法事法要
葬儀での焼香のやり方は?宗派ごとの作法の違いや順番を解説
更新日:2022.11.18 公開日:2021.06.25
葬儀に参列して焼香を経験したことがあるという方は多いと思います。
ただ、焼香の意味合いや由来についてはご存じでしょうか。
そこでこの記事では、葬儀の焼香について詳しく説明していきます。
この機会に葬儀の焼香の作法や順番について覚えておきましょう。
家族葬の場合、焼香はどうするのかについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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焼香とは
焼香とは、お葬式や法事の際、抹香と呼ばれる香木を砕いた細かい木片や線香を使用して、仏様や故人様を弔い、拝むという行為を指します。
この行為には、自分自身や故人様のお清めの意味合いがあるといわれています。
また、焼香における芳香には、その香りを立たせることで、香りが空間に漂い、心身の清めとなるとともに、仏様の慈悲の心を表しているともされています。
仏教と「香り」は密に関係しているのです。
スポンサーリンク焼香の作法
葬儀における焼香の正式な作法についてここでは紹介したいと思います。
あらかじめ知識を身につけることで当日のトラブルを避けましょう。
ここで最も大切なのは、いずれの作法においても、心を込めて故人のご冥福を祈る気持ちを示すということです。
ここでは4つの作法を紹介したいと思います。
立礼焼香(抹香)
座例抹香を用いた作法です。
- 前の順番の人が着席したとき、立ち上がり、焼香台の前に向かいます。
- 遺族・僧侶への一礼の後、一歩進み、遺影に向かって一礼します。
- 抹香を右手の親指、人差し指、中指でつまみます。この際、数珠は左手にかけます。
- 額の前に抹香を捧げます。(押しいただくと呼びます)
- 抹香を香炉に落とします。(くべると呼びます)
- 数珠を両手にかけ、合掌・一礼を行います。
- 一歩下がり遺族に一礼し、着席します。
座礼焼香
椅子が置いてない会場で、主に畳式など和室の式場で行われる作法です。
基本的な焼香のやり方は立礼焼香と同じですが、その移動方法は異なります。
移動する際は腰を落とし、遺族席のもとへむかいます。
また遺族席に近い場合、膝行(しっこう)・膝退(しったい)という膝をつけた状態での移動になります。
焼香は、正座で行います。
回し焼香
家などの式場が狭く、参列者が移動しにくい場面で用いられます。
この場合は、会葬者様側がお盆などに香炉と抹香を乗せ、その場で焼香します。
現在は自宅での葬儀なども増えているため、こちらも念頭に入れておきましょう。
線香焼香
お墓参りなどで使われる線香による焼香です。
基本的には、抹香が使われていますが、線香を供えることを言います。
まずは僧侶と遺族に向けて一礼した後、遺影に一礼をします。
線香を右手に持ち、火をつけます。
線香に火がついたら、左手で仰ぐ、もしくは線香を軽く振って火を消します。
この時、火を息で吹き消すことはマナー違反となりますので注意してください。
香炉に線香を立て、最後に手を合わせます。
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【宗派別】焼香作法の違い
宗派ごとに異なる焼香の作法を説明していきます。
そちらについても、焼香の回数(くべる回数)や押しいただく(抹香をつまみ額の前に捧げる行為)動作の有無などの観点から解説したいと思います。
浄土真宗本願寺派
押しいただくことはしません。1回くべます。
浄土真宗
押しいただくことはしません。2回くべます。
浄土宗
押しいただきます。くべる回数は定められていませんが、押しいただく際に左手を添えます。
真言宗
押しいただき、3回くべます。また、押しいただく際に左手を添えます。
日蓮宗
押しいただき、1回または3回くべます。宗内宗派によって違いがあります。
天台宗
押しいただきます。くべるのは3回が主流ですが、特に取り決めはなく1~3回くべます。
臨済宗
押しいただかずに、1回くべます。押しいただく際に左手を添えます。
曹洞宗
1回目は押しいただきます。2回目は、押しいただかずにくべます。
これらは代表的な宗派を取りまとめたものです。
参列前に一度確認して正しい方法で気持ちを込めて供養できるとよいですね。
また、参列者が多い場合には、スムーズな式の進行を実現するために司会者などから「お焼香は心を込めておひとり様一回のみでお願いします。」などとアナウンスがある場合もあります。
このように場面に準じた臨機応変な対応も求められます。
葬儀での正しい焼香の順番
葬儀における焼香の持つ意味合いや作法について述べてきましたが、ここからは焼香を行う順番について説明します。
一般的な順番
基本的には故人の血縁関係にあたる人から順に焼香を行います。
その後、故人との関係が深い順に焼香を行います。
一般的な順番は以下のようになります。
- 喪主
- 遺族・親族
- 会社など所属グループ同僚
- 友人等
- 一般参列者
座る位置も血縁関係にあたる方々は最前列から座り、真ん中の通路を挟み右側に座るのが定説です。
左側には一般的には血縁関係のない方が座ります。
親族間の順序について
下記に示すのは、親族間の順序の一般的な考え方です。
- 喪主
- 故人の両親
- 故人の配偶者
- 喪主の配偶者、子供
- 喪主の兄弟姉妹
順序に関しては考慮する様々な要素があります。
故人との関係の深さを重視するのか、血縁関係を最優先するのか、家族単位でのまとまりで行うのか、または昔ながらの風習に基づき男性優先の順序を取り入れるのか。
これらは、喪主や遺族での話し合い、皆が納得する形で行うとよいでしょう。
また、一部の人のみが焼香を行うケースもあるのでそちらも紹介します。
代表焼香
一般的に親族・遺族は全員が焼香を行いますが、大規模な会社などに勤めていた場合など、一つのグループから多くの参列者が見えている際に代表して一人が焼香を行います。
この場合は、親族焼香が終わったあとに代表者のみが前に出ます。
来賓焼香(指名焼香)
市議会議員や国会議員、また町内会会長やその他団体の代表を葬儀の来賓として指名して行うものです。
流れとしては代表焼香と同じく、親族の焼香が終わった後に焼香を行うことになります。
これらは喪主や遺族が指名する人や順番を指定することができます。
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家族葬の場合には焼香できるのか
故人の葬儀が家族葬で行われるため、葬儀に参列しない場合でも焼香することはできるのでしょうか。
遺族に確認を取るのが最低限のマナーですが、以下から家族葬での焼香のタイミングを紹介します。
通夜が始まる前
通夜が始まる10~30分前に会場に向かい、遺族の了解を得てから焼香を行うことができます。
遺族は葬儀の準備などで忙しいことが予想されるので、手短に済ませましょう。
通夜が終わってから
通夜が始まる前に会場に間に合わない場合は、通夜が終わったタイミングで焼香を行いましょう。
以上のどちらの場合でも事前に遺族に確認を取ることを忘れないようにしましょう。
葬儀での焼香まとめ
ここまで葬儀における焼香についてお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 焼香には作法があるので適切な順序で行う
- 宗派ごとに押しいただく回数やくべる回数が異なる
- 葬儀での焼香の順番は故人との関係性が深い順番
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。