法事法要
浄土真宗は何回忌まで法事をするの?年忌法要の流れやマナーについて紹介
更新日:2025.05.22 公開日:2021.10.27

記事のポイントを先取り!
- 浄土真宗の法事は冥福を祈るのではなく、故人を偲び仏法に触れるために営まれる
- 浄土真宗の年忌法要の種類は、一周忌から始まり三十三回忌で弔い上げをする
- 浄土真宗の香典の表書きは「御仏前」とする
浄土真宗は他宗派と一線を画する考え方をもちます。
そのため、法事のやり方が異なるのではと疑問に感じる方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では浄土真宗の回忌法要について解説します。
上記の順に浄土真宗の法事の特徴と、回忌の種類や法事のマナーについて解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
下記の記事では、年忌法要をいつまで続けるのかという内容について詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
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浄土真宗の法事に対する考え方

浄土真宗は他宗派と違い、「死即往生」という考え方があります。
死既往生は、成仏するために修行は必要なく、亡くなると自動的に極楽浄土に行けるという考えです。
阿弥陀如来の本願力で、念仏を唱えれば問題なく極楽浄土に行けるとされています。
浄土真宗は「即身成仏」という考え方のため、亡くなった人はすでに救われているのです。
したがって、遺族が故人の冥福を祈って善行とされる追善供養をする必要はありません。
法事を行う意味は、故人を偲び仏法に触れる機会を持つために営まれます。
浄土真宗の年忌法要について
浄土真宗では、年忌法要を通じて故人を偲び、仏法に触れる機会としています。他の宗派と異なり、冥福を祈るのではなく、故人が阿弥陀如来の救いにより極楽浄土へ往生したことを確認し、感謝の念を深める場とされています 。
浄土真宗における年忌法要の特徴
浄土真宗の年忌法要は、追善供養の考え方がないため、法要の意味や進め方が他宗派と異なる点が特徴です。
- 追善供養の概念がない:浄土真宗では、故人は亡くなった瞬間に阿弥陀如来の救いにより極楽浄土へ往生するとされており、追善供養のための法要は行いません。
- 法要の目的:故人を偲び、仏法に触れることで、遺族や参列者が信仰を深める機会とします。
- 用語の注意:「冥福を祈る」「供養する」といった表現は使用せず、「偲ぶ」「感謝する」といった言葉を用います。
年忌法要の種類と時期
年忌法要は、故人の命日(祥月命日)に行うのが基本です。以下に主な年忌法要をまとめました。
法要名 | 時期(故人の死後) | 備考 |
一周忌 | 1年目 | 最初の年忌法要で、親族や友人が参列することが多い |
三回忌 | 2年目 | 一周忌と同様に行われるが、規模はやや縮小される |
七回忌 | 6年目 | 親族中心で行われることが一般的 |
十三回忌 | 12年目 | 家族のみで行うことが多く、規模はさらに縮小される |
十七回忌 | 16年目 | 地域や家庭の事情により省略されることもある |
二十三回忌 | 22年目 | 省略されることが多いが、行う場合は家族のみで実施 |
二十七回忌 | 26年目 | 省略されることが多いが、行う場合は家族のみで実施 |
三十三回忌 | 32年目 | 弔い上げとされることが多く、故人の供養を締めくくる法要 |
年忌法要の準備と流れ
年忌法要を円滑に進めるためには、以下の準備が必要です。
- 日程の決定:祥月命日に近い週末など、参列者が集まりやすい日を選びます。
- 僧侶への依頼:菩提寺やお付き合いのあるお寺に法要の依頼をします。
- 案内状の送付:参列者に法要の日時・場所を知らせる案内状を送ります。
- 会場の手配:法要を行う場所や会食の会場を予約します。
- 供物や返礼品の準備:お供え物や参列者への返礼品を用意します。
- 当日の進行:僧侶の読経、焼香、会食などを滞りなく進めます。
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浄土真宗は法事は何回忌までやるの?

浄土真宗の法事に対する考え方がわかったところで、実際に浄土真宗は何回忌まで法要をするのでしょうか。
以下で解説します。
年忌法要は一般的に命日
浄土真宗の年忌法要は、一般的に命日の当日に営むのが正式なマナーです。
しかし、命日が平日の場合には、仕事や学校などで出席できないことがあります。
そのため、参列者が集まりやすい週末に営むケースが増えています。
年忌法要の日程を決める際には、命日よりも前の週末に日程を組みましょう。
弔い上げに決まりはない
浄土真宗においても弔い上げを、どの回忌にするかは正式には決まっていません。
弔い上げの時期はお寺の意向や、地域の慣習によるものが大きく影響します。
弔い上げをどの回忌のタイミングで行うかは、菩提寺との相談で決めると良いでしょう。
一般的に三十三回忌で弔い上げを行います。
浄土真宗の法事における参列者の作法
この章では、浄土真宗の法事におけるマナーを解説します。
香典・数珠・焼香と線香・服装について、詳しく見ていきましょう。
香典
香典の金額は故人との関係性に左右され、近親者の額が多い傾向にあります。
地域の慣習や宗派により多少の違いもあり、香典の金額は正式には決まっていません。
浄土真宗は「臨終即往生」ですので、直ぐに成仏するため霊魂という概念がありません。
他の宗派では、香典の表書きには「御霊前」としますが、浄土真宗では「御仏前」と書きます。
浄土真宗では亡くなって直ぐに仏様になるため、「御仏前」と書きます。
数珠
浄土真宗では念仏を唱える際、数取りの必要がないため、蓮如結びの房が特徴の数珠を用います。
浄土真宗本願寺派と真宗大谷派では、数珠の持ち方がそれぞれ異なります。
浄土真宗本願寺派では、数珠を二重にして合掌した手に掛け、房を下に垂らすようにします。
真宗大谷派では、二重にした数珠を両手に掛けて、房は上から左側に垂らすようにします。
間違えることがないように、法事に参加する前に確認しておきましょう。
焼香・線香
他の宗派の焼香は、御香をつまんで額に押しいただくことが一般的です。
しかし、浄土真宗では、御香を額に押しいただくことはしません。
御香をつまんだら、そのまま香炉の炭の上にくべるのが浄土真宗の焼香の作法です。
焼香の回数について浄土真宗本願寺派は1回、真宗大谷派では2回とされています。
焼香は宗派により異なりますので、注意しましょう。
線香の立て方についても浄土真宗の作法は、他の宗派とは異なります。
線香は香炉に立てるのではなく、一本の線香を二つか三つに折って寝かせる「寝線香」が正式な作法です。
服装
法事では何を着てけばいいのかよくわからない方も多くいらっしゃると思います。
男性と女性にわけてそれぞれ解説します。
男性
浄土真宗の法事での服装は、略喪服とされるダークスーツで問題ありません。
男性は黒や紺・グレーのスーツで問題ありませんが、カジュアルなものは避けましょう。
ネクタイや靴下・靴は基本的には黒にして、光沢のないものが無難です。
葬儀とは違い、必ず黒でなければならないことはなく、地味な色なら差し支えありません。
女性
女性は黒や紺・グレーなどのワンピース・アンサンブルスーツが良いでしょう。
バッグや靴・ストッキングについても、黒色を用意するようにしてください。
スカートの丈が短いものや、襟元が広く開いているような肌を露出する服はNGです。
髪型やメーク・アクセサリーなども、派手で華やかににならないように注意しましょう。
浄土真宗の法事は仏縁を頂くとされる場ですので、落ち着いた印象の装いにします。
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浄土真宗の合掌・礼拝の仕方

浄土真宗の阿弥陀如来へのご挨拶は、合掌・礼拝に始まり、合掌・礼拝に終わります。
礼拝は「御仏のお徳をたたえ、敬うこと」ですので、穏やかな気持ちで続けましょう。
仏壇を掃除して整えたら、線香1本を2つか3つに折って横に寝かせて香炉に供えます。
お仏飯を供えて(ただしお茶湯は供えません)、お灯明に火をともします。
合掌・礼拝の前に数珠を、両手の親指と人差し指の間にかけます。
房は下に垂らすようにして、指を揃えて45度上方に伸ばしたら合掌・礼拝に進みます。
合掌した両手を、みぞおちの辺りに手首がくるように、胸の前で合わせます。
合掌をする際は、両手はななめ45度になるようにし、肩と肘を張らず背筋を伸ばします。
南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)と声に出して、念仏を何度か称えます。
首は曲げずに腰から上体を45度に傾けて前に倒し、数秒そのままで保ちます。
目はつぶらずゆっくりとした動作で、上体を元にもどし、合掌をときます。
お経を称える場合は、聖典をいただき、リンを2回鳴らします。
そして正信偈(しょうしんげ)・讃仏偈(さんぶつげ)を称えますが、ふしをつけずに称えるようにしましょう。
続いて浄土真宗では最も大事な意味を持つ重誓偈(じゅうせいげ)を、ふしをつけて称えます。
お経の最後に、リンを3回鳴らしてから、もう一度聖典をいただいて閉じます。
お経が終わりましたら、合掌・礼拝をして念仏を称えて終了とします。
浄土真宗の法事の回忌まとめ

ここまで浄土真宗の法事への考え方の情報や、回忌の種類と法事マナーの情報を中心に解説しました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 浄土真宗の法事は冥福を祈るのではなく、故人を偲び仏法に触れるために営まれる
- 浄土真宗の年忌法要の種類は、一周忌から始まり三十三回忌で弔い上げをする
- 浄土真宗の香典の表書きは「御仏前」とする
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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