法事法要
在来仏教ってなに?該当する宗教や含まない宗教を紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.03.04
日本では仏式での葬儀が多く、ほとんどの家庭が仏教だと思います。
では、在来仏教ということばを耳にしたことはありますでしょうか。
そこでこの記事では、在来仏教について詳しく説明していきます。
この機会に、在来仏教というものを知っておきましょう。
霊園案内の種類についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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在来仏教とは
そもそも「在来仏教」とはどういったものなのか、まずは説明していきます。
日本に現在存在している仏教は、あらゆる宗派に分かれています。
在来仏教とは、仏教の宗派の中でも、明治初期の時代までに日本に根付いて活動を行っている伝統的な仏教の宗派のことです。
それらの宗派は現在13の宗派が存在しているため、詳しくは次の章で紹介していきます。
これらの宗派は非常に古くから日本に根付いてきたものになり、一番新しいもので1276年に開宗されました。
在来仏教に該当する宗派は?
在来仏教は、現在日本に13宗派あり、これらの宗派の下にもいくつかの宗派が枝分かれをしていたりします。
それらも全て含めたものを在来宗教といいます。
以下で宗派ごとに詳しく紹介していきます。
黄檗宗(おうばくしゅう)
黄檗宗は、曹洞宗や臨済宗と共に日本の三禅宗の1つに数えられる宗派になります。
元々は中国の臨済宗の一派で、当初は「臨済宗黄檗派」などと名付けて呼んでいましたが、明治9年に1つの宗派として独立し「黄檗宗」を公称するようになりました。
江戸時代初期に来日した中国僧である「隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師」が開祖になります。
華厳宗(けごんしゅう)
華厳宗は、中国大乗仏教の宗派の1つであり、開祖となる僧は杜順(とじゅん)です。
韓国やベトナムにも広まり、日本には736年に伝えられたとされています。
「大方広仏華厳経」を所依の経典とし、独自の教学体系を立てた宗派になります。
時宗(じしゅう)
時宗は、宗祖を一遍上人(いっぺんしょうにん)とし、真教上人(しんきょうしょうにん)を二祖としました。
両祖の教えを基礎として、名号「南無阿弥陀仏」を拠りどころにする浄土教の一流です。
鎌倉仏教の1つに数えられ、総本山は神奈川県藤沢市の清浄光寺となっています。
浄土宗(じょうどしゅう)
浄土宗は鎌倉時代に成立した仏教の1つで、開祖は法然(ほうねん)です。
阿弥陀如来を本尊とし、京都府京都市にある知恩院を総本山とします。
また、知恩院は法然が半生を過ごし、最後を迎えた場所でもあるとされています。
浄土真宗(じょうどしんしゅう)
鎌倉時代に成立した仏教の1つが浄土真宗になります。
浄土宗の開祖である法然の弟子、親鸞(しんらん)聖人が開いたとされています。
浄土真宗では信者のことを「門徒」と呼び、本願寺派の約700万人と真宗大谷派の約550万人を含めて、浄土真宗全体の門徒数はおおよそ1200万人以上にも上るとされています。寺院数も22,000寺以上あり、日本の仏教諸宗の中ではもっとも多いものになります。
真言宗(しんごんしゅう)
真言宗は「お大師様」として親しまれている弘法大師・空海が、平安時代始めに体系化した「真言密教」を教義とする宗派になります。
真言宗の密教は「東密(とうみつ)」と呼ばれ、天台宗における密教は「台密(たいみつ)」と呼ばれます。
真言宗との大きな違いとしては、天台宗では密教と顕教を同格に扱う点(顕密一致)です。
曹洞宗(そうとうしゅう)
禅宗の1つに数えられるのが曹洞宗です。
今から800年程前の鎌倉時代に「道元禅師(どうげんぜんじ)」が正伝の仏法を中国から日本に伝えた後「瑩山禅師(けいざんぜんじ)」が世界に広めてその礎を築きました。
曹洞宗には大本山が2つあり、1つは福井県にある大本山永平寺(えいへいじ)で、もう1つは横浜市にある大本山總持寺(そうじじ)になります。
これらは両大本山と呼ばれ、曹洞宗寺院の根本、信仰の源となっているそうです。
また、大本山の住職は、貫首(かんしゅ)と呼ばれています。
法相宗(ほっそうしゅう)
法相宗は、インド唯識派の思想を引き継ぐ、中国の唐時代からある大乗仏教宗派の1つです。
玄奘(げんじょう)に師事していた道昭(どうしょう)が、日本の法興寺で広めました。
8〜9世紀に南都六宗の1つとして流行し賑わいを見せました。
法相宗の代表的な寺院には、薬師寺や興福寺などがあります。
天台宗(てんだいしゅう)
天台宗は「亡くなられたらすぐに極楽浄土にいき、誰もが成仏できる」という考え方を持っています。
仏教思想の原点が説かれ、お釈迦様の教えの中で一番に優れたものと言われる「妙法蓮華経(法華経)」を拠りどころとしています。
その後、信仰者の多い浄土真宗やその派生元である浄土宗、日蓮宗が教えを受け継いで誕生しています。
また禅宗の曹洞宗や臨済宗にも、天台宗の教えが基盤にあるとされています。
日蓮宗(にちれんしゅう)
日蓮宗は、日蓮聖人(にちれんしょうにん)によって鎌倉時代中期に開かれた宗派になります。
鎌倉仏教の1つに数えられ、お釈迦様の説かれた法華経(妙法蓮華経)を拠りどころとしています。
法華経の功徳が込められているとされる「南無妙法蓮華経」の7文字のお題目を心から信じて唱えることが、仏となる唯一の道であると考えられています。
融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)
融通念仏宗は、平安時代末期に大阪市の大念佛寺を総本山とし、天台宗の影響を受けた宗派になります。
念仏を善行の根源ととらえ、口に出して唱えることで仏の功徳を得られると考えられています。
天台宗の僧侶である聖応大師良忍(せいおうたいしりょうにん)が開祖とされています。
律宗(りっしゅう)
律宗は戒律の研究と実践を行う宗派で、中国で道宣(どうせん)が成立させたものになります。
南都六宗の日本仏教の1つで、鑑真(がんじん)が日本に伝来させたとされています。
京都にある壬生寺が律宗の大本山になります。
臨済宗(りんざいしゅう)
臨済宗は禅宗の1つに数えられ、宗祖は中国の禅僧である臨済義玄(りんざいぎげん)禅師になります。
日本には、宋時代の中国に渡り学んだとされる明庵栄西(みょうあんえいさい)らによって鎌倉時代以降に伝えられました。
その後さまざまな流派が成立し、現在では主に14の諸派、約7000もの末寺があるとされています。
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在来仏教に含まれない宗派は?
明治初期以降に現れた宗派については「新興宗教」となります。
新興宗教と呼ばれて在来仏教に入らないものの中には、現在地域に根付いて活動を行っている宗教法人などがあります。
代表的なものを以下に挙げておきます。
- 創価学会
- 幸福の科学
- 弁天宗
- 阿含宗
- 如来宗
- 霊友会
- 日本山妙法寺大僧伽
- 浄土真宗華光
- 肥後修験総本山六水院
- 一畑薬師教団
たいていの霊園や墓地では「宗教や宗旨、宗派は問わない」とされていることが多いのですが「在来仏教に限る」とされているところも多く存在しています。
このような制限がある墓地では上記で挙げた宗教は入ることができません。
墓石を購入する際には事前に確認し、注意する必要があります。
在来仏教に神道とキリスト教は含まれる?
在来仏教とは簡単に言うと、江戸時代までに創始されたものです。
江戸時代以降に創始されたものが新興宗教と考えるとわかりやすいでしょう。
「在来仏教に限る」と制限されている墓地では神道は基本的に問題ありません。
しかしキリスト教の場合は、霊園によって使用できない墓地も多いです。
キリスト教は明治初期までに普及されていた宗教ではありますが、継続していないという理由で在来仏教とはみなしてもらえていないのが現状だそうです。
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霊園案内の種類
最後に、霊園案内の際によく見る制限の範囲を意味する言葉について紹介します。
それぞれの意味合いを説明していきますので、参考にしてください。
在来仏教に限る
墓地にこのような制限がある場合は、在来仏教のみに限られます。
前述した13宗派に属しているのなら問題ないということです。
この場合は仏教系であっても、新興宗教など該当しません。
宗教不問・自由
宗教不要や宗教自由との案内があれば、仏教や神道、キリスト教など、あらゆる宗教であっても問題ないという意味合いがあります。
逆に言うと、信教を持たない無宗教の場合であっても問題ないという意味になります。
宗旨不問・自由
「宗旨」というのは「宗教」と同じ意味合いだと解釈していただいて問題ありません。
そのため、こちらも仏教や神道、キリスト教などのあらゆる宗教や無宗教でも問題ないといった意味合いになります。
宗派不問・自由
宗派不問や宗派自由とは、仏教徒に限るといった意味合いになります。
別の言い方に置き換えると、「在来仏教に限る」と表記されることもあります。
そのため、神道やキリスト教のケースなどには難しくなってきます。
過去の宗派は問わない
過去の宗派を問わないとの規定がある場合は、今まではどのような宗教であっても問題ないといった意味になります。
ただし、墓地を使う場合は一定のルールにしたがってもらうといった意味合いになりますので注意が必要です。
このようなケースは、檀家墓地などでも時々見られるものになります。
お寺墓地の場合であれば、その寺の檀家になるということはその宗派になるということになるため、過去の宗教宗派は何でもよいといった意味合いになります。
在来仏教まとめ
ここまで在来仏教についての情報や、該当する宗派について中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 在来仏教とは明治初期までに日本に根付いていた宗派のこと
- 明治初期以降に現れた宗派については新興宗教と呼ばれる
- 宗派不問とは、仏教徒に限るといった意味合いになる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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