り「故人が没した年」のことを意味します。
つまり、故人が亡くなった年のことです。
例えば、故人が2020年に亡くなった場合、「2020年没」といった表現方法になります。
また、享年にあわせて没年を使用することは間違いになります。
「2018年没」といった使い方はしますが、「2018年没 享年〇〇」といった書き方はしませんので注意してください。
もし使用するのであれば、没年か享年のいずれかを使用しましょう。
しかし、行年に関しては「満〇〇歳没」といった使い方をすることもあります。
そのため、没年を使う場合は享年は使用せずに、行年を入れることをおすすめします。
それぞれの使い分け
享年や行年は、故人がこの世で生きてきた年数を表しています。
どちらを使用するかには明確な決まりはありません。
迷った際には、寺院などに確認することをおすすめします。
享年と行年に対して、没年は故人が亡くなった年を表しています。
没年を故人の年齢として使用することもありますが、ごく稀になります。
また、「享年100(没年98歳)」のような表現を目にすることもあります。
この理由は、墓石や位牌に記載される「享年」や「行年」が、いずれも「数え年」で記載されているためです。
古くは数え年が一般的でしたが、現在は満年齢を主に使用しています。
そのため、分かりやすいように満年齢を没年で補足しているのです。
墓石などに使用する際には、享年・行年・没年、どれを使用しても間違いではありません。
一般的には享年を使用することが多いですが、画数が少なく読みやすいことや好みなどの理由から、行年を使われる方もいます。
ただし、注意点として、享年と行年を両方記載しないようにしましょう。
歳と才の使い方
享年は、「享年〇」のように年齢の数字のみ記載するケースと、「享年〇歳」や「享年〇才」のように、年齢を表す漢字をつけるケースがあります。
この場合、「歳」と「才」は使い分けなければいけないものなのでしょうか。
下記で詳しく説明していきます。
ひと昔前までは、享年のあとに「歳」や「才」を付けることは二重表現になるため、誤りであると考えられていました。
しかし、近年ではわかりやすさを重視し、享年の後に「歳」や「才」を付けることが増えてきています。
「歳」と「才」、それぞれの漢字の意味を以下にまとめますので、ぜひ参考にしてください。
- 「歳」:年や月日の意味を持ち、年齢を表すときにも使う文字
- 「才」:生まれ持った能力といった意味の文字
「才」は「歳」の当て字であり、本来は年月や年齢といった意味合いはありません。
そのため、年齢を記載する時に使う漢字としては、「歳」が正解になります。
しかし、墓石や位牌などに享年を記載する場合には、「歳」と「才」、どちらの字を使っても問題はないとされています。
一般的に、画数が少ない「才」を使用することが多いようですが、年齢の数字の後ろに何もつけない場合もあります。
この理由として、「才」は「歳」と比べて文字数が少なくシンプルな字であるため、彫刻しやすく欠けにくいというメリットがあるためとされています。
しかし、場合によっては、遺族の希望に沿って「歳」を使うこともあります。
どのような表記にするか、事前に周囲と相談しておくとよいでしょう。
また、先祖代々のお墓を持っている方は、すでに墓石や墓誌に享年の記載がされていることでしょう。
その場合、先代の表記に合わせた形で記載するようにしましょう。
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浄土真宗における数え方
それぞれの宗派によって、享年の書き方や数え方が異なることを説明してきました。
ここでは、浄土真宗における数え方を例とともに説明していきます。
浄土真宗では、享年の代わりに「寿算(じゅさん)」と刻むことがあります。
使い方は享年と同様になるため、「寿算〇歳」と記載します。
享年と同様に、数え方は数え年でも満年齢でもどちらでも間違いではありません。
迷った際には、寺院に確認することをおすすめします。
赤ちゃんが亡くなった場合は?
最後に、赤ちゃんが亡くなった場合の享年について紹介していきます。
親にとって、自分より早くに子どもを亡くすということは、非常に辛いことです。
しっかりと供養するためにも、ぜひ下記を参考にしていただけると幸いです。
産まれてくる前に亡くなられる子どものことを、「水子(みずこ)」と呼びます。
そして、大人と同様に水子を供養をすることを、「水子供養」といいます。
水子供養も、お寺にて供養を行ってもらい位牌を作ることが一般的です。
その際には、やはり大人と同様に、位牌や墓石に享年を記載します。
しかし、水子の場合、また生まれてすぐに亡くなってしまった赤ちゃんの場合にはどのように記載すればよいのか、迷われる方も多いかと思います。
結論から言いますと、水子や0歳から1歳までの赤ちゃんが亡くなった場合、位牌や墓石などには「享年当歳」と記載することが一般的です。
通常、「享年0歳」「享年1歳」とは記載することは少ないです。
しかし、遺族の希望によっては「享年〇か月」というように、亡くなった当時の赤ちゃんの月齢を記載する場合もあります。
そのため、どのように記載するかは、家族と相談することをおすすめします。
「享年当歳」の「当歳」の意味は、「生まれたその年」という意味になり、数え年で1歳であるということです。
そのため「享年当歳」とは、生まれたその年に亡くなった赤ちゃんの享年を意味しています。
なお、1歳から3歳の子どもが亡くなった場合、大人と同様に「享年〇歳」と記載することが一般的です。
この場合も、赤ちゃんの享年と同様に「享年〇歳〇か月」というように、亡くなった当時の子どもの年齢と月齢を合わせて記載することもあります。
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享年まとめ
ここまで、享年の意味合いや数え方、書き方の注意点などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 「享年」とは、天から享けてこの世で生きてきた年数のこと
- 「才」は文字数が少ないため、墓石などに彫刻しやすく欠けにくい
- 享年や行年のどちらを使ってもよいが、重複して記載しない
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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