法事法要
真言宗の位牌の特徴は?位牌の種類と仏壇の安置場所を説明!
更新日:2022.01.19 公開日:2022.01.19

記事のポイントを先取り!
- 真言宗の位牌に特に決まりはない
- 真言宗の位牌には梵字の「ア」を入れることが多い
- 本尊の大日如来は仏壇の上段・位牌は中段に祀る
- 戒名は寺院に相談の上で決める
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真言宗の位牌について
仏壇に向かい線香をあげる際は、位牌に手を合わせて供養します。
習慣的に行っている行動のため「位牌って何の意味があるの?」と聞かれると、意外にも答えられない方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、主に真言宗の位牌の特徴について解説します。
この記事を読むことで真言宗の位牌についての知識が深まり、位牌を購入して安置する際に役立ちます。
真言宗の戒名や戒名の決め方についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
位牌とは
故人の魂を祀り、戒名や没年月日、俗名などを記した木製の牌を位牌といいます。
位牌には故人の魂が宿っているとされ、葬儀中には祭壇、葬儀後には自宅の仏壇やお寺の納骨堂に安置します。
仏壇は家庭の中の小さな寺院とされていることから位牌とセットで用いられますが、最近では生活様式の変化により、位牌のみ祀る場合もあります。
お参りの際は位牌に向かって線香をあげ、手を合わせて供養します。
葬儀から四十九日法要までに使用する位牌を野位牌(のいはい)、四十九日法要の忌明け後に使用する位牌を本位牌と言います。
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真言宗では位牌の決まりはない
浄土真宗のように位牌を作らない宗派もありますが、真言宗は位牌を作るのが通例です。
また、仏具に関しての決まりは宗派によって異なりますが、真言宗に細かい決まりはなく、それは位牌に関しても同様です。
ここでは一般的に用いられる3つの位牌について解説します。
白木位牌
葬儀から四十九日法要までは仮位牌として、白木で造られた白木位牌を祭壇に祀ります。
白木位牌には戒名や没年月日などが記載されます。
地域によって、大小2つの白木位牌を用意するところもあります。
大きい方は自宅内で使用することから内位牌、一方小さい方は野辺送り、つまり故人の遺体を火葬場まで運ぶ際に喪主が持っていくことから野位牌といいます。
白木位牌は四十九日法要後、僧侶に依頼してお焚き上げをしてもらうことが一般的です。
本位牌
亡くなってから四十九日法要を迎えるまで、故人はあの世とこの世の間を彷徨っており、四十九日法要を経て初めて成仏できます。
そのため、四十九日法要までには本位牌を準備する必要があり、四十九日法要後は白木位牌から本位牌に替えて仏壇に祀ります。
本位牌には戒名や俗名、没年月日、亡くなった年齢などを記載します。
素材や加工により本位牌は大きく4つに分けられる本位牌の主な種類は塗位牌・唐木位牌・天然木位牌・モダン位牌です。
寺位牌
寺位牌は、自宅にある位牌とは別に寺院や寺院の本山に安置する目的で作られた位牌です。
なんらかの事情で自宅へ位牌を安置できない方や、自分の代で継承者がいなくなるために永代供養を望んでいる方などが寺位牌にする場合があります。
寺位牌は作成後、寺院で開眼供養してもらうほか、既存の寺位牌がある方は追加で名前を彫ってもらいます。
寺位牌は寺院に安置することで、他の寺位牌と一緒に供養してもらい、一定期間経過後はお焚き上げをして、霊位として永代供養されます。
寺院によって位牌の持ち込みができるかどうか、また供養してもらうための費用はそれぞれ異なりますので、わからない場合は併せて事前に確認すると良いでしょう。
真言宗の位牌の種類
先述した通り、真言宗の位牌の種類に決まりはありません。
ただし、仏壇に合わせやすいという観点から塗位牌や唐木位牌、回出位牌は多く使用されます。
ここでは、上記の3つの位牌について詳しく解説していきます。
塗位牌
ヒノキやベニマツ、シナなどの白い木の木地を漆塗りで仕上げ、金や蒔絵などの装飾を施した位牌が塗位牌です。
表面が黒く塗られていることから塗位牌と呼ばれています。
塗位牌は仕上げまでにかかる工程や塗りに使う素材、金箔など使用量により金額が大きく異なります。
位牌と聞くと一番に浮かぶのがこの塗位牌ではないでしょうか。
黒くシンプルなデザインが多いことから、さまざまな仏壇に合わせやすく、真言宗でも使用されています。
唐木位牌
唐木とは、仏壇にも使用される黒檀や紫檀などの木材をいいます。
東南アジアの高級木材を中国経由で日本に輸入したことから唐木と呼ばれ、唐木によって作られた位牌を唐木位牌といいます。
唐木は木目が美しく、木の温かみが感じられることが特徴です。
現在では唐木だけではなく、国内の屋久杉や欅のほか、東南アジア以外からも輸入された木材が使用されています。
真言宗では唐木仏壇が使用されることが多いため、それに合わせて唐木位牌の使用率も高くなります。
回出位牌
回出位牌(くりだしいはい)とは、ご先祖様の位牌が多くなった時にまとめて安置することができる位牌です。
一族が永続するとご先祖様の位牌の数が多くなり、仏壇内にスペースがなくなってしまいます。
通常、故人の弔い上げは33回忌か、もしくは50回忌で行うことが一般的ですが、仏壇に収まらなくなった場合には弔い上げの前に回出位牌に移すケースもあります。
回出位牌は戒名を彫刻する札板をまとめて入れる造りになっており、10程度の位牌がまとめられます。
ただし、亡くなってからあまり年月が経過していない故人の位牌を回出位牌でまとめることはマナー違反です。
あくまでも初めは本位牌を使用して故人を供養した後に、仏壇のスペースがなくなってきたタイミングで使用しましょう。
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真言宗の位牌の作り方

位牌は宗派によって作り方が異なります。
作り方の詳細を理解しておくことでスムーズに依頼し、準備することができます。
ここでは真言宗の位牌の作り方について解説していきます。
真言宗の位牌の文字
真言宗の位牌には以下の文字を記載します。
戒名
没年月日
俗名
没年齢
それぞれ説明していきます。
戒名
戒名とは仏弟子に入った証として与えられる名前です。
位牌の表面には戒名を入れます。
参考例 慈徳妙知信女位
没年月日
故人が亡くなった日を記します。
関東では位牌の表、関西では位牌の裏に記すことが一般的です。
わからない場合は事前に僧侶に確認すると良いでしょう。
俗名
故人の生前の名前をフルネームかもしくは名前のみ記します。
没年齢
亡くなった時の年齢を記します。
記し方は2通りあり、1つは没年齢の上に行年(ぎょうねん)、2つ目は没年齢の上に享年と記す方法です。
行年とはこの世に生まれ生きた年数である満年齢を表し、享年とは天から享(う)けた年数、つまり数え年を表すのが一般的です。
ただし、寺院によって異なる場合もありますので、事前に確認することをおすすめします。
真言宗の梵字
梵字とは古代インドで誕生した神仏を1字で表す文字です。
位牌の戒名の上には宗派によって異なる梵字を記載します。
真言宗の場合は「ア」の梵字を戒名の上に入れることがほとんどです。
ただし、必ず入れなければいけないという決まりはありませんので、入れなくてもかまいません。
ご先祖様の位牌に既に入っている方などは、統一するために入れることもあるでしょう。
戒名の下の置き字
故人の霊魂が極楽浄土に行けるかの判決が下る49日目までは、白木位牌の戒名の後ろに「霊位」と記し、四十九日法要後に祀る本位牌には、「位」のみ記すか、もしくは両方外します。
四十九日法要を境に、故人の霊は仏になると考えられていることから、このような置き字に表されます。
「没」「寂」の文字はあまり入れない
白木位牌には、没年月日の一番下に「没」や「寂」の文字が入ることがありますが、本位牌の場合にはほとんど使用されません。
戒名の置き字と同様にご先祖様の位牌と合わせると良いでしょう。
真言宗の位牌の安置場所
先述した通り、真言宗では仏具に関しての厳しい決まりはありませんので、通例に基づいた真言宗の位牌の安置場所を解説していきます。
真言宗のご本尊には、基本的に大日如来をお祀りします。
仏壇の飾り方は以下の通りです。
- 上段中央に大日如来、向かって右が弘法大師、左に不動明王
- 中段には位牌や過去帳
- 下段には香炉や燭台、花立
場合によっては仏壇の下に経机を置き、その上に仏具を並べることもあります。
他宗派の飾り方と違いはありませんので、基本的な置き方を重視すると良いでしょう。
真言宗の戒名について
戒名の下に書かれている文字の違いについて、知っている方は少ないのではないでしょうか。
戒名にはランクがあり、その高さによってお布施の金額は異なります。
ここでは、真言宗の戒名のランクとお布施の目安について解説します。
真言宗の戒名のランク
宗派によって戒名のランクは異なります。
真言宗の戒名のランクは以下をご覧ください。
- 男性の場合 院居士→居士→信士 参考例 〇〇院居士
- 女性の場合 院大姉→大姉→信女 参考例 〇〇院大師
戒名のお布施の目安
戒名を授かる際は、僧侶にお布施をお渡しします。
お渡しするお布施は戒名料と言われ、その金額によってランクが決まります。
ただし、戒名料に明確な定めはありません。
あくまで目安となりますが、戒名のお布施は以下の通りです。
- 院居士・院大姉 100万円〜
- 院信士・院信女 50万〜100万円
- 居士・大女 50万〜80万円
- 信士・信女 10万〜50万円
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戒名の決め方
戒名は寺院に相談してつけてもらうことが一般的です。
自身の希望はある程度聞いてもらえますが、好きなようにはつけられません。
稀に自身で戒名をお考えになる方がいらっしゃいますが、その際は菩提寺(ぼていじ)に確認が必要です。
ここでは、戒名には相応しくない、避けた方がよい文字について解説していきます。
相応しくない文字
戒名に相応しくない文字は三除の法と言われます。
1つ目は奇怪な難字です。
実在しない漢字や不思議な漢字をさします。
2つ目は無詮の空字です。
乃・也・於・但などの意味のない漢字です。
3つ目は不穏の異字です。
争・恥・敵・悩・死・狂・病などの発音が好ましくない漢字をいいます。
避けた方がよい文字
避けた方がよい文字は主に二種類あります。
1つは歴代天皇の尊号や年号、各宗派の開祖、高徳者、歴代本山の戒名などです。
2つ目は牛や馬、猿などの動物の名前です。
ただし、麟・龍・駿・鹿・亀・鳳・鶴は使用可能です。
真言宗の位牌まとめ

ここまで真言宗の位牌についての情報や、戒名について中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 位牌とは故人の魂を宿した牌
- 真言宗では仏具に決まりはない
- 真言宗では塗位牌・唐木位牌・回出位牌が使用されることが多い
- 真言宗は「ア」の梵字を戒名のうえにつけるのが一般的
- 真言宗の戒名は寺院に相談してつけてもらう
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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