お墓
墓誌の彫刻費用はどのくらい?いつまでに彫るべきなの?
更新日:2022.07.06 公開日:2022.07.22

記事のポイントを先取り!
- 墓誌にはご先祖様の戒名などを彫刻する
- 墓誌は家の家系図のような役割がある
- 墓誌の彫刻費用は3万~5万円程度
- 墓誌を建てるときは安価なもので5万~20万円ほどかかる
お盆やお彼岸にお墓参りへ行くと、多くの文字や数字が刻まれている墓誌を見かけることがあります。
実際に墓誌に文字を刻む場合に、どれくらいの費用がかかるかご存知でしょうか?
「見たことはあるけど墓誌についてあまり詳しくない」という方も少なくないと思います。
そこでこの記事では墓誌に文字を刻むときの彫刻費用について詳しく解説していきます。
この機会に、墓誌について覚えておきましょう。
また後半では墓誌を建てるまでの流れについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
お墓参りをしたときに、多くの文字が書かれた板石がお墓の横に建てられているのを見かけたことはありますでしょうか?
この板石状の石碑は「墓誌(ぼし)」と呼ばれ、ご先祖様の戒名などを刻んでいます。
まずは、墓誌について詳しく解説します。

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墓誌とは?
墓誌とは、お墓に納められているご先祖様の戒名などを記した板石のことです。
宗派や地域によっては「墓標(ぼひょう)」や「戒名板(かいみょうばん)」、「法名碑(ほうみょうひ)」とも呼ばれています。
墓誌にはご先祖様や故人の戒名、俗名(生前の名前)、没年月日や享年を刻むことが一般的です。
また故人が遺した言葉や詩、生前に行った事業・趣味などの略歴を刻むこともあります。
墓誌を建てる場所に決まりはありませんが、お墓の区画内で墓石の左右どちらかに建立します。
墓誌の役割
墓誌には「そのお墓には誰が眠っているのか」を記す役割があります。
しかしお墓を建立するときに、必ず墓誌が必要というわけではありません。
墓石にスペースがある限りは、直接墓石に故人の戒名を刻めるからです。
日本古来では1人に対して1つのお墓を建てるのが通例でした。
古いお墓には故人の名前や戒名を墓石の正面に彫り「個人墓」といわれ、現在もたまに見かけることがあるかもしれません。
明治時代に「家制度」が施行されてからは「1家族につき1つのお墓」というスタイルが定着しました。
墓石には本来8名〜12名分の名前を刻めるので、ご先祖様の名前を連ねて刻んでいるお墓が多くみられるようになりました。
しかし先祖代々続くお墓では、埋葬されている故人の名前が増えて彫刻するスペースが無くなることがあります。
また、隣のお墓と近すぎて彫刻しても見えづらいなどのさまざまな問題から、お墓の区画内に墓誌を建立するケースが増えるようになりました。
墓誌はご先祖様がどの時代に何歳まで生きていたのかを知るひとつの方法です。
ご先祖様の戒名などは菩提寺で「過去帳」に記載していますが、墓誌も同様に「家系図」が分かるというわけです。
墓誌を建てることにより、ご先祖様の歴史や生きた証、自分の家のルーツを知ることができます。
自分がこの世に誕生したのはご先祖様あってのことです。
この世で会うことはなかったご先祖様を知ることで時空を超えてつながり、また後世に自分の存在を伝える、大きな役割があります。
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墓誌の彫刻費用

実際に墓誌に名前を追加するときの彫刻費用はどれくらいかかるのでしょうか?
墓誌にはおもに以下の4つのことを刻みます。
- 戒名 (寺院から授かった名前です。浄土真宗では法名といいます)
- 没年月日 (命日)
- 行年 (数えの年齢)
- 故人の名前 (生前の故人の名前)
故人おひとりに対して、上記の4項目を亡くなった順に墓誌の右側から彫刻していくのが一般的です。
墓誌に新しく文字を刻む時も、追加で名前を彫刻する場合も、一人当たり3万〜5万円の彫刻費用がかかるといわれています。
さらにどこで彫ってもらうかによっても彫刻費用が異なります。
石材店に持ち込んで彫刻してもらう場合は墓誌の運搬費として約1万〜3万円程度かかります。
石材店や職人に墓誌があるところまで来て彫刻してもらう場合は、出張費が加算されることが考えられます。
しかし現場彫刻の方が費用を抑えられ、作業時間も短くなります。
これらのことを踏まえて、状況に合った方法で彫刻費用を事前に確認されることをおすすめいたします。
墓誌を建てる費用
では新しく墓誌を建てる場合は、どれくらいの費用が必要なのでしょうか?
墓誌を作る場合は、以下の費用がかかります。
- 石材費
- 彫刻費
- 工事費(据え付けなど)
- 僧侶へのお布施(納骨する場合)
石材費は使用する材質や大きさ、デザイン、彫る文字数によって価格が異なります。
墓誌に使う石材はさまざまで、特に制約や決まりはありませんが多く用いられる石材は、黒色やグレーの御影石です。
海外の安価な石材は5〜10万円程度でリーズナブルです。
おもに使用される国産の御影石は価格が高くなり30〜35万円程度、さらに高価な石材は100万円近くするものもあります。
彫刻費用は前述したように、故人おひとり当たり3〜5万円かかり、工事費は現地での作業にするか、石材店へ持ち込む工場彫刻かによって価格が変わります。
石材店の多い地域では価格競争が行われており、ほかよりも安く彫刻してくれる場合があります。
いくつかの石材店で見積もりをしてもらい、条件に見合った石材店を決めるのもひとつの方法です。
墓誌を単体で建てる場合は安価であっても5〜20万円前後の彫刻費用がかかることになります。
墓石本体とセットで購入した場合は、運搬費や工事費を併せられるため、墓誌単体の費用よりも安くなる傾向があります。
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墓誌の彫刻はいつまでにするべき?
墓誌の彫刻の時期に決まりはありませんが、一般的に四十九日法要の納骨のときに彫刻するのがタイミングとして推奨されます。
彫刻の文字入れの作業には時間がかかるため、葬儀や初七日などが終わればすぐにお墓を準備していきます。
通常の場合ですと2〜3週間、お盆などの繁忙時期は1ヵ月近く作業時間がかかることが考えられます。
納骨までに間に合うように、墓誌の彫刻は早めに日程を決めておくことが大切です。
遺族が深い悲しみで、気持ちの整理がつかないこともあります。
そのため一周忌や三回忌などの節目や、手元供養の後に夫婦がそろって納骨するときに墓誌に名前を刻むことも可能です。
近年では、生前のうちにあらかじめ墓誌や墓石に名前を刻む方も増えています。
生きている方の名前を彫る場合は「朱色」で刻まれますが、本人の希望に合う石材やデザインを選べるメリットがあります。
他の人はこちらも質問
では他に「墓誌や墓石について」寄せられている質問をみていきましょう。
墓石に名前を刻みたいが金額はいくら?
墓石の彫刻費用は、彫刻する文字の数や依頼する石材店によって異なります。
一般的には3〜5万円が相場といわれています。
墓石の一番上の細長い石のことを「竿石(さおいし)」といいます。
仏教の一般的な墓石の彫刻は以下のことを刻んでいきます。
【表面】⇒「〇〇家先祖代々之墓」や「〇〇家之墓」といった文字を彫刻します。
【裏面】⇒「お墓を建立した方の名前」と「建立年月日」を彫ります。
【側面】⇒「故人の戒名(法名)・没年月日・俗名・享年を刻みます。
浄土真宗では戒名のことを「法名」、また日蓮宗は「法号」といいます。
宗教や宗派によっては墓石の表面に「南無阿弥陀仏」などの題目や経文を彫る場合もあります。
また神道のお墓は表面に「〇〇家奥津城(おくつき)」と刻み、戒名ではなく故人の姓名に「称名(たたえな)」という霊号をつけて彫刻します。
【称名】
- 老年男性⇒老叟(ろうそう)
- 老年女性⇒大刀自(おおとじ)など
(例)田中一郎老叟、など
お墓の戒名彫りいくら?
墓石の戒名の彫刻費用は故人おひとりに対して3〜5万円が相場です。
ただし、どこで彫るのか、また石材店によって価格が異なり墓地や霊園によっては石材店を指定している場合があります。
戒名を彫る作業には「現場彫刻」と石材店に持ち込む「工場彫刻」があります。
現場彫刻の場合は、専門業者や職人がお墓のある場所まで来てもらい作業します。
作業日数が比較的短いため「現場彫刻」が多く利用されます。
現場彫刻の場合、現場にきてもらうため彫刻費用のほかに「出張費」が加算されることも念頭におきましょう。
工場彫刻の場合は、墓石を石材店まで運び彫刻してもらいます。
出来上がるまでに2週間前後かかり、さらに墓石を運ぶ運搬費のほかに「魂抜き」の供養を僧侶にしてもらう必要があります。
通常、墓石を移動させる場合は、一度「魂抜き」をしてから行います。
魂は墓石に宿り、そこに手を加えることは失礼にあたると考えられているためです。
作業が終われば今度は「魂入れ」の供養をします。
供養してもらうときは彫刻費用のほかに僧侶への「お布施」も用意します。
墓石一文字いくら?
新しくお墓を建立するときは墓石価格に「彫刻費用」が含まれていることが一般的です。
また墓石の竿石に戒名などの文字を入れる金額は「文字数」ではなく「1名につき〇〇円」といった人数単位の価格設定であることが大半です。
そのほか墓石の正面に模様を彫る場合は追加費用がかかり、10万円前後が相場となります。
墓誌はいくら?
墓誌を建てる場合は石材費・彫刻費・工事費などを含めて5〜20万円程度が相場といわれています。
ただし石材によって価格が大きく変わります。
海外輸入の手頃な石材にするのか、耐久性にすぐれた高価な石材にするか、デザインによっても変わります。
墓誌や墓石は一生に一度の買い物と言っても過言ではありませんので、後悔のないようにしっかり検討されるのが良いでしょう。
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墓誌を建てるまでの流れ

石材店へ問い合わせ
墓誌を建てることが決まったら石材店に相談します。
「なぜ墓誌が必要なのか」を併せて伝えた方が今後の行程もスムーズです。
墓地や霊園によって石材店を指定している場合がありますので、その確認も一緒に行いましょう。
現地調査と見積もり
指定石材店がない場合は数か所の石材店で見積もりをとってもらい、指定がある場合はその業者を紹介してもらいます。
すでにお墓があるときは、その場所を石材店に伝え現地を調査してもらいます。
- お墓の区画の広さに合わせて、墓誌の最適なサイズの確認
- 既存の墓石と、これから作る墓石の石材を合わせる確認
事前にお墓の正面からの写真などがあれば、石材店側もお墓の特定がしやすくなります。
石材を決め戒名彫刻
石材店が決まったら、故人の情報を石材店に伝えます。
墓誌には「戒名・俗名・没年月日・年齢(数えの年齢)」を彫刻してもらいます。
このときに気を付けたいのが、彫刻を依頼する業者への文字の伝え方です。
故人の戒名や命日などは口頭ではなく、書面できちんとお伝えすることが大切です。
また位牌の表と裏を撮影したものを渡すのが良いでしょう。
このような対応により、彫り間違いなどのトラブルを回避できます。
精魂抜きのお経をあげてもらう
墓誌自体に魂は宿らないとされていますがすでにお墓がある場合は、工事する前に僧侶に精魂抜き(魂抜き)をしてもらいます。
石材加工と現地での工事
石材店では石材の加工をはじめ、戒名の彫刻作業に入ります。
また現地の準備がととのい次第、据え付け工事をします。
これまでは石材を工場に運んで彫刻することも多く見られましたが、昨今では目まぐるしい技術の進化により機械が持ち運びしやすくなりました。
そのため現在は現場での彫刻作業が主流になってきており、1名分の文字彫刻は2時間ほどの短時間で完了します。
精魂入れのお経をあげてもらう
納骨法要では僧侶に読経してもらいます。
竿石の魂抜きをしている場合はこのときに「魂入れ」も併せてしてもらえます。
墓誌の彫刻費用についてのまとめ

ここまで墓誌の彫刻費用についてを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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