お葬式
黄檗宗とは?日本三禅宗の歴史や葬儀について解説
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.10
黄檗宗(おうばくしゅう)という宗教には耳馴染みがありませんが、黄檗宗についてご存知でしょうか。
そこでこの記事では、黄檗宗について詳しく説明していきます。
この機会に、黄檗宗がどんな歴史をたどってきたのかを覚えておきましょう。
隠元隆琦禅師が日本へ伝えたものについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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黄檗宗とは
黄檗宗とは、臨済宗や曹洞宗と並ぶ日本三禅宗の一つに数えられます。
黄檗宗という宗派の名前は、中国にある黄檗山万福寺(おうばくさんまんぷくじ)に由来しています。
唐にいた黄檗希運という僧侶の名前に由来するという説もあるようです。
臨済宗の一派で、教義や修行などは臨済宗と変わらないとされています。
しかし、黄檗宗は中国式の禅の考えが強く、お寺も日本の禅宗より派手で、仏具も中国式です。
黄檗宗の開祖
黄檗宗の開祖は1654年に日本に来た中国僧、隠元禅師です。
隠元禅師は日本からの度々の招きに応じて1654年に日本に来航しました。
日本に来る前の隠元禅師は、福建省福州の黄檗山萬福寺で住職をしていました。
最初は弟子を派遣しようとしましたが、弟子の乗った船が座礁して亡くなったため、隠元禅師は20人の弟子と一緒に、長崎へやってきました。
隠元禅師が日本に訪れた後、萬福寺の住職をしていた期間はたった3年間です。
1664年9月に弟子の木庵性瑫を次の住職とし、松陰堂に隠居します。
松隠堂に隠居した後、82歳になった1673年の正月、隠元禅師は死を予知して身辺整理を始めます。
3月には体調が悪くなり、4月2日に後水尾法皇から「大光普照国師」号が特諡されましたが、翌日の4月3日に亡くなりました。
日本三禅宗の1つ
禅宗は、禅を重んじている宗派をまとめた総称です。
禅とはお釈迦様の仏法であり、心を静めて動じないことを意味しています。
この考えと修行を、インドの僧侶達磨大師が中国に広めました。
禅の教えは代々伝えられていき、日本には鎌倉時代に持ち込まれました。
その中でも曹洞宗や臨済宗、黄檗宗は日本三禅宗と呼ばれています。
この三つは、中国の禅宗五家という、禅宗の系譜から受け継がれています。
現在では、禅宗というとこの日本三禅宗のことをさすようになりました。
最初に入ってきた臨済宗は中国の禅宗五家のうち、臨済宗黄龍派が元になっています。
栄西禅師が開祖で、鎌倉幕府の後ろ盾の下で発展していきました。
曹洞宗は中国の禅宗五家の曹洞宗が元になっています。
道元禅師が開祖で、ひたすら座禅をする修行が有名です。
黄檗宗は中国の禅宗五家のうち、臨済宗楊岐派が元になっています。
開祖の隠元禅師は中国人のため、臨済宗や曹洞宗よりも中国らしさが残っています。
黄檗宗の歴史
黄檗宗は1654年に隠元禅師が日本に来日したことから始まりました。
中国から伝わった当初は、正統派の臨済宗の禅を伝えるという事で「臨済正宗黄檗派」と名乗っていました。
1661年に徳川家綱から寺領10万坪をもらい、隠元禅師が住職をしていた、中国の黄檗山萬福寺のような、明朝様式の禅寺が作られました。
その禅寺を隠元禅師が「黄檗山萬福寺」と名付けて、初代住職になりました。
こうして日本の黄檗宗の歴史が始まりました。
日本の各地の修行僧が、隠元禅師の弟子となって禅の教えを受けました。
天皇家や武家も弟子となり、高貴な人々にも黄檗宗の教えが広まりました。
そうした人々に守られたこともあって、黄檗宗は現在まで残り続けています。
1874年、明治政府教部省は、禅宗を臨済宗と曹洞宗の二宗と定めました。
それによって一度は「臨済宗黄檗派」に名前を変えられましたが、明治9年に正式に禅宗の一つとして独立し、名前も「黄檗宗」へ変わりました。
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黄檗宗の総本山と本尊
黄檗宗の総本山は、京都府宇治市にある黄檗山万福寺です。
万福寺の建物は、中国の明朝様式が取り入れられています。
正面の一間を吹き抜けとし、主要となる伽藍(がらん)を中心に同じ大きさの諸堂が左右対称に配置されています。
「黄檗天井」と呼ばれるアーチになった天井や、丸い窓「桃符」と呼ばれる桃の実の形をした飾りなど、寺院らしくない装飾が特徴的です。
作られた時のままずっと残されているため、建物や回廊などが国の重要文化財に指定されています。
本尊は釈迦三尊像です。
釈迦三尊像とは、お釈迦様と両脇侍にそれぞれ違う菩薩を安置する、釈迦三尊という安置方法で用いられる像をまとめた呼び方です。
上記はあくまで一般的な部分であり、禅宗においては中心のお釈迦様は変わりませんが、その両脇侍には羅漢を安置します。
黄檗宗における羅漢は、隠元禅師と達磨大師です。
つまり、釈迦三尊像はお釈迦様と隠元禅師、達磨大師をまとめたもので、その釈迦三尊像が、黄檗時における本尊となります。
スポンサーリンク黄檗宗の特徴
黄檗宗は日本の影響をあまり受けていないため、華厳、天台、浄土等の中国禅の特徴を多く持っています。
黄檗宗は臨済宗よりも新しい宗派ですが「経典」を読むことよりも自己の内観と内省を深める「看話禅」や「座禅」を大切にしています。
基本的には臨済宗と同じようなものですが、儀式や作法などは明の時代に制定されたものが使われています。
経典の読み方や法要で使う道具なども中国式で、日本の臨済宗とは違っています。
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黄檗宗の経典
禅宗は、ひたすらに座禅をして心を静めることを目標にしています。
禅宗なので決まった経典はなく、座禅をすることで修行をしますが、通常は「般若心経」「観音経」「三帰依文」等を読誦します。
般若心経は「大般若経」が元とされています。
600巻ある般若心経を300字弱で表現しており、仏教の経典の中でもっとも短い経典のひとつです。
観音経は、法華経の中の「観世音菩薩普門品第二十五」という一章のことです。
臨済宗でも、観音経が使われています。
三帰依文は、自ら仏・法・僧に帰依しますという意味の、三行の文章のことです。
どんな国でも、必ず三回繰り返して唱えられます。
スポンサーリンク黄檗宗の読経
黄檗宗の読経は他の仏教とは違った特徴を持っています。
「唐音」
唐音は漢字の読み方の一つで、黄檗宗と一緒に入ってきました。
中国の明代末期から清代初期の音の影響があり、日本語とは全然違う読み方をします。
唐音の前に入ってきた読み方と区別するため、近世唐音と呼ばれることもあります。
例として、「摩訶般若波羅蜜多心経」を「ポゼポロミトシンキン」と唱えています。
「梵唄(ぼんばい)」
梵唄は、四拍子のリズムを刻みながら、歌うように読経することです。
お経をあげるとき、黄檗宗では木魚を使います。
法要では木魚のほか、鐘や太鼓などの鳴物を合わせて、音楽の演奏のように読経をします。
また中国では、床に座る習慣がないため、読経は立って読まれます。
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黄檗宗の教えと修行
禅宗の僧侶は、修行をして悟りを開きます。
黄檗宗の教えと、その修行について解説します。
「唯心」
黄檗宗には「唯心の浄土・己身の弥陀」という言葉があります。
この世にあるものは心の中にあって、仏様も心の中にあります。
阿弥陀仏や極楽浄土に行きたいなら、まず自分自身の心の中に仏を見出すことが大切だという意味です。
仏を見出すために必要なのが坐禅です。
「正法眼蔵」
黄檗宗には「正法眼蔵」という考えがあります。
この考えは、人は生まれつき悟りを持っているというものです。
悟りを開くために、自分自身の心に向き合おうというのが黄檗宗の教えです。
黄檗宗の葬儀について
黄檗宗における葬儀はどのようになるのか、説明していきます。
葬儀の流れ
黄檗宗の葬儀は、禅宗の作法でやります。
授戒、鎖龕(さがん)法式、起龕(きがん)法式、秉炬方式、安牌諷経の流れで葬儀をします。
授戒では、剃髪し、懺悔文(ざんげもん)、三帰戒文(さんきかいもん)、三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)を唱えます。
剃髪は故人の頭髪に剃刀をあてて、出家するように剃髪を行うしぐさをします。
懺悔文は生前犯してしまった罪を反省して、懺悔します。
三帰戒文は仏の教えを受け入れて、修行者になることを誓います。
三聚浄戒は仏の戒めや法を守って、不殺生などを授けます。
この時に葬儀を取り仕切る導師が、法性水を位牌や棺などに注ぐ、酒水灌頂(しゅすいかんじょう)をします。
鎖龕法式では導師の法語の後、三宝讃に大悲咒、心経と往生咒に加えて西方讃、無常偈などを唱えます。
起龕法式では、棺を持って式場に向かいます。
葬儀式場など棺の安置場所で葬儀が行われることが一般的なため、鎖龕法式や起龕法式は略されることが多いです。
秉炬方式は葬儀のことです。
安牌諷経は火葬後、遺骨が家に戻った際に行われる儀式のことです。
焼香の作法
焼香の基本的な作法は他の宗派と大きく変わりません。
祭壇の前では遺族や遺影に向かって礼をしてから、焼香台に進んで抹香をつまみます。
つまんだ抹香を額に押しいただいて香炉にくべます。
これを3回繰り返して、焼香が終わったら手を合わせ、遺影と遺族に再度礼をして戻ります。
数珠
黄檗宗の葬儀で使う数珠は、看経念珠(かんきんねんじゅ)と呼ばれるものです。
108粒の玉と2つの親玉がつながれていて、10個おきに記子(きし)玉がついています。
宗派に関係なく使える略式念珠もありますが、喪主や親族はできるだけこの看経念珠を使いましょう。
数珠はなるべく共用ではなく、自分専用のものを持つようにしましょう。
数珠は葬儀や法事の間は常に持ちます。
数珠をポケットやバッグの中に片づけないようにしましょう。
座っている時は左手首にかけ、合掌する際には房を下にし、両手で挟んで持つようにします。
左手が仏の世界を、右手が現世を表しているため、数珠は左手で持ちます。
精進料理
火葬後に、精進料理として会食があります。
その時に黄檗宗では、中国式の普茶料理がふるまわれます。
普茶料理は全て野菜からできており、大皿に盛られた料理を取り分けて食べます。
肉や魚が食べられないので、それっぽく作った「もどき料理」が特徴的です。
普茶料理の一つにごま豆腐がありますが、これは白身魚の刺身風にした「もどき料理」です。
他にも山芋で作ったかまぼこもどきや、がんの肉っぽくしたがんもどき、豆腐で作る鰻もどきがあります。
こうしたところにも中国らしさがあります。
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隠元隆琦禅師が日本へ伝えたもの
隠元禅師は中国から日本にいろいろなものを持ってきました。
今では、そのどれもが日本に定着しています。
食べ物
分かりやすい例では、隠元の名前が冠されている「インゲン豆」があります。
インゲン豆は今では様々な料理に使われるようになりました。
また、今よく飲まれている「煎茶」も、隠元禅師が持ってきました。
それまで日本では、茶葉を挽いて粉にし、それにお湯を溶かして飲んでいましたが、隠元禅師はそのままの茶葉にお湯を入れ、煎じて飲む方法をもたらしました。
文化
日本の僧侶が着る袈裟の色は決まっており、地味な色が多いです。
黄檗宗の僧侶の袈裟は中国式という事もあり、色鮮やかなものでした。
こうした派手な袈裟は江戸の街で人気になり、真似をする人が増えました。
歌舞伎の衣装の中にも、一部取り入れられています。
また、隠元禅師と一緒に黄檗絵画も入ってきました。
黄檗絵画は、黄檗宗に関連した絵画です。
中国の明・清時代の形式を使っており、色鮮やかで表現も奇抜です。
建築様式
黄檗様式という建築様式があります。
桃やコウモリといった意匠や、黄檗天井といった日本にはない建築が特徴的です。
また、寺の外見も中国的で、日本の寺のような質素な感じではなく、いろいろな装飾がされています。
黄檗宗の寺院数と信者数
臨済宗とあわせて数えられるため注目されづらいですが、黄檗宗は全国に約460の寺院があり、信者数は35万人です。
寺院は京都に集中しており、関西や九州に多く分布しています。
関東や東北には、関西や九州ほど広まっていません。
総本山である万福寺では、研修として修行の体験をすることができます。
参加人数は4人以上のため、黄檗宗に興味がある人を募って体験をするのもいいかもしれません。
梵唄の演奏会を開いている事もあるため、実際に梵唄を聞きたいと思ったら行ってみてもいいでしょう。
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黄檗宗についてのまとめ
ここまで黄檗宗についての情報や、黄檗宗の葬儀作法などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 黄檗宗は隠元禅師が広めた日本三禅宗の一つ
- 黄檗宗は中国の特徴を多く含んでいる
- 黄檗宗の葬儀は禅宗のやり方で行う
- 隠元禅師が日本に持ち込んだものが浸透している
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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