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お葬式

日蓮宗とは?経典・葬儀・仏壇の飾り方を徹底解説

更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.29

宗教

お墓の前で手を合わせる高齢の女性の手元

記事のポイントを先取り!

  • 日蓮宗は、鎌倉時代に日蓮聖人によって開かれた
  • 日蓮宗では、法華経を経典としている
  • 日蓮宗の葬儀では「南無妙法蓮華経」を何度も唱える

日蓮宗は、鎌倉時代に日蓮聖人によって開かれた宗派で、今も仏教宗派の一つとして大切にされています。

しかし、その経典や葬儀の内容・仏壇の飾り方を知らずに戸惑ってしまう方もいるようです。

そこでこの記事では、日蓮宗について詳しく説明していきます。

日蓮宗についての知識を広げておくことで、いざというときに困らないように備えておきましょう。

日蓮宗と日蓮正宗の違いにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 日蓮宗とは
  2. 日蓮宗の経典
  3. 日蓮宗の葬儀
  4. 日蓮宗の仏壇の飾り方
  5. 日蓮宗と日蓮正宗の違い
  6. 日蓮宗のまとめ
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日蓮宗とは

開いた本の上に置かれた虫眼鏡

日蓮宗は、鎌倉時代に日蓮聖人によって開かれた宗派です。

日蓮聖人は、南無妙法蓮華経を鎌倉時代の大地震や噴火などの災害で苦しめられていた人に広めました。

ここでは、歴史とその教えについて解説していきます。

日蓮宗の歴史

日蓮宗の歴史は、鎌倉時代にさかのぼります。

平安時代中期から鎌倉時代初期の頃は、大地震や噴火などの災害が各地でたくさん起こっていました。

さらに貴族社会から武家社会へと移り変わっていく中で、戦乱が繰り返されます。

社会的混乱や不安が広がって、飢饉や疫病で苦しむ人が数多くいました。

そんな中、仏さまの教えにより人々を救おうとさまざまな宗派が現れます。

その中の一つに日蓮宗がありました。

日蓮宗の教え

日蓮宗の教えの特徴は、ひとえに法華経をよりどころとしているところです。

法華経はお釈迦さまの心そのものを表したものであり、南無妙法蓮華経のお題目にその功徳があるとされています。

また他の経典では、女性や武士など一部の人々は、成仏できないと説かれていましたが、法華経では、全員成仏できるとされていることも特徴的だといえるでしょう。

そのため、日蓮宗では南無妙法蓮華経をお唱えすることが大前提とされており、最も重要な修行となっています。

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日蓮宗の経典

頭の中にクエスチョンマークがある顔のシルエット

日蓮宗の経典は、法華経です。

経典はお釈迦さまが説かれたものだとされていますが、法華経は晩年の頃に説かれた経典で、28章から成り立っています。

ここでは、その法華経の解釈とよく唱える言葉について紹介していきます。

法華経の解釈

法華経は、正式には妙法蓮華経と呼ばれ、「誰もが仏になれる」と解釈されていることが大きな特徴です。

それは、人だけにとどまらず動植物や大地など全ての生きものを含んでいます。

だからこそ、一人一人を敬い大切にしていこうと説かれています。

日蓮聖人は、飢えや争乱で苦しむ人々を救うために法華経を独自の解釈を持って説法していきました。

よく唱える言葉

法華経によく出てくる言葉はたくさんありますが、あえて一つあげるとすると「受記(じゅき)」があります。

受記とは、成仏を約束されるということです。

ストーリー調の内容であることが多い法華経の中に、何度も成仏を約束された人が出てきます。

この言葉を聴いたり、自分の声に出したりすることで、成仏を願う気持ちを込めることができるでしょう。

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日蓮宗の葬儀

クエスチョンマークが書かれた積み木が3つ積まれている

日蓮宗の葬儀は、「法華経の信仰心が厚ければ、必ず霊山浄土でお釈迦さまに会うことができる」という教えをよりどころにして、執り行われる場合が多いです。

これは檀家以外の人も例外ではなく、日蓮宗で定められた作法に則って行うことで、故人の成仏に積極的に関わることができると考えられています。

ここでは、日蓮宗の葬儀における特徴と流れについて解説していきます。

葬儀の特徴

日蓮宗における葬儀の特徴は、法要中に必ずお題目「南無妙法蓮華経」を唱えることです。

これは、数あるお経の中でも優れている法華経のお題目を唱えることが、成仏につながると考えられているからです。

葬儀の流れ

次に葬儀の流れについて解説していきます。

①道場偈(どうじょうげ)

仏さまや諸尊をお迎えして、帰命礼拝することを述べる曲

②三宝礼

仏宝僧の三宝を敬い礼拝します。

本来は、起居礼(きこらい)という礼拝と共に唱えるようにします。

③勧請

仏さまや諸尊の来迎を願うことをいいます。

勧請の文例は、その法要の種類で異なってきます。

④開経偈(かいきょうげ)・読経・咒讃鐃鈸(しゅさんにゅうはち)

開経偈は、読経のために心を整える経文を読み、読経は文字通りお経を読んでいきます。

多くの場合は、木鈔(もくしょう)木魚(もくぎょ)などの鳴らせ物を使用することが多いです。

⑤開棺

開棺とは、導師の引導の前に、開棺の文を唱えることをいいます。

⑥引導

引導は仏さまと故人とをつなぐ儀式のことです。

今日の葬儀の場では亡くなった方に対して、迷いの世界から悟りの世界に入る心構えを伝えるという意味合いで用いられています。

⑦焼香・祖訓・唱題

引導が終わると、祖訓もしくは唱題を行います。

祖訓とは、日蓮聖人が信者に宛てられた手紙の一節であるご遺文です。

また唱題とは、「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えることです。

焼香は、お題目中に案内があるので、それに従って題目中に行います。

⑧宝塔偈・回向

お題目の後の宝塔偈はお経であると同時に、仏さまを褒めたたえる意味合いもあります。

また回向とは、葬儀を営み、その功徳を故人の霊にめぐらし、冥福を祈るという時に行うものです。

⑨四誓・三帰・奉送

四誓(しせい)とは、仏さまや菩薩さまにお誓いする言葉です。

宗派によって言葉に少しの違いがありますが、意味としては共通しています。

また、四誓後にはお題目を3回唱える決まりがあります。

三帰(さんき)とは、最初に行った三宝礼に対するもので、三宝に帰依して仏道に精進するという意味のある声明のことです。

日蓮宗の声明には比較的、だれでも唱えられるような旋律である律曲(りつきょく)という特徴があります。

奉送(ぶそう)とは、来迎していただいた仏さまや菩薩さまをお送りする曲になっています。

⑩閉式

閉式を司会の方から案内がありますので、こちらで終了になります。

葬儀のマナー

ここまで、日蓮宗の葬儀の流れを解説してきましたが、焼香、香典、数珠マナーについてもお伝えしていきます。

焼香のマナー

まず、焼香のマナーは1回のみ焼香するということです。

日蓮宗では、導師のみ焼香を3回行うようになっているので、その他の方は1回のみ行うようにしましょう。

お香を右手の人差し指と親指で一つまみし、額の高さまでおしいただき、香炉にくべるようにするとよいです。

香典のマナー

香典のマナーとしては、葬儀の場合、表書きには「御霊前」「御香典」と書くようにします。

「御仏前」は、四十九日忌が過ぎ、故人が仏さまになったとされてから使うようになりますので、注意しましょう。

迷ったときには、「御香典」というものにしておけば間違いありません。

数珠のマナー

数珠に関しては、自分の宗派のものや普段持っているものでも問題ないですが、日蓮宗独自の数珠があります。

独自の数珠とは、「菊房と呼ばれる房2本がひとつ、3本がひとつ、ついた形のもの」です。

また切房や頭付房などは、本来、僧侶が正装したときのみ手に持つものですので、一般の参列者が持つのには好ましくありません。

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日蓮宗の仏壇の飾り方

頭にクエスチョンマークを浮かべているスーツの男性の後ろ姿

次に、日蓮宗の仏壇の飾り方について解説していきます。

日蓮宗の場合には、ご本尊・脇侍や仏具の飾り方に特徴があります。

ご本尊・脇侍の飾り方

日蓮宗のご本尊は、大曼荼羅という掛け軸状のものです。

丁寧に飾る場合には、ご本尊の前に日蓮聖人の御像を置くようにします。

その両脇に、法華経の守護神である大黒天と鬼子母神を飾るようにしましょう。

置く場所は、私たちが仏壇を見る向きにおいて、右が鬼子母神、左が大黒天を配置します。

仏具の飾り方

日蓮宗の仏壇の飾り方は、下記の通り。

  • ご飯の供え方

    ご飯は仏飯(ぶっぱん)といって、仏壇の右側に置きます。

  • お水の供え方

    お水は、お仏壇の左側にお供えします。
    基本的に、新鮮なものや手が加えられていないものは左側、お菓子や加工されたものは右側に配置するようにします。

  • お花の供え方

    お花は、仏さまの座布団ともいわれ、場を清らかにする仏さまのお供え物の一つです。
    また花の香りによって邪気を払う意味もあります。

  • ロウソクの供え方

    ロウソクは、仏さまの「知恵」を意味します。
    花を左、ロウソクを右、中央に線香立てを置くことを三具足(みつぐそく)と呼ぶ飾り方になります。

    火事の原因になりやすいので、電気で点くロウソクも販売されています。

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日蓮宗と日蓮正宗の違い

AとBを比べるオペレーターの女性

日蓮宗と日蓮正宗は何が違うのか分かりにくくありませんか。

たしかに呼び方もよく似ているので、一見すると分かりにくいです。

それもそのはず、日蓮聖人が広めた「南無妙法蓮華経」は、現在800もあります。

広い意味合いでいえば、日蓮正宗も日蓮宗の内の一つと数えられますが、細かい内容に相違点があります。

ここでは、本仏・ご本尊や全日本仏教会への加盟などの視点からその違いを解説していきます。

本仏・ご本尊の違い

まず、本仏・ご本尊の解釈の違いにあります。

本仏とは、信仰の対象の中心になる仏さまのことをいい、ご本尊はその信仰の対象そのものとなります。

日蓮正宗は、お釈迦様の跡を引き継ぐ上行菩薩である日蓮聖人を本仏とし、一方の日蓮宗のご本尊は、久遠実成本師釈迦牟尼仏のことです。

ご本尊に関しては、日蓮正宗と日蓮宗ともに大曼荼羅という文字曼荼羅をご本尊としています。

ただし、日蓮宗の仏壇などをみてみると、両脇に鬼子母神と大黒天をおまつりしていることも多くあります。

本仏ご本尊
日蓮宗久遠実成本師釈迦牟尼仏大曼荼羅(両脇に鬼子母神や大黒天を入れることもある)
日蓮正宗日蓮聖人大曼荼羅

全日本仏教会への加盟の違い

また全日本仏教会への加盟は、日蓮宗のみ加盟しています。

これは、日蓮宗はお釈迦さまを信仰する仏教の宗門であり、日蓮正宗は宗門としてではなく日蓮を信仰する仏教系の宗教団体と捉えられているからです。

たとえば、各地域の仏教会の活動は日蓮宗が活動しているのが現状です。

日蓮正宗の活動の傾向としては、本仏はお釈迦様の次に法華経を広める日蓮聖人と信じており、熱心な布教や他の宗派にくらべて厳格な決まりがあることが特徴です。

他にも、教えの解釈の細かな違いがみられることがあります。

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日蓮宗のまとめ

「ま」「と」「め」と書かれた積み木と電卓と時計

ここまで日蓮宗のことを中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 日蓮宗は、鎌倉時代に日蓮聖人によって開かれた宗派
  • 日蓮宗の経典は法華経
  • 日蓮宗の葬儀では、法要中に必ずお題目「南無妙法蓮華経」を唱える
  • 日蓮宗の仏壇の飾り方は、ご本尊・脇侍や仏具の飾り方に特徴がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(やまぐち)

山口 隆司(やまぐち たかし)

一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター

経歴

業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。

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