法事法要
仏壇の魂抜きはどうするの?お布施料や処分方法も紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.06.07
仏壇を手放すときに、欠かせないのが「魂抜き」という儀式です。
なぜ魂抜きが必要なのか、またどのような方法で行うのか知らない方も多いかと思います。
そこでこの記事では、仏壇の魂抜きについての流れや注意点を解説します。
この機会に、魂抜きで必要な費用についても知っておきましょう。
後半では、仏壇以外に魂抜きが必要なものについて触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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仏壇の魂抜きについて
住宅事情の変化や核家族化が進む現代、先祖代々の仏壇を継承することが困難になる場合があります。
他にも、古くなった仏壇の買い替えなど仏壇を処分する理由はさまざまです。
しかし、一般的な家具などとは違い、仏壇をそのまま粗大ごみに出すわけにはいきません。
なぜなら、供養してきた仏壇には、ご先祖様の魂が宿っていると言われているためです。
長年にわたり、共に過ごしてきた大切な仏壇の魂抜きは不可欠です。
そばで見守っていてくれた仏壇に感謝の思いを込めて魂抜きの儀式をおこない供養します。
魂抜きとは
では、なぜ魂抜きをする必要があるのでしょうか?
最初に仏壇やお墓を購入したとき、ご先祖様や故人の魂を宿らせる「魂入れ」という儀式を行っているからです。
この魂入れによってご本尊が眼を開き、ご先祖様や故人の御霊が仏壇や位牌に宿ります。
入魂した仏壇は家族が手を合わせ供養する大切な対象物になります。
そのため、仏壇を移動させたり処分する際には、魂を抜く儀式が必要となるのです。
また、魂抜きは地域や宗派によって呼び方がさまざまです。
「閉眼供養(へいげんくよう)」や「お性根抜き(おしょうねぬき)」または「御霊抜き(みたまぬき)」などとも言われています。
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仏壇の魂抜きが必要となるタイミング
ここでは、仏壇の魂抜きが必要となるタイミングについていくつか紹介します。
仏壇を処分する際
仏壇を処分するときは、そのまま粗大ごみとして出すのではなく、魂抜きの儀式を行い供養します。
仏壇は長年にわたりご先祖様をお祀りしてきた神聖なものです。
魂抜きをすることによって、ただの箱となり抵抗なく処分することができます。
引っ越しする際
仏壇を他の家具などと一緒に荷造りしてよいものか、迷われる方も多いかと思います。
ご先祖様や大切な故人の魂が宿る仏壇は、引っ越しをする前に、魂抜きをしてもらうことをおすすめいたします。
魂抜きをすることで、魂が一旦仏壇から離れます。
ただの箱となった仏壇は、他の家具と同様に滞りなく引っ越し作業を進めることができます。
仏壇の魂抜きのやり方
では、具体的に仏壇の魂抜きはどのように行うのか解説していきます。
魂抜きは誰でも簡単にできるものではありません。
修業を積んだ僧侶に依頼し、仏壇の魂抜きの供養に来ていただきます。
必要なもの
魂抜きの際には一般的に以下のものを仏壇に用意します。
- 線香
- ろうそく
- 生花
- お供え物(お菓子や果物・故人の好物など)
- 数珠
- お布施・お車代
宗派や地域によっては他に魂抜きに際する準備が必要な場合もあります。
事前に依頼している菩提寺に確認することをおすすめします。
魂抜きの流れ
仏壇の処分が決まれば、まずは菩提寺やお近くの寺院に連絡し魂抜きの相談や日程を決めていきます。
前述した「必要なもの」は当日までに用意し、お布施やお車代も封筒に入れて準備します。
当日は僧侶が家に到着し、仏壇に向かい読経し魂抜きの儀式がはじまります。
お布施は魂抜きが終わってから僧侶に感謝を伝えお渡しします。
引越しの場合は、当日ではなく引越す1週間前には、魂抜きをしてもらえるように早めに段取りしましょう。
転居先に着いたら、今度は魂入れをする必要があります。
同市内への引っ越しの場合は魂抜きの日程を決める時に併せて、魂入れをお願いしておくとスムーズです。
遠方地の場合は宗派の兼ね合いもあるため、事前に調べておくか菩提寺に紹介してもらうのも一つの方法です。
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魂抜きの費用
では、魂抜きの儀式ではどれくらいの金額を包んだら良いのでしょうか?
お布施
宗派や地域によりますが、魂抜きのお布施は1万円〜3万円が相場といわれております。
あくまでも相場ですので金額に迷う場合は、寺院に直接問い合わせても問題ありません。
「お気持ちでけっこうです」といった返答の場合は、ご自身の経済状況に無理のない範囲で用意されてはいかがでしょうか。
注意したいのが、4万円は「死」を連想させる数字のため避けるのが無難です。
お車代
僧侶に自宅まで来てもらう場合は、お車代を別に用意します。
距離にもよりますが5,000円〜1万円が一般的で、魂抜きのお布施やお車代に使うお札は、新札を使用します。
包み方
「お布施」とプリントされた封筒、もしくは白無地の封筒や奉書紙でお札を包みます。
白無地の封筒の表書きは黒い筆ペンで「お布施」または「お車代」、下部には名字を書き入れます。
裏面には住所、氏名(フルネーム)、電話番号を記入します。
金額も書いておくとより丁寧です。
魂抜きの服装
仏壇の魂抜き時の服装は、平服で問題ないとされています。しかし、平服といっても、派手な色味やカジュアルすぎるのはタブーです。
魂抜きはご先祖様に感謝を伝える大切な法要ですので、黒や紺色などのシックな装いが無難です。
男性はダークカラーのスーツ、女性もダーク色のワンピースやスーツなどが良いでしょう。
お子様は制服や、落ち着いた色味の平服であれば問題ありません。
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仏壇の処分方法
魂抜きをした仏壇の処分方法は、大きく分けて4つ挙げられます。
菩提寺に依頼をする
日頃からお世話になっている菩提寺があれば、そこに依頼しましょう。
魂抜きのあと、そのまま引き取ってくれるところもあります。
処分料はお布施として1万円〜5万円が相場ですが、寺院によって異なりますので事前に確認が必要です。
仏具・仏壇店に依頼をする
仏具仏壇店の多くは、販売の他に仏壇の処分や引き取りのサービスを行っています。
仏壇の大きさや搬送する距離によって異なりますが2万円〜8万円程度です。
費用は高めな印象ですが段取りや手続きがスムーズで安心感があります。
専門業者に依頼をする
仏壇処分の専門業者は、処分するだけのところと魂抜きの供養も併せて執り行ってくれる業者があります。
処分料は2万円〜ですがサービスの内容と業者によって異なるため、必要に応じて適切な業者選びをする必要があります。
粗大ごみとして処分をする
粗大ごみとして出すのは抵抗があるかもしれませんが、魂抜きをした仏壇は言うなれば、ただの箱となります。
そのため、粗大ごみとして出すことは問題ありません。
処分費用は500円〜2,000円ほどです。
金額は仏壇の大きさと自治体によって変わりますが、費用は安く済ませることができます。
模様替えする際も魂抜きは必要?
家の中のレイアウトを変えるために、やむおえず仏壇を移動させなければならないという場合も魂抜きは必要なのでしょうか?
同じ家の中の移動では、魂抜きなどの供養の必要はありません。
男性2〜3人で仏壇を移動することが可能ですが、中の細々とした装飾品は取り出してから運ぶのが良いでしょう。
また、重たい仏壇を引きずって畳や床に傷が入ってしまわないように注意が必要です。
ここでもうひとつ気を付けたいのが、仏壇を移動する場所です。
日が当たりすぎる場所は仏壇の劣化を早めてしまうので、できるだけ直射日光が当たらず湿気の少ない場所を選ぶのがベストです。
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仏壇以外に魂抜きが必要なもの
最後に、仏壇以外に魂抜きが必要なものについて紹介します。
魂抜きが必要なもの
仏壇を処分する場合に、遺影はどうしたらよいのか迷うことがあります。
古く仏教の信仰がはじまった当初、写真を飾る風習はありませんでした。
そのため、仏教の教えと遺影は関係のないものと言われていますが、昨今は仏壇や家の中に遺影を置くのが一般的です。
家族が手を合わせ供養する対象となり、このようなことから遺影にも魂が宿っており魂抜きをするのが好ましいとされています。
仏壇の中に飾られていた位牌や掛け軸も、宗派によって魂の拠りどころや本尊としてお祀りしています。
いずれも供養する対象になっているため魂が宿っているといわれています。
神道ではご先祖様が家の守護神となり家族を守ってくれるといわれ、神棚を設置している家庭も多くみられます。
代々続くご先祖様や守り神が宿るものを処分したり、勝手に場所を変えてしまうのは気が引けるものです。
やむを得ない事情で神棚を処分や移動する場合も魂抜きを行い供養することで、家族の心の平安にも繋がります。
魂抜きが不要なもの
浄土真宗では、魂が宿るという概念がなく、仏壇の魂抜きはしません。
代わりに「遷仏法要(せんぶつほうよう)」という儀式で本尊の阿弥陀如来を移動する法要を行います。
宗派や寺院の方針によって、魂抜きを必要としない場合がありますので、処分に迷うときは菩提寺やお近くの寺院へ確認されてはいかがでしょうか。
仏壇の魂抜きまとめ
ここまで、仏壇の魂抜きについての流れや注意点などを解説してきました。
まとめると以下の通りです。
- 仏壇の処分や移動の時は魂抜きが必要
- 仏壇の処分が決まったらまず菩提寺に相談
- 魂抜きのお布施の相場は1万円~3万円
- 遺影や神棚も魂抜きをすることが好ましい
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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