お墓
分骨にはいくら費用が必要?各納骨方法の費用相場も紹介
更新日:2022.11.10 公開日:2022.03.09
さまざまな家庭の事情により分骨を選択することはありますが、その費用についてご存知でしょうか。
分骨のタイミングや方法を確認し、適正な費用を知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、分骨の費用について詳しく説明していきます。
この機会に、さまざまな納骨方法についても覚えておきましょう。
遺骨アクセサリーの費用についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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分骨とは
分骨とは、故人の遺骨を2つ以上の骨壷などに収め、2ヶ所以上のお墓や納骨堂などに埋葬などして供養することです。
一般的には一家のお墓や納骨堂に、一人分の全ての遺骨を納めます。
しかしさまざまな事情や理由により、遺骨の埋葬先を分けて行うことが可能です。
分骨を採用する代表的な理由には、信仰心が強く本山に遺骨の一部を納めたいという理由があります。
その他にも実家のお墓が遠すぎたり、身近に故人の遺骨を残したいために手元供養をするなどの事情で分骨されます。
分骨は故人の供養などの宗教的側面や、法律などの社会的側面どちらにおいても問題ありません。
こちらの記事で分骨についてより詳しく解説しているので、気になる方はご覧ください。
分骨に必要な費用
葬儀や埋葬などには、何かとお金がかかるものです。
分骨をする場合は1ヶ所に遺骨を納める一般的な埋葬よりも費用が多くかかります。
具体的に分骨をする際に必要となる費用について解説します。
分骨証明書の発行費用
分骨証明書とは、分骨を行いたい場合に分骨後に納骨する時、納骨先の墓地に対して提出する義務がある書類です。
発行申請先は元の埋葬先の管理者や火葬場など、ケースによって異なります。
分骨証明書の発行費用の相場は、一通あたり100円程度です。
骨壷代
分骨に限らず、通常は遺骨を骨壷に納めてから埋葬します。
そのため何ヶ所に分けて分骨するかによって、骨壷の数が変わります。
骨壷の費用相場は8,000円〜1万円程度なので、分骨先が多ければ多いほど費用がかさみます。
墓石の移動費用
すでにお墓に埋葬済みの遺骨を分骨する場合、墓石を動かして骨壷を取り出さなくてはなりません。
墓石の移動費用は石材屋によって異なりますが、2〜3万円程度が相場とされています。
開眼・閉眼供養のお布施
分骨の際に新しくお墓を所有する、またはその逆の場合には開眼(かいげん)・閉眼(へいげん)供養のお布施が費用としてかかります。
開眼供養はお墓に魂を入れる儀式のことで、閉眼供養はお墓を手放す際に必要になる供養です。
開眼・閉眼供養ともにお布施の相場は、それぞれ1〜3万円程度です。
こちらの記事で分骨について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
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分骨するタイミング
さまざまな事情によって行われる分骨ですが、タイミングによって費用や手間が大きく変わります。
分骨するタイミングには、大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつは、故人の葬儀後に行われる火葬の際に分骨をするケースです。
火葬の前の段階ですでに分骨することが決まっている場合は、火葬場に複数個の骨壷を用意します。
火葬後すぐに遺骨をそれぞれの骨壷に分けて納めることができるため、費用や手間を大きく減らすことができるのです。
もうひとつのケースは、すでにお墓に埋葬されている骨壷を取り出して、新しい骨壷に遺骨を分ける場合です。
遺骨を取り出す場合には墓石の移動で費用がかかります。
またお墓を手放す場合や新しい埋葬先の閉眼・開眼供養のお布施も費用として見積もっておかなくてはなりません。
こちらの記事で分骨のタイミングについて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
スポンサーリンク分骨した遺骨を納める場所
分骨した遺骨を納める場所は近年多様化しております。ここでは4つの方法について紹介します。
本山納骨
本山納骨とは、分骨を各仏教宗派の本山に埋葬して供養する方法で、日本で古来から行われていました。
特に西日本では遺骨を分散して納める習慣があります。
合祀型の永代供養墓と同じような位置付けで、納骨後は返還できないデメリットはありますが、多くの方が参拝する場所であることは魅力的です。
また、多くの本山は、宗派が違っていても受け入れてくれます。
本山納骨は、社会救済の一環であるという考え方もあり、費用が抑えられるのも特徴です。
永代供養
近年増えてきている永代供養はご遺族に代わってお寺や墓地が管理・供養する方法です。
お参りをすることもできるので、分骨を納骨するより、お墓を閉めて永代供養にしたり、全骨を最初から永代供養にする方が多いようです。
ご遺骨の安置期間は、お寺や墓地、ご希望やプランによって様々であり、その後は共同合祀され、引き続き供養が行われます。
手元供養
現代、広がりをみせているのがこの手元供養です。
宗教的習慣の減少、ライフスタイルの変化、毎日供養したいけど、お墓まで行くことができないなど、さまざまな理由で選ばれます。
予算や好みに合わせて小さな骨壷に入れたり、ペンダントなどのアクセサリーにしたり、ダイヤモンドに加工したりするなど、選択できるのがメリットです。
故人を身近に感じながら、いつでも供養することができます。
また、手元供養の場合、分骨した遺骨は納骨しないので分骨証明書は必要ありません。
海洋葬
海洋葬とは、海で散骨する方法です。
こちらも近年増加傾向にあります。
法律上、遺骨のまま撒くことはできないので、遺骨を粉状にする必要があります。
散骨を個人で行えば、その費用はかかりませんが、風評被害やトラブルの原因にもなるため業者に任せる方が良いでしょう。
業者に委託して散骨してもらう方法、遺族もクルーザーに乗ってセレモニーを行い、散骨する方法などがあります。
どうしても個人で行いたい時は、方法や場所などを調べて、節度を守って行いましょう。
すべてを散骨してしまうと、墓標がなく、遺族の方の心のよりどころがないと感じることもあるため、分骨したものを海に散骨する、少量を分骨して手元に残すといった方法があります。
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分骨の数だけ分骨証明書は必要
分骨をする際に必要になる分骨証明書は、分骨をする数に応じて必要になります。
分骨証明書を1枚発行したからといって、何ヶ所にもおよび埋葬できる証明にはなりません。
そもそも分骨証明書は別のお墓に埋葬する際に要しますが、埋葬してしまうと分骨証明書も一緒に納めることになるのです。
分骨証明書は遺骨の所在を明らかとするためのものでもあるため、埋葬の際になかった場合は遺骨が故人のものと断定できません。
また、納骨する予定でなくとも後々納骨することもあるため、分骨数に合わせた分骨証明書を発行しておくことをおすすめします。
分骨をすること自体は問題ありませんが、あまり分けすぎると費用や手間がかかりますので常識の範囲内にとどめましょう。
こちらの記事で分骨の証明書について解説しているので、ぜひご覧ください。
スポンサーリンク納骨に必要な費用
日本ではさまざまな納骨方法が認められており、納骨にかかる費用も異なります。
各納骨の特徴と費用について紹介します。
永代供養墓の費用
永代供養とは、お墓を所有した一家が代々継承していく一般的なものと異なり、お寺や管理者に供養を一任する供養方法です。
お墓の後継者がいなかったり、実家のお墓が遠すぎる場合などさまざまな事情により採用されています。
永代供養の費用は合祀墓で10〜30万円が相場で、安いところでは3万円で受け付けている場所もあるようです。
個人墓が付帯している永代供養では、70〜150万円が費用の相場です。
合祀墓(ごうしぼ)とは、遺骨を他人と分け隔てなく1ヶ所に埋葬して供養する方法です。
それに対し個人墓は、個人や家庭ごとに区分けされたスペースが使える永代供養です。
こちらの記事で永代供養について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
樹木葬の費用
樹木葬の費用は、全国平均で68.7万円で関東なら70.6万円、関西は62.2万円が相場となっています。
樹木葬とは、石で作られたお墓ではなく、草花や山間部など自然豊かな場所に埋葬し、そこに生息する樹木を墓標とする埋葬方法です。
こちらの記事で樹木葬の費用について解説しているので、ぜひご覧ください。
納骨堂の費用
納骨堂とは、屋内に用意されたスペースに遺骨や位牌などを間借りできる施設のことです。
一般墓よりも費用が安く、比較的アクセスがしやすいというメリットもあります。
納骨堂にはいくつかの種類があり、それぞれ費用相場が異なります。
納骨堂の費用は下記の通りです。
- ロッカー式:コインロッカーのようなタイプで20〜50万円が相場
- 仏壇型:冗談に仏壇や位牌、下段に遺骨をおくタイプで50〜200万円が相場
- 自動搬送式:参拝スペースに遺骨が搬送されてくるタイプで80〜200万円が相場
こちらの記事で納骨堂について解説しているので、ぜひご覧ください。
総本山へ納めるお布施
浄土真宗本願寺派などでは、総本山へ遺骨を納める慣習があります。
総本山とは数あるお寺の中の元祖であり、その宗派では特に重要視されているお寺のことです。
総本山へ納骨された遺骨を対象に行われる法要では、5,000円〜1万円程度をお布施として用意します。
その他にも墓地利用料や固定管理費などが別途条件によって大きくかかります。
散骨の費用
散骨とは、遺骨を粉末にして正しい手順を経て、海や山などに蒔くことで自然に還す納骨方法です。
代表的な海洋散骨では個人単独で20〜30万円、他者と合同で10万円前後です。
遺族が同席せず散骨を業者に委託する場合は5万円程度です。
こちらの記事で散骨について解説しているので、ぜひご覧ください。
手元供養の費用
手元供養とは、分骨した遺骨を小さな骨壷にいれて、自宅に置いたり粉末にした遺骨を装飾品にしたりすることです。
一般的には数万円程度が費用相場とされています。
こちらの記事で手元供養について解説しているので、ぜひご覧ください。
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納骨堂を移転する際にかかる費用
納骨堂を移転すると、実際どれくらい費用がかかるのでしょうか。
移転後にどのように供養するかによっても費用相場は変わってきます。
ここでは、改装後に実際にかかる費用について解説します。
改葬後にかかる費用
改装後にかかる費用について3つの方法別に紹介します。
本山納骨
宗祖・開祖の眠る本山で供養してもらう本山納骨。
かかる費用の目安は、納骨の時に2万〜10万円程で、その後の供養方法などにより違いがあります。
分骨のみとしているところと、全骨も可としているところがあり、それによって必要書類や費用も変わってくるので、各寺院に確認する必要があります。
ほとんどの場合が合葬になり、納骨後の年間管理料やお布施は求められません。
手元供養
手元供養の方法は近年多様化しており、費用も様々です。
良く選ばれている小さな骨壺やペンダントなどのアクセサリー型だと、1万〜5万円程度となります。
また、遺骨をセラミックやダイヤモンドなど、別の素材に加工する方法だと、10万〜50万円と素材によって幅が広くなります。
予算や好みに合わせて選択できるのが大きなメリットです。
海洋葬
海洋葬の場合は、骨を粉状にする必要があります。
粉骨の相場は、1万〜3万円程です。
一律の料金を設けているところもありますが、骨壺の大きさによって小さいもので1万円、大きいもので2万円などと、料金を設定している場合もあります。
また、火葬直後の場合は乾燥しているので、そのまま粉骨できますが、一度お墓に納めたご遺骨は湿気を含んでいる場合が多いです。
そのため、洗骨・乾燥させるための費用が1万〜3万円程追加でかかります。
そして、海洋散骨も業者に依頼すると費用が掛かります。
業者に委託して散骨をしてもらう方法では5万円程。
数組の家族で合同で船をチャーターして散骨する方法では、10万〜20万円程。
1家族のみで船をチャーターして散骨する場合は、20万〜50万円程となります。
船に乗る人数によって、必要な船の大きさも変わってくるため、料金にも違いがでます。
スポンサーリンク遺骨アクセサリーの費用
遺骨アクセサリーとは、手元供養で遺骨をペンダントやネックレスに入れて、アクセサリーとして所有することです。
費用は1〜5万円程度が相場とされています。
遺骨アクセサリーの中には、遺骨ダイヤモンドというものがあります。
遺骨ダイヤモンドはダイヤモンドを使用したもので、数10万円〜100万円程度のものもあるようです。
また近年注目を集めているエターナルプレートは、粉末にした遺骨を練り込んだ板状のものです。
金属化合物が主な原料となっており、遺骨とともにじっくりと焼き上げられます。
エターナルプレートは身につけるアクセサリーというよりは、身近で供養する際に見た目や保管の容易さを理由に選ばれるものです。
家で管理する際も、家具などに合わせた色合いのものなどが選べて便利なものとなっています。
費用は安いもので15万〜20万円程度で、高いものになると30万円を超えるものもあります。
それぞれ金額は大幅に変わりますが、故人の供養として自身が納得できるものを選ぶようにしましょう。
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分骨の費用まとめ
ここまで分骨についての情報や、分骨の費用を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 分骨とは故人の遺骨を複数に分けて、別々の場所で供養すること
- 分骨の費用には骨壷代や分骨証明書、墓石の移動、お布施などがある
- 遺骨アクセサリーには数十万円から100万円もする高額なものもある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。