法事法要
新盆は普通のお盆とどう違う?新盆法要の準備やマナーについて解説!
更新日:2022.07.21 公開日:2021.11.14

記事のポイントを先取り!
- 新盆は四十九日後に初めて迎えるお盆のこと
- お盆の期間は7月もしくは8月の13~16日
- 新盆では迎え火・法要・送り火を行う
お盆と聞くと、お墓参りなどご先祖様への供養や盆踊りなどのイメージがありますよね。
一方で新盆や初盆といった言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。確かに新盆や初盆も時期としては、普通のお盆と変わりはありません。
ただ新盆と普通のお盆の違いは気になりますよね。今回は新盆と普通のお盆との違いや、新盆に向けて必要な準備、マナーを中心に解説していきます。
特に次のお盆で新盆を迎えるという方は、ぜひ最後までご覧ください。
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- お盆と新盆(初盆)の違い
- 新盆のための準備
- その他新盆のための準備
- 新盆の流れ
- 新盆法要に参加する際の服装やマナー
- 新盆(お盆)用品の保管・処分方法
- 新盆(初盆)地域による風習の違い
- 浄土真宗では新盆法要を行わない?
- お盆と新盆の違いまとめ
お盆と新盆(初盆)の違い
新盆(初盆)という言葉を聞くと、お盆との違いが気になるでしょう。
新盆とは、故人の四十九日が終わってから最初に迎えるお盆のことです。なお東日本では「新盆」と呼ぶのに対し、西日本では「初盆」と呼びます。
通常お盆は、7月または8月の13日から16日にかけての期間です。もし12日までに四十九日を迎えれば、同じ年のお盆が新盆ということになります。
一方、8月13日以降に四十九日を迎える場合は、翌年のお盆が新盆です。普通のお盆と異なる点として、故人のために大々的な法要を行う点が挙げられます。
四十九日が終わってから最初に催す法要であるため、盛大に行われるのが一般的です。またお盆の期間中に飾る提灯も、新盆の場合は真っ白のものを用意します。
これは故人の霊が初めてあの世から里帰りするためです。途中で道に迷わないように、普段よりもわかりやすい目印として用意する意味があります。
新盆のための準備
新盆を迎える場合、大々的な法要を行うため、綿密な準備が欠かせません。ただ新盆の法要に向けて準備しようにも、何をすれば良いのか迷うでしょう。
順を追って、新盆に向けた準備について解説していきます。
1.法要の日程を決める
新盆の法要を行う際、最初に重要なのが日程を決めることです。
ご遺族やご親族に相談して、特に多く人が集まりそうな日に法要の予定を組みます。合わせて、法要の会場や参列していただきたい方も決めていきましょう。
会場については、菩提寺がある場合は菩提寺の本堂で、ない場合は斎場を手配します。お盆の時期で予約が埋まりやすいため、早めに確保すると良いでしょう。
2.参列者への連絡
法要の日程や会場、参列していただきたい方が決まったら、参列者に連絡します。
遅くとも当日の1ヶ月前までには、案内状を作成・送付するようにするべきです。案内状には、法要の日時・会場や会食の有無について記します。
また参列者の出欠確認を行う必要もあるため、出欠欄付きの往復はがきで発送しましょう。
3.僧侶の手配
法要の日程がある程度固まった段階で、僧侶の手配もします。
お盆の時期はお寺側も非常に忙しいため、なるべく早く菩提寺に知らせることが大切です。もし僧侶と予定が合わない場合は、菩提寺に相談して代わりの僧侶を紹介してもらいます。
菩提寺がない場合は、葬儀の際にお世話になった僧侶などに依頼すると良いでしょう。
4.会食の手配
新盆法要では、儀式が終わった後に故人をしのぶための会食を行うのも一般的です。
会食は料理店などで行われるため、人数が固まった段階で早めに手配する必要があります。手配する際は日時や人数に加え、新盆法要に伴う会食である旨も伝えるべきです。
伝え忘れると、おめでたい食材を使った料理が出されてトラブルになることもあります。なお自宅を会場にする場合は、手料理かお弁当を手配するのがおすすめでしょう。
5.参列者への返礼品の準備
当日は香典や御提灯代をいただいた方へのお返しも必要になります。
余裕をもって、当日の2週間前までには注文しておくと良いでしょう。お返しの品物の金額は、いただいたものの半額か3分の1程度が相場です。
また品物についても、消えものと呼ばれるお菓子や消耗品を選ぶべきとされています。「不幸が残らないように」と願う意味があるためです。
加えてお返しの品には、黒白結び切りの水引が付いているのし紙を使います。
6.仏壇の準備
新盆法要の際は、仏壇の準備も欠かせません。
故人の仏壇をきれいに掃除した上で、位牌・お花・仏具・精霊棚なども用意します。中でも精霊棚については、お供えするものが多いため、後ほど詳しく見ていきましょう。
7.お布施を準備する
最後に当日に読経していただく僧侶へのお布施も準備します。
新盆法要の場合、お布施の相場は3万~5万円程度が一般的です。新札を準備して、白無地の封筒に包んでお渡しします。
なお僧侶が遠方から参加する場合は御車代を、会食に参加しない場合は御膳料も必要です。両方の相場は、各5,000~1万円程度となっています。
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その他新盆のための準備
新盆に向けて準備する際、法要以外にもお供え物などを準備するのが習わしです。以下のようなものを用意していきます。
精霊棚
まず新盆の期間中に故人が留まるとされる精霊棚が必要です。精霊棚は、経机にまこもを敷いた上に設置します。
もし経机がない場合は、手ごろな大きさの机でも問題ありません。
精霊棚を設置した後は、以下のようなものを飾り付けたりお供えしたりします。
- 笹竹・しめ縄・ほおづき:精霊棚を囲う結界
- そうめん:しめ縄に吊るすもので、精霊馬の手綱とされる
- 昆布:家の繁栄を願ってしめ縄に吊るす
- 故人の位牌:真ん中にお供えする
- 香炉・線香・鈴
- 精霊馬・精霊牛:故人の霊があの世とこの世の往復に使う乗り物
- 水の子:蓮の葉に賽の目状のきゅうりとなす、洗った米を乗せたもの
- 閼伽水(あかみず):故人ののどの渇きを癒す意味がある
- 生花:故人が好んだものや季節のものなど
- 旬の野菜や果物
盆提灯
また精霊棚の両脇には盆提灯を設置します。盆提灯は、故人があの世から戻ってくる際に迷わないための道しるべです。
特に新盆の場合は、初めて戻ってくる故人がわかりやすいように白提灯を用意します。
精霊馬・精霊牛
故人の乗り物である精霊馬・精霊牛も、新盆を含めたお盆で欠かせません。
精霊馬はきゅうりを、精霊牛はなすを使って作ります。精霊馬には、故人が早くあの世から戻って来られるように願う意味があるものです。
一方精霊牛は、故人があの世へゆっくり戻ってほしい意味があります。
お供え物
精霊棚にはお供え物も重要です。基本的には「五供(ごく)」と呼ばれる、仏教で基本的なお供え物を用意します。具体的には以下のようなものです。
- 香:お線香の香り
- 花:ご先祖様や故人にお供えするお花
- 灯燭(とうしょく):ろうそくの明かりで照らすこと
- 浄水:清らかなお水
- 飲食(おんじき):ご先祖様や故人がいただく食べ物
お団子
ほかにもお団子も用意します。具体的には、迎え団子・お供え団子・送り団子の3種類を用意するのが一般的です。
迎え団子は、お盆初日に故人をお迎えするために用意します。あの世からの旅路の疲れを癒してもらうため、あんこやタレが付いているのが特徴です。
お供え団子は、14日・15日に故人にお供えします。白いシンプルなものになっており、ピラミッド状に並べてお供えするのが一般的です。
送り団子は、お盆最終日の16日にあの世に帰っていく故人のお土産として用意します。あの世で好きなようにいただいてもらうため、白くシンプルになっているのが特徴です。
新盆の流れ

新盆の準備をする際、期間中の流れを知っていると色々と役立つでしょう。4日間に及ぶ新盆の流れは、以下の通りです。
迎え火
1日目は、迎え火と呼ばれる故人の霊をお迎えする日になっています。
午前中までに仏壇の掃除や精霊棚の設置を済ませておくと良いでしょう。午後には家族全員でお墓参りをし、お墓の掃除も行います。
夕方になって日没を迎えたら、盆提灯に火を灯し家まで持ち帰りましょう。なお近くにお墓がない場合は、家の前で迎え火を焚きます。
法要
2日目・3日目は、故人のために法要を行うのが一般的です。
故人のご親族や知人・友人を招き、僧侶に読経してもらいます。またお墓が近い場合は、お墓参りも全員で行うと良いでしょう。
法要後は会食を催し、故人をしのぶひと時を持ちます。なお精霊棚へのお供えも欠かさないようにするべきです。故人がずっと留まっているため、新鮮なお供え物を用意するようにします。
送り火
4日目は故人がお帰りになるため、送り火を行うのが一般的です。
午前中とお昼は今まで通り、精霊棚にお供えをします。夕方になったらご自宅の前で送り火です。
故人をお見送りするために焚きます。なお白提灯を一緒に燃やす場合も多いです。
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新盆法要に参加する際の服装やマナー
新盆法要に参列する際、服装などのマナーについてご紹介します。
持ち物
まず持ち物については、以下のものが欠かせません。
- 不祝儀(香典)
- 盆提灯または盆提灯のためのお金(ご親族のみ)
- お供え物:故人が好んだお花や果物・お菓子、お線香など
- 数珠
- ハンカチ:白か黒のもの
- 予備のストッキング(女性のみ)
服装
また新盆に参列する際は、適切な服装を着用します。男性・女性別に見ていくと、以下の通りです。
男性の場合
男性の場合は、基本的に喪服を着用します。黒色の上下スーツと白無地のワイシャツが、基本的なスタイルです。
加えて靴や靴下、ネクタイも黒無地のもので統一します。
女性の場合
女性についても、喪服が基本です。黒色のスーツやワンピース、アンサンブルなどで参列します。
スカートの丈は、膝がかぶる程度の長さにするべきです。靴やストッキングは黒無地のものを選びます。
アクセサリーについては結婚指輪のほか、ネックレスも真珠やオニキスであれば可能です。
新盆(お盆)用品の保管・処分方法
この章では、新盆(お盆)用品の保管方法と処分方法についてそれぞれ解説します。
新盆(お盆)用品の保管方法
お盆用品には翌年以降も使うものと、1回だけで処分しなけらばならないものがあります。
新盆でしか使用しない「白提灯」も処分の対象になりますが、ここでは他のお盆用品の保管方法を紹介します。
- 盆提灯は埃(ほこり)を払ってから、組み立て前の形に戻して防虫剤と箱に入れる
- 盆棚や花瓶などの仏具用品は汚れを落としてから、購入時の箱に入れる
- 精霊馬や精霊牛は縮緬(ちりめん)製などのレプリカは箱に入れて保管する
- 真菰のござも少々の汚れや湿気ならば、拭き清めて乾燥させて防カビ剤と保管する
これらは一般的に周知されている保管方法で、地域によっては異なる場合もあります。
新盆(お盆)用品の処分方法
新盆用品の白提灯は菩提寺に納めるか、送り火の際に一緒に燃やすのが一般的です。
どちらの選択肢も選べない場合は、お塩で清め供養してから白い紙などに包んで、地域の処分ルールに従い処分しましょう。
その他のお盆用品も基本的に送り火で一緒に燃やすか、お塩で清めてから自治体の処分の決まりに従って処分します。
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新盆(初盆)地域による風習の違い
この章では、新盆(初盆)の地域による風習の違いについて解説します。
現在、新盆の地域は東京を含む一部の地域です。
新盆の地域では7月15日を中心に花火大会や縁日、七夕祭りとお盆の行事を一緒に行う地域もあります。
新盆の地域を除いた他の地域は旧盆の8月15日を中心に盆踊りや、縁日が開かれます。
全国的に有名な伝統行事である京都の大文字焼も8月16日に行われお盆の精霊を送ります。
長崎地方は8月15日に「精霊流し」という精霊を極楽浄土へ送り出す伝統行事があります。
沖縄・奄美地方は、旧暦の7月13日から7月15日がお盆の期間ですが、旧暦を基準に行うため、新暦と誤差が生じて毎年日にちが変わります。
2022年は8月10日~8月12日となり、1日目がご先祖様を迎える「ウンケー」2日目を「ナカビ」3日目に「ウークィ」を行います。
さとうきびを飾り、「ウンケージューシー」という沖縄の炊き込みご飯をお供えする独特の風習です。
地域によって風習に違いがあるので、地域の行事に詳しい方に教わると良いでしょう。
スポンサーリンク浄土真宗では新盆法要を行わない?
浄土真宗では、多くの仏教宗派と異なり新盆法要は行いません。
また精霊棚や送り火・迎え火も行わないのが一般的です。亡くなった方が極楽浄土で生まれ変わる考え方に立っていることが理由になっています。
故人がわざわざ極楽浄土からこの世に帰ってくるとは考えない立場です。代わりに「歓喜会(かんぎえ)」と呼ばれる行事を催します。
僧侶の法話を通じて仏様の教えに触れ、阿弥陀如来に感謝するためのひと時です。
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お盆と新盆の違いまとめ

ここまでお盆と新盆の違いに関する情報や、新盆の内容などを中心にお伝えしてきました。今回の内容をまとめますと、以下の通りです。
- 新盆とは、故人の四十九日が終わってから最初に迎えるお盆のこと
- お盆は、7月または8月の13日から16日にかけての期間
- 新盆では迎え火、法要、送り火を行う
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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