お墓
沖縄のお墓は子宮の形?亀甲墓の歴史的背景や構造を解説
更新日:2024.02.03 公開日:2021.06.29

記事のポイントを先取り!
- 子宮の形をしたお墓は「亀甲墓」
- 亀甲墓の子宮の形は「胎内回帰」を表している
- 土地代は75万〜80万円、墓石代は300万〜500万円
- 沖縄には亀甲墓以外にも、特徴的なお墓がある
沖縄のお墓には、その他の都道府県にはない特徴がたくさんあります。
今回は、その中でも子宮の形をしたお墓について、以下の通り解説していきます。
- 子宮の形をしたお墓について
- お墓を子宮の形にする意味とは
- 亀甲墓の相場
- 沖縄のお墓の種類
沖縄のお墓の魅力を伝えていきますので、ぜひ最後までお読みください。

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正式名称は亀甲墓
沖縄で見かける、子宮の形をしたお墓は「亀甲墓(かめこうばか、きっこうばか)」といいます。
ここでは、亀甲墓の特徴について解説していきます。
亀の甲のような形
亀甲墓はその名の通り、お墓の屋根部分が亀の甲羅のような形をしています。
この形状は沖縄独自のもので、馴染みのない他都道府県の人が見ると、お墓だとは気づきにくいです。
亀甲墓の形状は女性の子宮の形から来ているとも言われています。
一般のお墓よりも広い
亀甲墓の特徴の1つに、お墓の大きさがあります。
これは、沖縄のお墓が風葬文化を取り入れていたことが一因です。
風葬についてイメージしにくい人のために、以下に手順をまとめます。
- 遺体を棺に入れ、年月をかけ風化させる
- 風化されたら、遺骨の洗浄(洗骨)を行う
- 洗骨後、遺骨を骨壷に納め再び安置される
これらの手順をお墓の中で行うため、沖縄のお墓は広くする必要があったのです。
また、琉球王国時代にはお墓の大きさの規制まであり、庶民は36坪まで、士族は144坪までとされていました。
住宅地に点在している
沖縄では、住宅地のすぐそばにお墓がたくさん見られます。
その理由は、沖縄では、霊園にお墓を建てるのではなく、個人で土地を買い、個人でお墓を建てる個人墓地が一般的だったためです。
土地さえあれば、家の近くや道路わきといったところにお墓を建てることもできます。
ただ、地域によっては墓地が定められているところもあります。
お墓を子宮の形にする意味とは?
なぜ沖縄のお墓は子宮のような独特な形をしているのでしょうか。
沖縄のお墓が子宮の形をしているのは、沖縄独自の考え方からです。
人は、母の胎内から誕生し、その一生を終えるとまた胎内へ戻る、という「胎内回帰」の考えが沖縄にはあります。
このような胎内回帰の思想から、沖縄のお墓は子宮の形をしているとされています。
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亀甲墓の構造

ここでは、亀甲墓の構造や、それぞれの部分が何に使われているかを解説します。
墓室
亀甲墓の内部は、広く、特徴的な作りです。
この特徴的な作りは子宮の象徴とされ、手前や奥で、名称や用途も異なります。
手前
亀甲墓は入ってすぐ、一番手前の部分をシルヒラシといいます。
シルヒラシの先には、棚・段があります。
シルヒラシは、棺を置くためのスペースです。
ここで風葬され、3年~7年かけ遺体が白骨化するのを待ちます。
白骨化されたら、骨壷に納め棚・段に置かれます。
奥
亀甲墓の奥は池と呼ばれるスペースになります。
シルヒラシで安置された遺骨は、33回忌を終えたら池に移されます。
これは、故人は33回忌を迎えることで完全に成仏した、とされているからです。
墓庭
沖縄のお墓の前には、墓庭と呼ばれる、文字通りお墓の庭があります。
これは、沖縄で4月に故人の供養を目的とした清明祭を行うためのスペースです。
清明祭は、お墓の掃除を行い、墓前にご馳走やお花をお供えする儀式となっています。
清明祭が終わると、そのまま墓庭で宴会が行われるため、沖縄のお墓は大きい必要があるのです。
亀甲墓の相場

亀甲墓の相場は、本土より高く設定されています。
亀甲墓の費用の内訳は、永代使用料と墓石代となっており、この点は本土と変わりません。
永代使用料は、およそ75万円~80万円です。
墓石代は本土より高く設定されており、およそ300万円~500万円となっています。
立地条件やデザインで費用は大きく異なります。
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亀甲墓の歴史的背景
亀甲墓は歴史のあるお墓です。
ここでは、亀甲墓の歴史的背景を紹介します。
明治時代
亀甲墓は、17世紀後半から建てられるようになり、18世紀になると亀甲墓が主流になってきました。
しかし、当時は王族と士族にしか建てることが許されていませんでした。
亀甲墓が一般的に普及されるようになったのは、明治時代、廃藩置県後からとなります。
廃藩置県後は、積極的に建造されたようです。
しかし、第二次世界大戦で多くの亀甲墓は破壊されてしまいました。
亀甲墓は防空壕として利用していたことや、姿形が大きかったため、アメリカ軍に軍事施設と認識されてしまったことにあります。
第二次世界大戦後
第二次世界大戦後、沖縄はアメリカに統治され、アメリカ軍監視のもと、土地の区画整理が行われました。
その際、亀甲墓の多くは撤去される運びとなりました。
現代
亀甲墓は沖縄の人々にはもちろん、県外から移住してきた人たちからも注目されています。
県外から移住してきた人たちからは、生前墓としても人気を集めています。
また、亀甲墓の大きさは縮小傾向にあるようですが、子宮の形を模しているなど根本的なところは変わりありません。
子宮の形ではない沖縄のお墓
沖縄の特徴的なお墓は、子宮の形をしたお墓以外もあり、やはり本土にはない特徴があります。
ここでは、子宮の形をしたお墓以外のお墓について紹介します。
破風墓
破風墓の特徴は、屋根が三角形をしていて、家のような姿をしています。
亀甲墓と同様、王族と士族のみが建てることを許されていましたが、廃藩置県後に庶民にも広がりました。
三角の特徴的な屋根は、雨季の雨風を防ぐためと言われています。
フィンチャー
フィンチャーは掘り込み墓とも呼ばれ、斜面等に横穴を掘って作られた簡易的なお墓です。
仮のお墓として利用されていましたが、現在はほとんど利用されていません。
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沖縄の子宮の形をしたお墓についてのまとめ

ここまで沖縄の子宮の形をしたお墓について紹介してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 子宮の形をしたお墓は「亀甲墓」という
- 亀甲墓が子宮の形をしているのは「胎内回帰」を表現しているから
- 土地代は75万〜80万円、墓石代は300万〜500万円
- 沖縄には破風墓やフィンチャーなど、亀甲墓以外にも特徴的なお墓がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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